第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社においては、泊発電所の停止が長期化しており、主力である電力小売で激しい競争が続いている。また、国際情勢の変化により燃料価格が高騰するなど、経営環境は厳しさを増している。このような状況のもと、当社は、電力販売におけるサービスの充実やアライアンスの拡大による販売活動の強化をはじめとする収入拡大やカイゼン活動・DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進などによる費用低減を通じた経営基盤の強化に取り組んできた。

2021年度の連結経常利益は、発電設備に係る修繕費の減少や好調な卸販売などによる増加はあったが、前年度の寒波の影響や燃料価格の上昇などにより、前連結会計年度に比べ273億20百万円減の138億30百万円となった。

 

2020年4月、ほくでんグループは「ほくでんグループ経営ビジョン2030」を定め、その達成に向けて取り組みを開始した

 

 <「ほくでんグループ経営ビジョン2030」における利益・財務・環境目標>

項 目

2030年度までに目指す目標

連結経常利益

第Ⅰフェーズ(泊発電所の再稼働前)  :230億円以上/年

第Ⅱフェーズ(泊発電所の全基再稼働後):450億円以上/年

連結自己資本比率

15%以上を達成し、さらなる向上を目指す

CO2排出量

発電部門からのCO2排出量を2013年度比で50%以上低減(△1,000万t以上/年)

 

 

また、2021年4月、脱炭素化に向けた取り組みとして『ほくでんグループ「2050年カーボンニュートラル」を目指して』を公表した。「ほくでんグループ経営ビジョン2030」の取り組みをより一層深化させ、2050年の北海道におけるエネルギー全体のカーボンニュートラルの実現に最大限挑戦していく。

その実現に向けては、再生可能エネルギーの導入拡大や泊発電所の早期再稼働、火力発電所の脱炭素化などに取り組み「発電部門からのCO排出ゼロ」を目指すとともに、カーボンニュートラルを電力需要拡大の好機と捉え、電化の流れを創出し、グループワイドでの収入拡大につなげていく。

さらに、オール北海道での幅広い連携や協働に努め、脱炭素化と経済の活性化や持続可能な地域づくりを同時に進める「ゼロカーボン北海道」の実現に貢献していく。

 

[2022年度の取り組み事項]

 

(1) 経営基盤の強化

 ① 収入拡大に向けた取り組み

新電力との競争が厳しさを増すなかでも多くのお客さまに「ほくでん」をお選びいただけるよう、電気と都市ガスで多様な料金プランをご用意するとともに、他企業とのアライアンスを積極的に進め、総合エネルギー企業としてお客さまのエネルギーに関するさまざまなご期待に応えていく。

ご家庭向けには、従来からお客さまのニーズやライフスタイルに合わせた多様な料金プラン(エネとくS・M・Lプランなど)をご用意している。足元ではエネルギー価格が高騰している状況であり、お客さまのご負担軽減につながることから、引き続き積極的におすすめしていく。

また、戸建住宅を新築されるお客さまを対象に、初期費用のご負担なしに太陽光発電設備を設置いただけるサービス「ふらっとソーラー」を開始した。太陽光発電と相性の良い「蓄電池」「エコキュート」「EV(電気自動車)充電設備」といった機器利用のオプションを設け、省エネ・クリーン・安心・快適な「スマート電化住宅」をご提案し、電化の拡大を図る。

法人のお客さま向けには、エネルギーの調達から運転・保守、管理までを一括して提供するESP(エネルギーサービスプロバイダ)事業や、100%再生可能エネルギー由来の電力をお届けする「カーボンFプランプレミアム」などの環境対応型料金プランのご提案により、エネルギー利用の効率化やRE100※への対応といった、お客さまのご要望にお応えするトータルソリューションサービスを展開していく。

電力卸分野においては、卸電力市場や相対卸契約の積極的な活用によって販売機会を増やしていく。

また、2022年4月からEVのカーシェアリング実証事業を実施するなど、EVの普及拡大に向けた取り組みを推進していく

※RE100:企業が事業活動に必要な電力の100%を再生可能エネルギーで賄うことを目指す枠組み。

 

 

 

② 効率化・費用低減に向けた取り組み

2018年にカイゼン活動を導入して以降、ほくでんグループ全体で2,000件以上のプロジェクトを展開している。カイゼン活動による高い効果が期待できる、発電所における大型工事や大量の定型作業などのプロジェクトを確実に推進し、さらなる効率化・費用低減を実現していく。

また、2022年2月、経済産業省が定める認定制度に基づきDX認定※を取得した。デジタル技術を活用した業務の高度化・効率化を図るとともに、カイゼン活動との相乗効果を高め、デジタル化による効果の最大化を目指す。

※DX認定:「デジタルによって自らのビジネスを変革する準備ができている状態(DX-Ready)」であることが確認できた企業に与えられる国の認定。北海道に本社を置く企業として当社が初めて取得。

 

(2) 再生可能エネルギーの導入拡大・水素社会の構築に向けた取り組み

ほくでんグループは「ほくでんグループ経営ビジョン2030」において、2030年までに30万kW以上の再生可能エネルギー電源を新たに開発することを目標にしている。再生可能エネルギーの開発に関する専任組織を2022年5月に設置し、風力、地熱、バイオマスなどの電源開発に向けた取り組みを加速していく。

2021年10月、道南地域の水力発電所を効率的にリプレースし、その後の発電事業を長期安定的に行うため、三菱商事株式会社とのアライアンス事業を実施することとし、貴重な水資源の有効活用に努めていく。加えて、2022年3月、苫小牧東部地域における木質バイオマス発電事業に参画した。

水素の利活用に向けては、2021年7月、当社の提案により「北海道水素事業プラットフォーム」を設立した。また、2022年3月、水の電気分解による水素製造装置に関する事業が、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業として採択された。この装置は、再生可能エネルギー電源の出力変動を吸収する技術として注目されている。当社は、道内外の企業と連携し、水素サプライチェーン構築の早期実現、将来的には北海道が国産クリーン水素活用のパイオニアになることを目指していく。

 

(3) 泊発電所の早期再稼働と安全性向上

原子力発電は、燃料供給の安定性、長期的な価格安定性を有するとともに、技術的に確立した脱炭素電源としてカーボンニュートラルの実現に向けて貢献する重要な基幹電源である。

2021年7月、泊発電所の新規制基準の適合性審査において、当社が最優先課題と位置づけてきた「発電所敷地内断層の活動性評価」について、原子力規制委員会から「おおむね妥当な検討がなされている」との評価をいただいた。引き続き、その他の主要な審査項目も含めて、総力をあげて取り組み、安全性の確保を大前提とした泊発電所の早期再稼働に向け対応を進めていく。

福島第一原子力発電所のような事故を決して起こさないとの強い決意のもと、地震や津波などの自然現象によって、電源や冷却設備などの原子力発電所の安全を守る機能が失われることのないよう、多重・多様な安全対策を進めていく。また、それでも炉心が損傷するような、設計の想定を超える重大事故は起こりうるとの考え方に立ち、重大事故発生に備えた設備の設置やそれらの設備を用いた継続的な訓練にも取り組んでいる。「世界最高水準の安全性」の実現に向け、自らの活動の評価・改善を重ね、北海道のみなさまから信頼していただける発電所を目指していく。

 

 (4) 電力の安定供給確保に向けた取り組み

S+3E(安全性の確保を大前提に、エネルギーの安定供給、経済効率性、環境適合)の観点からバランスの取れた、競争力のある電源構成の構築に取り組むとともに、2050年のカーボンニュートラルを見据えた電源構成の検討を進めていく。

送配電事業を担う北海道電力ネットワーク株式会社においては、レジリエンス(災害等に対する回復力・復元力)を強化し、安定供給の確保と再生可能エネルギーの接続拡大を両立する次世代型電力ネットワークの構築に向けて取り組んでいくとともに、北海道と本州を結ぶ長距離海底直流送電に関する国の検討についても、技術的課題などの検討に協力していく。

 

 

 (5) ESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取り組み

ほくでんグループは「人間尊重・地域への寄与・効率的経営」の経営理念のもとで持続的な成長を続けていくために、あらゆる業務執行においてESGをより重視していく。

発電における脱炭素化、エネルギー需要における電化拡大による需給両面の取り組みにより、カーボンニュートラルの実現に向けて最大限挑戦するとともに、CO排出量の削減方策など環境関連情報を積極的に開示し、ステークホルダーのみなさまとの対話を推進する。

北海道の発展こそがほくでんグループの事業基盤になるとの認識に立ち、地域課題の克服や経済活性化などに取り組み、自治体や地域の企業と連携する「共創」の取り組みを通じて新たなビジネスにつなげていく。当社は、大樹町がロケット射場に関連する製造・研究開発、観光業など、幅広い産業の集積を目指して推進する「北海道スペースポート(HOSPO)構想」へ、出資などを通じて参画している。

2022年3月、道内企業としては初めて経済産業省と東京証券取引所による「健康経営銘柄2022」に選定された。また、女性活躍推進をはじめとするダイバーシティ推進の取り組みなどを通じて、従業員の能力を最大限発揮できる職場環境づくりに取り組んでいく。

「コーポレートガバナンス・コード」の趣旨に則り、ステークホルダーのみなさまに適時・適切な情報開示を行うとともに、グループを取り巻く環境変化への的確な対応を念頭に、業務執行の機動性に優れ、経営プロセスの透明性が向上するなどの利点がある「監査等委員会設置会社」へ、2022年6月の株主総会の決議により移行し、透明・公正かつ迅速果断な意思決定を支えるコーポレートガバナンスのさらなる充実に努める。

 

当社は以上の取り組みを通じて、総合エネルギー企業として、企業価値の向上を図るとともに、北海道の発展と持続可能な社会の実現に貢献していく。

 

  なお、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものである。

 

2 【事業等のリスク】

ほくでんグループの業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがある。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月29日)現在において判断したものである。

ほくでんグループでは、これらのリスクを認識した上で、発現の回避や発現した場合の対応に努めていく。

 

(1) 原子力発電の状況

 泊発電所の安全確保を経営の最重要課題と位置づけ、社長のトップマネジメントのもと、「安全性向上計画」に基づき、安全性のより一層の向上に取り組んでいる。具体的には、原子力発電所の新規制基準への適合はもとよりさらなる安全性・信頼性向上に向けた安全対策工事や、重大事故などを想定した原子力防災訓練の実施など、安全対策の多様化や重大事故等対応体制の強化・充実に取り組んでいる。また、新規制基準の施行を受け、原子炉設置変更許可申請などを提出し、適合性審査への対応に取り組んでおり、「震源を特定せず策定する地震動評価」「日本海東縁部に想定される地震による津波の再評価」「火山活動の可能性評価、降下火砕物の層厚の再評価」「地震による防潮堤地盤の液状化の影響評価」「津波により防波堤が損傷した場合の発電所設備への影響評価」などへの対応を進めている。 
 しかしながら、今後の審査の状況などによって泊発電所の停止がさらに長期化し燃料費の増大が続く場合などには、業績に影響が及ぶ可能性がある。 

 

(2) 設備障害

 発電設備や流通設備については、点検・保守の着実な実施などにより設備の信頼性維持に努めているが、自然災害や故障等により設備に障害が生じた場合には、その復旧工事や発電所の停止に伴う他の発電所の焚き増しなどのために費用が増加する可能性がある。

 

(3) 電気事業を取り巻く制度の変更等

電気事業のさらなる競争活性化等を目的とした市場やルールの整備・見直しなど、国の制度変更により、業績に影響が及ぶ可能性がある。

原子力発電に伴う原子力バックエンド事業は、超長期にわたる事業であり不確実性を伴うが、使用済燃料の再処理や放射性廃棄物の処分のために必要となる費用については、法令等に基づき算定した金額を拠出する制度が措置されており、原子力発電施設を解体するために必要となる費用については、その総見積額を見込運転期間にわたり費用計上する制度が法令等により措置されている。これらの制度措置により、事業者のリスクは軽減されているが、当該制度が見直される場合は、業績に影響が及ぶ可能性がある。 

また、全国の電気事業者からなる「電気事業低炭素社会協議会」の一員としてCO排出原単位の低減に努め、2030年度に発電部門からのCO排出量の2013年度比半減以上(1,000万トン以上低減)を目指しているが、地球温暖化対策に関する環境規制などが導入された場合は、業績に影響が及ぶ可能性がある。

 

(4) 燃料・卸電力市場価格の変動

燃料調達費用については、足元ではウクライナ情勢の影響により燃料価格が大きく変動している。電力購入費用については、卸電力市場価格の変動により影響を受ける。そのため、バランスのとれた電源構成を目指すとともに、長期契約・スポット調達の組み合わせや調達先など契約方法の多様化、デリバティブ取引の活用などにより価格変動リスクの分散・回避に努めている。また、燃料費調整制度により、燃料価格の変動は一定の範囲内で反映されることから、業績への影響は緩和される。

 

(5) 電力需要・販売電力量の変動

  景気の悪化や新型コロナウイルスの感染拡大などによる経済活動・生産活動の低下、省エネルギーの進展、人口の減少、気温の影響などにより電力需要が減少した場合や、他事業者との競争激化により販売電力量が減少した場合には、業績に影響が及ぶ可能性がある。

 

(6) 降雨降雪量の変動

年間の降雨降雪量により、豊水の場合は燃料費の低減要因、渇水の場合は燃料費の増加要因となることから、業績に影響が及ぶ可能性がある。

なお、「渇水準備引当金制度」により一定の調整が図られるため、業績への影響は軽減される。

 

 

(7) 金利の変動

 ほくでんグループの有利子負債残高は、2021年度末で1兆3,853億円であり、今後の市場金利の動向によっては、業績に影響が及ぶ可能性がある。
 ただし、ほくでんグループの有利子負債残高の大部分は固定金利で調達していることなどから、業績への影響は限定的と考えられる。

 

(8) 電気事業以外の事業

 電気事業以外の事業については、事業内容の事前評価、事業運営の適切な管理に努めているが、事業環境の悪化などにより、当初の見込みどおりの事業遂行が困難になる可能性がある。

 

(9) 感染症の拡大

 電力の安定供給確保に向け、主に以下の新型コロナウイルス感染症への感染防止対策を実施しているが、感染拡大により業務遂行への支障が生じた場合は、業績に影響が及ぶ可能性がある。

・社内体制を整備し、感染防止対策や事業継続等に必要な指示・情報を適宜周知・発信

・電力供給上重要な施設において、感染者が発生した場合に備え、代替の直勤務編成や応援体制等を構築

・社内において、会議・出張の制限やテレワーク・時差出勤、執務スペースの分離、従業員の分散配置などを実施

・受付窓口において、仕切りや消毒用アルコールの設置など、感染防止対策を徹底

 

(10) コンプライアンスの遵守

 「ほくでんグループCSR行動憲章」や「コンプライアンス行動指針」を定め、コンプライアンスの遵守を徹底しているが、法令違反や企業倫理に反する行為が発生した場合、社会的信用が低下し、業績に影響が及ぶ可能性がある。

 

(11) 情報の管理

 ほくでんグループが保有するお客さま等に関する業務情報については、情報セキュリティの確保や社内ルールの整備、従業員教育の実施により厳正な管理に努めているが、情報流出により問題が発生した場合、社会的信用が低下し、業績に影響が及ぶ可能性がある。

 

 なお、上記のリスクのうち、合理的に予見することが困難であるものについては、可能性の程度や時期、影響額を記載していない。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用に伴い、「電気事業会計規則」が改正され、当連結会計年度から再生可能エネルギー固定価格買取制度に関する影響額について収益及び費用計上の対象外となった。

 この改正を過去の期間に遡及適用しており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析については、遡及適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っている。

 

(1) 経営成績の分析

① 経営成績

 当連結会計年度の連結決算の売上高は、前連結会計年度に比べ782億10百万円(13.4%)増の6,634億14百万円となり、これに営業外収益を加えた経常収益は、799億13百万円(13.6%)増の6,668億14百万円となった。これは、卸販売が好調であったことや燃料価格の上昇に伴う燃料費調整額の増加などによるものである。小売販売電力量は、積極的な営業活動を展開しているが、引き続き厳しい競争環境にあることや気温の影響による暖房需要の減少などから、対前年度増減率△2.3%となった。他社販売電力量は、卸販売が好調であったことなどから、対前年度増減率100.6%となった。

 一方、経常費用は、前連結会計年度に比べ1,072億33百万円(19.6%)増の6,529億83百万円となった。

 以上により、経常利益は、前連結会計年度に比べ273億20百万円(△66.4%)減の138億30百万円となった。これは、発電設備に係る修繕費の減少や好調な卸販売などによる増加はあったが、前年度の寒波の影響や燃料価格の上昇などによるものである。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ292億90百万円

(△81.0%)減の68億64百万円となった。これは、経常利益の減少に加え、インバランス収支還元損失15億19百万円を特別損失に計上したことなどによるものである。

 

 セグメント別の経営成績(セグメント間取引消去前)は、次のとおりである。

 

 [北海道電力]

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ592億62百万円(11.0%)増の5,979億34百万円となり、経常利益は、前連結会計年度に比べ242億26百万円(△66.9%)減の120億円となった。これは、発電設備に係る修繕費の減少や好調な卸販売などによる増加はあったが、前年度の寒波の影響や燃料価格の上昇などによるものである。

 

 [北海道電力ネットワーク]

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ242億26百万円(9.9%)増の2,679億99百万円となり、経常損益は、前連結会計年度に比べ56億41百万円減の44億44百万円の損失となった。これは北海道エリアの需要が低位で推移する中、カイゼン活動の積極的な推進をはじめ、経営全般にわたる効率化に努めたが、需給調整に係る費用が増加したことなどによるものである。

 

 [その他]

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ32億89百万円(△2.4%)減の1,363億31百万円となり、経常利益は、前連結会計年度に比べ32億19百万円(67.9%)増の79億65百万円となった。これは主に電気通信事業の携帯電話事業者への回線提供収入が増加したことなどによるものである。

 

 

 生産、受注及び販売の実績

 当社及び連結子会社の業種は広範囲かつ多種多様であり、また、「北海道電力」が担う発電・小売事業や「北海道電力ネットワーク」が担う一般送配電事業、離島における発電事業が事業の大半を占めることから、当該事業の発受電実績、販売実績及び資材の状況についてのみ記載している。

 

    a.発受電実績

 

種別

 

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

対前年度増減率(%)

発受電電力量

水力発電電力量

(百万kWh)

3,454

0.1

火力発電電力量

(百万kWh)

19,554

8.6

原子力発電電力量

(百万kWh)

新エネルギー等発電電力量

(百万kWh)

113

△12.1

(百万kWh)

23,121

7.1

他社受電電力量

(百万kWh)

9,901

23.8

揚水発電所の揚水用電力量

(百万kWh)

△203

△ 9.6

合計

(百万kWh)

32,819

11.8

出水率(自流)

(%)

96.2

 

(注) 1 他社受電電力量には、連結子会社の北海道パワーエンジニアリング㈱及びほくでんエコエナジー㈱
からの受電電力量が含まれている。

 2 揚水発電所の揚水用電力量とは貯水池運営のための揚水用に使用する電力である。

 3 出水率は、自社の1990年度から2019年度までの当該累計期間の30ヶ年平均に対する比である。

 

  b.販売実績

 

種別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

対前年度増減率(%)

販売電力量
(百万kWh)

小売

低圧

電灯

8,365

△4.6

電力

1,980

△3.4

 計

10,345

△4.3

高圧・特別高圧

11,734

△0.5

   小計

22,079

△2.3

その他

86

11.4

   合計

22,165

△2.3

他社販売

7,765

100.6

料金収入
(百万円)

電灯・電力料

460,881

5.7

地帯間・他社販売電力料

108,491

89.3

託送収益

49,457

△1.1

 

(注) 1 販売電力量の小計欄は、北海道電力㈱の販売電力量を示す。

   2 販売電力量のその他欄は、北海道電力ネットワーク㈱及び北海道電力コクリエーション㈱の販売電力量
を示す。

 

   c.資材の状況

  石炭、重油及びLNGの状況

 

品名

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

期首残高

受入量

  対前年度

   増減率(%)

払出量

   対前年度

   増減率(%)

期末残高

石炭(t)

694,500

4,244,106

△ 1.9%

4,595,691

6.4%

342,915

重油(kℓ)

143,564

735,360

58.9%

793,869

56.5%

85,055

LNG(t)

87,350

398,518

△21.5%

401,733

△11.3%

84,135

 

 (注) 本表には、当社及び北海道電力ネットワーク㈱の主な使用燃料を記載している。

   

(2)財政状態の分析

 [資産]

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ87億71百万円減の1兆9,928億79百万円となった。これは、固定資産仮勘定の増加や燃料価格の上昇による棚卸資産の増加などはあったが、減価償却による電気事業固定資産の減少などによるものである。

 [負債]

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ47億55百万円減の1兆7,071億61百万円となった。これは、有利子負債の減少などによるものである。

 [純資産]

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ40億15百万円減の2,857億17百万円となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上はあったが、配当金の支払いや退職給付に係る調整累計額の減少などによるものである。

 以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は前連結会計年度末の13.8%から0.1ポイント減少し、13.7%となった。

  

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ51億27百万円増の888億94百万円となった。

   

 [営業活動によるキャッシュ・フロー]

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ342億9百万円減の1,023億37百万円の収入となった。これは、税金等調整前当期純利益の減少などによるものである。

 

 [投資活動によるキャッシュ・フロー]

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ78億87百万円減の777億20百万円の支出となった。これは、固定資産の取得による支出の減少などによるものである。

 

 [財務活動によるキャッシュ・フロー]

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の減少などにより、194億89百万円の支出となった。

 

 

(4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報

ほくでんグループの資金需要は、主に電気事業に係る設備投資や債務償還に必要な資金であり、自己資金のほか、社債の発行及び金融機関からの借入により調達を行っている。また、短期的な資金需要にはコマーシャル・ペーパーを活用している。

資金調達にあたっては、月次での資金繰計画に基づく適切な資金管理を行っており、緊急の資金需要に対しては、現金及び現金同等物の保有に加え、当座貸越契約やコミットメントライン契約により充分な流動性を確保している。

なお、2021年12月には、再生可能エネルギーの開発等に資金使途を限定した社債「北海道電力グリーンボンド(第372回債)」を当社として初めて発行し、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを進めていく上での資金調達の多様化・安定化に努めている。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

ほくでんグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり採用する重要な会計方針については「第5経理の状況」に記載している。

ほくでんグループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、重要なものについては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載している。

 

(6)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

ほくでんグループは、2021年度は「ほくでんグループ経営ビジョン2030」で示した第Ⅰフェーズの経営目標「連結経常利益230億円以上/年」を目指し、電力販売におけるサービスの充実やアライアンスの拡大による販売活動の強化や、カイゼン活動・DXの推進などによる費用低減を通じた経営基盤の強化に取り組んだ。

2021年度の連結経常利益は、「連結経常利益230億円以上/年」の目標に対して、発電設備に係る修繕費の減少や好調な卸販売などによる増加はあったが、前年度の寒波の影響や燃料価格の上昇などにより、前連結会計年度に比べ273億20百万円減の138億30百万円となった。また、連結自己資本比率は、13.7%となり、2030年度までに15%以上の達成を目指している。

2030年度までに目指す経営目標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」へ記載している。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項なし

 

5 【研究開発活動】

 当連結会計年度における研究開発費の総額は2,514百万円である。内訳としては、「北海道電力」が2,508百万円、「その他」が5百万円である。なお、「北海道電力」の研究開発費には、北海道電力ネットワーク㈱から委託を受けた研究開発が含まれている。

 ほくでんグループにおける研究開発は、当社の総合研究所が中心となって推進しており、経営計画等に基づいた研究開発を重点的に実施している。当連結会計年度における主な研究開発は次のとおりである。

 

 (1)電力の安定供給とコストダウン

 電力設備の保守効率化・高度化、環境負荷低減を目的に、送配電設備においては、配電用コンクリート柱の中間部劣化診断、難着雪低風圧電線の開発などに関する研究に取り組んでいる。

 加えて、発電設備においては、発電所におけるドローン活用、デジタル化技術を用いた土木設備点検、発電所取水路への付着生物低減対策、発電所脱硝触媒の性能評価などの研究に取り組んでいる。

 

 (2)競争環境への対応

 効率的なエネルギー利用・販売活動支援として、寒冷地型ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)に適用できる先進的空調システムの実証、ESP(エネルギーサービスプロバイダ)事業を目的としたEMS(エネルギーマネジメントシステム)の実用化研究、家庭分野の新たなエネルギーサービス創出に向けた研究などに取り組んでいる。

 

 

 (3)新たな時代の安定供給の実現

 カーボンニュートラルの達成に向けて、VPP(バーチャルパワープラント)モデルに関する調査研究、家畜系バイオガスプラントを活用した地域エネルギーモデルの構築、水素サプライチェーンの事業可能性調査などを実施している。

 

 (4)新たなエネルギーサービスの展開

 地域の課題解決やエリア需要拡大に資する新規事業モデルの創出を目指し、EV利活用モデルの立案、寒冷地に対応した中~小規模植物工場モデルの実証、農業分野における新たな光利用の実用化などに取り組んでいる。

 

 (5)オープンイノベーションの推進

 共創や協働の一層の拡大による迅速な研究開発や事業モデルの実証、地域との接点や信頼の確保、当社や地域課題の解決、ほくでんブランドの醸成を目指している。