当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は,緩やかな回復を続けている。設備投資は,企業収益が明確な改善を続けるなかで,緩やかな増加基調にある。雇用・所得環境の着実な改善を背景に,個人消費は底堅く推移しているほか,住宅投資も持ち直している。公共投資は,緩やかな減少傾向に転じているが,引き続き高水準で推移しており,生産は,横ばい圏内の動きが続いている。
東北地域における経済も,緩やかな回復を続けている。設備投資は堅調に推移しており,雇用・所得環境の改善を背景に,個人消費は底堅く推移しているほか,住宅投資は,持家を中心に増加している。公共投資は,震災復旧関連工事を中心として高水準で推移しており,生産は,弱含んでいる。
このような状況のなかで,当第3四半期連結累計期間の企業グループの収支については,収益面では,当社において,「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に基づく再エネ特措法交付金が増加したものの,販売電力量の減少や燃料費調整額の影響などにより電灯・電力料が減少したことなどから,売上高(営業収益)は前年同四半期に比べ421億円(2.7%)減の1兆5,222億円,四半期経常収益は前年同四半期に比べ391億円(2.5%)減の1兆5,303億円となった。
一方,費用面では,安定供給維持のための修繕費が増加したものの,燃料価格の低下などに伴い燃料費が大幅に減少したほか,経費全般にわたり効率化の実施に努めたことなどから,四半期経常費用は前年同四半期に比べ610億円(4.1%)減の1兆4,125億円となった。
この結果,経常利益は前年同四半期に比べ219億円(22.9%)増の1,178億円となった。
また,親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同四半期に比べ84億円(11.9%)増の791億円となった。
なお,当第3四半期連結累計期間におけるセグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は次のとおりである。
[電気事業]
販売電力量は,東日本大震災からの復興の動きなどが続いているものの,前年に比べ春先や冬場の気温が高く夏場後半の気温が低めに推移したことによる冷暖房需要の減少や節電への取り組みに加え,大口電力における一部での生産設備の稼働減などから,前年同四半期に比べ1.9%減の537億キロワット時となった。
このうち,特定規模需要以外の需要については,2.3%減の182億キロワット時,特定規模需要については,1.6%減の355億キロワット時となった。
これに対応する供給については,原子力発電所の運転停止などに伴う供給力の減少が引き続きあるものの,火力発電所の補修時期の調整などにより安定した供給力を確保した。
収支の状況については,売上高は,「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に基づく再エネ特措法交付金が増加したものの,販売電力量の減少や燃料費調整額の影響などにより電灯・電力料が減少したことなどから,前年同四半期に比べ346億円(2.5%)減の1兆3,566億円となった。一方,営業費用は,安定供給維持のための修繕費が増加したものの,燃料価格の低下などに伴い燃料費が大幅に減少したほか,経費全般にわたり効率化の実施に努めたことなどから,前年同四半期に比べ415億円(3.3%)減の1兆2,356億円となった。
この結果,営業利益は前年同四半期に比べ68億円(6.0%)増の1,209億円となった。
[建設業]
売上高は,電力関連工事が増加したことなどから,前年同四半期に比べ41億円(2.2%)増の1,929億円となった。一方,営業費用は,売上高増加に伴い工事原価が増加したことなどから,前年同四半期に比べ14億円(0.8%)増の1,846億円となった。
この結果,営業利益は前年同四半期に比べ26億円(47.5%)増の82億円となった。
[その他]
売上高は,製造業において増加したことなどから,前年同四半期に比べ161億円(10.8%)増の1,655億円となった。一方,営業費用は,製造業における増加などから,前年同四半期に比べ142億円(10.2%)増の1,538億円となった。
この結果,営業利益は前年同四半期に比べ18億円(19.4%)増の116億円となった。
資産は,減価償却の進行などによる固定資産の減少や,受取手形及び売掛金などの流動資産が減少したことから,前連結会計年度末に比べ319億円(0.8%)減の4兆992億円となった。
負債は,長期借入金などの有利子負債が減少したことなどから,前連結会計年度末に比べ968億円(2.8%)減の3兆3,831億円となった。
純資産は,親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことなどから,前連結会計年度末に比べ648億円(10.0%)増の7,161億円となった。
この結果,自己資本比率は,前連結会計年度末から1.6ポイント上昇し,16.2%となった。
当社は,東日本大震災で受けた甚大な設備被害から復旧を果たし,最大限の経営効率化などにより,大きく傷ついた経営基盤も回復の道を歩みつつある。
一方,今年4月からの小売全面自由化を迎えるにあたり,当社が,競争に打ち勝ち,事業をより発展させていくためには,経営基盤の回復への歩みをより力強いものとし,収益拡大やコスト競争力強化,さらには地域の復興・発展などに係る各施策について,さらにスピード感を持って展開していく必要がある。
このため,当社は,新たな財務目標として「2020年度までに自己資本比率(連結決算ベース)25%以上」を掲げた。また,将来的には「自己資本比率(連結決算ベース)30%」を目指していく。
当社は,新たな財務目標の達成に向けて,「Ⅰ 収益拡大施策の展開」,「Ⅱ バランスのとれた電源構成とコスト競争力の強化」,「Ⅲ 地域の復興・発展への貢献」を3つの柱として,各施策を着実に実施することで,さらなる成長を果たしていく。
<Ⅰ 収益拡大施策の展開>
まず域内については,お客さまのご要望に“より沿う”サービスを提供していく。
具体的には,お客さまのライフスタイルにあわせた新料金プランやお客さまの利便性向上につながるWebサービスサイト「よりそうeねっと」,お得なポイントサービス「よりそうeポイント」を提供していく。また,省エネ・省コストにつながるヒートポンプ機器を活用したソリューション提案を実施していくとともに,エネルギーマネジメントシステム,スマートメーターを活用した新サービス・新料金プランなどお客さまサービスの充実を図っていく。さらに,「東北電力ブランド」を効果的に展開し,ブランド力を強化していく。
次に域外については,アライアンス等を活用した域外供給により収益拡大を図っていく。
具体的には,当社と東京ガス両社の事業ノウハウと競争力のある電源,販売チャネルを最大限活用し,新会社「
㈱シナジアパワー」を通じた,北関東を中心とする関東圏の高圧・特別高圧のお客さまへの電力販売を行う。こうした新たな事業展開で得られた知見は,域内のお客さまに提案する料金プランやサービス開発へ活用するなど好循環サイクルを形成していく。また,卸電力取引を含むエネルギートレーディングの活用など新たな収益機会の獲得に向けた検討を加速化していく。
<Ⅱ バランスのとれた電源構成とコスト競争力の強化>
まずは,原子力再稼働に向けた全社を挙げた取り組みを着実に展開していく。
具体的には,新規制基準適合性審査への的確な対応と設備・運用面におけるさらなる安全性向上の取り組みに加え,国や自治体と連携した原子力防災の取り組みや,適切な情報発信,双方向のコミュニケーションなどを通じた理解活動の強化を図っていく。
また,戦略的な電源構成と燃料調達の多様化などによりコスト競争力を一層強化していく。
具体的には,新仙台火力発電所第3号系列,能代火力発電所第3号機,上越火力発電所第1号機などコスト競争力に優れる高効率火力発電設備の着実な開発を進めるとともに,燃料調達の多様化や,柔軟なLNG取引の実現などを通じた燃料調達コストのさらなる低減を図っていく。
さらに,調達改革委員会の下,調達価格の低減,競争発注の拡大に向けた取り組みを進めていく。
<Ⅲ 地域の復興・発展への貢献>
まずは,再生可能エネルギーの導入拡大に向け,積極的に取り組んでいく。
具体的には,大型蓄電池システムの実証事業などを通じ,地域特性を活かした再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んでいくとともに,「東北自然エネルギー㈱」において東北に豊富に賦存する再生可能エネルギーの有効活用を図っていく。
また,地域との連携によるスマートコミュニティ事業や自治体の復興施策へ支援,参画していく。
具体的には,震災復興に向けた重要な取り組みである宮城県石巻市,福島県会津若松市,宮城県大衡村の各スマートコミュニティ事業におけるマスタープラン作成から設備構築まで一貫して対応していく。加えて,原子力災害の被災地域をはじめとする自治体などの再生可能エネルギー導入拡大に向けた取り組みへ協力するとともに,次世代層支援プロジェクト「放課後ひろば」や,まちづくり支援制度「まちづくり元気塾」などを展開していく。
さらに,新たな時代における地域貢献として,東北・新潟の将来の成長・発展に資するプロジェクトや地域活性化施策を支援していく。
当第3四半期連結累計期間における当社企業グループ(当社及び連結子会社)の研究開発費は3,521百万円である。
当社企業グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため「生産実績」を定義することが困難であり,建設業においては請負形態をとっているため「販売実績」という定義は実態にそぐわない。
よって,生産,受注及び販売の実績については,記載可能な情報を「(1)業績の状況」においてセグメントの業績に関連付けて記載している。
なお,当社個別の事業の状況は次のとおりである。
種別 | 当第3四半期連結累計期間 (平成27年4月1日から 平成27年12月31日まで) | 前年同四半期比(%) | |
発受電電力量 |
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自社 |
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水力発電電力量 | (百万kWh) | 5,897 | 94.2 |
火力発電電力量 | (百万kWh) | 40,214 | 99.5 |
原子力発電電力量 | (百万kWh) | ― | ― |
新エネルギー等発電電力量 | (百万kWh) | 683 | 99.3 |
他社受電電力量 | (百万kWh) | 17,566 | 95.7 |
融通電力量 | (百万kWh) | 5,925 △10,963 | 105.6 103.6 |
揚水発電所の揚水用電力量 | (百万kWh) | △51 | 102.0 |
合計 | (百万kWh) | 59,271 | 97.6 |
損失電力量等 | (百万kWh) | 5,539 | 93.2 |
販売電力量 | (百万kWh) | 53,732 | 98.1 |
出水率 | (%) | 95.4 | ― |
(注) 1 他社受電電力量の中には,連結子会社からの受電電力量(酒田共同火力発電㈱ 3,613百万kWh,東北自然
エネルギー㈱ 444百万kWh他)を含んでいる。
なお,東北自然エネルギー㈱は平成27年7月1日付で東北水力地熱㈱,東北自然エネルギー開発㈱,東北ソーラーパワー㈱の3社を吸収合併するとともに,商号を東星興業㈱から変更している。
2 融通電力量の上段は受電電力量,下段は送電電力量を示す。
3 揚水発電所の揚水用電力量とは貯水池運営のため揚水用に使用する電力である。
4 販売電力量の中には,自社事業用電力量(78百万kWh)を含んでいる。
5 出水率は,昭和59年度から平成25年度までの第3四半期の30ヶ年平均に対する比である。
種別 | 当第3四半期連結会計期間 (平成27年12月31日現在) | 前年同四半期比(%) | |
契約口数 | 電灯 | 6,971,325 | 100.7 |
電力 | 807,282 | 98.5 | |
計 | 7,778,607 | 100.5 | |
契約電力(kW) | 電灯 | 24,414,775 | 101.6 |
電力 | 4,881,660 | 99.0 | |
計 | 29,296,435 | 101.2 | |
(注) 本表には,特定規模需要は含まない。
種別 | 当第3四半期連結累計期間 (平成27年4月1日から 平成27年12月31日まで) | 前年同四半期比(%) | |
販売電力量(百万kWh) | 電灯 | 15,810 | 97.8 |
電力 | 2,437 | 96.6 | |
電灯電力 計 | 18,246 | 97.7 | |
特定規模需要 | 35,486 | 98.4 | |
電灯電力・特定規模 計 | 53,732 | 98.1 | |
他社販売 | 1,386 | 196.0 | |
融通 | 10,963 | 103.7 | |
料金収入(百万円) | 電灯 | 401,461 | 94.9 |
電力 | 702,462 | 94.1 | |
電灯電力 計 | 1,103,924 | 94.4 | |
他社販売 | 16,347 | 158.0 | |
融通 | 145,137 | 96.7 | |
(注) 1 料金収入の電力には,特定規模需要を含んでいる。
2 上記金額には,消費税等は含まない。
種別 | 当第3四半期連結累計期間 (平成27年4月1日から 平成27年12月31日まで) | |
販売電力量 | ||
(百万kWh) | 前年同四半期比(%) | |
鉱工業 |
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鉱業 | 122 | 96.6 |
製造業 |
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食料品 | 1,237 | 102.4 |
繊維工業 | 60 | 100.3 |
パルプ・紙・紙加工品 | 567 | 101.2 |
化学工業 | 1,399 | 95.1 |
石油製品・石炭製品 | 19 | 139.0 |
ゴム製品 | 232 | 95.3 |
窯業土石 | 654 | 98.3 |
鉄鋼業 | 2,057 | 97.0 |
非鉄金属 | 2,550 | 96.0 |
機械器具 | 5,338 | 99.0 |
その他 | 1,601 | 99.4 |
計 | 15,714 | 98.2 |
計 | 15,836 | 98.2 |
その他 | 2,627 | 100.2 |
合計 | 18,463 | 98.5 |
当第3四半期連結累計期間において,電気事業における重要な設備の完成,廃止分は以下のとおりである。
設備別 | 地点名 | 出力(kW) | 着工年月 | 運転開始年月 |
汽力(注) | 八戸火力発電所5号機 | 394,000 (燃料転換) | 平成25年10月 | 平成27年7月 |
汽力 | 新仙台火力発電所3号系列 | 980,000 (490,000) | 平成23年11月 | 平成27年12月 |
(注)燃料を軽油からLNGに転換している。
設備別 | 地点名 | 出力(kW) | 廃止年月 |
汽力 | 新仙台火力発電所1号機 | 350,000 | 平成27年9月 |