第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の新たな発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はない。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はない。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、弱さもみられるが、基調としては緩やかな回復を続けている。設備投資は、持ち直しの動きに足踏みがみられる。個人消費は、一部に弱めの動きがみられるが、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、底堅く推移している。住宅投資は持ち直しを続けており、公共投資は下げ止まっている。生産は、横ばい圏内の動きを続けている。

東北地域の経済も、緩やかな回復を続けている。設備投資は緩やかに増加しており、個人消費は底堅く推移しているほか、住宅投資は高水準で推移している。公共投資は、震災復旧関連工事を主体に、高水準で推移している。

 

このような状況のなかで、当第3四半期連結累計期間の企業グループの収支については、収益面では、当社において、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に基づく再エネ特措法交付金が増加したものの、販売電力量並びに燃料費調整額の減少などにより電灯・電力料が減少したことなどから、売上高(営業収益)は前年同四半期に比べ1,204億円(7.9%)減の1兆4,017億円、四半期経常収益は前年同四半期に比べ1,252億円(8.2%)減の1兆4,051億円となった。

一方、費用面では、退職給付債務の算定に用いる割引率の低下などから退職給付費用が増加したものの、燃料価格の低下や円高などにより燃料費が減少したほか、経費全般にわたり効率化の実施に努めたことなどから、四半期経常費用は前年同四半期に比べ894億円(6.3%)減の1兆3,230億円となった。 
 この結果、経常利益は前年同四半期に比べ357億円(30.3%)減の821億円となった。
 また、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同四半期に比べ257億円(32.6%)減の533億円となった。

 

なお、当第3四半期連結累計期間におけるセグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は次のとおりである。

 

[電気事業]

当社の販売電力量は、前年に比べ夏場後半以降の気温が高く、冬場の気温が低く推移したことによる冷暖房需要の増加があるものの、契約電力の減少などから、前年同四半期に比べ0.7%減の533億キロワット時となった。

このうち、電灯需要については、2.0%増の161億キロワット時、電力需要については、1.8%減の372億キロワット時となった。

これに対応する供給については、原子力発電所の運転停止などに伴う供給力の減少が引き続きあるものの、火力発電所の補修時期の調整などにより安定した供給力を確保した。

 

収支の状況については、売上高は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に基づく再エネ特措法交付金が増加したものの、販売電力量並びに燃料費調整額の減少などにより電灯・電力料が減少したことなどから、前年同四半期に比べ1,112億円(8.2%)減の1兆2,453億円となった。一方、営業費用は、退職給付債務の算定に用いる割引率の低下などから退職給付費用が増加したものの、燃料価格の低下や円高などにより燃料費が減少したほか、経費全般にわたり効率化の実施に努めたことなどから、前年同四半期に比べ752億円(6.1%)減の1兆1,604億円となった。

この結果、営業利益は前年同四半期に比べ360億円(29.8%)減の849億円となった。

 

 

[建設業]

売上高は、電力関連工事が増加したことなどから、前年同四半期に比べ90億円(4.7%)増の2,020億円となった。一方、営業費用は、売上高増加に伴い工事原価が増加したことなどから、前年同四半期に比べ79億円(4.3%)増の1,926億円となった。

この結果、営業利益は前年同四半期に比べ10億円(13.0%)増の93億円となった。

 

[その他]

売上高は、ガス事業において減少したことなどから、前年同四半期に比べ12億円(0.7%)減の1,643億円となった。一方、営業費用は、ガス事業における減少などから、前年同四半期に比べ1億円(0.1%)減の1,537億円となった。

この結果、営業利益は前年同四半期に比べ11億円(9.4%)減の105億円となった。

 

(2) 財政状態

資産は、減価償却の進行などによる固定資産の減少や、現金及び預金などの流動資産が減少したことから、前連結会計年度末に比べ846億円(2.0%)減の4兆678億円となった。

負債は、借入金などの有利子負債や未払税金が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,383億円(4.0%)減の3兆3,297億円となった。

純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ536億円(7.8%)増の7,380億円となった。

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末から1.5ポイント上昇し、16.7%となった。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社は、激変する事業環境の中、コーポレートスローガン「より、そう、ちから。」を実現し、お客さまや地域社会の期待に応えつつ、当社企業グループが地域とともに持続的に成長していくため、平成29年1月に「東北電力グループ中期経営方針(2017~2020年度)」を策定した。

本方針では、2017~2020年度を「成長に向けた変革期」と位置づけ、東北6県及び新潟県における電気事業を柱としつつ、将来的に成長が見込まれ、当社企業グループの経営資源を活かすことのできる「東北・新潟域外での電力販売を含む電気事業」「海外事業」「ガス事業」について、定量目標を設定した。

 

[定量目標]

 

2015年度実績

2020年度

2030年度

販売電力量

(域外・卸売を含んだ増分)

参考:域内販売電力量

751億kWh

+35億kWh

+150億kWh

海外発電事業持分出力

20万kW

60万kW

120万kW

販売ガス量

34万t

45万t

60万t

 

 

また、本方針の具体的な施策展開にあたり、社員一人ひとりが重視すべき基本姿勢と、3つの力点を掲げた。

 

[基本姿勢]  「変化をチャンスに さらなる成長へ挑戦する 東北電力グループ」

 

[力  点]  1.お客さま・地域社会の声にお応えする

                2.成長に向けた新たな事業機会を追求する

                3.変革実現により強固な経営基盤を確立する

 

当社企業グループは、この基本姿勢と3つの力点のもと、各施策展開を加速し、「2020年度までに自己資本比率(連結決算ベース)25%以上(将来的には30%を目指す)」という財務目標の確実な達成とともに、将来の成長に向けた事業展開や投資を通じて、一層の企業価値の向上に努めていく。

 

 

<力点1.お客さま・地域社会の声にお応えする>

お客さま・地域社会の声に応えるため、以下の6つの施策を中心に取り組み、当社企業グループが一体となって競争力強化、地域活性化の応援を積極的に実施していく。

①お客さまのニーズにお応えする提案活動

ヒートポンプの普及拡大による電化推進やトータルエネルギーソリューションの拡充を行っていく。また、新料金プランや、セットプランの開始、Webサービス「よりそうeねっと」の拡充も進めていく。

②原子力発電所の安全性向上に向けた取り組み

国が定めた新規制基準への適合にとどまらず、より高いレベルの安全性確保に向けて、自主的かつ継続的な取り組みを行うとともに、地域の皆さまから信頼を得られるよう、原子力品質保証活動を通じた継続的な業務品質の向上や、リスクコミュニケーションを強化していく。

③最適な電源構成によるコスト競争力の強化

経済性に優れた能代火力発電所3号機や上越火力発電所1号機の開発を進めるとともに、経済効率性の低い経年火力発電所のリプレースや休廃止の検討も行っていく。

④低炭素社会の実現

CO2の排出削減に向けた需給両面からの取り組みと熱効率向上を追求していく。

⑤送配電事業における安定供給と効率化

安定供給の確保とともに、仕様・工法の見直し、競争発注の拡大、新技術の採用による保守・メンテナンスコスト低減などの効率化施策を推進していく。

⑥地域の復興・発展への貢献

従来の社会貢献活動に加えて、地域の課題解決に取り組む団体に対し活動資金をサポートする「東北・新潟の活性化応援プログラム」を創設するなど、新たな取り組みも進めていく。

    

<力点2.成長に向けた新たな事業機会を追求する>

成長に向けた新たな事業機会を追求するため、以下の6つの施策を強力に推進し、当社企業グループ一体となって大きな成長に向け加速していく。

①東北・新潟域外での電力販売

東京ガス株式会社と共同で設立した株式会社シナジアパワーや、首都圏での低圧のご家庭向け料金プラン「よりそう、でんき」、さらには日本卸電力取引所(JEPX)の積極的な活用や、競争力のある電源、トレーディング機能を活かした卸売も行い、東北・新潟域外においても、販売電力量の拡大を図っていく。

②海外事業の拡大

北・中米及び東南アジアを重点エリアに、発電事業(IPP)を中心に事業機会を拡大していく。

③ガス事業の強化

ガスシステム改革による規制緩和も踏まえ、ガス販路の拡大や電気と併せたトータルエネルギーソリューションの提供を拡充していく。

④電力・燃料のトレーディング事業の展開

トレーディング新会社の設立を検討する。新会社を中心に、電力・燃料の統合的なトレーディングを通じて、事業リスクを的確に管理するとともに、新たな事業領域に積極的かつ先見的に対応し、収益力の強化を図っていく。

⑤再生可能エネルギー事業の推進

東北地方に豊富に賦存する再生可能エネルギーのさらなる有効活用を図るため、水力や地熱、風力発電の開発を推進するとともに、水素の利活用なども進めていく。

⑥将来の事業領域拡大に向けたイノベーションの追求

IoT・AI・ビッグデータ等の新たな情報技術を活用し、既存の事業領域において、設備運用の高度化・効率化、お客さまサービス向上等への取り組みを加速するとともに、オープンイノベーションの活用等により、新規事業・新規サービス等の創出や展開について検討していく。

 

<力点3.変革実現により強固な経営基盤を確立する>

変革実現により強固な経営基盤を確立するため、以下の4つを中心に着実な取り組みを進めていく。

①財務体質のさらなる改善

「2020年度までに自己資本比率(連結決算ベース)25%以上(将来的には30%を目指す)」という財務目標の確実な達成に向けて、資材・役務の調達改革などを推進していく。

②競争に立ち向かう組織への変革

電力システム改革で求められている送配電部門の中立性・公平性をより一層確保しつつ、当社の競争力を高めるため、販売部門と発電部門が連携し、総合力を発揮できる組織、 成長に向け新たな事業機会を追求していく組織への変革を進めていく。

③多様な人材の活躍推進

新たな事業分野への進出やビジネスモデルの変化等に対応した人材や、専門スキルを持った人材の獲得・育成などを図っていく。

④CSRの着実な取り組み

「東北電力グループCSR方針」と「東北電力グループ行動指針」に基づき、地域や社会が直面する課題の解決に当社企業グループ一体で取り組み、社会と当社企業グループの持続的な発展を目指しながら、企業の社会的責任を果たしていく。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社企業グループ(当社及び連結子会社)の研究開発費は3,951百万円である。

 

 

(5) 生産、受注及び販売の実績

当社企業グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため「生産実績」を定義することが困難であり、建設業においては請負形態をとっているため「販売実績」という定義は実態にそぐわない。

よって、生産、受注及び販売の実績については、記載可能な情報を「(1)業績の状況」においてセグメントの業績に関連付けて記載している。

なお、当社個別の事業の状況は次のとおりである。

 

① 需給実績

種別

当第3四半期連結累計期間

(平成28年4月1日から

  平成28年12月31日まで)

前年同四半期比(%)

発受電電力量

 

 

 

自社

 

 

 

水力発電電力量

(百万kWh)

5,175

87.8

火力発電電力量

(百万kWh)

40,339

100.3

原子力発電電力量

(百万kWh)

新エネルギー等発電電力量

(百万kWh)

668

97.8

他社受電電力量

(百万kWh)

17,335

98.7

融通電力量

(百万kWh)

4,105

△9,013

69.3

82.2

揚水発電所の揚水用電力量

(百万kWh)

△40

78.4

合計

(百万kWh)

58,569

98.8

損失電力量等

(百万kWh)

5,224

94.3

販売電力量

(百万kWh)

53,345

99.3

出水率

(%)

82.5

 

(注) 1 他社受電電力量の中には、連結子会社からの受電電力量(酒田共同火力発電㈱ 3,598百万kWh、東北自然
エネルギー㈱ 418百万kWh他)を含んでいる。

2 融通電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示す。

3 揚水発電所の揚水用電力量とは貯水池運営のため揚水用に使用する電力である。

4 販売電力量の中には、自社事業用電力量(60百万kWh)を含んでいる。

5 出水率は、昭和60年度から平成26年度までの第3四半期の30ヶ年平均に対する比である。

      6 他社受電電力量、融通電力量及び損失電力量等の中には、新電力に対するインバランスなど未確定値が
           含まれている。

 

② 販売実績

種別

当第3四半期連結累計期間

(平成28年4月1日から

 平成28年12月31日まで)

前年同四半期比(%)

販売電力量(百万kWh)

電灯

16,121

102.0

電力

37,225

98.2

電灯電力 計

53,345

99.3

他社販売

6,647

479.6

融通

4,077

37.2

料金収入(百万円)

電灯

379,918

94.6

電力

618,436

88.0

電灯電力 計

998,354

90.4

他社販売

76,601

468.6

融通

34,971

24.1

 

(注) 1 上記金額には、消費税等は含まない。

2 個々の数値の合計と合計欄の数値は、四捨五入の関係で一致しない場合がある。

 

(6) 設備の新設、除却等の計画

当第3四半期連結累計期間において、電気事業における重要な設備の完成、廃止分は以下のとおりである。

① 完成

(発電設備)

設備別

地点名

出力(kW)

着工年月

運転開始年月

汽力

新仙台火力発電所3-2号

490,000

平成23年11月

平成28年7月

 

 

② 廃止

(発電設備)

設備別

地点名

出力(kW)

廃止年月

汽力

八戸火力発電所3号機

250,000

平成28年7月