第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の新たな発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあり、緩やかに持ち直しております。個人消費は、緩やかに持ち直しており、設備投資も持ち直しておりますが、生産には持ち直しの動きに足踏みがみられます。住宅投資は底堅い動きとなっており、公共投資は底堅く推移しています。

しかしながら、世界的な金融引締めが続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響や中国における感染動向に十分注意する必要があります。

東北地域の経済は、緩やかに持ち直しております。個人消費は、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐ中、持ち直しているものの、住宅投資は、弱めの動きとなっております。生産は、一部に弱さが窺われるものの、総じてみれば持ち直し基調にあります。設備投資は、製造業における能力増強投資や老朽化対策投資などにより増加しておりますが、公共投資は、下げ止まっております。

このような状況のなかで、当第3四半期連結累計期間の販売電力量の状況については、当社において、販売電力量(小売)は、節電の影響や競争による契約の切り替えなどにより減少し、販売電力量(卸売)はエリア外への卸売が減少したことなどから、販売電力量(全体)は、593億kWh(前年同四半期比 0.7%減)となりました。

売上高は、燃料費調整額が増加したことなどから、2兆1,324億円となり、前年同四半期に比べ、7,334億円(52.4%)の増収となりました

経常損益については、燃料価格の高騰や、卸電力取引市場の価格の上昇により、電力調達コストが大幅に増加したことなどから、前年同四半期に比べ2,335億円減少し、2,231億円の損失となりました。

また、親会社株主に帰属する四半期純損益は、前年同四半期に比べ、2,328億円減少し、2,303億円の損失となりました。

なお、当第3四半期連結累計期間における連結キャッシュ利益は1,099億円となりました。

※東北電力グループ中長期ビジョン「よりそうnext」において「連結キャッシュ利益」を財務目標として設定しております。(2024年度に3,200億円以上を目標)
「連結キャッシュ利益」= 営業利益+減価償却費+核燃料減損額+持分法投資損益
 (営業利益は、燃料費調整制度のタイムラグ影響を除く。)

 


 

当第3四半期連結累計期間におけるセグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は次のとおりであります。

 

[発電・販売事業]

当社の販売電力量(小売)は、前年に比べ夏場の気温が高かったことにより冷房需要が増加したものの、節電の影響や競争による契約の切り替えなどから、471億kWh(前年同四半期比 0.7%減)となりました。このうち、電灯需要は、132億kWh(前年同四半期比 2.9%減)、電力需要は、339億kWh(前年同四半期比 0.2%増)となりました。

一方、販売電力量(卸売)は、常時バックアップの契約及びベースロード市場取引量が増加したものの、東北6県及び新潟県以外への卸売が減少したことなどから、121億kWh(前年同四半期比 0.8%減)となりました。これにより、販売電力量(全体)は、593億kWh(前年同四半期比 0.7%減)となりました。

これに対応する供給については、原子力発電所の運転停止継続や福島県沖地震の影響による一部発電所の運転停止、渇水による供給力の減少があったものの、運転可能な火力発電所の稼働増及び卸電力取引市場などからの調達により安定した供給力を確保しました。

収支面では、燃料費調整額が増加したことなどから、発電・販売事業全体の売上高は、1兆6,075億円となり、前年同四半期に比べ5,498億円(52.0%)の増収となりました。

一方、燃料価格や卸電力取引市場価格の上昇による電力調達コストが増加し、収入増加を大きく上回ったことにより、経常損益は2,309億円の損失となり、前年同四半期に比べ2,294億円の減益となりました。

 

[送配電事業]

エリア電力需要は、産業用その他における生産動向により高圧需要が減少したことなどから、553億kWh(前年同四半期比 0.3%減)となりました。

売上高は、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づく購入電力量の増加に伴い卸電力取引市場を通じた販売電力量が増加したことや、加えて販売単価も上昇したことなどにより、8,417億円となり、前年同四半期に比べ3,280億円(63.9%)の増収となりました。

一方、経常利益は、調整力・インバランスに係る費用の増加や、最終保障供給における10月までの「逆ザヤ」状況、修繕費の増加などにより、81億円となり、前年同四半期に比べ174億円(68.0%)の減益となりました。

 

[建設業]

売上高は、屋内配線工事や配電線工事が増加したことなどから、1,975億円となり、前年同四半期に比べ2億円(0.1%)の増収、経常利益は、原価率の改善などにより、39億円となり、前年同四半期に比べ8億円(26.8%)の増益となりました。

 

[その他]

売上高は、ガス事業における増加などにより、1,729億円となり、前年同四半期に比べ267億円(18.3%)の増収、経常利益は、在外子会社の有価証券売却益などにより、123億円となり、前年同四半期に比べ13億円(12.7%)の増益となりました。

 

(2) 財政状態

資産は、流動資産における現金及び預金や売掛金などの増加に加え、燃料貯蔵品などの棚卸資産が増加したことなどから、総資産は3,917億円増加し、5兆1,174億円となりました。

負債は、設備資金や投融資資金などに充当するため、社債の発行により有利子負債が増加したことなどから、6,247億円増加し、4兆5,714億円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が減少したことなどから、2,329億円減少し、5,460億円となりました。

 

 

(3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

当四半期報告書提出日(2023年2月8日)現在において、新たに発生した当社企業グループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、次のとおりであります。

なお、本項の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。

 

<小売規制料金の値上げ申請について>

当社は、電力小売全面自由化による販売競争が激化する中において、徹底した効率化を進め、継続してコスト競争力の強化を図りながら電力の安定供給に努めてきておりますが、2021年及び2022年に発生した福島県沖を震源とする地震による甚大な設備被害や、燃料価格及び卸電力取引市場価格の高騰の影響により、当年度末の自己資本比率は著しく低下する見込みであり、このままでは電力の安定供給に影響を及ぼしかねない非常に厳しい状況にあります。

こうした状況を踏まえ、当社では、自由化部門のお客さまの電気料金について、2022年11月より、「高圧以上の電気料金単価見直し」及び「低圧自由料金プランの燃料費調整制度における上限設定の廃止」を実施しております。規制部門のお客さまの電気料金についても、燃料価格が燃料費調整制度の上限価格を超過する分を当社が負担する「逆ザヤ」の状態が続いていることなどから、2022年11月24日に、2023年4月1日からの平均32.94%の値上げを国に申請いたしました。

※規制料金の改定については、国の審査等を経た後に、経済産業大臣の認可を受けて正式に決定されることから、実際の改定実施日及び値上げ率が異なる可能性があります。 

 

<新たな託送料金制度に基づく託送供給等約款の認可について>

当社の連結子会社である東北電力ネットワーク株式会社(以下、「東北電力ネットワーク」という。)は、2023年4月から導入される新たな託送料金制度(レベニューキャップ制度)に向けて、経済産業大臣に対し、送配電事業における2023年度から2027年度の5年間の託送供給等に係る「収入の見通し」の承認申請を行うとともに、「事業計画」を経済産業省に提出し、2022年12月23日、経済産業大臣より承認されました。その後、経済産業大臣に対し、電気事業法の規定による託送供給等約款の認可申請を行い、2023年1月27日に認可されました。新たな託送料金制度に基づく託送供給等約款については、2023年4月1日の実施を予定しています。

※ レベニューキャップ制度

「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」に基づき改正された電気事業法により、一般送配電事業者における必要な投資の確保とコスト効率化を両立させ、レジリエンス強化や再生可能エネルギーの主力電源化を図ることを目的に、従来の総括原価方式に代わって、新たに導入された託送料金制度。本制度では、一般送配電事業者が、国の策定する指針(一般送配電事業者による託送供給等に係る収入の見通しの適確な算定等に関する指針)に基づき、一定の規制期間(第1規制期間は2023年度から2027年度の5年間)に達成すべき目標を示した事業計画を策定し、その実施に必要な費用などを見積もった収入の見通しについて、国の承認を受けた上で、託送料金単価を設定する。

 

<新電力等のお客さま情報の取り扱いに係る報告徴収への対応について>

当社は、東北電力ネットワークが管理する当社以外の小売電気事業者のお客さま情報(以下、「新電力顧客情報」という。)を閲覧していたことが判明し、2023年1月13日、電力・ガス取引監視等委員会(以下、「監視等委員会」という。)及び個人情報保護委員会より、新電力等のお客さま情報の取り扱いに係る報告徴収を受領し、同年1月27日に監視等委員会、2月3日に個人情報保護委員会へ、それぞれ調査結果を取りまとめ、報告しております。

当社といたしましては、行為規制上、不適切な取り扱いを行っていたことについて、大変重く受け止めており、取締役社長を委員長とする「企業倫理・法令遵守委員会」が直接関与する調査体制の下、社内外の弁護士の意見もいただきながら、今後さらに徹底した調査及び根本原因分析を実施した上で、実効性ある再発防止対策の策定を行ってまいります。

なお、調査の結果、新電力顧客情報の閲覧目的は、お客さまからの契約申込ならびに契約切替(スイッチング)の申し出に対する契約状況の確認であり、新規(戻り需要含む)の顧客獲得等の営業活動には利用していないことを確認しております。また、新電力顧客情報の外部への流出はないと判断しております。

 

<東北電力ネットワークにおける小売顧客情報の取り扱いに係る報告徴収への対応について>

東北電力ネットワークにおいて、本来、非公開として取り扱うべき小売顧客情報について、当社の従業員が閲覧可能となっていた事案が判明し、同社は2023年1月13日、監視等委員会及び個人情報保護委員会より、小売顧客情報の取り扱いに係る報告徴収を受領し、同年1月27日に監視等委員会、2月3日に個人情報保護委員会へ、それぞれ調査結果を取りまとめ、報告しております。

本件は、個人情報の漏洩につながるほか、小売電気事業者間の公正な競争を揺るがしかねない事態を発生させたものであり、同社は、法令遵守責任者兼コンプライアンス推進担当の副社長をトップとした「お客さま情報の不適切管理に関する調査検討委員会」のもと、引き続き自主的に点検を進めることとしております。

東北電力ネットワークにおいては、本件を重く受け止め、再発防止に全力を尽くしてまいります。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社企業グループ(当社及び連結子会社)の研究開発費は39億円であります。

 

(5) 生産、受注及び販売の実績

当社企業グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため「生産実績」を定義することが困難であります。また、建設業においては請負形態をとっており、「販売実績」という定義は実態にそぐわないため、生産、受注及び販売の実績については、記載可能な情報を「(1) 業績の状況」においてセグメントの業績に関連付けて記載しております。

なお、当社個別の事業の状況は次のとおりであります。

 

① 供給力実績

種別

当第3四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

  至 2022年12月31日)

前年同四半期比(%)

自社発電電力量

 

41,776

94.5

水力発電電力量

(百万kWh)

5,964

96.5

火力発電電力量

(百万kWh)

35,361

94.0

原子力発電電力量

(百万kWh)

新エネルギー等発電電力量

(百万kWh)

451

104.1

融通・他社受電電力量

(百万kWh)

25,220

△4,312

110.7

110.0

揚水発電所の揚水用電力量等

(百万kWh)

△249

131.4

合計

(百万kWh)

62,434

99.3

出水率

(%)

94.3

 

(注) 1 融通・他社受電電力量には、連結子会社からの受電電力量(東北電力ネットワーク㈱ 3,536百万kWh、酒田共同火力発電㈱ 2,707百万kWh、東北自然エネルギー㈱ 328百万kWh 他)、送電電力量(東北電力

     ネットワーク㈱ 4,270百万kWh 他)を含んでおります。

2 融通・他社受電電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示しております。

3 融通・他社受電電力量には、当第3四半期連結会計期間末日現在において未確定のインバランス等の電力量は含まれておりません。

4 揚水発電所の揚水用電力量等は、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量及び自己託送の電力量であります。

5 出水率は、1991年度から2020年度までの第3四半期の30ヶ年平均に対する比であります。

6 個々の数値の合計と合計欄の数値は、四捨五入の関係で一致しない場合があります。

 

② 販売実績

種別

当第3四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

 至 2022年12月31日)

前年同四半期比(%)

販売電力量(百万kWh)

電灯

13,219

97.1

電力

33,926

100.2

小売 計

47,145

99.3

卸売

12,156

99.2

合計

59,301

99.3

 

(注) 1 小売には自社事業用電力量(62百万kWh)を含んでおります。

2 卸売には特定融通等を含んでおります。

3 個々の数値の合計と合計欄の数値は、四捨五入の関係で一致しない場合があります。

 

 

(6) 設備の状況

  ① 主要な設備の状況

当第3四半期連結累計期間において、発電・販売事業における重要な設備の完成、廃止分は以下のとおりであります。

   a.完成

    (発電設備)

設備別

地点名

出力(kW)

着工年月

運転開始年月

汽力

上越火力発電所1号機

572,000

2019年5月

2022年12月

 

 

   b.廃止

      (発電設備)

設備別

地点名

出力(kW)

廃止年月

新エネルギー(地熱)

葛根田地熱発電所1号機

50,000

2022年10月

汽力

東新潟火力発電所港1号機

350,000

2022年11月

汽力

東新潟火力発電所港2号機

350,000

2022年11月

 

 

  ② 設備の新設、除却等の計画

前連結会計年度末において、当連結会計年度内での廃止を計画していた秋田火力発電所4号機(出力600,000kW)については、LNGを始めとした燃料価格が世界的に急騰している足元において、石油火力である同設備を活用することが電力の安定供給に資すると判断し、設備の経年化も考慮のうえ、廃止時期を2024年7月に変更することとしました。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。