第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態,経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する変動要因のうち,投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項のうち,以下の事項に関し重要な変更があった。

なお,文中における将来に関する事項は,当半期報告書提出日(2025年11月12日)現在において判断したものであり,今後のエネルギー政策や電気事業制度の見直しなどの影響を受ける可能性がある。

(以下の見出しに付された項目番号は,前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」の項目番号に対応するものである。)

 

(1)事業環境の変化

④地球環境保全

国の2050年カーボンニュートラル宣言以降,エネルギー安定供給,経済成長,脱炭素を同時実現するべく「GX2040ビジョン」及び「第7次エネルギー基本計画」が閣議決定されるなど,地球環境保全に向けた取り組みは喫緊の課題となっている。

当社グループでは,「中部電力グループ環境基本方針」のもと,カーボンニュートラル実現に向けた取り組みを「ゼロエミチャレンジ2050」としてとりまとめた。社会やお客さまとともに,エネルギーインフラの革新を通じて「脱炭素」と「安全・安定・効率性」の同時達成を目指していく。

具体的には,2030年頃に向けた再生可能エネルギーの拡大目標(保有・施工・保守含む)に関し,320万kW以上を目指すとともに,安全性の向上と地域の皆さまの信頼を最優先にした浜岡原子力発電所の活用,水素・アンモニアサプライチェーンの構築,アンモニア転換技術の確立に向けた碧南火力発電所4号機における20%転換実証試験,非効率石炭火力発電の停廃止,火力発電のさらなる高効率化,再生可能エネルギー接続可能量の拡大に向けた電力系統設備・運用の高度化,需給運用の広域化,「ミライズGreenでんき」をはじめとするCOフリーメニューの多様化などのあらゆる施策を総動員し,「2030年までに,お客さまへ販売する電気由来のCO排出量を2013年度比で50%以上削減」を達成する。さらに,イノベーションによる革新的技術実用化・採用を通じ,「2050年までに,事業全体のCO排出量ネット・ゼロに挑戦」していく。

また,気候変動に伴う重要なリスクについても,社長が議長を務めるリスクマネジメント会議で審議,経営計画に反映し,取締役会で決議したうえで,適切に施策を実施している。

そのような中,想定を上回る事業環境の変化を受け,当社グループの㈱シーテックは,秋田県能代市・三種町及び男鹿市沖,秋田県由利本荘市沖,千葉県銚子市沖の3海域で進める洋上風力発電事業に関して,事業性再評価のうえ,事業パートナー間で協議を行った結果,2025年8月27日,開発取り止めを決定した。これに伴い当中間連結会計期間において,損失を計上した。ただし,今後撤退を進める中で,追加損失が発生する可能性がある。

今後も脱炭素社会の実現に向けた方針に変わりはないが,化石燃料賦課金や排出量取引制度などのカーボンプライシング制度をはじめとした脱炭素関連の制度や事業環境の変化に的確に対応できない場合,また,非化石価値の動向や技術革新などを踏まえたビジネスモデルの変革を的確に実施できない場合,財政状態,経営成績及びキャッシュ・フローは影響を受ける可能性がある。

 

(4)大規模自然災害等

当社グループの事業活動においては,南海トラフ地震・巨大台風・異常気象などの大規模自然災害,武力攻撃,テロ行為,疫病の流行,事故などのリスクが存在する。当社グループでは,これらの事象が発生した場合に備えて,BCP(事業継続計画)などを策定のうえ,設備の形成,維持,運用などの事前対策に取り組むとともに,発生後における体制の整備や訓練などを実施している。2025年3月31日に国は「南海トラフ巨大地震における被害想定見直し」及び「南海トラフ巨大地震対策」について報告書を取りまとめ,2025年7月に南海トラフ地震防災対策推進基本計画を変更していることから,今後,国・自治体の動向を注視するとともに,当社グループにおいては,BCP(事業継続計画)などの見直しを行っていく。

また,台風災害で得られた教訓などを踏まえ,アクションプランに基づき,各種復旧支援システムの整備による設備復旧体制の強化,ホームページやスマートフォンアプリによるお客さまへの情報発信の強化,自治体・他電力会社などとの連携強化に取り組んでいる。さらに,レジリエンス(強靭化・回復力)の強化に向けて,自治体などと連携しながら,予防保全のための樹木の事前伐採や無電柱化の一層の加速,水力発電用ダムの洪水発生が予想される場合における治水協力などに取り組んでいく。

ただし,大規模自然災害,武力攻撃,テロ行為,疫病の流行,事故などにより,供給支障や設備の損壊などが発生した場合には,その被害状況などによっては,財政状態,経営成績及びキャッシュ・フローは影響を受ける可能性がある。

 

2 【経営者による財政状態,経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は,当中間連結会計期間の末日現在において判断したものである。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①  経営成績

 

 

前中間連結会計期間

(自  2024年4月1日

至  2024年9月30日)

当中間連結会計期間

(自  2025年4月1日

至  2025年9月30日)

増    減

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

増減率(%)

売上高(営業収益)

17,664

17,478

△186

△1.1

営業損益

1,427

1,455

27

2.0

経常損益

1,879

1,962

83

4.5

親会社株主に帰属
する中間純損益

1,469

1,663

194

13.2

 

 

当中間連結会計期間の収支の状況については,売上高(営業収益)は,前中間連結会計期間に㈱トーエネックが子会社から関連会社になったことによる影響などから,前中間連結会計期間に比べ186億円減少し1兆7,478億円となった。

経常損益は,洋上風力発電事業撤退損失及び,ミライズにおける電源固定費の負担増や前年豊水の反動はあったものの,燃料価格等の変動が電力販売価格に反映されるまでの期ずれが差損から差益に転じたことなどから,前中間連結会計期間に比べ83億円増加し1,962億円の利益となった。

なお,期ずれを除いた連結経常損益は,1,632億円程度の利益となり,前中間連結会計期間に比べ256億円程度の減益となった。

この結果,法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する中間純損益は,前中間連結会計期間に比べ194億円増加し1,663億円の利益となった。

 

中部電力ミライズ㈱の販売電力量は,中部エリア外における契約獲得などから,前中間連結会計期間に比べ12億kWh増加し549億kWhとなった。

なお,中部電力ミライズ㈱及びその子会社,関連会社の合計の販売電力量は,前中間連結会計期間に比べ21億kWh増加し605億kWhとなった。

 

また,中部エリアの需要電力量は,検針期間の日数減はあるが,夏季の気温影響による冷房設備の稼動増や産業用における需要増などから,前中間連結会計期間に比べ3億kWh増加し621億kWhとなった。

 

当中間連結会計期間におけるセグメント別の業績(内部取引消去前)は以下のとおりである。

なお,㈱JERAは持分法適用関連会社のため,売上高は計上されない。

 

[ミライズ]

電力・ガスの販売と各種サービスの提供に伴う売上高については,中部エリア外における契約獲得などによる販売電力量の増加や,他社販売電力量の増加などから,前中間連結会計期間に比べ156億円増加し1兆4,550億円となった。

経常損益は,電源調達ポートフォリオの組み替えによる費用削減効果等の拡大はあったものの,電源固定費の負担増や前年豊水の反動などから,前中間連結会計期間に比べ19億円減少し956億円の利益となった。

 

[パワーグリッド]

電力ネットワークサービスの提供に伴う売上高については,中部エリアの需要電力量の増加に伴い,託送収益が増加したことなどから,前中間連結会計期間に比べ11億円増加し4,608億円となった。

経常損益は,設備関係費の増加はあったものの,エリア需要の増加に伴う託送収益の増加や需給調整にかかる費用の減少などから,前中間連結会計期間に比べ59億円増加し269億円の利益となった。

 

[JERA]

燃料上流・調達から発電,電力・ガスの販売に伴う経常損益は,国内火力事業において燃料調達影響による利益減はあったものの,期ずれ差益が拡大したことなどから,前中間連結会計期間に比べ194億円増加し786億円の利益となった。

 

②  財政状態

総資産は,短期投資などの流動資産が増加したことなどから,前連結会計年度末に比べ2,892億円増加し7兆4,140億円となった。

純資産については,配当金の支払いはあったが,親会社株主に帰属する中間純利益の計上などにより,前連結会計年度末に比べ1,248億円増加し2兆9,833億円となった。

この結果,自己資本比率は,前連結会計年度末から0.2ポイント向上し39.3%となった。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは,㈱JERAからの配当金の受取などから,前中間連結会計期間に比べ799億円増加し1,472億円の収入となった。

投資活動によるキャッシュ・フローは,投融資による支出が減少したことなどから,前中間連結会計期間に比べ455億円支出が減少し1,648億円の支出となった。

財務活動によるキャッシュ・フローは,資金調達が増加したことなどから,前中間連結会計期間に比べ1,231億円増加し1,549億円の収入となった。

これらにより,当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は,前連結会計年度末に比べ1,378億円増加した。

なお,当中間連結会計期間末の有利子負債残高は,前連結会計年度末に比べ1,951億円増加し,3兆2,730億円となった。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

前事業年度の有価証券報告書の提出後,当半期報告書の提出日までにおいて,事業上及び財務上の対処すべき課題について,重要な変更はない。

 

(4) 研究開発活動

当中間連結会計期間における当社グループ全体としての研究開発費の総額は,3,035百万円である。

(注) 上記金額には,内部取引を考慮していない。

 

(5) 生産,受注及び販売の実績

当社グループは,電力・ガスの販売と各種サービスの提供を行う「ミライズ」,電力ネットワークサービスの提供を行う「パワーグリッド」,燃料上流・調達から発電,電力・ガスの販売を行う「JERA」等が,バリューチェーンを通じて,電気事業を運営している。

当社グループにおける生産,受注及び販売の状況については,その大半を占める電気事業のうち主要な実績を記載している。

なお,電気事業は,販売電力量が景気動向等の影響を受けることや,夏季と冬季に高い水準となる傾向にあり,半期ごとの業績に変動が生じることがある。

 

 

①  発電実績

種別

当中間連結会計期間 

(自  2025年4月1日

至  2025年9月30日)

対前年同期
増減率(%)

発電電力量

(百万kWh)

水力

5,795

△3.2

原子力

新エネルギー

180

1.0

合計

5,975

△3.1

出水率(%)

99.1

 

(注) 1  発電電力量及び出水率は,中部電力㈱の実績を記載している。

2  出水率は,1994年度から2023年度までの中間連結会計期間の30カ年平均に対する比である。

3  四捨五入の関係で,合計が一致しない場合がある。

 

②  販売実績

ア  販売電力量及び料金収入

種別

当中間連結会計期間 

(自  2025年4月1日

 至  2025年9月30日)

対前年同期
増減率(%)

販売電力量
(百万kWh)

低圧

14,200

△1.9

高圧・特別高圧

40,735

3.9

合計

54,935

2.3

料金収入(百万円)

1,158,682

△0.5

 

(注) 1  販売電力量及び料金収入は,中部電力ミライズ㈱の実績を記載している。

2  四捨五入の関係で,合計が一致しない場合がある。

3  料金収入には「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」に基づく施策である「電気・ガス料金支援」により受領する補助金23,443百万円を含む。

 

〔参考1〕

グループ合計の販売電力量(百万kWh)

60,451

3.7

 

(注) 中部電力ミライズ㈱及びその子会社,関連会社の実績を記載している。なお,グループ内の販売電力量は除いている。

 

〔参考2〕

他社販売電力量(百万kWh)

10,011

6.1

 

(注) 1  中部電力ミライズ㈱の実績を記載している。なお,中部電力ミライズ㈱の子会社及び関連会社への販売電力量は除いている。

2  当中間連結会計期間末日現在で把握している電力量を記載している。

 

イ  中部エリアの需要電力量及び料金収入

種別

当中間連結会計期間 

(自  2025年4月1日

 至  2025年9月30日)

対前年同期
増減率(%)

中部エリアの需要電力量(百万kWh)

62,109

0.5

料金収入(百万円)

312,189

0.4

 

(注) 1  中部エリアの需要電力量及び料金収入は,中部電力パワーグリッド㈱の実績を記載している。

2  料金収入は,接続供給託送収益(インバランスの供給に係る収益を除く)を記載している。

 

(6) 主要な設備

当中間連結会計期間において,主要な設備に重要な異動はない。また,主要な設備の前連結会計年度末における計画に著しい変更はない。

 

3 【重要な契約等】

該当事項なし