第2【事業の状況】

(注) 金額には、消費税等は含まれていない。

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の我が国経済は、設備投資が増加基調で推移し、企業収益や雇用環境も改善するなど、概ね緩やかな回復基調が続いた。

しかしながら、期の後半に入り、中国をはじめとする新興国経済の減速に加え、円高等の影響により、輸出・生産が弱含みとなった。

北陸地域の経済は、北陸新幹線が金沢まで開業したことによる交流人口増加の効果もあり、回復を続けた。

このような経済情勢のもと、当連結会計年度の収支については、売上高(営業収益)は、電気事業において販売電力量が減少したものの、北陸電気工事(株)の連結子会社化などから、5,445億円(前期比102.2%)となり、これに営業外収益を加えた経常収益は5,475億円(同102.1%)となった。

また、経常利益は、電気事業において販売電力量の減少や石炭火力発電所の稼働減はあったものの、水力発電量の増加や設備関連費の減少に加え、引き続き経費全般にわたる効率化に努めたことなどから、280億円(同125.6%)となった。これに、渇水準備金を引き当て、法人税等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は128億円(同143.4%)となった。

 

セグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりである。

① 電気事業

売上高は、販売電力量が減少したことなどから、4,930億円(前期比96.4%)となった。

また、営業利益は、経費全般にわたる効率化に努めたものの、販売電力量の減少や石炭火力発電所の稼働減などから、291億円(同82.2%)となった。

② その他

売上高は、北陸電気工事(株)の連結子会社化などから、前連結会計年度に比べ464億円増の1,012億円(前期比 184.6%)、営業費用は、前連結会計年度に比べ419億円増の923億円(同183.4%)となった。

この結果、営業利益は89億円(同198.6%)となった。

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、投資活動において固定資産の取得による支出を中心に850億円減少したが、営業活動により697億円、財務活動により339億円増加したことから、前連結会計年度末に比べ187億円増加し、当連結会計年度末には1,931億円(前期末比110.8%)となった。

2【生産、受注及び販売の状況】

当社グループ(当社及び連結子会社)においては、電気事業が事業の大半を占めており、また、電気事業以外の事業は、広範囲かつ多種多様であり、生産、受注、販売といった画一的な区分による表示が困難である。

このため、電気事業の生産、受注及び販売の状況のみを記載している。

(1) 需給実績

種別

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前期比(%)

水力発電電力量(百万kWh)

6,561

103.7

火力発電電力量(百万kWh)

22,330

93.9

原子力発電電力量(百万kWh)

新エネルギー等発電電力量(百万kWh)

5

95.7

他社受電電力量(百万kWh)

3,268

△1,277

116.5

93.7

融通電力量(百万kWh)

214

△715

124.2

82.5

揚水発電所の揚水用電力量(百万kWh)

△14

88.1

合計(百万kWh)

30,372

98.4

損失電力量等(百万kWh)

△2,855

96.1

販売電力量(百万kWh)

27,518

98.7

出水率(%)

107.1

 (注)1.他社受電電力量のうち、連結子会社からの受電電力量は140百万kWhであり、これを含めた出水率は107.0%である。

2.他社受電電力量及び融通電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示す。

3.揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。

4.販売電力量の中には、営業収益には計上されない自社事業用電力量(37百万kWh)を含んでいる。

5.出水率は、昭和59年度から平成25年度までの30か年平均に対する比である。

6.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。

(2) 販売実績

① 契約高

種別

当連結会計年度

(平成28年3月31日)

前期比(%)

契約口数

電灯

1,908,222

100.8

電力

220,150

98.0

2,128,372

100.5

契約電力(kW)

電灯

7,921,254

101.8

電力

1,619,124

98.3

9,540,378

101.2

 (注) 本表には特定規模需要、他社販売及び電力会社融通(送電分)を含まない。

② 販売電力量及び料金収入

a.販売電力量

種別

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前期比(%)

電灯(百万kWh)

8,102

97.3

電力(百万kWh)

1,154

93.3

電灯電力計(百万kWh)

9,256

96.8

業務用(百万kWh)

5,052

98.9

産業用その他(百万kWh)

13,210

100.0

特定規模需要計(百万kWh)

18,262

99.7

電灯電力・特定規模需要合計(百万kWh)

27,518

98.7

他社販売(百万kWh)

1,277

93.7

融通(百万kWh)

715

82.5

 

 

 

(再掲)大口電力 (百万kWh)

10,649

100.5

 

b.料金収入

種別

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前期比(%)

電灯(百万円)

156,072

96.0

電力(百万円)

276,254

97.8

電灯電力合計(百万円)

432,327

97.2

他社販売(百万円)

10,935

59.2

融通(百万円)

24,930

83.2

 (注) 電力には、特定規模需要を含む。

③ 産業別(大口電力)販売電力量

種別

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前期比(%)

鉱業(百万kWh)

0

食料品(百万kWh)

214

101.8

繊維工業(百万kWh)

995

99.2

パルプ・紙・紙加工品

(百万kWh)

261

92.2

化学工業(百万kWh)

1,385

101.0

窯業・土石(百万kWh)

327

89.5

鉄鋼業(百万kWh)

754

94.7

非鉄金属(百万kWh)

944

100.8

機械器具製造業(百万kWh)

3,336

102.6

その他(百万kWh)

1,515

98.5

計(百万kWh)

9,731

99.7

計(百万kWh)

9,731

99.7

鉄道業(百万kWh)

308

124.8

その他(百万kWh)

610

102.3

計(百万kWh)

918

108.9

合計(百万kWh)

10,649

100.5


 

(3) 電気料金

 特定規模需要を除く主要契約種別の電気料金(早収料金)は以下のとおりである(平成28年3月31日現在)。

① 電気供給約款

料金の区分

単位

単価(円)

最低料金(最初の8kWhまで)

1契約

177.76

電力量料金(8kWhをこえる)

1kWh

17.48

10A

1契約

237.60

15A

356.40

20A

475.20

30A

712.80

40A

950.40

50A

1,188.00

60A

1,425.60

最初の120kWhまで

1kWh

17.48

120kWhをこえ300kWhまで

21.29

300kWhをこえる

22.98

最低月額料金

1契約

177.76

基本料金

1kVA

237.60

最初の120kWhまで

1kWh

17.48

120kWhをこえ300kWhまで

21.29

300kWhをこえる

22.98

基本料金

1kW

1,144.80

電力量料金

夏  季

1kWh

11.89

その他季

10.85

(注)1.単価表の「夏季」とは毎年7月1日から9月30日までの期間をいい、「その他季」とは毎年10月1日から翌年6月30日までの期間をいう。

2.料金は、早収期間内(料金の支払義務発生日の翌日から起算して20日以内)に支払われる場合には、早収料金を適用し、早収期間経過後に支払われる場合には、遅収料金(早収料金にその3%を加えたもの)を適用している。

3.上記のほか「定額電灯」、「臨時電灯」、「公衆街路灯」、「臨時電力」、「農事用電力」の契約種別がある。

② 選択約款

料金の区分

単位

単価(円)

 

6kVA以下の場合

1契約

1,188.00

6kVAをこえ10kVAまで

1,620.00

10kVAをこえる

1kVA

237.60

昼間時間

(7時から

23時まで)

最初の90kWhまで

1kWh

21.42

90kWhをこえ230kWhまで

26.55

230kWhをこえる

28.68

夜間時間(昼間時間以外の時間)

1kWh

7.60

5時間通電機器割引額

1kVA

151.20

通電制御型電気温水器割引額

1kVA

151.20

通電制御型電気暖房器割引額

1kVA

86.40

最低月額料金

1契約

270.64

 

10

10kVA以下の場合

1契約

3,024.00

10kVAをこえる

1kVA

302.40

昼間時間(8時から22時まで)

夏  季

1kWh

23.91

その他季

21.78

夜間時間(昼間時間以外の時間)

1kWh

7.73

エルフVプラン割引額

1月

電力量料金の10%

(割引上限額 3,240円/月)

エルフVあったかプラン割引額

1月

(12月分から4月分)

電力量料金の20%

(割引上限額 7,776円/月)

エルフSプラン割引額

1月

電力量料金の5%

(割引上限額 1,620円/月)

 

10

6kVA以下の場合

1契約

1,188.00

6kVAをこえ10kVAまで

1,620.00

10kVAをこえる

1kVA

237.60

昼間時間

夏  季

1kWh

33.26

その他季

30.28

朝夕時間

1kWh

21.11

夜間時間(昼間時間、朝夕時間以外の時間)

1kWh

7.73

エルフVプラン割引額

1月

電力量料金の10%

(夏季昼間時間除く)

(割引上限額 3,240円/月)

エルフVあったかプラン割引額

1月

(12月分から4月分)

電力量料金の20%

(割引上限額 7,776円/月)

エルフSプラン割引額

1月

電力量料金の5%

(夏季昼間時間除く)

(割引上限額 1,620円/月)

 

 

料金の区分

単位

単価(円)

10kVA以下の場合

1契約

16,632.00

10kVAをこえる

1kVA

1,620.00

電力量料金

夏  季

1kWh

17.04

その他季

15.53

10kW以下の場合

1契約

13,824.00

10kWをこえる

1kW

1,382.40

ピーク時間(夏季13時から16時まで)

1kWh

13.37

その他時間(ピーク時間以外の時間)

1kWh

9.06

基本料金

1kW

972.00

電力量料金

夏  季

1kWh

18.52

その他季

16.87

(定額制)

1契約

890.25

基本料金

1kW

259.20

電力量料金

1kWh

7.60

通電制御型夜間蓄熱式機器割引額

 

基本料金及び電力量料金の
合計額の15%

基本料金

1kW

280.80

電力量料金

1kWh

7.73

基本料金

1kW

194.40

電力量料金

1kWh

6.24

 

 

料金の区分

単位

単価(円)

最初の2月まで

1kW

1,274.40

2月をこえる

475.20

電力量料金

1kWh

9.36

最初の2月まで

1kW

432.00

2月をこえる

216.00

電力量料金

1kWh

16.80

最初の3月まで

1kW

2,030.40

3月をこえる

594.00

電力量料金

1kWh

10.09

最初の3月まで

1kW

1,177.20

3月をこえる

507.60

電力量料金

1kWh

24.06

 (注)1.単価表の「夏季」とは毎年7月1日から9月30日までの期間をいい、「その他季」とは毎年10月1日から翌年6月30日までの期間をいう。

2.料金は、早収期間内(料金の支払義務発生日の翌日から起算して20日以内)に支払われる場合には、早収料金を適用し、早収期間経過後に支払われる場合には、遅収料金(早収料金にその3%を加えたもの)を適用している。

3.「季節別時間帯別電灯Ⅰ」及び「季節別時間帯別電灯Ⅱ」は、電気供給約款の「従量電灯」の適用範囲に該当し、1kVA以上の夜間蓄熱式機器(電気温水器、エコキュート等)を保有しているお客さまに適用する。

4.上記のほか「低圧蓄熱調整契約」、「蓄熱ピーク時間調整契約」、「初回振替契約(にこにこふりかえプラン)」の付帯契約がある。

5.「季節別時間帯別電灯Ⅱ」の「昼間時間」とは10時から17時までの時間(ただし、休日等の該当する時間を除く)をいい、「朝夕時間」とは休日等以外の8時から10時まで及び17時から22時までの時間並びに休日等の8時から22時までの時間をいう。なお、「休日等」とは日曜日、1月1日、1月2日、1月3日、1月4日、1月11日、2月11日、3月20日、3月21日、4月29日、5月1日、5月2日、5月3日、5月4日、5月5日、5月6日、7月20日、9月21日、9月22日、9月23日、10月12日、11月3日、11月23日、12月23日、12月30日及び12月31日をいう。

③ 燃料費調整

a.燃料費調整単価の算定式

平均燃料価格が21,900円/klを下回る場合

 

燃料費

調整単価

 基準燃料価格

(21,900円-平均燃料価格)

×

b の基準単価

1,000

 

平均燃料価格が21,900円/klを上回り、かつ32,900円/kl以下の場合

 

燃料費

調整単価

               基準燃料価格

(平均燃料価格-21,900円)

×

b の基準単価

1,000

 

平均燃料価格が32,900円/klを上回る場合

 

燃料費

調整単価

              基準燃料価格

( 32,900円 - 21,900円 )

×

b の基準単価

1,000

 

 

b.基準単価

区分

単位

基準単価(円)

従量制供給の場合

1kWh

0.158

深夜電力A(定額制供給)の場合

1契約

15.768

 (注) 定額制供給のものについても、それぞれの契約種別に応じた基準単価がある。

 c.燃料費調整単価の適用

平均燃料価格算定期間

燃料費調整単価適用期間

毎年1月1日から3月31日までの期間

その年の5月の検針日から6月の検針日の前日までの期間

毎年2月1日から4月30日までの期間

その年の6月の検針日から7月の検針日の前日までの期間

毎年3月1日から5月31日までの期間

その年の7月の検針日から8月の検針日の前日までの期間

毎年4月1日から6月30日までの期間

その年の8月の検針日から9月の検針日の前日までの期間

毎年5月1日から7月31日までの期間

その年の9月の検針日から10月の検針日の前日までの期間

毎年6月1日から8月31日までの期間

その年の10月の検針日から11月の検針日の前日までの期間

毎年7月1日から9月30日までの期間

その年の11月の検針日から12月の検針日の前日までの期間

毎年8月1日から10月31日までの期間

その年の12月の検針日から翌年の1月の検針日の前日までの期間

毎年9月1日から11月30日までの期間

翌年の1月の検針日から2月の検針日の前日までの期間

毎年10月1日から12月31日までの期間

翌年の2月の検針日から3月の検針日の前日までの期間

毎年11月1日から翌年の1月31日までの期間

翌年の3月の検針日から4月の検針日の前日までの期間

毎年12月1日から翌年の2月28日までの期間
(翌年が閏年となる場合は、翌年の2月29日までの期間)

翌年の4月の検針日から5月の検針日の前日までの期間

 

(4) 資材の状況

 石炭、重油、原油の受払状況

種別

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前期比(%)

石炭

(t)

期首貯炭

631,535

131.9

当期受入

6,667,041

92.4

発電用消費

6,755,448

95.7

その他

期末貯炭

543,128

86.0

重油

(kl)

期首貯油

164,999

73.8

当期受入

320,866

89.9

発電用消費

319,232

78.6

その他

9,783

102.0

期末貯油

156,850

95.1

原油

(kl)

期首貯油

46,841

115.2

当期受入

248,081

96.8

発電用消費

252,960

100.9

その他

132

期末貯油

41,830

89.3

(注)当連結会計年度の数量が「-」、負の値若しくは正負異なる値であった場合は、前期比を「-」としている。

3【対処すべき課題】

(1) 対処すべき課題、経営の基本方針及び経営戦略

本年4月から小売全面自由化がスタートし、平成32年4月からは送配電部門の法的分離が予定されるなど、当社グループを取り巻く経営環境は大きく変化している。一方、志賀原子力発電所の停止が継続し、厳しい電力需給や収支状況が続いている。

このような経営環境の中、以下の経営方針のもと、諸課題への取組みを一層強化していく。

まずは、志賀原子力発電所の早期再稼働の実現に向けた取組みである。新規制基準への適合性確認審査の場で、シームに関する当社の調査結果を科学的・合理的に説明し、再稼働へのステップを着実に進めるとともに、発電所における安全性向上工事を安全・確実に進め、地域の皆さまからご理解いただけるよう努めていく。

また、小売全面自由化については、競争を勝ち抜くため、低廉な電気料金水準を維持していくとともに、新たな電気料金メニューやサービスの拡充等により、引き続きお客さまから選択いただけるよう努めていく。

今後も北陸地域に根差した企業として地域とともに発展できるよう、これらの取組みを着実に進め、皆さまから「信頼され選択される北陸電力グループ」を目指していく。

1.安定供給を確保する

供給安定性、経済性に優れ、発電時にCOを排出しないことから、ベースロード電源として今後も引き続き重要な役割を担う志賀原子力発電所の安全強化に徹底して取り組むとともに、新規制基準への適合性確認審査に的確に対応し、早期再稼働を目指す。

また、高稼働が続いている水力・火力発電所の着実な補修や、流通設備の機能維持対策の計画的な実施により、安定供給の確保に向け、最大限努めていく。

 

2.競争力を高める

安全最優先を前提とした更なる経営効率化や競争力ある電源の整備・活用により、低廉・良質な電気を安定的にお届けするとともに、お客さまのニーズにより的確にお応えするサービスの展開等、あらゆる点において競争力を高め、小売全面自由化後の厳しい競争環境に対処する。

 

3.電力システム改革に適応する

平成32年4月からの送配電部門の法的分離に対し、業務の中立性・透明性確保と最適な事業運営の両立に向け、着実に準備を進めていく。また、小売全面自由化に伴う諸制度に基づき、的確な業務運営を行う。

 

4.グループ全体の収益性を高める

LNG販売を含めた総合エネルギー事業の展開やグループ各社の競争力強化に向けた取組みにより、グループ全体の収益性を高め、持続的成長を目指していく。

5.経営基盤を支える取組みを徹底する

安定供給や競争力強化、電力システム改革に向けた課題等に確実に対処し、当社グループの持続的な成長を図るため、安全最優先を徹底するとともに、女性の活躍推進や活力ある組織風土・職場づくりなど、個人・組織が能力を最大限発揮できるよう環境を整備する。

また、当社グループの取組みについて、お客さまや地域の皆さまとの双方向対話活動を展開するとともに、地域との協働による活性化に取り組むことにより、地域社会から信頼いただく。

 

 

(2) 目標とする経営指標

原子力発電所の再稼働時期が見通せないなど経営環境が不透明であることから、利益目標などの経営指標は設定していないが、小売全面自由化開始による競争拡大を見据え、これまでの経営効率化の取組みをベースに資材調達価格の更なる低減等に努めるとともに、電力の安定供給を確保する観点から、以下の経営指標を設定している。

<良質で環境にやさしい電力の安定供給>

 ・お客さま一戸あたり停電回数:0.23回/年 程度

 

 (経営効率化の主な取組み)

・資材調達価格の7%低減

・業務効率化による人件費の削減

・低灰分・低コストの石炭(インドネシア、ロシア等)の利用拡大

・施策の優先順位明確化による諸経費の削減

・火力発電所定期点検の工程・内容の見直し等による燃料費の低減

・供給余力を最大限活用した卸電力取引所への販売

 

4【事業等のリスク】

当社グループの業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクについては、以下に記載のとおりである。

なお、記載した将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。

 

(1) 志賀原子力発電所の状況について

当社は、東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故を受け、早期に「安全強化策」を取りまとめ、実施してきた。引き続き、新規制基準も踏まえた「安全性向上施策」に関する工事を進めており、2号機については新規制基準への適合性確認審査を受けている。

「安全性向上施策」については、他社の発電所の審査状況も踏まえて、より一層の安全性向上の観点から、火災防護対策と内部溢水対策を充実するとともに、関連する耐震安全性向上工事の内容を変更することとし、平成28年度内の工事完了を目指している。

今後、2号機の審査や他社の発電所の審査状況により、更に工事内容の充実を図る可能性があるが、審査状況や新たな知見を把握し先行して対処するなど、早期の工事完了を目指していく。また、1号機については引き続き検討を進めていく。

一方、敷地内シームの調査について、当社は、平成25年12月に、「将来活動する可能性のある断層等ではなく、また、周辺断層との関連性はない」とする最終報告書を、原子力規制委員会に提出した。その後、「志賀原子力発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合」において平成26年3月から2年余りにわたり議論が行われ、平成28年4月、同会合から原子力規制委員会に「北陸電力株式会社志賀原子力発電所の敷地内破砕帯の評価について」(評価書)の報告がなされ、現在、原子力規制委員会による新規制基準への適合性確認審査の場で審査されている。

報告された評価書では、スケッチ等の限られた情報に基づくものという前提のもと、変位したと解釈するのが合理的との評価が示されているが、これは、当社から説明する機会が十分にない中でとりまとめられたものであり、また、適合性確認審査においては、あくまで参考意見として取り扱われるものである。

同審査においては、評価書で示された「今後の課題」も踏まえて、これまでの調査結果に加え、当社の最終報告書での主張を裏付けるべく、追加調査等により得られている新たな地質データ等を丁寧に説明するなど、適切に対応していく。

安全対策や敷地内シーム調査については、その内容を地域の皆さまにわかりやすく丁寧にご説明し、ご理解いただけるよう最大限努力し、早期の再稼働を目指していく。

今後も、新規制基準等へ的確に対応するとともに、世界最高水準の安全性を目指していく。

なお、新規制基準への適合性確認審査の進捗や原子力政策・規制の見直し等によって、原子力発電所の停止が長期化する場合や稼働率が低下する場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

(2) 電気事業に関わる制度の変更等について

原子力発電を「安全性の確保を大前提に、エネルギー需給の安定に寄与する重要なベースロード電源」と位置づけたエネルギー基本計画を踏まえ、平成27年7月に長期エネルギー需給見通しが決定され、2030年度のエネルギーの需給構造が示された。

また、電力システム改革については、平成27年4月に電力広域的運営推進機関が発足したことに加え、平成28年4月から小売全面自由化が開始されている。更に、平成32年4月からの送配電部門の法的分離が予定されている。

こうした当社事業に関連する制度の変更等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

このほか、バックエンド事業に関する制度見直しや、地球温暖化に関する環境規制の動向などにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性があるが、「低廉で良質なエネルギーを安定的にお届けする」という当社の社会的使命に変わりはなく、お客さまをはじめステークホルダーの皆さまの視点に立ち、安定供給や更なる経営効率化に不断の努力で取り組んでいく。

(3) 経済状況や天候等による販売電力量等の変動について

販売電力量は、経済活動や天候(特に気温)の状況、企業の海外移転などによる産業空洞化などによって変動することから、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

また、年間の降雨降雪量の変動により水力発電所の発電量が増減し、火力燃料費が変動することから、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

(4) 燃料価格の変動等について

火力燃料は、石炭と原・重油であり、需給状況や外国為替相場の動向により、火力燃料価格が急激に変動した場合や、調達地域での操業トラブルや政治情勢の変動等により、燃料が円滑に調達できない場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

ただし、燃料価格の変動については、価格変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」によって一定の調整が図られることから、業績への影響は軽減される。

 

(5) 金融市場の動向について

当社グループの有利子負債残高は、当連結会計年度末で9,200億円であり、市場金利や格付の低下等に伴う調達金利の上昇により、業績は影響を受ける可能性がある。

ただし、有利子負債の殆どは中長期的に利率が確定している社債や長期借入金で構成されていることから、金利上昇による業績への影響は限定的と考えられる。

また、企業年金資産等の一部は、株価・金利等の変動により時価が変動することから、業績は影響を受ける可能性がある。

(6) 自然災害・操業トラブルについて

当社グループは、電力供給設備を中心に、多くの設備を保有しており、その保守・保全には万全を期しているが、当社の設備及び当社が受電している他社の設備において地震・台風等の大規模な自然災害や操業トラブルが発生した場合、業績は影響を受ける可能性がある。

(7) 電気事業以外の事業について

当社グループは、電気事業以外の事業については、その将来性や収益性を十分勘案して取り組んでいるが、他業者との競合の進展等、市場環境の変化により、業績は影響を受ける可能性がある。

ただし、電気事業以外の事業規模は、電気事業規模に比べると小さいことから、業績への影響は限定的と考えられる。

(8) 企業倫理の遵守について

コンプライアンスの徹底を経営方針に掲げ、「行動規範」や「個人情報保護規程」の制定・遵守に加え、コンプライアンス研修を充実するなど、当社グループをあげて企業倫理を遵守した業務運営を定着させるための取組みに努めているが、企業倫理に反した行為が発生した場合、当社グループへの社会的信用が低下し、業績は影響を受ける可能性がある。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はない。

 

6【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)では、お客さま、地域社会など皆さまからの期待・要望に適切、誠実にお応えするため、電力の安定供給、低炭素社会の実現及び環境保全を中心とした研究開発に積極的に取り組んでいる。

なお、研究資源の有効活用や産学官の連携強化などの取組みにより効率的な研究開発に努め、当連結会計年度における研究開発費の総額は1,405百万円であった。

主な研究開発の内容は次のとおりである。

(電気事業)

電力の安定供給、低炭素社会の実現及び環境保全に資する研究

再生可能エネルギー大量導入による系統影響の経済的な緩和対策

信頼性と経済性の両立のための送電線雷事故解析手法の精度向上

リチウムイオン電池の効率的な使用方法

電源構成の変化を踏まえた系統解析手法の精度向上

電力設備の診断・寿命延伸・性能評価技術の開発

・フライアッシュの有効利用

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の経営成績、キャッシュ・フロー及び財政状態の分析は、以下に記載のとおりである。

(経営成績の分析)

(1) 営業利益(セグメントの業績[セグメント間の内部取引消去前])

① 電気事業

当連結会計年度の販売電力量は、電灯及び業務用は、冬季の気温が前年より高かったことによる暖房需要の減少などから、前連結会計年度を下回った。産業用その他は、前連結会計年度なみとなった。

この結果、販売電力量は、275億18百万キロワット時(うち特定規模需要182億62百万キロワット時)となり、前連結会計年度と比較すると1.3%の減少となった。

供給力については、志賀原子力発電所1・2号機が引き続き運転できなかったことから、厳しい状況となった。

このため、お客さまに夏季及び冬季の節電にご協力いただくとともに、水力・火力発電所の補修時期を調整するなど供給面での諸対策を講じたことに加え、出水率が107.0%と平年を上回った結果、供給を維持することができた。

収支については、売上高は、販売電力量が減少したことなどから、4,930億円(前期比96.4%)となった。

また、営業利益は、経費全般にわたる効率化に努めたものの、販売電力量の減少や石炭火力発電所の稼働減などから、291億円(同82.2%)となった。

② その他

売上高は、北陸電気工事(株)の連結子会社化などから、前連結会計年度に比べ464億円増の1,012億円(前期比 184.6%)、営業費用は、前連結会計年度に比べ419億円増の923億円(同183.4%)となった。

この結果、営業利益は89億円(同198.6%)となった。

(2) 経常利益

営業外収益は、前連結会計年度に比べ7億円減の29億円(前期比80.2%)となり、売上高(営業収益)5,445億円と合わせた当期経常収益は、前連結会計年度に比べ110億円増の5,475億円(同102.1%)となった。

一方、営業外費用は支払利息の減少や前連結会計年度に計上した建設準備口償却費の反動減などにより前連結会計年度に比べ82億円減の130億円(同61.1%)となり、営業費用5,064億円と合わせた当期経常費用は、前連結会計年度に比べ53億円増の5,194億円(同101.0%)となった。

この結果、当期経常利益は、前連結会計年度に比べ57億円増の280億円(同125.6%)となった。

(3) 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度は豊水であったことから、渇水準備金を48億円引き当てた。

この結果、税金等調整前当期純利益は232億円(前期比118.3%)となり、法人税等の税額、法人税等調整額、及び非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ39億円増の128億円(同143.4%)となった。

(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)

(1) キャッシュ・フロー

営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の収入は、前連結会計年度に比べ433億円減の697億円(前期比61.7%)となった。これは、未払事業税及び未払消費税等と仕入債務が減少したことなどによるものである。

投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ190億円減の850億円(同81.7%)となった。これは、固定資産の取得による支出が減少したことなどによるものである。

財務活動による資金の流入は、前連結会計年度に比べ533億円増の339億円(前期は資金の支出193億円)となった。これは、社債の償還による支出が減少したことなどによるものである。

これらの活動の結果、当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ187億円増の1,931億円(前期末比110.8%)となった。

(2) 資産

資産合計は、前連結会計年度末に比べ299億円増の1兆5,093億円(前期末比102.0%)となった。これは、固定資産仮勘定の増加などによるものである。

(3) 負債

負債合計は、前連結会計年度末に比べ401億円増の1兆1,753億円(前期末比103.5%)となった。これは、有利子負債の増加などによるものである。

(4) 純資産

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ102億円減の3,340億円(前期末比97.0%)となった。これは、その他の包括利益累計額が減少したことなどによるものである。