(注) 金額には、消費税等は含まれていない。
(1) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当社は厳しい経営環境を踏まえ、本年4月1日から一部のお客さまを対象として電気料金の値上げを実施させていただいた。このような中、当社グループは以下の5つの柱からなる経営方針のもと、諸課題へ着実に取り組んでいく。
まずは電力の安定供給確保や低炭素社会を支える基盤である志賀原子力発電所の早期再稼働に向け、新規制基準への適合性確認審査へ確実に対応する。
また、今後も聖域を設けず経営効率化に取り組むとともに、お客さまのニーズを捉えたサービスの充実や開発に努めていく。社会が大きく変化していく中で様々なニーズを掘り起こし、お客さまにとって有益な価値を提供し続けていく。新たな価値を創造し持続的な成長を図っていくため、組織体制を強化し、既存事業領域の拡大と新たな事業領域の創出に取り組んでいく。
加えて、これまで築いてきた安全文化を更に深化させ、全社的な業務品質の向上を図る。
今後も北陸地域に根差した企業として、地域とともに発展できるよう、これらの取組みを着実に進め、皆さまから「信頼され選択される北陸電力グループ」を目指していく。
1.安定供給を確保する
供給安定性、経済性に優れ、発電時にCO2を排出しないことから、ベースロード電源として重要な役割を担う志賀原子力発電所の安全強化に徹底して取り組むとともに、新規制基準への適合性確認審査に的確に対応し、早期再稼働を目指す。
また、高稼働が続いている水力・火力発電所の補修を着実に行うとともに、発電設備の高効率化等を通じ、電源の低炭素化を推進していく。流通設備についても、高経年設備の計画的な更新等により、安定供給を確保する。
2.競争力を高める
安全最優先を前提とした更なる業務効率化及びコスト削減を徹底するとともに、志賀原子力発電所をはじめとした競争力ある電源の整備・活用を進めていく。また、地域に密着した営業活動やお客さまのニーズを捉えたサービスの展開等を通じて、可能な限り販売を拡大するとともに、事業基盤を強化していく。
3.グループ全体の収益性を高める
今後の人口動態やIoT・AIをはじめとする技術革新等により、社会・経済構造や社会のニーズが劇的に変化していくことが想定される。当社グループとして、これらの変化を的確に捉え、持ち得る経営資源を最大限活用することで、事業領域の拡大及び新領域の創出に取り組み、持続的な成長を目指していく。
4.電力システム改革に適応する
平成32年4月からの送配電部門の法的分離に対し、業務の中立性・透明性確保と最適な事業運営の両立に向け、本年7月から移行準備組織を導入し、法的分離後の組織・業務運営を検証するとともに、法的分離に向けた諸手続きを着実に進めていく。
また、制度改正に対しても的確に対処し、着実な業務運営を行っていく。
5.経営基盤を支える取組みを徹底する
当社グループが持続的に成長していくため、安全最優先の徹底をはじめとする安全文化の更なる深化や業務品質の向上に取り組む。加えて、お客さまや地域の皆さまとの双方向対話活動を展開し、地域社会から信頼いただけるよう取り組んでいくとともに、経営効率化をはじめとした当社グループの取組みについて、丁寧な説明に努めていく。
また、ダイバーシティの推進や働き方改革による労働生産性向上に着実に取り組み、個人・組織が能力を最大限発揮できる活力ある職場づくりを行っていく。
(2) 目標とする経営指標
原子力発電所の再稼働時期が見通せないなど経営環境が不透明であることから、利益目標などの経営指標は設定していないが、厳しい収支状況に対処していくため、経営基盤強化委員会において、聖域を設けず経営効率化に取り組むとともに、電力の安定供給を確保する観点から、以下の経営指標を設定している。
<良質で環境にやさしい電力の安定供給>
・お客さま一戸あたり停電回数:0.23回/年程度
(経営効率化の主な取組み)
□需給関連費用の効率化
・石炭火力発電所の定期点検期間短縮(工法変更等)による燃料費の削減
・経済性に優れた電源の活用(水力・LNG火力発電電力量の拡大)
・供給余力を活用した卸電力取引所への販売拡大
・低コストな近距離ソース炭の利用拡大による燃料費の削減
□修繕・設備関連費用の削減
・安定供給及び工事施工力への影響を見極めたうえで、設備の補修時期や点検時期の見直し拡大
・工事仕様の見直し、競争入札や共同調達等多様な調達方策活用による調達価格の7%低減
□人件費関連の削減
・役員、従業員の年収水準の引下げ、福利厚生制度の見直し等
・業務の集約化等による労働生産性の向上
□その他経費関連の削減
・施策の取捨選択等による諸経費全般の削減等
当社グループの業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクについては、以下に記載のとおりである。
なお、記載した将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
(1) 志賀原子力発電所の状況について
当社は、東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故を受け、早期に「安全強化策」を取りまとめ、実施してきた。引き続き、新規制基準も踏まえた「安全性向上施策」に関する工事を進めており、2号機については新規制基準への適合性確認審査を受けている。
「安全性向上施策」については、新規制基準への適合性確認に係る他社発電所の審査状況を踏まえ、代替高圧注水設備の追加設置が必要と判断したため、工事完了時期を変更することとし、平成30年度内の工事完了を目指している。
今後、2号機の審査や他社の発電所の審査状況により、更に工事内容の充実を図る可能性があるが、審査状況や新たな知見を把握し先行して対処するなど、早期の工事完了を目指していく。また、1号機については引き続き検討を進めていく。
一方、敷地内断層の調査について、当社は、平成25年12月に、「将来活動する可能性のある断層等ではなく、また、周辺断層との関連性はない」とする最終報告書を、原子力規制委員会に提出した。その後、「志賀原子力発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合」において平成26年3月から2年余りにわたり議論が行われ、平成28年4月、同会合から原子力規制委員会に「北陸電力株式会社志賀原子力発電所の敷地内破砕帯の評価について」(評価書)の報告がなされ、現在、原子力規制委員会による新規制基準への適合性確認審査の場で審査されている。
報告された評価書では、スケッチ等の限られた情報に基づくものという前提のもと、変位したと解釈するのが合理的との評価が示されているが、これは、当社から説明する機会が十分にない中でとりまとめられたものであり、また、適合性確認審査においては、あくまで参考意見として取り扱われるものである。
同審査においては、評価書で示された「今後の課題」も踏まえて、これまでの調査結果に加え、当社の最終報告書での主張を裏付けるべく、追加調査等により得られている新たな地質データ等を丁寧に説明するなど、適切に対応していく。
安全対策や敷地内断層の調査については、その内容を地域の皆さまにわかりやすく丁寧にご説明し、ご理解いただけるよう最大限努力し、早期の再稼働を目指していく。
平成28年9月に発生した2号機の原子炉建屋内への雨水流入事象については、再発防止対策に係る活動を確実に実施していくとともに、原子力部門の活動状況全般を監視する原子力安全推進部を平成30年2月に設置し、再発防止に努めている。
今後も、新規制基準等へ的確に対応するとともに、世界最高水準の安全性を目指していく。
なお、新規制基準への適合性確認審査の進捗や原子力政策・規制の見直し等によって、原子力発電所の停止が長期化する場合や稼働率が低下する場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(2) 電気事業に関わる制度の変更等について
原子力発電を「安全性の確保を大前提に、エネルギー需給の安定に寄与する重要なベースロード電源」と位置づけたエネルギー基本計画を踏まえ、平成27年7月に長期エネルギー需給見通しが決定され、2030年度のエネルギーの需給構造が示された。
また、電力システム改革については、平成28年4月から小売全面自由化が開始され、平成32年4月から送配電部門の法的分離が予定されている。
こうした当社事業に関連する制度の変更等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
このほか、バックエンド事業に関する制度見直しや、地球温暖化に関する環境規制の動向などにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性があるが、「低廉で良質なエネルギーを安定的にお届けする」という当社の社会的使命に変わりはなく、お客さまをはじめステークホルダーの皆さまの視点に立ち、安定供給や更なる経営効率化に不断の努力で取り組んでいく。
(3) 経済状況や天候等による販売電力量等の変動について
販売電力量は、経済活動や天候(特に気温)の状況、企業の海外移転などによる産業空洞化などによって変動することから、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
また、年間の降雨降雪量の変動により水力発電所の発電量が増減し、火力燃料費が変動することから、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(4) 燃料価格の変動等について
火力燃料は、石炭、原・重油、LNG(平成30年11月富山新港火力発電所LNG1号機営業運転開始予定)であり、需給状況や外国為替相場の動向により、火力燃料価格が急激に変動した場合や、調達地域での操業トラブルや政治情勢の変動等により、燃料が円滑に調達できない場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
ただし、燃料価格の変動については、価格変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」によって一定の調整が図られることから、業績への影響は軽減される。
(5) 金融市場の動向について
当社グループの有利子負債残高は、当連結会計年度末で9,900億円であり、市場金利や格付の低下等に伴う調達金利の上昇により、業績は影響を受ける可能性がある。
ただし、有利子負債の殆どは中長期的に利率が確定している社債や長期借入金で構成されていることから、金利上昇による業績への影響は限定的と考えられる。
また、企業年金資産等の一部は、株価・金利等の変動により時価が変動することから、業績は影響を受ける可能性がある。
(6) 自然災害・操業トラブルについて
当社グループは、電力供給設備を中心に、多くの設備を保有しており、その保守・保全には万全を期しているが、当社の設備及び当社が受電している他社の設備において地震・台風等の大規模な自然災害や操業トラブルが発生した場合、業績は影響を受ける可能性がある。
(7) 電気事業以外の事業について
当社グループは、電気事業以外の事業については、その将来性や収益性を十分勘案して取り組んでいるが、他業者との競合の進展等、市場環境の変化により、業績は影響を受ける可能性がある。
ただし、電気事業以外の事業規模は、電気事業規模に比べると小さいことから、業績への影響は限定的と考えられる。
(8) 企業倫理の遵守について
コンプライアンスの徹底を経営方針に掲げ、「行動規範」や「個人情報保護規程」の制定・遵守に加え、コンプライアンス研修を充実するなど、当社グループをあげて企業倫理を遵守した業務運営を定着させるための取組みに努めているが、企業倫理に反した行為が発生した場合、当社グループへの社会的信用が低下し、業績は影響を受ける可能性がある。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の我が国経済は、設備投資が持ち直しているほか、良好な雇用環境の継続などにより、緩やかな回復基調が続いた。
北陸地域の経済は、生産活動の増勢が続くとともに、北陸新幹線による交流人口も高水準を維持していることなどから、総じて緩やかに拡大を続けた。
このような経済情勢の中、当連結会計年度の財政状態、経営成績は以下のとおりとなった。
(財政状態)
資産合計は、前連結会計年度末に比べ706億円増の1兆5,887億円(前期末比 104.7%)となった。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ706億円増の1兆2,611億円(同 105.9%)となった。
純資産合計は、前連結会計年度末なみの3,276億円となった。
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績は、売上高(営業収益)5,962億円(前期比109.9%)、営業利益148億円(同140.7%)、経常利益26億円(同132.8%)、親会社株主に帰属する当期純損益は4億円の損失(前期の親会社株主に帰属する当期純損益は6億円の損失)となった。
セグメントごとの経営成績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりである。
電気事業は、売上高5,490億円(同110.5%)、営業利益61億円(同208.9%)となった。
その他の事業は、売上高1,013億円(同106.7%)、営業利益89億円(同116.9%)となった。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、投資活動において固定資産の取得による支出を中心に912億円減少したが、営業活動により822億円、財務活動により354億円増加したことから、前連結会計年度末に比べ264億円増加し、当連結会計年度末には2,001億円(前期末比115.2%)となった。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)においては、電気事業が事業の大半を占めており、また、電気事業以外の事業は、広範囲かつ多種多様であり、生産、受注、販売といった画一的な区分による表示が困難である。
このため、電気事業の生産、受注及び販売の状況のみを記載している。
a. 需給実績
|
種別 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前期比(%) |
||
|
発 受 電 電 力 量 |
自 社 |
水力発電電力量(百万kWh) |
6,966 |
120.1 |
|
火力発電電力量(百万kWh) |
22,426 |
95.7 |
||
|
原子力発電電力量(百万kWh) |
- |
- |
||
|
新エネルギー等発電電力量(百万kWh) |
4 |
95.8 |
||
|
融通・他社受電電力量(百万kWh) |
5,144 △3,014 |
140.1 161.8 |
||
|
揚水発電所の揚水用電力量(百万kWh) |
△23 |
155.9 |
||
|
合計(百万kWh) |
31,504 |
101.5 |
||
|
損失電力量等(百万kWh) |
△2,841 |
96.9 |
||
|
販売電力量(百万kWh) |
28,663 |
102.0 |
||
|
出水率(%) |
110.9 |
- |
||
(注)1.融通・他社受電電力量のうち、連結子会社からの受電電力量は174百万kWhである。
2.融通・他社受電電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示しており、期末時点で把握している電力量を記載している。
3.揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
4.販売電力量の中には、営業収益には計上されない自社事業用電力量(31百万kWh)を含んでいる。
5.出水率は、自社の昭和61年度から平成27年度までの30か年平均に対する比である。なお、連結子会社を含めた出水率は110.9%である。
6.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
b. 販売実績
(a)販売電力量
|
種別 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前期比(%) |
|
|
低 圧
|
電灯(百万kWh) |
8,480 |
103.0 |
|
電力(百万kWh) |
1,188 |
102.6 |
|
|
低圧計(百万kWh) |
9,668 |
103.0 |
|
|
高 圧 ・ 特 別 高 圧 |
業務用(百万kWh) |
5,004 |
98.4 |
|
産業用(百万kWh) |
13,991 |
102.6 |
|
|
高圧・特別高圧計(百万kWh) |
18,995 |
101.5 |
|
|
計(百万kWh) |
28,663 |
102.0 |
|
|
融通・他社販売(百万kWh) |
3,014 |
161.8 |
|
|
総販売電力量(百万kWh) |
31,677 |
105.7 |
|
(b)料金収入
|
種別 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前期比(%) |
|
電灯(百万円) |
170,649 |
108.7 |
|
電力(百万円) |
301,602 |
108.9 |
|
電灯電力合計(百万円) |
472,251 |
108.8 |
|
融通・他社販売(百万円) |
38,812 |
124.9 |
(注) 電力には、高圧・特別高圧を含む。
c. 資材の状況
石炭、重油、原油、LNGの受払状況
|
種別 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前期比(%) |
|
|
石炭 (t) |
期首残高 |
496,774 |
91.5 |
|
当期受入 |
6,484,099 |
94.5 |
|
|
発電用消費 |
6,590,739 |
95.4 |
|
|
その他 |
- |
- |
|
|
期末残高 |
390,134 |
78.5 |
|
|
重油 (kl) |
期首残高 |
187,751 |
119.7 |
|
当期受入 |
406,439 |
81.3 |
|
|
発電用消費 |
393,436 |
86.1 |
|
|
その他 |
9,703 |
78.6 |
|
|
期末残高 |
191,051 |
101.8 |
|
|
原油 (kl) |
期首残高 |
47,617 |
113.8 |
|
当期受入 |
323,772 |
116.5 |
|
|
発電用消費 |
325,612 |
119.6 |
|
|
その他 |
△1,851 |
- |
|
|
期末残高 |
47,628 |
100.0 |
|
|
LNG (t) |
期首残高 |
- |
- |
|
当期受入 |
63,406 |
- |
|
|
発電用消費 |
- |
- |
|
|
その他 |
2,126 |
- |
|
|
期末残高 |
61,280 |
- |
|
(注)当連結会計年度の数量が「-」、負の値若しくは正負異なる値であった場合は、前期比を「-」としている。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり採用する重要な会計方針については「第5 経理の状況」に記載している。
当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高及び経常収益
売上高(営業収益)は、電気事業における燃料費調整額の増加や再エネ特措法賦課金・交付金の増加などから、前連結会計年度に比べ537億円増の5,962億円(前期比109.9%)となり、これに営業外収益を加えた経常収益は523億円増の5,988億円(同109.6%)となった。
b. 経常利益
経常利益は、電気事業において、水力発受電量が増加したことに加え、人件費をはじめ更なる効率化に努めたものの、高稼働・高経年設備に係る修繕費の増加や大型石炭火力2基の稼働減に伴う燃料費の増加などにより、当社個別決算では2年連続で過去最大の経常損失となった。一方、連結決算では、電気事業以外における請負工事の受注増加などにより、前連結会計年度に比べ6億円増の26億円(同132.8%)となった。
c. 親会社株主に帰属する当期純損益
税金等調整前当期純利益は26億円(前期比100.1%)となり、法人税等の税額、法人税等調整額、及び非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純損益は4億円の損失(前期の親会社株主に帰属する当期純損益は6億円の損失)となり、2年連続の損失となった。
(セグメントごとの経営成績[セグメント間の内部取引消去前営業利益])
a. 電気事業
当連結会計年度の小売販売電力量については、電灯は、冬季の気温が前年より低かったことによる暖房需要の増加などから、前連結会計年度を上回った。産業用は、機械産業の需要が増加したことなどから、前連結会計年度を上回った。
この結果、小売販売電力量は、286億63百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると2.0%の増加となった。
供給力については、志賀原子力発電所1・2号機が引き続き運転できなかったことから、厳しい状況となった。
しかしながら、お客さまに夏季及び冬季の電気の効率的なご使用にご協力いただくとともに、水力・火力発電所の補修時期を調整するなど供給面での諸対策を講じたことに加え、出水率が110.9%と平年を上回った結果、供給を維持することができた。
収支については、売上高は、燃料費調整額の増加や再エネ特措法賦課金・交付金の増加などから、前連結会計年度に比べ523億円増の5,490億円(前期比110.5%)となった。
また、営業利益は、水力発受電量の増加や償却進行による減価償却費の減少などに加え、人件費をはじめ更なる効率化に努めたことから、高稼働・高経年設備に係る修繕費の増加や大型石炭火力2基の稼働減に伴う燃料費の増加はあったものの、前連結会計年度に比べ31億円増の61億円(同208.9%)となった。
b. その他
売上高は、請負工事の受注増加などから、前連結会計年度に比べ64億円増の1,013億円(前期比 106.7%)、営業費用は、前連結会計年度に比べ51億円増の924億円(同 105.9%)となった。
この結果、営業利益は89億円(同 116.9%)となった。
(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)
a. キャッシュ・フロー
営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の収入は、前連結会計年度に比べ187億円増の822億円(前期比 129.5%)となった。これは、前連結会計年度において法改正により使用済燃料再処理等拠出金を一括納付したことによる反動増などによるものである。
投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ129億円減の912億円(同 87.5%)となった。これは、固定資産の取得による支出が減少したことなどによるものである。
財務活動による資金の流入は、前連結会計年度に比べ140億円増の354億円(同 166.0%)となった。これは、配当金の支払が減少したことなどによるものである。
これらの活動の結果、当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ264億円増の2,001億円(前期末比 115.2%)となった。
b. 資産
資産合計は、前連結会計年度末に比べ706億円増の1兆5,887億円(前期末比 104.7%)となった。これは、固定資産仮勘定の増加などによるものである。
c. 負債
負債合計は、前連結会計年度末に比べ706億円増の1兆2,611億円(前期末比 105.9%)となった。これは、有利子負債の増加などによるものである。
d. 純資産
純資産合計は、その他の包括利益累計額の増加などにより前連結会計年度末なみの3,276億円となった。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
a. 資金需要
主として電気事業固定資産に係る設備投資及び修繕費、社債の償還及び借入金の返済、火力燃料の購入等に資金を充当している。
b. 資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー、社債の発行、金融機関からの借入等により、必要とする資金を調達している。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローに係る情報については、「(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)」に記載している。
(有利子負債)
有利子負債に係る情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」に記載している。
なお、当連結会計年度末現在、長期発行体格付は株式会社投資格付情報センター(R&I)にてA+となっている。
また、電気事業法の下、当社により発行される社債については一般担保が付されており、償還請求において社債権者は無担保債権者よりも優先される。
c. 流動性
当社グループは、営業活動により十分なキャッシュ・フローを得ていることに加え、国内普通社債発行登録、短期社債発行枠の設定及びコミットメントライン契約により、必要に応じて資本市場及び金融機関より資金調達することが可能である。
以上により必要な現預金残高を確保するとともに、原則として元利確定の銀行預金等で運用することを定めており、十分な流動性を確保している。
(事業等のリスクに係る情報)
事業等のリスクに係る情報については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載している。
該当事項はない。
当社グループ(当社及び連結子会社)では、お客さま、地域社会など皆さまからの期待・要望に適切、誠実にお応えするため、電力の安定供給、低炭素社会の実現及び環境保全を中心とした研究開発に積極的に取り組んでいる。
なお、研究資源の有効活用や産学官の連携強化などの取組みにより効率的な研究開発に努め、当連結会計年度における研究開発費の総額は1,722百万円であった。
主な研究開発の内容は次のとおりである。
(電気事業)
○ 電力の安定供給、低炭素社会の実現及び環境保全に資する研究
・再生可能エネルギー大量導入による系統影響の経済的な緩和対策
・信頼性と経済性の両立のための送配電線雷事故解析手法の精度向上
・長期的な設備機能維持に向けた工法等の開発
・電力設備の診断・寿命延伸・性能評価技術の開発
・フライアッシュの有効利用
・新技術導入による効率化の取組み