第2【事業の状況】

(注) 金額には、消費税等は含まれていない。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営環境及び長期的な経営戦略

我が国では人口減少やIoT・AI、EV等の新技術による産業構造の変化が進み、今後は、技術革新による既存のビジネスモデルの破壊や新たなビジネスの創出、持続可能な社会への意識の高まり等、更なる変化が想定されている。また、エネルギー業界は、電力小売全面自由化以降の競争激化、地球温暖化に関する環境規制等、非連続な変化に晒されており、この傾向は今後加速していくと見ている。

このような中、2019年4月に「北陸電力グループ2030長期ビジョン」を策定し、「北陸と共に発展し、新たな価値を全国・海外へ」を当社グループの将来の「ありたい姿」として掲げた。その実現に向け、「北陸を基盤とした『総合エネルギー事業』の拡大」、「新たな成長事業の開拓」の2つを基本戦略として取り組んでいく。

 

(2) 経営方針及び対処すべき課題

当社グループは「北陸電力グループ2030長期ビジョン」達成に向けた具体的な実行計画として、「第一次中期経営計画<2019~2022年度>」を策定した。以下の4つの柱からなる経営方針のもと、諸課題へ着実に取り組んでいく。

 

1.安定供給の確保

供給安定性、経済性に優れ、発電時にCOを排出しないことから、ベースロード電源として重要な役割を担う志賀原子力発電所の安全強化に徹底して取り組むとともに、新規制基準への適合性確認審査に的確に対応し、早期再稼働を目指していく。

また、高稼働が続いている水力・火力発電設備の確実な運転保守管理、経年設備の計画的な更新及び燃料の安定的調達等を通じ、引き続き安定供給を確保する。

流通設備についても、高経年設備の計画的な更新等により、安定供給を確保するとともに再生可能エネルギー大量導入への対応やレジリエンス(強靭性・回復力)向上に向けた訓練・設備の充実に向けて取り組んでいく。

 

2.総合エネルギー事業の競争力強化

志賀原子力発電所の早期再稼働・安定稼働、再生可能エネルギーの拡大など低炭素化と経済性を両立する電源構成を構築するとともに、総合エネルギー事業の展開等による積極的な営業活動やお客さまのニーズを捉えたサービスの展開等を通じて、可能な限り販売を拡大していく。

また、安全最優先を前提とした更なる業務効率化を徹底するとともに、将来の新たなサービスの検討・実施や電力システム改革をはじめとする国の政策に戦略的に対応し、さらなる事業基盤の強化を目指していく。

 

3.グループ総力による事業領域拡大

今後の人口動態やIoT・AIをはじめとする技術革新等により、社会・経済構造や社会のニーズが劇的に変化していくことが想定される。このような環境の中、グループの持続的な成長のため、持ち得る経営資源や新技術を最大限活用することで、既存事業領域の拡大及び新たな事業領域の創出に取り組み、事業ポートフォリオの変革を目指すとともに社会課題の解決に貢献していく。

 

4.企業文化の深化

当社グループが持続的に成長していくため、安全最優先の徹底をはじめとする安全文化の更なる深化や業務品質の向上に取り組んでいく。加えて、お客さまや地域の皆さまとの双方向対話活動を展開し、地域社会から信頼いただけるよう取り組んでいくとともに、経営効率化をはじめとした当社グループの取組みについて、丁寧な説明に努めていく。

また、ダイバーシティの推進や更なる労働生産性向上に加え、創造力のある多様な人財の育成や新技術の活用を進めるとともに、ワークライフバランスを踏まえた取組みを強化し、個人・組織が能力を最大限発揮できる活力ある職場づくりを行っていく。

 

(3) 目標とする経営指標等

2019年4月に「北陸電力グループ2030長期ビジョン」において、当社グループの将来の「ありたい姿」を踏まえ、以下の財務目標を設定した。

 

■連結自己資本比率  2030年度までに30%以上

■連結経常利益    期間平均(2019~2030)350億円以上

■事業ポートフォリオ 2030年度頃までに連結経常利益ベースで

           電気事業:電気事業以外=2:1

2【事業等のリスク】

当社グループの業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクについては、以下に記載のとおりである。

なお、記載した将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。

 

(1) 志賀原子力発電所の状況について

当社は、東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故を受け、早期に「安全強化策」を取りまとめ、実施してきた。引き続き、新規制基準も踏まえた「安全性向上施策」に関する工事を進めており、2号機については新規制基準への適合性確認審査を受けている。

「安全性向上施策」については、新規制基準の改正により代替残留熱除去設備の設置が必要となったことを踏まえ、当該設備の詳細設計を進めている。しかしながら、配管ルートの選定等に時間を要しており設計の長期化が見込まれるため、工事完了時期を変更することとし、2019年度内の工事完了を目指している。

今後、2号機の審査や他社の発電所の審査状況により、更に工事内容の充実を図る可能性があるが、審査状況や新たな知見を把握し先行して対処するなど、早期の工事完了を目指していく。また、1号機については引き続き検討を進めていく。

一方、敷地内断層については、現在、原子力規制委員会による新規制基準への適合性確認審査の場で審査されており、「断層の抽出と評価対象断層の選定」「敷地内断層の活動性評価」「敷地周辺の地形、地質・地質構造」の3つの論点で審議が進められている。

2019年1月に行われた敷地内断層に関する審査会合では、当社は評価対象断層を8本とすることを説明し、そのうち陸域の6本の断層について、評価対象として選定することで了承を得た。今後、活動性評価の審査への対応を進めていくこととなる。また、海岸部の断層については、取水路トンネルの破砕部等に関するデータを拡充・再整理し、評価対象断層の選定とその活動性評価について、説明を行っていく。

引き続き、「将来活動する可能性のある断層等ではなく、また、周辺断層との関連性はない」とする当社の主張を裏付けるべく、これまでの調査結果に加え、追加調査等により得られている新たな地質データ等を丁寧に説明するなど、適切に対応していく。

安全対策や敷地内断層の調査については、その内容を地域の皆さまにわかりやすく丁寧にご説明し、ご理解いただけるよう最大限努力し、早期の再稼働を目指していく。

今後も、新規制基準等へ的確に対応するとともに、世界最高水準の安全性を目指していく。

なお、新規制基準への適合性確認審査の進捗や原子力政策・規制の見直し等によって、原子力発電所の停止が長期化する場合や稼働率が低下する場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

(2) 電気事業に関わる制度の変更等について

2018年7月に見直されたエネルギー基本計画において、「再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取組」について記載されるとともに、原子力発電は引き続き「安全性の確保を大前提に、長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置づけられた。

また、電力システム改革については、2016年4月から小売全面自由化が開始され、2020年4月から送配電部門の法的分離が予定されている。

こうした当社事業に関連する制度の変更等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

このほか、バックエンド事業に関する制度見直しや、地球温暖化に関する環境規制の動向などにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性があるが、「低廉で良質なエネルギーを安定的にお届けする」という当社の社会的使命に変わりはなく、お客さまをはじめステークホルダーの皆さまの視点に立ち、安定供給や更なる経営効率化に不断の努力で取り組んでいく。

(3) 経済状況や天候等による販売電力量等の変動について

販売電力量は、経済活動や天候(特に気温)の状況、電力市場における競争状況、企業の海外移転などによる産業空洞化などによって変動することから、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

また、年間の降雨降雪量の変動により水力発電所の発電量が増減し、火力燃料費が変動することから、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

(4) 燃料価格の変動等について

火力燃料は、石炭、原・重油、LNGであり、需給状況や外国為替相場の動向により、火力燃料価格が急激に変動した場合や、調達地域での操業トラブルや政治情勢の変動等により、燃料が円滑に調達できない場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

ただし、燃料価格の変動については、価格変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」によって一定の調整が図られることから、業績への影響は軽減される。

(5) 金融市場の動向について

当社グループの有利子負債残高は、当連結会計年度末で9,804億円であり、市場金利や格付の低下等に伴う調達金利の上昇により、業績は影響を受ける可能性がある。

ただし、有利子負債の殆どは中長期的に利率が確定している社債や長期借入金で構成されていることから、金利上昇による業績への影響は限定的と考えられる。

また、企業年金資産等の一部は、株価・金利等の変動により時価が変動することから、業績は影響を受ける可能性がある。

(6) 自然災害・操業トラブルについて

当社グループは、電力供給設備を中心に、多くの設備を保有しており、その保守・保全には万全を期しているが、当社の設備及び当社が受電している他社の設備において地震・台風等の大規模な自然災害や操業トラブルが発生した場合、業績は影響を受ける可能性がある。

(7) 電気事業以外の事業について

当社グループは、電気事業以外の事業については、その将来性や収益性を十分勘案して取り組んでいるが、他業者との競合の進展等、市場環境の変化により、業績は影響を受ける可能性がある。

ただし、電気事業以外の事業規模は、電気事業規模に比べると小さいことから、業績への影響は限定的と考えられる。

(8) 企業倫理の遵守について

コンプライアンスの徹底を経営方針に掲げ、「行動規範」や「個人情報保護規程」の制定・遵守に加え、コンプライアンス研修を充実するなど、当社グループをあげて企業倫理を遵守した業務運営を定着させるための取組みに努めているが、企業倫理に反した行為が発生した場合、当社グループへの社会的信用が低下し、業績は影響を受ける可能性がある。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。

財政状態及び経営成績の状況

当期の我が国経済は、設備投資の増加や良好な雇用環境の継続などにより、緩やかな回復基調が続いた。

北陸地域の経済は、生産活動及び北陸新幹線による交流人口が高水準を維持していることなどから、総じて拡大を続けた。

このような経済情勢の中、当連結会計年度の財政状態、経営成績は以下のとおりとなった。

(財政状態)

資産合計は、前連結会計年度末に比べ156億円減1兆5,731億円(前期末比 99.0%)となった。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ149億円減1兆2,461億円(同 98.8%)となった。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億円減の3,269億円(同 99.8%)となった。

(経営成績)

当連結会計年度の経営成績は、売上高(営業収益)6,229億円(前期比104.5%)、営業利益128億円(同86.5%)、経常利益66億円(同249.2%)、親会社株主に帰属する当期純損益は25億円の利益(前期の親会社株主に帰属する当期純損益は4億円の損失)となった。

セグメントごとの経営成績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりである。

電気事業は、売上高5,741億円(同104.6%)、営業利益52億円(同84.9%)となった。

その他の事業は、売上高1,000億円(同98.7%)、営業利益75億円(同84.5%)となった。

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、営業活動により540億円増加したが、投資活動において固定資産の取得による支出を中心に1,013億円、財務活動により99億円減少したことから、前連結会計年度末に比べ572億円減少し、当連結会計年度末には1,429億円(前期末比71.4%)となった。

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループ(当社及び連結子会社)においては、電気事業が事業の大半を占めており、また、電気事業以外の事業は、広範囲かつ多種多様であり、生産、受注、販売といった画一的な区分による表示が困難である。

このため、電気事業の生産、受注及び販売の実績のみを記載している。

a. 需給実績

種別

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前期比(%)

水力発電電力量(百万kWh)

6,235

89.5

火力発電電力量(百万kWh)

20,203

90.1

原子力発電電力量(百万kWh)

新エネルギー等発電電力量(百万kWh)

4

95.2

融通・他社受電電力量(百万kWh)

6,566

△4,331

127.5

143.4

揚水発電所の揚水用電力量(百万kWh)

△17

72.5

合計(百万kWh)

28,660

91.0

損失電力量等(百万kWh)

△2,600

91.5

販売電力量(百万kWh)

26,060

90.9

出水率(%)

100.2

 (注)1.融通・他社受電電力量のうち、連結子会社からの受電電力量は155百万kWhである。

2.融通・他社受電電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示しており、期末時点で把握している電力量を記載している。

3.揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。

4.販売電力量の中には、営業収益には計上されない自社事業用電力量(27百万kWh)を含んでいる。

5.出水率は、自社の1987年度から2016年度までの30か年平均に対する比である。なお、連結子会社を含めた出水率は100.1%である。

6.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。

b. 販売実績

(a)販売電力量

種別

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

 至 2019年3月31日)

前期比(%)

 電灯(百万kWh)

8,069

95.2

 電力(百万kWh)

17,991

89.1

  電灯電力合計(百万kWh)

26,060

90.9

  融通・他社販売(百万kWh)

4,331

143.4

  総販売電力量(百万kWh)

30,392

95.9

 

(b)料金収入

種別

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前期比(%)

電灯(百万円)

177,758

104.2

電力(百万円)

299,681

99.4

電灯電力合計(百万円)

477,440

101.1

融通・他社販売(百万円)

48,124

124.0

 (注) 電力には、高圧・特別高圧を含む。

c. 資材の実績

 石炭、重油、原油、LNGの受払実績

種別

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前期比(%)

石炭

(t)

期首残高

390,134

78.5

受入

5,631,357

86.8

払出

5,572,862

84.6

期末残高

448,629

115.0

重油

(kl)

期首残高

191,051

101.8

受入

222,343

54.7

払出

141,907

35.2

期末残高

271,486

142.1

原油

(kl)

期首残高

47,628

100.0

受入

170,117

52.4

払出

166,042

51.1

期末残高

51,703

108.6

LNG

(t)

期首残高

61,280

受入

439,010

692.4

払出

430,339

20,251.2

期末残高

69,951

114.1

(注)1.払出には、販売の払出を含む。

   2.前連結会計年度の数量が「-」であった場合は、前期比を「-」としている。

   3.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり採用する重要な会計方針については「第5 経理の状況」に記載している。

当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 売上高及び経常収益

売上高(営業収益)は、電気事業において、料金改定による販売収入の増加や燃料費調整額の増加があったことなどから、前連結会計年度に比べ266億円増の6,229億円(前期比104.5%)となり、これに営業外収益を加えた経常収益は276億円増の6,265億円(同104.6%)となった。

b. 経常利益

経常利益は、電気事業において、七尾大田火力発電所2号機の計画外停止に伴う石炭火力発電所の稼働減や水力発受電量の減少等はあったものの、販売収入の増加や経費全般にわたり徹底した効率化に努めた結果、前連結会計年度に比べ39億円増66億円(同249.2%)となった。

c. 親会社株主に帰属する当期純損益

税金等調整前当期純利益は66億円(前期比249.2%)となり、法人税等の税額、法人税等調整額、及び非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純損益は25億円の利益前期の親会社株主に帰属する当期純損益は4億円の損失)となった。

(セグメントごとの経営成績[セグメント間の内部取引消去前営業利益])

a. 電気事業

当連結会計年度の総販売電力量については、303億92百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると4.1%の減少となった。

このうち、小売販売電力量については、電灯における暖冬影響や、電力における契約電力の減少などから、260億60百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると9.1%の減少となった。また、卸販売電力量については、卸電力取引所等への販売増から、43億31百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると43.4%の増加となった。

供給力については、志賀原子力発電所1・2号機が引き続き運転できなかったことや七尾大田火力発電所2号機の計画外停止等から、厳しい状況となった。

しかしながら、お客さまに夏季及び冬季の電気の効率的なご使用にご協力いただくとともに、水力・火力発電所の補修時期を調整するなど供給面での諸対策を講じたことに加え、卸電力取引所等からの供給力確保に努めた結果、供給を維持することができた。

収支については、売上高は、料金改定による販売収入の増加や燃料費調整額の増加などから、前連結会計年度に比べ251億円増の5,741億円(前期比104.6%)となった。

また、営業利益は、販売収入の増加や経費全般にわたり徹底した効率化に努めたものの、七尾大田火力発電所2号機の計画外停止に伴う石炭火力発電所の稼働減や水力発受電量の減少などから、前連結会計年度に比べ9億円減の52億円(同84.9%)となった。

 

b. その他

売上高は、請負工事の受注減少などから、前連結会計年度に比べ12億円減の1,000億円(前期比 98.7%)、営業費用は、前連結会計年度に比べ1億円増の925億円(同 100.1%)となった。

この結果、営業利益は75億円(同 84.5%)となった。

(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)

a. キャッシュ・フロー

営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の収入は、前連結会計年度に比べ282億円減の540億円(前期比 65.7%)となった。これは、未払事業税及び未払消費税等が減少したことなどによるものである。

投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ100億円増の1,013億円(同 111.0%)となった。これは、固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものである。

財務活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ453億円増の99億円(前期は資金の流入354億円)となった。これは、社債の償還による支出が増加したことなどによるものである。

これらの活動の結果、当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ572億円減1,429億円(前期末比 71.4%)となった。

b. 資産

資産合計は、前連結会計年度末に比べ156億円減1兆5,731億円(前期末比 99.0%)となった。これは、社債の償還などにより現金及び預金が減少したことなどによるものである。

c. 負債

負債合計は、前連結会計年度末に比べ149億円減1兆2,461億円(前期末比 98.8%)となった。これは、社債の償還などによるものである。

d. 純資産

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億円減の3,269億円(前期末比 99.8%)となった。これは、その他の包括利益累計額の減少などによるものである。

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

a. 資金需要

主として電気事業固定資産に係る設備投資及び修繕費、社債の償還及び借入金の返済、火力燃料の購入等に資金を充当している。

b. 資金の源泉

主として営業活動によるキャッシュ・フロー、社債の発行、金融機関からの借入等により、必要とする資金を調達している。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローに係る情報については、「(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)」に記載している。

(有利子負債)

有利子負債に係る情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」に記載している。

なお、当連結会計年度末現在、長期発行体格付は株式会社投資格付情報センター(R&I)にてA+となっている。

また、電気事業法の下、当社により発行される社債については一般担保が付されており、償還請求において社債権者は無担保債権者よりも優先される。

c. 流動性

当社グループは、営業活動により十分なキャッシュ・フローを得ていることに加え、国内普通社債発行登録、短期社債発行枠の設定及びコミットメントライン契約により、必要に応じて資本市場及び金融機関より資金調達することが可能である。

以上により必要な現預金残高を確保するとともに、原則として元利確定の銀行預金等で運用することを定めており、十分な流動性を確保している。

(事業等のリスクに係る情報)

事業等のリスクに係る情報については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載している。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はない。

 

5【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)では、お客さま、地域社会など皆さまからの期待・要望に適切、誠実にお応えするため、電力の安定供給、低炭素社会の実現及び環境保全を中心とした研究開発に積極的に取り組んでいる。

なお、研究資源の有効活用や産学官の連携強化などの取組みにより効率的な研究開発に努め、当連結会計年度における研究開発費の総額は1,640百万円であった。

主な研究開発の内容は次のとおりである。

(電気事業)

電力の安定供給、低炭素社会の実現及び環境保全に資する研究

再生可能エネルギー大量導入による系統影響の経済的な緩和対策

信頼性と経済性の両立のための送配電線雷事故解析手法の精度向上

・長期的な設備機能維持に向けた工法等の開発

電力設備の診断・寿命延伸・性能評価技術の開発

・フライアッシュの有効利用

○ 新たな企業価値創造や競争力確保に資する研究

・業務効率化に向けた新技術の活用研究

・新たな価値創造に向けた研究