(注) 金額には、消費税等は含まれていない。
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」の記載内容について変更があった項目は、以下のとおりである。
なお、記載した将来に関する事項については、当四半期報告書提出日現在において判断したものである。
(以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」の項目番号に対応するものである。)
(1) 志賀原子力発電所の状況について
当社は、東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故を受け、早期に「安全強化策」を取りまとめ、実施してきた。引き続き、新規制基準も踏まえた「安全性向上施策」に関する工事を進めており、2号機については新規制基準への適合性確認審査を受けている。
「安全性向上施策」については、新規制基準の改正により代替残留熱除去設備の設置が必要となったことを踏まえ、当該設備の詳細設計を進めている。しかしながら、配管ルートの選定等に時間を要しており設計の長期化が見込まれるため、工事完了時期を変更することとし、平成31年度内の工事完了を目指している。
今後、2号機の審査や他社の発電所の審査状況により、更に工事内容の充実を図る可能性があるが、審査状況や新たな知見を把握し先行して対処するなど、早期の工事完了を目指していく。また、1号機については引き続き検討を進めていく。
一方、敷地内断層の調査について、当社は、平成25年12月に、「将来活動する可能性のある断層等ではなく、また、周辺断層との関連性はない」とする最終報告書を、原子力規制委員会に提出した。その後、「志賀原子力発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合」において平成26年3月から2年余りにわたり議論が行われ、平成28年4月、同会合から原子力規制委員会に「北陸電力株式会社志賀原子力発電所の敷地内破砕帯の評価について」(評価書)の報告がなされ、現在、原子力規制委員会による新規制基準への適合性確認審査の場で審査されている。
報告された評価書では、スケッチ等の限られた情報に基づくものという前提のもと、変位したと解釈するのが合理的との評価が示されているが、これは、当社から説明する機会が十分にない中でとりまとめられたものであり、また、適合性確認審査においては、あくまで参考意見として取り扱われるものである。
同審査においては、評価書で示された「今後の課題」も踏まえて、これまでの調査結果に加え、当社の最終報告書での主張を裏付けるべく、追加調査等により得られている新たな地質データ等を丁寧に説明するなど、適切に対応していく。
安全対策や敷地内断層の調査については、その内容を地域の皆さまにわかりやすく丁寧にご説明し、ご理解いただけるよう最大限努力し、早期の再稼働を目指していく。
平成28年9月に発生した2号機の原子炉建屋内への雨水流入事象については、再発防止対策に係る活動を確実に実施していくとともに、原子力部門の活動状況全般を監視する原子力安全推進部を平成30年2月に設置し、再発防止に努めている。
今後も、新規制基準等へ的確に対応するとともに、世界最高水準の安全性を目指していく。
なお、新規制基準への適合性確認審査の進捗や原子力政策・規制の見直し等によって、原子力発電所の停止が長期化する場合や稼働率が低下する場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(2) 電気事業に関わる制度の変更等について
平成30年7月に見直されたエネルギー基本計画において、「再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取組」について記載されるとともに、原子力発電は引き続き「安全性の確保を大前提に、長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置づけられた。
また、電力システム改革については、平成28年4月から小売全面自由化が開始され、平成32年4月から送配電部門の法的分離が予定されている。
こうした当社事業に関連する制度の変更等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
このほか、バックエンド事業に関する制度見直しや、地球温暖化に関する環境規制の動向などにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性があるが、「低廉で良質なエネルギーを安定的にお届けする」という当社の社会的使命に変わりはなく、お客さまをはじめステークホルダーの皆さまの視点に立ち、安定供給や更なる経営効率化に不断の努力で取り組んでいく。
(4) 燃料価格の変動等について
火力燃料は、石炭、原・重油、LNG(平成30年11月富山新港火力発電所LNG1号機営業運転開始)であり、需給状況や外国為替相場の動向により、火力燃料価格が急激に変動した場合や、調達地域での操業トラブルや政治情勢の変動等により、燃料が円滑に調達できない場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
ただし、燃料価格の変動については、価格変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」によって一定の調整が図られることから、業績への影響は軽減される。
2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の我が国経済は、設備投資が増加しているほか、良好な雇用環境の継続などにより、緩やかな回復基調が続いている。
北陸地域の経済は、生産活動及び北陸新幹線による交流人口が高水準を維持していることなどから、総じて拡大している。
このような経済情勢のなか、財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。
(財政状態)
資産合計は、前連結会計年度末に比べ439億円減の1兆5,447億円(前期末比 97.2%)となった。これは、社債の償還などにより現金及び預金が減少したことなどによるものである。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ443億円減の1兆2,167億円(同 96.5%)となった。これは、支払手形及び買掛金や未払税金の減少などによるものである。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億円増の3,279億円(同 100.1%)となった。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の利益剰余金への計上などによるものである。
(経営成績)
a. 売上高及び経常収益
売上高(営業収益)は、電気事業において、料金改定による販売収入の増加や燃料費調整額の増加などから、前年同四半期に比べ239億円増の4,528億円(前年同四半期比 105.6%)となり、これに営業外収益を加えた経常収益は242億円増の4,548億円(同 105.6%)となった。
b. 経常利益
経常利益は、電気事業において、七尾大田火力発電所2号機の停止に伴う石炭火力発電所の稼働減や減価償却費の増加等はあるものの、販売収入の増加や経費全般にわたり徹底した効率化に努めた結果、前年同四半期に比べ29億円増の47億円(同 258.8%)となった。
c. 親会社株主に帰属する四半期純利益
税金等調整前四半期純利益は47億円(同 258.8%)となり、法人税等の税額、法人税等調整額、及び非支配株主に帰属する四半期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する四半期純利益は20億円(前年同四半期は1億円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となった。
(セグメントごとの経営成績[セグメント間の内部取引消去前営業利益])
a. 電気事業
当第3四半期連結累計期間の総販売電力量については、前年同四半期に比べ4億64百万キロワット時減の222億88百万キロワット時(前年同四半期比 98.0%)となった。
このうち、小売販売電力量については、電灯における暖冬影響や、電力における契約電力の減少などから、189億39百万キロワット時(同 92.7%)となった。また、卸販売電力量については、卸電力取引所等への販売増から、33億48百万キロワット時(同 144.5%)となった。
供給力については、志賀原子力発電所1・2号機が停止中であったものの、出水率が101.8%と平年を上回ったことに加え、供給設備全般にわたる効率的運用等に努めた結果、期を通じて安定した供給を維持することができた。
収支については、売上高は、料金改定による販売収入の増加や燃料費調整額の増加などから、前年同四半期に比べ239億円増の4,198億円(同 106.1%)となった。
また、営業利益は、七尾大田火力発電所2号機の停止に伴う石炭火力発電所の稼働減や減価償却費の増加等はあるものの、販売収入の増加や経費全般にわたり徹底した効率化に努めた結果、前年同四半期に比べ25億円増の62億円(同 167.1%)となった。
b. その他
売上高は、請負工事の受注減少などから、前年同四半期に比べ11億円減の692億円(前年同四半期比 98.3%)、営業費用は、前年同四半期に比べ9億円増の652億円(同 101.5%)となった。
この結果、営業利益は39億円(同 65.4%)となった。
(2) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当四半期報告書提出日現在において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に変更はないが、新たに発生した対処すべき課題は次のとおりである。
<七尾大田火力発電所2号機の状況>
平成30年9月22日、七尾大田火力発電所2号機のタービン付近で火災が発生し、その後の調査でタービンの一部焼損及びタービン翼の一部損傷等が確認された。
火災は、タービン翼の損傷によるタービン軸の異常振動により、正常時では軸受外部に漏れない潤滑油が、タービン軸を伝って外部に飛散し、タービンカバーの熱により出火したことが原因であった。
また、タービン翼の損傷は、低圧タービンの最終段翼において「経年的な浸食によるき裂の発生」と「部品(中間スリーブ)の劣化による翼の振れ増加」が複合したことが原因であった。
本事象に対し、低圧タービン最終段翼の「翼の浸食部除去と整形加工」、「中間スリーブの材料改善等による高強度化」等により、再発防止を図る。
安全最優先のもと圧力プレートの設置等による早期復旧に努め、平成31年2月末の運転再開を目指す。
なお、運転再開までの需給状況については、他の火力発電所や水力発電所の運転等により、一定の予備力は確保できる見通しである。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,142百万円である。
また、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の内容は、次のとおりである。
(電気事業)
○ 電力の安定供給、低炭素社会の実現及び環境保全に資する研究
・再生可能エネルギー大量導入による系統影響の経済的な緩和対策
・信頼性と経済性の両立のための送配電線雷事故解析手法の精度向上
・長期的な設備機能維持に向けた工法等の開発
・電力設備の診断・寿命延伸・性能評価技術の開発
・フライアッシュの有効利用
○ 新たな企業価値創造や競争力確保に資する研究
・業務効率化に向けた新技術の活用研究
・新たな価値創造に向けた研究
(4) 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)においては、電気事業が事業の大半を占めており、また、電気事業以外の事業は、広範囲かつ多種多様であり、生産、受注、販売といった画一的な区分による表示が困難である。
このため、電気事業の生産、受注及び販売の実績のみを記載している。
① 需給実績
|
種別 |
当第3四半期連結累計期間 (自 平成30年4月1日 至 平成30年12月31日) |
前年同四半期比(%) |
||
|
発 受 電 電 力 量 |
自 社 |
水力発電電力量(百万kWh) |
4,991 |
91.6 |
|
火力発電電力量(百万kWh) |
14,635 |
93.0 |
||
|
原子力発電電力量(百万kWh) |
- |
- |
||
|
新エネルギー等発電電力量(百万kWh) |
3 |
91.9 |
||
|
融通・他社受電電力量(百万kWh) |
4,734 △3,348 |
124.2 144.5 |
||
|
揚水発電所の揚水用電力量(百万kWh) |
△12 |
56.8 |
||
|
合計(百万kWh) |
21,004 |
92.7 |
||
|
損失電力量等(百万kWh) |
△2,064 |
92.6 |
||
|
販売電力量(百万kWh) |
18,939 |
92.7 |
||
|
出水率(%) |
101.9 |
- |
||
(注)1.融通・他社受電電力量のうち、連結子会社からの受電電力量は118百万kWhであり、これを含めた出水率は101.8%である。
2.融通・他社受電電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示しており、期末時点で把握している電力量を記載している。
3.揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
4.販売電力量の中には、営業収益には計上されない自社事業用電力量(19百万kWh)を含んでいる。
5.出水率は、昭和62年度から平成28年度までの第3四半期累計期間の30か年平均に対する比である。
6.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
② 販売実績
a.販売電力量
|
種別 |
当第3四半期連結累計期間 (自 平成30年4月1日 至 平成30年12月31日) |
前年同四半期比(%) |
|
電灯(百万kWh) |
5,286 |
97.1 |
|
電力(百万kWh) |
13,653 |
91.1 |
|
電灯電力合計(百万kWh) |
18,939 |
92.7 |
|
融通・他社販売(百万kWh) |
3,348 |
144.5 |
|
総販売電力量(百万kWh) |
22,288 |
98.0 |
b.料金収入
|
種別 |
当第3四半期連結累計期間 (自 平成30年4月1日 至 平成30年12月31日) |
前年同四半期比(%) |
|
電灯(百万円) |
119,060 |
105.6 |
|
電力(百万円) |
226,449 |
100.9 |
|
電灯電力合計(百万円) |
345,510 |
102.5 |
|
融通・他社販売(百万円) |
37,361 |
131.1 |
(5) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、除却等のうち、当第3四半期連結累計期間に運転を開始した設備は次のとおりである。
(電気事業)
電源
|
|
地点名 |
所在地 |
出力 |
着工 |
運転開始 |
|
|
富山新港火力発電所LNG1号機 |
富山県射水市 |
42.47万kW |
平成27年3月 |
平成30年11月 |
また、志賀原子力発電所の安全性向上施策の工事完了時期を1年程度延長し、平成31年度内としている。これにより、平成30年度の設備投資額は概算として1,100億円程度となる見込みである。
なお、当社は計画的に水力発電電力量の増加に取組んでおり、当第3四半期連結累計期間における水力発電所の出力増加は1箇所200kWである。