(注) 金額には、消費税等は含まれていない。
(1) 経営環境及び長期的な経営戦略
我が国では人口減少やIoT・AI、EV等の新技術による産業構造の変化が進み、今後は、技術革新による既存のビジネスモデルの破壊や新たなビジネスの創出、持続可能な社会への意識の高まり等、更なる変化が想定されている。また、エネルギー業界は、電力小売全面自由化以降の競争激化、地球温暖化に関する環境規制等、非連続な変化に晒されており、この傾向は今後加速していくと見ている。
このような中、2019年4月に「北陸電力グループ2030長期ビジョン」を策定・公表し、「北陸と共に発展し、新たな価値を全国・海外へ」を当社グループの将来のありたい姿として掲げた。その実現に向け、「北陸を基盤とした『総合エネルギー事業』の拡大」、「新たな成長事業の開拓」の2つを基本戦略として取り組んでいく。
<基本戦略①>北陸を基盤とした「総合エネルギー事業」の拡大
ありたい姿の実現に向け、2030年度に向けた総合エネルギー事業の方向性を次の通り設定した。
発電部門では設備の安全・安定稼働や低コストと低炭素化の両立、販売部門では総合エネルギーサービスや付加価値サービスの積極拡大、送配電部門では電力・サービス品質や低廉な託送料金の維持により、総合エネルギー事業の競争力強化と事業領域の拡大を目指す。
<基本戦略②>新たな成長事業の開拓
当社グループは、今後の環境変化を見通したうえで、保有する経営資源を最大限活用し、将来の課題解決を目指した新たな事業領域を創出していく。
新規事業の方向性は次の通り。
-既存の技術・知見・ノウハウを活かした事業エリアの拡大(全国・海外へ)
-当社の地場優位性を活かした北陸地域での新製品・サービス展開
-新製品・サービスに関する北陸地域での成功事業を、域外へも展開
※上記については他社とのアライアンスやM&A等も選択肢
また、集中的に取り組む分野として、「地域の課題解決」、「保有資源と新技術を融合した新たなサービス」、「海外電力事業」の3つを挙げている。
(2) 経営方針及び対処すべき課題
当社グループは「北陸電力グループ2030長期ビジョン」達成に向けた具体的な実行計画として、「第一次中期経営方針・計画<2019~2022年度>」を2019年4月に策定・公表した。2020年度は、第一次中期経営方針の変更は行わず、2018年度および2019年度に相次いで発生した大型石炭火力発電所の計画外停止等の情勢変化を踏まえ、施策の加速化および見直しを図るため、「第一次中期経営計画<2019~2022年度>(2020年度版)」を策定した。引き続き、以下の4つの柱からなる経営方針のもと、諸課題へ着実に取り組んでいく。
なお、新型コロナウイルス感染症への対応については、事業継続計画の適切な運用等により電力の安定供給確保に万全を期すとともに、販売電力量の減少等による業績悪化リスクに迅速・的確に対処していく。また、同感染症の最終的な影響を予見することは困難であるため、今後の事態の推移を見極めつつ、必要に応じ諸計画を見直していく。
1.安定供給の確保
供給安定性、経済性に優れ、発電時にCO2を排出しないことから、ベースロード電源として重要な役割を担う志賀原子力発電所の安全強化に徹底して取り組むとともに、新規制基準への適合性確認審査に的確に対応し、早期再稼働を目指していく。
また、高稼働が続いている水力・火力発電設備の確実な運転保守管理、経年設備の計画的な更新及び燃料の安定的調達等を通じ、引き続き安定供給を確保する。
流通設備についても、高経年設備の計画的な更新等により、安定供給を確保するとともに再生可能エネルギー大量導入への対応やレジリエンス(強靭性・回復力)向上に向けた訓練・設備の充実に向けて取り組んでいく。
2.総合エネルギー事業の競争力強化
志賀原子力発電所の早期再稼働・安定稼働、再生可能エネルギーの拡大など低炭素化と経済性を両立する電源構成を構築するとともに、総合エネルギー事業の展開等による積極的な営業活動やお客さまのニーズを捉えたサービスの展開等を通じて、可能な限り販売を拡大していく。
また、安全最優先を前提とした更なる業務効率化を徹底するとともに、将来の新たなサービスの検討・実施や電力システム改革をはじめとする国の政策に戦略的に対応し、さらなる事業基盤の強化を目指していく。
3.グループ総力による事業領域拡大
今後の人口動態やIoT・AIをはじめとする技術革新等により、社会・経済構造や社会のニーズが劇的に変化していくことが想定される。このような環境の中、グループの持続的な成長のため、持ち得る経営資源や新技術を最大限活用することで、既存事業領域の拡大及び新たな事業領域の創出に取り組み、事業ポートフォリオの変革を目指すとともに社会課題の解決に貢献していく。
4.企業文化の深化
当社グループが持続的に成長していくため、安全最優先の徹底をはじめとする安全文化の更なる深化や業務品質の向上に取り組んでいく。加えて、お客さまや地域の皆さまとの双方向対話活動を展開し、地域社会から信頼いただけるよう取り組んでいくとともに、経営効率化をはじめとした当社グループの取組みについて、丁寧な説明に努めていく。
また、ダイバーシティの推進や更なる労働生産性向上に加え、創造力のある多様な人財の育成や新技術の活用を進めるとともに、ワークライフバランスを踏まえた取組みを強化し、個人・組織が能力を最大限発揮できる活力ある職場づくりを行っていく。
なお、関西電力株式会社における金品受領問題を受けて、当社では、不適切な金品等の受領および工事発注に係る不適切な事案がなかったことを確認しているが、当社として自律的に企業倫理・法令遵守の更なる徹底を図る観点から、社内ルールである行動規範を一部改正し、慣習的な儀礼の機会での常識的な範囲内の贈答品であっても受け取りを辞退することとした。
当社としては、今後も、電気事業連合会に設置された企業倫理等委員会での議論等も踏まえながら、より一層のコンプライアンスの徹底に向けた不断の取組みを進めていく。
(3) 目標とする経営指標等
2019年4月に「北陸電力グループ2030長期ビジョン」において、当社グループの将来のありたい姿を踏まえ、以下の財務目標を設定・公表した。
■連結自己資本比率 2030年度までに30%以上
■連結経常利益 期間平均(2019~2030)350億円以上
■事業ポートフォリオ 2030年度頃までに連結経常利益ベースで
電気事業:電気事業以外=2:1
<投資および株主還元の基本的な考え方>
志賀原子力発電所の再稼働や電源の安定稼働、総合エネルギー事業の拡大、成長事業の創出により、キャッシュの創出に努めていくとともに、安定配当を継続するという配当方針のもと、安定的な事業運営や持続的な成長を遂げるために必要な投資、財務基盤の強化、株主還元にバランスよく配分していく。
当社グループの業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクについては、以下に記載のとおりである。
なお、記載した将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
(1) 志賀原子力発電所の状況について
当社は、東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故を受け、早期に「安全強化策」を取りまとめ、実施してきた。引き続き、新規制基準も踏まえた「安全性向上施策」に関する工事を進めており、2号機については新規制基準への適合性確認審査を受けている。
「安全性向上施策」については、これまでも先行他社の審査状況を踏まえ得られた知見・評価を反映しながら進めてきているが、今般、工事全体の工程を改めて評価した結果、工事完了時期を変更することとし、2021年度内の工事完了を目指している。
今後、2号機の審査や他社の発電所の審査状況により、更に工事内容の充実を図る可能性があるが、審査状況や新たな知見を把握し先行して対処するなど、早期の工事完了を目指していく。また、1号機については引き続き検討を進めていく。
一方、敷地内断層については、現在、原子力規制委員会による新規制基準への適合性確認審査の場で審査されており、「断層の抽出と評価対象断層の選定」「敷地内断層の活動性評価」「敷地周辺の地形、地質・地質構造」の3つの論点で審議が進められている。
2019年1月に行われた敷地内断層に関する審査会合では、当社は評価対象断層を8本とすることを説明し、そのうち陸域の6本の断層について、評価対象として選定することで了承を得た。
また、2020年3月に行われた審査会合では、追加調査の結果も踏まえ、海岸部の断層の抽出と評価対象断層の選定について説明し、抽出した断層のうち3本については選定することで了承を得た。
今後、陸域と海岸部の評価対象断層について、活動性評価の説明を行っていく。
引き続き、「将来活動する可能性のある断層等ではなく、また、周辺断層との関連性はない」とする当社の主張を裏付けるべく、これまでの調査結果に加え、追加調査等により得られている新たな地質データ等を丁寧に説明するなど、適切に対応していく。
安全対策や敷地内断層の調査については、その内容を地域の皆さまにわかりやすく丁寧にご説明し、ご理解いただけるよう最大限努力し、早期の再稼働を目指していく。
今後も、新規制基準等へ的確に対応するとともに、世界最高水準の安全性を目指していく。
なお、新規制基準への適合性確認審査の進捗や原子力政策・規制の見直し等によって、原子力発電所の停止が長期化する場合や稼働率が低下する場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(2) 電気事業に関わる制度の変更等について
2018年7月に見直されたエネルギー基本計画において、「再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取組」について記載されるとともに、原子力発電は引き続き「安全性の確保を大前提に、長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置づけられた。
電力システム改革については、2016年4月に小売全面自由化、2020年4月に送配電部門の法的分離が実施された。また、2019年7月からベースロード市場による取引が開始され、2020年7月には容量市場、2020年11月には非化石価値取引市場での非FIT非化石証書取引が開始される。
こうした当社事業に関連する制度の変更等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
このほか、バックエンド事業に関する制度見直しや、地球温暖化に関する環境規制の動向などにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性があるが、「低廉で良質なエネルギーを安定的にお届けする」という当社の社会的使命に変わりはなく、お客さまをはじめステークホルダーの皆さまの視点に立ち、安定供給や更なる経営効率化に不断の努力で取り組んでいく。
(3) 新型コロナウイルス感染症による影響について
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、生産活動の停滞や消費の落ち込みによる販売電力量の減少等が見込まれ、営業収益の減少等により当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
現時点では、経営に与える影響が極めて不透明であるが、今後の経営環境の動向を注視した上で、社長を委員長とする経営基盤強化委員会において、引き続き、経営効率化施策を検討・実施していく。
なお、当社及び北陸電力送配電株式会社は、感染症の大流行時を想定した業務計画に基づき、発電設備の運転や送配電網の運用、燃料・資機材の調達をはじめとした優先業務の選定や、要員の確保策を策定している。今後の新型コロナウイルス感染症の状況に応じ適切に対処し、従業員の健康及び安全の確保を最優先に、電力の安定供給に努め、社会的責任を果たしていく。
(4) 経済状況や天候等による販売電力量等の変動について
販売電力量は、経済活動や天候(特に気温)の状況、電力市場における競争状況、企業の海外移転などによる産業空洞化などによって変動することから、営業収益の増減により当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
また、年間の降雨降雪量の変動により水力発電所の発電量が増減し、火力燃料費が変動することから、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(5) 燃料価格の変動等について
火力燃料は、石炭、原・重油、LNGであり、需給状況や外国為替相場の動向により、火力燃料価格が急激に変動した場合や、調達地域での操業トラブルや政治情勢の変動等により、燃料が円滑に調達できない場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
ただし、燃料価格の変動については、価格変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」によって一定の調整が図られることから、業績への影響は軽減される。
(6) 金融市場の動向について
当社グループの有利子負債残高は、当連結会計年度末で9,745億円であり、市場金利や格付の低下等に伴う調達金利の上昇により、業績は影響を受ける可能性がある。
ただし、有利子負債の殆どは中長期的に利率が確定している社債や長期借入金で構成されていることから、金利上昇による業績への影響は限定的と考えられる。
また、企業年金資産等の一部は、株価・金利等の変動により時価が変動することから、業績は影響を受ける可能性がある。
(7) 自然災害・操業トラブルについて
当社グループは、電力供給設備を中心に、多くの設備を保有しており、その保守・保全には万全を期しているが、当社の設備及び当社が受電している他社の設備において地震・台風等の大規模な自然災害や操業トラブルが発生した場合、修繕費用や代替電源の調達費用の増加等により、業績は影響を受ける可能性がある。
2018年度及び2019年度に石炭火力発電所の計画外停止が発生したことを踏まえ、操業トラブルの未然防止及び早期発見・早期復旧に繋がる対策をこれまで以上に強化していく。具体的には、予防保全的な補修・取替の積極的実施、AIやIoT技術等を活用したトラブル早期検知システムの開発等といった施策の実施により、電力の安定供給確保に取り組んでいく。
(8) 電気事業以外の事業について
当社グループは、電気事業以外の事業については、その将来性や収益性を十分勘案して取り組んでいるが、他業者との競合の進展等、市場環境の変化により、業績は影響を受ける可能性がある。
ただし、電気事業以外の事業規模は、電気事業規模に比べると小さいことから、業績への影響は限定的と考えられる。
(9) 企業倫理の遵守等について
企業倫理に反した行為やサイバー攻撃による被害が発生した場合、当社グループへの社会的信用の低下や対応に要する費用の増加等により、業績は影響を受ける可能性がある。
当社グループは、コンプライアンスの徹底を経営方針に掲げ、「行動規範」や「個人情報保護規定」の制定・遵守に加え、コンプライアンス研修を充実するなど、企業倫理を遵守した業務運営を定着させるための取組みに努めているとともに、サイバー攻撃の早期発見・早期復旧するための体制構築など、情報セキュリティ対策の強化に努めている。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の我が国経済は、設備投資の増加などにより緩やかに回復していたが、米中貿易摩擦等を背景とした輸出や生産の低迷により、次第に弱含みとなった。
北陸地域の経済は、設備投資及び北陸新幹線による交流人口が高水準を維持したものの、生産活動が弱めの動きとなったことなどから、拡大の速度が一段と緩やかになった。
また、足下では新型コロナウイルス感染症の影響により、我が国の景気は大幅に下押しされ、厳しい状況にある。
このような経済情勢の中、当連結会計年度の財政状態、経営成績は以下のとおりとなった。
(財政状態)
資産合計は、前連結会計年度末に比べ198億円増の1兆5,929億円(前期末比 101.3%)となった。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ102億円増の1兆2,564億円(同 100.8%)となった。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ95億円増の3,364億円(同 102.9%)となった。
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績は、売上高(営業収益)6,280億円(前期比 100.8%)、営業利益294億円(同 229.7%)、経常利益232億円(同 349.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は134億円(同 532.9%)となった。
セグメントごとの経営成績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりである。
電気事業は、売上高5,708億円(同 99.4%)、営業利益208億円(同 400.9%)となった。
その他の事業は、売上高1,071億円(同 107.1%)、営業利益87億円(同 116.8%)となった。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、投資活動において固定資産の取得による支出を中心に751億円、財務活動により62億円減少したが、営業活動により1,014億円増加したことから、前連結会計年度末に比べ200億円増加し、当連結会計年度末には1,630億円(前期末比 114.1%)となった。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)においては、電気事業が事業の大半を占めており、また、電気事業以外の事業は、広範囲かつ多種多様であり、生産、受注、販売といった画一的な区分による表示が困難である。
このため、電気事業の生産、受注及び販売の実績のみを記載している。
a. 需給実績
|
種別 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前期比(%) |
||
|
発 受 電 電 力 量 |
自 社 |
水力発電電力量(百万kWh) |
6,215 |
99.7 |
|
火力発電電力量(百万kWh) |
21,851 |
108.2 |
||
|
原子力発電電力量(百万kWh) |
- |
- |
||
|
新エネルギー等発電電力量(百万kWh) |
5 |
110.5 |
||
|
融通・他社受電電力量(百万kWh) |
6,044 △6,442 |
91.9 148.4 |
||
|
揚水発電所の揚水用電力量(百万kWh) |
△11 |
62.8 |
||
|
合計(百万kWh) |
27,661 |
96.5 |
||
|
損失電力量等(百万kWh) |
△2,608 |
100.3 |
||
|
販売電力量(百万kWh) |
25,054 |
96.1 |
||
|
出水率(%) |
102.3 |
- |
||
(注)1.融通・他社受電電力量のうち、連結子会社からの受電電力量は159百万kWhである。
2.融通・他社受電電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示しており、期末時点で把握している電力量を記載している。
3.揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
4.販売電力量の中には、営業収益には計上されない自社事業用電力量(25百万kWh)を含んでいる。
5.出水率は、自社の1988年度から2017年度までの30か年平均に対する比である。なお、連結子会社を含めた出水率は102.4%である。
6.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
b. 販売実績
(a)販売電力量
|
種別 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前期比(%) |
|
電灯(百万kWh) |
7,909 |
98.0 |
|
電力(百万kWh) |
17,144 |
95.3 |
|
電灯電力合計(百万kWh) |
25,054 |
96.1 |
|
融通・他社販売(百万kWh) |
6,442 |
148.4 |
|
総販売電力量(百万kWh) |
31,496 |
103.6 |
(※)四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
(b)料金収入
|
種別 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前期比(%) |
|
電灯(百万円) |
172,744 |
97.2 |
|
電力(百万円) |
280,668 |
93.7 |
|
電灯電力合計(百万円) |
453,412 |
95.0 |
|
融通・他社販売(百万円) |
55,032 |
114.4 |
(注) 電力には、高圧・特別高圧を含む。
c. 資材の実績
石炭、重油、原油、LNGの受払実績
|
種別 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前期比(%) |
|
|
石炭 (t) |
期首残高 |
448,629 |
115.0 |
|
受入 |
6,067,572 |
107.7 |
|
|
払出 |
6,079,189 |
109.1 |
|
|
期末残高 |
437,012 |
97.4 |
|
|
重油 (kl) |
期首残高 |
271,486 |
142.1 |
|
受入 |
7,785 |
3.5 |
|
|
払出 |
35,232 |
24.8 |
|
|
期末残高 |
244,039 |
89.9 |
|
|
原油 (kl) |
期首残高 |
51,703 |
108.6 |
|
受入 |
386 |
0.2 |
|
|
払出 |
34,270 |
20.6 |
|
|
期末残高 |
17,819 |
34.5 |
|
|
LNG (t) |
期首残高 |
69,951 |
114.1 |
|
受入 |
556,545 |
126.8 |
|
|
払出 |
570,114 |
132.5 |
|
|
期末残高 |
56,382 |
80.6 |
|
(注)1.払出には、販売の払出を含む。
2.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり採用する重要な会計方針については「第5 経理の状況」に記載している。
当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、重要なものは以下のとおりである。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の回収可能性の判断にあたっては、原子力発電所の停止の影響や将来の販売電力量等を考慮して、将来年度の課税所得を見積り、回収可能額を計上している。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期は不透明であり、販売電力量等への影響は見通せないものの、現時点では、繰延税金資産の回収可能性の判断には重要な影響を及ぼすことはないと判断している。
ただし、新型コロナウイルス感染症の拡大及び長期化により電力需要等に大きな影響を与える場合には、繰延税金資産の回収可能性の判断に影響を及ぼし、翌連結会計年度の経営成績に重要な影響を与える可能性がある。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高及び経常収益
売上高(営業収益)は小売販売電力量の減少はあるものの、卸販売電力量の増加やグループ会社の売上増加などにより、前連結会計年度に比べ51億円増の6,280億円(前期比 100.8%)となり、これに営業外収益を加えた経常収益は38億円増の6,303億円(同 100.6%)となった。
b. 経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益は、小売販売電力量の減少や法的分離対応費用の増加などはあるものの、石炭及びLNG火力発電所の稼働増や減価償却費の減少、グループ会社の利益増加などにより、前連結会計年度に比べ165億円増の232億円(同 349.1%)となった。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ109億円増の134億円(同 532.9%)となった。
(セグメントごとの経営成績[セグメント間の内部取引消去前営業利益])
a. 電気事業
当連結会計年度の総販売電力量については、314億96百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると3.6%の増加となった。
このうち、小売販売電力量については、電灯における暖冬影響や、電力における景気影響や契約電力の減少などから、250億54百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると3.9%の減少となった。また、卸販売電力量については、卸電力取引所等への販売増から、64億42百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると48.4%の増加となった。
供給力については、志賀原子力発電所1・2号機が引き続き運転できなかったことや七尾大田火力発電所2号機・敦賀火力発電所2号機の計画外停止等から、厳しい状況となった。
しかしながら、水力・火力発電所の補修時期を調整するなど供給面での諸対策を講じた結果、供給を維持することができた。
収支については、売上高は、小売販売電力量の減少などから、前連結会計年度に比べ33億円減の5,708億円(前期比 99.4%)となった。
また、営業利益は、小売販売電力量の減少や法的分離対応費用の増加などはあるものの、石炭及びLNG火力発電所の稼働増や減価償却費の減少などから、前連結会計年度に比べ156億円増の208億円(同 400.9%)となった。
b. その他
売上高は、請負工事の増加などから、前連結会計年度に比べ71億円増の1,071億円(前期比 107.1%)、営業費用は、前連結会計年度に比べ58億円増の983億円(同 106.3%)となった。
この結果、営業利益は87億円(同 116.8%)となった。
(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)
a. キャッシュ・フロー
営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の収入は、前連結会計年度に比べ474億円増の1,014億円(前期比 187.9%)となった。これは、税金等調整前当期純利益や未払事業税及び未払消費税等が増加したことなどによるものである。
投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ261億円減の751億円(同 74.1%)となった。これは、固定資産の取得による支出が減少したことなどによるものである。
財務活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ36億円減の62億円(同 63.4%)となった。これは、長期借入金の返済による支出は増加したものの、社債の発行による収入が増加したことなどによるものである。
これらの活動の結果、当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ200億円増の1,630億円(前期末比 114.1%)となった。
b. 資産
資産合計は、前連結会計年度末に比べ198億円増の1兆5,929億円(前期末比 101.3%)となった。これは、建設仮勘定や現金及び預金が増加したことなどによるものである。
c. 負債
負債合計は、前連結会計年度末に比べ102億円増の1兆2,564億円(前期末比 100.8%)となった。これは、未払税金の増加などによるものである。
d. 純資産
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ95億円増の3,364億円(前期末比 102.9%)となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の増加などによるものである。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
a. 資金需要
主として電気事業固定資産に係る設備投資及び修繕費、社債の償還及び借入金の返済、火力燃料の購入等に資金を充当している。
b. 資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー、社債の発行、金融機関からの借入等により、必要とする資金を調達している。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローに係る情報については、「(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)」に記載している。
(有利子負債)
有利子負債に係る情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」に記載している。
なお、当連結会計年度末現在、長期発行体格付は株式会社投資格付情報センター(R&I)にてA+となっている。
また、電気事業法の下、当社により発行される社債については一般担保が付されており、償還請求において社債権者は無担保債権者よりも優先される。
c. 流動性
当社グループは、営業活動により十分なキャッシュ・フローを得ていることに加え、国内普通社債発行登録、短期社債発行枠の設定及びコミットメントライン契約により、必要に応じて資本市場及び金融機関より資金調達することが可能である。
以上により必要な現預金残高を確保するとともに、原則として元利確定の銀行預金等で運用することを定めており、十分な流動性を確保している。
(目標とする経営指標の達成状況等)
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「北陸電力グループ2030長期ビジョン」にて、「2030年度までに連結自己資本比率30%以上」「期間平均(2019~2030)連結経常利益350億円以上」「2030年度頃までに事業ポートフォリオを連結経常利益ベースで電気事業:電気事業以外=2:1」を財務目標として掲げている。
当連結会計年度においては、連結経常利益は前連結会計年度に比べ165億円増の232億円となり、連結自己資本比率は20.2%に改善した。
今後も、「北陸を基盤とした『総合エネルギー事業』の拡大」や「新たな成長事業の開拓」に取り組み、財務目標の達成を図っていく。
また、当事業年度は3期ぶりの配当を実施することとした。今後も安定配当を継続するという基本方針を踏まえ、安定的な事業運営や持続的な成長を遂げるために必要な投資、財務基盤の強化、株主還元にバランスよく配分していく。
(事業等のリスクに係る情報)
事業等のリスクに係る情報については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載している。
子会社への会社分割
当社は、2019年4月25日の取締役会決議により、電力システム改革による一般送配電事業と発電・小売電気事業との兼業禁止(送配電部門の法的分離)にあわせて、2020年4月1日に、当社が営む一般送配電事業を会社分割の方法によって、2019年4月1日に分割準備会社として設立した北陸電力送配電株式会社に承継させることとし、2019年4月25日、承継会社との間で吸収分割契約を締結した(以下、この会社分割を「本件吸収分割」という。)。
これに基づき、2019年6月26日開催の第95回定時株主総会において関連議案が承認可決されるとともに、2020年3月13日、一般送配電事業の分割について、電気事業法に基づく経済産業大臣の認可を取得し、2020年4月1日、本件吸収分割の効力が発生した。
(1) 本件吸収分割の目的
2015年6月改正の電気事業法において、電力市場における活発な競争を実現する上で、送配電ネットワーク部門を中立化し、適正な対価を支払った上で、誰もが自由かつ公平・平等に送配電ネットワークを利用できることを目的に、2020年4月以降の一般送配電事業者の発電事業及び小売電気事業との兼業が原則禁止された。
当社は、これに適応するため、一般送配電事業を分社し、今後とも送配電ネットワークを公平に利用して頂けるよう、国が定める行為規制を遵守し、中立的な立場で、透明性の高い業務運営を実施していく。
(2) 本件吸収分割の要旨
① 本件吸収分割の日程
吸収分割契約承認取締役会(当社) 2019年4月25日
吸収分割契約承認取締役決定(承継会社) 2019年4月25日
吸収分割契約締結 2019年4月25日
吸収分割契約承認定時株主総会(当社) 2019年6月26日
吸収分割契約承認臨時株主総会(承継会社) 2019年6月26日
吸収分割効力発生日 2020年4月1日
② 本件吸収分割の方式
当社を分割会社とし、当社の100%子会社である北陸電力送配電株式会社を承継会社とする吸収分割である。
③ 本件吸収分割に係る割当ての内容
本件吸収分割に際し、承継会社である北陸電力送配電株式会社は、普通株式440万株を発行し、そのすべてを当社に対して割当て交付した。
④ 分割会社の新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
当社は新株予約権及び新株予約権付社債を発行していない。
⑤ 本件吸収分割により増減する資本金
当社の資本金に変更はない。
⑥ 承継会社が承継する権利義務
承継会社は、当社との間で締結した2019年4月25日付の吸収分割契約の定めに従い、当社が営む一般送配電事業に関して有する権利義務を効力発生日に承継した。
なお、本件吸収分割による承継会社への債務の承継については、免責的債務引受の方法によるものとする。
また、当社の既存の一般担保付社債に係る債務等については、承継会社へ承継しない。
(3) 分割する資産、負債の項目及び金額(2020年4月1日現在)
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資産 |
負債 |
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項目 |
金額 |
項目 |
金額 |
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固定資産 |
434,763百万円 |
固定負債 |
4,687百万円 |
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流動資産 |
13,768百万円 |
流動負債 |
6,710百万円 |
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合計 |
448,532百万円 |
合計 |
11,397百万円 |
(4) 本件吸収分割後の承継会社の状況(2020年4月1日現在)
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承継会社 |
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(1)商号 |
北陸電力送配電株式会社 |
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(2)所在地 |
富山市牛島町15番1号 |
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(3)代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 水野 弘一 |
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(4)事業内容 |
一般送配電事業 |
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(5)資本金 |
10,000百万円 |
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(6)決算期 |
3月31日 |
当社グループ(当社及び連結子会社)では、お客さま、地域社会など皆さまからの期待・要望に適切、誠実にお応えするため、電力の安定供給、低炭素社会の実現及び環境保全を中心とした研究開発に積極的に取り組んでいる。
なお、研究資源の有効活用や産学官の連携強化などの取組みにより効率的な研究開発に努め、当連結会計年度における研究開発費の総額は
主な研究開発の内容は次のとおりである。
(電気事業)
○ 電力の安定供給、低炭素社会の実現及び環境保全に資する研究
・信頼性と経済性の両立のための送配電線雷事故解析手法の精度向上
・長期的な設備機能維持に向けた工法等の開発
・電力設備の診断・寿命延伸・性能評価技術の開発
・再生可能エネルギー大量導入による系統影響の経済的な緩和対策
・フライアッシュの有効利用
○ 新たな企業価値創造や競争力確保に資する研究
・新たな価値創造に向けた研究
・業務効率化に向けた新技術の活用研究