(注) 金額には、消費税等は含まれていない。
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」の記載内容について変更があった項目は、以下のとおりである。
なお、記載した将来に関する事項については、当四半期報告書提出日現在において判断したものである。
(以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」の項目番号に対応するものである。)
(1) 志賀原子力発電所の状況について
当社は、東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故を受け、早期に「安全強化策」を取りまとめ、実施してきた。引き続き、新規制基準も踏まえた「安全性向上施策」に関する工事を進めており、2号機については新規制基準への適合性確認審査を受けている。
「安全性向上施策」については、これまでも先行他社の審査状況を踏まえ得られた知見・評価を反映しながら進めてきているが、今般、工事全体の工程を改めて評価した結果、工事完了時期を変更することとし、2021年度内の工事完了を目指している。
今後、2号機の審査や他社の発電所の審査状況により、更に工事内容の充実を図る可能性があるが、審査状況や新たな知見を把握し先行して対処するなど、早期の工事完了を目指していく。また、1号機については引き続き検討を進めていく。
一方、敷地内断層については、現在、原子力規制委員会による新規制基準への適合性確認審査の場で審査されており、「断層の抽出と評価対象断層の選定」「敷地内断層の活動性評価」「敷地周辺の地形、地質・地質構造」の3つの論点で審議が進められている。
2019年1月に行われた敷地内断層に関する審査会合では、当社は評価対象断層を8本とすることを説明し、そのうち陸域の6本の断層について、評価対象として選定することで了承を得た。今後、活動性評価の審査への対応を進めていくこととなる。また、海岸部の断層については、取水路トンネルの破砕部等に関するデータを拡充・再整理し、評価対象断層の選定とその活動性評価について、説明を行っていく。
引き続き、「将来活動する可能性のある断層等ではなく、また、周辺断層との関連性はない」とする当社の主張を裏付けるべく、これまでの調査結果に加え、追加調査等により得られている新たな地質データ等を丁寧に説明するなど、適切に対応していく。
安全対策や敷地内断層の調査については、その内容を地域の皆さまにわかりやすく丁寧にご説明し、ご理解いただけるよう最大限努力し、早期の再稼働を目指していく。
今後も、新規制基準等へ的確に対応するとともに、世界最高水準の安全性を目指していく。
なお、新規制基準への適合性確認審査の進捗や原子力政策・規制の見直し等によって、原子力発電所の停止が長期化する場合や稼働率が低下する場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の我が国経済は、輸出や生産に弱さが続いているものの、設備投資の増加や良好な雇用環境の継続などにより、緩やかな回復基調が続いている。
北陸地域の経済は、設備投資及び北陸新幹線による交流人口が高水準を維持しているものの、足元の生産活動が弱めの動きとなっていることなどから、拡大の速度が一段と緩やかになっている。
このような経済情勢のなか、財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。
(財政状態)
資産合計は、前連結会計年度末に比べ75億円減の1兆5,655億円(前期末比 99.5%)となった。これは、長期借入金の返済などにより現金及び預金が減少したことなどによるものである。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ225億円減の1兆2,236億円(同 98.2%)となった。これは、長期借入金の返済や支払手形及び買掛金の減少などによるものである。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ149億円増の3,419億円(同 104.6%)となった。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の利益剰余金への計上などによるものである。
(経営成績)
a. 売上高及び経常収益
売上高(営業収益)は、グループ会社の売上増加などにより、前年同四半期に比べ54億円増の4,582億円(前年同四半期比 101.2%)となり、これに営業外収益を加えた経常収益は51億円増の4,599億円(同 101.1%)となった。
b. 経常利益
経常利益は、水力発受電量の減少はあるものの、石炭及びLNG火力発電所の稼働増や減価償却費の減少、グループ会社の利益増加などにより、前年同四半期に比べ175億円増の223億円(同 467.7%)となった。
c. 親会社株主に帰属する四半期純利益
経常利益に渇水準備金の取崩しを計上した税金等調整前四半期純利益224億円(同 470.7%)から、法人税等の税額、法人税等調整額、及び非支配株主に帰属する四半期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する四半期純利益は145億円(同 704.3%)となった。
(セグメントごとの経営成績[セグメント間の内部取引消去前営業利益])
a. 電気事業
当第3四半期連結累計期間の総販売電力量については、前年同四半期に比べ2億49百万キロワット時増の225億54百万キロワット時(前年同四半期比 101.1%)となった。
このうち、小売販売電力量については、電灯で前年同四半期並みとなったものの、電力で景気影響や契約電力が減少したことなどから、181億65百万キロワット時(同 95.9%)となった。また、卸販売電力量については、卸電力取引所等への販売増から、43億89百万キロワット時(同 130.4%)となった。
供給力については、出水率が99.0%と平年を下回ったほか、志賀原子力発電所1・2号機が引き続き運転できなかったことや、七尾大田火力発電所2号機・敦賀火力発電所2号機の計画外停止等はあったものの、供給設備全般にわたる効率的運用、卸電力取引所からの供給力確保に努めた結果、期を通じて安定した供給を維持することができた。
収支については、売上高は、前年同四半期並みの4,188億円(同 99.7%)となった。
また、営業利益は、水力発受電量の減少はあるものの、石炭及びLNG火力発電所の稼働増や減価償却費の減少などにより、前年同四半期に比べ153億円増の215億円(同 345.7%)となった。
b. その他
売上高は、請負工事の増加などから、前年同四半期に比べ48億円増の740億円(前年同四半期比 107.0%)、営業費用は、前年同四半期に比べ37億円増の690億円(同 105.8%)となった。
この結果、営業利益は50億円(同 126.5%)となった。
(2) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当四半期報告書提出日現在において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に変更はないが、新たに発生した対処すべき課題は次のとおりである。
<七尾大田火力発電所2号機の状況>
2019年7月9日、七尾大田火力発電所2号機(定格出力:70万kW)において、タービン軸受振動の上昇により運転を停止し、その後の点検で、A低圧タービン第15段翼の3枚に損傷を確認した。その後、原因究明及び再発防止を行い、10月17日に運転を再開した。
■損傷原因
・A低圧タービン第15段翼において「腐食因子による金属疲労限度の低下」と「レーシングワイヤ拘束に
よる翼の振動応力増加」が複合したことにより、翼が損傷。
■再発防止
・低圧タービン第15段翼の全数568枚(142枚×4箇所)をレーシングワイヤのない新型翼に取替。
<敦賀火力発電所2号機の状況>
2019年9月16日、敦賀火力発電所2号機(定格出力:70万kW)において、ボイラーで蒸気漏洩の可能性があったため、運転を停止した。その後、原因究明及び再発防止を行い、11月18日に運転を再開した。
■損傷原因
・ボイラー内で局所的な高温環境下にあったボイラー管の強度が低下し、損傷発生(破断、変形)。
・最初のボイラー管の破断、変形により、その漏洩蒸気を起因とした減肉破口、変形が別のボイラー管に
発生。それとともに周囲の複数のボイラー管にも、接触による変形及び漏洩蒸気による減肉が発生。
■再発防止
・ボイラー内で局所的な高温環境が生じる可能性のある類似箇所の検査を行い、予防保全も含めたボイラー
管87本を取替。
これらのトラブル発生を踏まえて、原因箇所の補修にとどまらず、トラブルの未然防止や早期発見・早期復旧に繋がる対策をこれまで以上に強化していく。
■主なトラブル未然防止対策
・七尾大田火力発電所1・2号機、敦賀火力発電所1号機について、次回定期点検で新しいタービンに取替
える。敦賀火力発電所2号機についても取替実施に向けた検討を進めている。なお、取替によりトラブル
発生リスクの軽減に加え、効率向上による燃料費及びCO2排出量の低減が可能。
・ボイラーについては、部分的な修繕だけでなく、予防保全的な幅広い範囲の取替の実施に向けた検討を
行っている。
■主な早期発見・早期復旧対策
・AIやIoT技術等を活用したトラブル早期検知システムの開発。
・ボイラー内部に新たな作業用足場(ボイラー中間ステージ)を設置する工法の採用による作業期間短縮。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,201百万円である。
また、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の内容は、次のとおりである。
(電気事業)
○ 電力の安定供給、低炭素社会の実現及び環境保全に資する研究
・信頼性と経済性の両立のための送配電線雷事故解析手法の精度向上
・長期的な設備機能維持に向けた工法等の開発
・電力設備の診断・寿命延伸・性能評価技術の開発
・再生可能エネルギー大量導入による系統影響の経済的な緩和対策
・フライアッシュの有効利用
○ 新たな企業価値創造や競争力確保に資する研究
・新たな価値創造に向けた研究
・業務効率化に向けた新技術の活用研究
(4) 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)においては、電気事業が事業の大半を占めており、また、電気事業以外の事業は、広範囲かつ多種多様であり、生産、受注、販売といった画一的な区分による表示が困難である。
このため、電気事業の生産、受注及び販売の実績のみを記載している。
① 需給実績
|
種別 |
当第3四半期連結累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年12月31日) |
前年同四半期比(%) |
||
|
発 受 電 電 力 量 |
自 社 |
水力発電電力量(百万kWh) |
4,814 |
96.4 |
|
火力発電電力量(百万kWh) |
15,135 |
103.4 |
||
|
原子力発電電力量(百万kWh) |
- |
- |
||
|
新エネルギー等発電電力量(百万kWh) |
4 |
114.0 |
||
|
融通・他社受電電力量(百万kWh) |
4,554 △4,389 |
95.9 130.4 |
||
|
揚水発電所の揚水用電力量(百万kWh) |
△6 |
55.1 |
||
|
合計(百万kWh) |
20,111 |
95.8 |
||
|
損失電力量等(百万kWh) |
△1,946 |
94.3 |
||
|
販売電力量(百万kWh) |
18,165 |
95.9 |
||
|
出水率(%) |
99.1 |
- |
||
(注)1.融通・他社受電電力量のうち、連結子会社からの受電電力量は113百万kWhであり、これを含めた出水率は99.0%である。
2.融通・他社受電電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示しており、期末時点で把握している電力量を記載している。
3.揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
4.販売電力量の中には、営業収益には計上されない自社事業用電力量(18百万kWh)を含んでいる。
5.出水率は、1988年度から2017年度までの第3四半期累計期間の30か年平均に対する比である。
6.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
② 販売実績
a.販売電力量
|
種別 |
当第3四半期連結累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年12月31日) |
前年同四半期比(%) |
|
電灯(百万kWh) |
5,298 |
100.2 |
|
電力(百万kWh) |
12,868 |
94.2 |
|
電灯電力合計(百万kWh) |
18,165 |
95.9 |
|
融通・他社販売(百万kWh) |
4,389 |
130.4 |
|
総販売電力量(百万kWh) |
22,554 |
101.1 |
(注)四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
b.料金収入
|
種別 |
当第3四半期連結累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年12月31日) |
前年同四半期比(%) |
|
電灯(百万円) |
119,674 |
100.5 |
|
電力(百万円) |
212,535 |
93.9 |
|
電灯電力合計(百万円) |
332,209 |
96.2 |
|
融通・他社販売(百万円) |
38,427 |
102.9 |
(5) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、除却等のうち、当第3四半期連結累計期間に出力を変更した設備は次のとおりである。
(電気事業)
電源
|
|
地点名 |
所在地 |
出力 |
着工 |
運転開始 |
|
|
富山新港火力発電所1号機 |
富山県射水市 |
50万kW→24万kW (出力減) |
- |
2019年6月 |
また、志賀原子力発電所の安全性向上施策の工事完了時期を2年程度延長し、2021年度内としている。これにより、2019年度の設備投資額は概算として900億円程度となる見込みである。
なお、当社は水力発電電力量の増加に取組んでおり、当第3四半期連結累計期間における水力発電所の出力増加は2箇所600kWである。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はない。