第2【事業の状況】

(注) 金額には、消費税等は含まれていない。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営環境及び長期的な経営戦略

①北陸電力グループ2030長期ビジョンの策定・公表(2019年4月)

 我が国では人口減少やIoT・AI、EV等の新技術による産業構造の変化が進み、今後は、技術革新による既存のビジネスモデルの破壊や新たなビジネスの創出、持続可能な社会への意識の高まり等、更なる変化が想定されている。また、エネルギー業界は、電力小売全面自由化以降の競争激化、地球温暖化に関する環境規制等、非連続な変化に晒されており、この傾向は今後加速していくと見ている。

 このような中、2019年4月に、2030年度までの期間をターゲットとした「北陸電力グループ2030長期ビジョン」を策定・公表し、「北陸と共に発展し、新たな価値を全国・海外へ」を当社グループの将来のありたい姿として掲げた。その実現に向け、「北陸を基盤とした『総合エネルギー事業』の拡大」、「新たな成長事業の開拓」の2つを基本戦略として取り組み、持続的な成長を果たすことで財務目標の達成を図っていく。

 

<北陸電力グループ2030長期ビジョン実現に向けた基本戦略>

 a.北陸を基盤とした「総合エネルギー事業」の拡大

  発電部門:設備の安全・安定稼働や低コストと低炭素化の両立

  販売部門:総合エネルギーサービスや付加価値サービスの積極拡大

  送配電部門:電力・サービス品質や低廉な託送料金の維持

 

 b.新たな成長事業の開拓

集中的に取り組む分野(地域の課題解決、保有資源と新技術を融合した新たなサービス、海外電力事業)

 

②2050年の将来像及び2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップの策定・公表(2021年4月)

 2020年10月の政府による「2050年カーボンニュートラル宣言」をはじめとした脱炭素社会の実現に向けた社会の動きが加速していることに加え、4D(脱炭素化、分散化、デジタル化、人口減少)の進展等による経営環境の変化に伴い電気事業の価値構造が今後大きく変化していくことが想定されるため、2050年に向けて当社グループが既存の電気事業の枠を超えて事業を展開していく将来像及び2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップを2021年4月に策定・公表した。

 

<2050年に向けた当社グループの将来像>

 既存の電気事業の枠を超えて事業を展開し、地球温暖化問題への対応及び地域の持続可能な発展とスマート社会の実現という社会課題の解決に貢献していく。

 

<2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップ>

 地球温暖化対策としての脱炭素社会の実現は大きな社会的課題であり、当社グループは、信頼され選択される責任あるエネルギー事業者として、「電源の脱炭素化」、「送配電網の高度化」及び「お客さまや地域のゼロエミッション支援」を通じ、2050年カーボンニュートラルに挑戦する。

 

 

(2)経営方針及び対処すべき課題

 当社グループは「北陸電力グループ2030長期ビジョン」達成に向けた具体的な実行計画として、「安定供給の確保」、「総合エネルギー事業の競争力強化」、「グループ総力による事業領域拡大」及び「企業文化の深化」の4つの柱からなる「第一次中期経営方針<2019~2022年度>」を2019年4月に策定・公表した。2021年度においては、同ビジョンの達成に向け、足元の情勢変化等を踏まえつつ、施策の加速化・深掘りを図るため、「第一次中期経営計画<2019~2022年度>(2021年度版)」を策定・公表した。

 

<2021年度の重点施策>

①安定供給の確保

 志賀原子力発電所の新規制基準への適合性確認審査における敷地内断層の活動性評価に適切に対応するとともに、安全強化に徹底して取り組み、早期再稼働を目指していく。

 また、主要石炭火力発電所について、タービン更新やAI・IoTの活用等によりトラブルの未然防止対策を強化するとともに、更なる発電効率の向上を図る。

 流通設備についても、高経年設備の計画的な更新等により、安定供給を確保するとともに、再生可能エネルギー大量導入や電気自動車・蓄電池の普及拡大を踏まえた配電高度化等への対応及びレジリエンス(強靭性・回復力)強化に向けた設備対策及び関係機関との連携に取り組んでいく。

 

 

②総合エネルギー事業の競争力強化

 信頼され選択される責任あるエネルギー事業者として、社会的な課題である脱炭素社会の実現に取り組んでいく。電源側では、再生可能エネルギー開発を加速するとともに、アンモニア・水素等の脱炭素技術の活用に向けた検討を実施する。

 需要側では、RE100対応の電気料金メニューや太陽光発電設備の第3者所有モデルの提供等、脱炭素化に向けた新たな価値サービスを展開するとともに、エネルギーの地産地消や地域活性化に向けて地域のエネルギー事業に主体的に参画していく。

 

③グループ総力による事業領域拡大

 グループの持続的な成長に向け、既存事業領域の拡大及び新たな事業領域の創出に取り組むとともに、新規事業を軌道に乗せ、事業の利益確保を図っていく。金沢市ガス事業・発電事業民営化を受けた事業譲受会社の設立やUAEガス火力発電事業への参画等、グループ全体での収益性向上を図っていく。

 

④企業文化の深化

 当社グループを取り巻く経営環境の変化に対応した、成長事業への人員配置強化等の仕事の進め方改革、在宅勤務制度の推進をはじめとする働き方改革や健康経営の推進に取り組んでいく。

 また、新型コロナウイルス感染症対策の強化を図るとともに、より一層のコンプライアンスの徹底に向けた不断の取組みや労働災害防止に向けた安全文化の更なる深化により、地域社会から信頼され選択される企業を目指していく。

 

 

(3)目標とする経営指標等

2019年4月に「北陸電力グループ2030長期ビジョン」において、当社グループの将来のありたい姿を踏まえ、以下の財務目標を設定・公表した。

 

■連結自己資本比率  2030年度までに30%以上

■連結経常利益    期間平均(2019~2030)350億円以上

■事業ポートフォリオ 2030年度頃までに連結経常利益ベースで

           電気事業:電気事業以外=2:1

 

<投資及び株主還元の基本的な考え方>

志賀原子力発電所の再稼働や電源の安定稼働、総合エネルギー事業の拡大、成長事業の創出により、キャッシュの創出に努めていくとともに、安定配当を継続するという配当方針のもと、安定的な事業運営や持続的な成長を遂げるために必要な投資、財務基盤の強化、株主還元にバランスよく配分していく。

2【事業等のリスク】

当社グループの業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクについては、以下に記載のとおりである。

なお、記載した将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。

 

(1) 志賀原子力発電所の状況について

当社は、東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故を受け、早期に安全強化策を取りまとめ、実施してきた。引き続き、新規制基準も踏まえた安全性向上施策に関する工事を進めており、2号機については新規制基準への適合性確認審査を受けている。

安全性向上施策については、先行他社の審査状況を踏まえ得られた知見・評価を反映しながら2号機の工事を進めてきており、2021年度内の完了を目指している。なお、1号機については引き続き検討を進めていく。

また、原子力規制委員会による新規制基準への適合性確認審査の場で、現在、敷地内断層の審査が行われている。

2020年度に3回の審査会合が行われ、評価対象断層である10本(陸域6本、海岸部4本)の断層について、鉱物脈法及び上載地層法により評価した結果、いずれの断層も活断層ではないことを説明し、概ね理解が得られた。

今後、現地調査を踏まえて最終判断がなされる方針が示されており、新たなデータ等も含めて丁寧に説明していくことで、当社評価の妥当性を理解していただけるよう努めていく。

引き続き、新規制基準等へ的確に対応し、世界最高水準の安全性を目指していくとともに、安全対策や敷地内断層の調査について、その内容を地域の皆さまにわかりやすく丁寧にご説明し、ご理解いただけるよう最大限努力し、早期の再稼働を目指していく。

なお、新規制基準への適合性確認審査の進捗や原子力政策・規制の見直し等によって、原子力発電所の停止が長期化する場合や稼働率が低下する場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

(2) 電気事業に関わる制度の変更等について

電力システム改革については、小売全面自由化や2020年度からの送配電部門の法的分離が実施された。新市場取引については、非化石価値取引市場、ベースロード市場に加え、2020年度から容量市場での取引が開始された。今後は、2023年4月の託送料金制度見直しなどが予定されている。このほか原子力バックエンド事業に関する制度見直しも含め、当社事業に関連する制度の変更などにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

また、非効率な石炭火力発電所のフェードアウトについての議論や、2020年10月の政府による「2050年カーボンニュートラル宣言」など脱炭素社会の実現に向けた社会の動きが加速しており、今後、環境規制の動向などにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

当社グループとしては「低廉で良質なエネルギーを安定的にお届けする」という社会的使命に変わりはなく、お客さまをはじめステークホルダーの皆さまの視点に立ち、安定供給や更なる経営効率化に不断の努力で取り組むとともに、2021年4月に策定・公表した2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップに基づき、電源の脱炭素化及びお客さまや地域のゼロエミッション支援などに取り組んでいく。

 

(3) 新型コロナウイルス感染症による影響について

    新型コロナウイルス感染症による販売電力量への影響は、現時点では落ち着いているものの、今後、感染症が更

  に拡大し、生産活動の停滞や消費の落ち込みによる販売電力量の減少等が生じる場合は、営業収益の減少等によ

  り当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

  なお、当社及び北陸電力送配電株式会社は、感染症の大流行時を想定した業務計画に基づき、発電設備の運転や送配電網の運用、燃料・資機材の調達をはじめとした優先業務の選定や、要員の確保策を策定している。今後の新型コロナウイルス感染症の状況に応じ適切に対処し、従業員の健康及び安全の確保を最優先に、電力の安定供給に努め、社会的責任を果たしていく。

 

(4) 経済状況や天候等による販売電力量等の変動について

販売電力量は、経済活動や天候(特に気温)の状況、電力市場における競争状況、企業の海外移転などによる産業空洞化などによって変動することから、営業収益の増減により当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

また、年間の降雨降雪量の変動により水力発電所の発電量が増減し、火力燃料費が変動することから、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

 

 

(5) 燃料価格、卸電力市場価格の変動等について

火力燃料は、石炭、原・重油、LNGであり、需給状況や外国為替相場の動向により、火力燃料価格が急激に変動した場合や、調達地域での操業トラブルや政治情勢の変動等により、燃料が円滑に調達できない場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

ただし、燃料価格の変動については、価格変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」によって一定の調整が図られることから、業績への影響は軽減される。

また、卸電力取引所における市場価格の変動に伴い、販売収入や調達費用が増減し、当社グループの業績は影響を受ける可能性があることから、相対契約の拡大による価格固定化などの対応を図っている。

 

(6) 金融市場の動向について

当社グループの有利子負債残高は、当連結会計年度末で9,748億円であり、市場金利や格付の低下等に伴う調達金利の上昇により、業績は影響を受ける可能性がある。

ただし、有利子負債の殆どは中長期的に利率が確定している社債や長期借入金で構成されていることから、金利上昇による業績への影響は限定的と考えられる。

また、企業年金資産等の一部は、株価・金利等の変動により時価が変動することから、業績は影響を受ける可能性がある。

(7) 自然災害・操業トラブルについて

当社グループは、電力供給設備を中心に、多くの設備を保有しており、その保守・保全には万全を期しているが、当社グループの設備及び当社グループが受電している他社の設備において地震・台風等の大規模な自然災害や操業トラブルが発生した場合、修繕費用や代替電源の調達費用の増加等により、業績は影響を受ける可能性がある。

2018年度及び2019年度に発生した石炭火力発電所の計画外停止を踏まえ、予防保全的な補修、AIやIoT技術を活用したトラブル早期検知システムの導入等、操業トラブルの未然防止及び早期発見・早期復旧に繋がる対策をこれまで以上に強化している。

(8) 電気事業以外の事業について

当社グループは、電気事業以外の事業については、その将来性や収益性を十分勘案して取り組んでいるが、他業者との競合の進展等、市場環境の変化により、業績は影響を受ける可能性がある。

ただし、電気事業以外の事業規模は、電気事業規模に比べると小さいことから、業績への影響は限定的と考えられる。

(9) 企業倫理の遵守等について

企業倫理に反した行為やサイバー攻撃による被害が発生した場合、当社グループへの社会的信用の低下や対応に要する費用の増加等により、業績は影響を受ける可能性がある。

当社グループは、コンプライアンスの徹底を経営方針に掲げ、「行動規範」や「個人情報保護規程」の制定・遵守に加え、コンプライアンス研修を充実するなど、企業倫理を遵守した業務運営を定着させるための取組みに努めているとともに、サイバー攻撃の早期発見・早期復旧するための体制構築など、情報セキュリティ対策の強化に努めている。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。

財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化し、厳しい状況が続いたが、経済活動が徐々に再開するなかで、輸出・生産を中心に持ち直しの動きがみられた。北陸地域においても同様の状況で推移した。

このような経済情勢の中、当連結会計年度の財政状態、経営成績は以下のとおりとなった。

(財政状態)

資産合計は、前連結会計年度末に比べ26億円増1兆5,956億円(前期末比 100.2%)となった。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ165億円減1兆2,398億円(同 98.7%)となった。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ192億円増3,557億円(同 105.7%)となった。

(経営成績)

当連結会計年度の経営成績は、売上高(営業収益)6,394億円(前期比 101.8%)、経常利益123億円(同 53.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は68億円(同 50.9%)となった。

セグメントごとの経営成績[セグメント間の内部取引消去前]

2020年4月1日に、一般送配電事業を会社分割の方法によって北陸電力送配電株式会社に承継させたことに伴い、当連結会計年度より、報告セグメントを従来の「電気事業」から、「発電・販売事業」及び「送配電事業」に区分する変更を行っている。

また、セグメント利益について、従来の営業利益に基づく算定から経常利益に基づく算定に変更している。

なお、前連結会計年度では、「送配電事業」に相当する売上高及び利益又は損失の金額を区分できないことから、変更後のセグメント情報の区分により、前連結会計年度の情報を作成することは実務上困難である。よって、次のとおり、当連結会計年度のセグメントごとの経営成績を、変更前のセグメント情報の区分により記載している。

上記内容は、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」における、「(セグメントごとの経営成績[セグメント間の内部取引消去前])」についても、同様である

 

電気事業は、売上高5,840億円(前期比 102.3%)、経常利益39億円(同 24.5%)となった。

その他の事業は、売上高1,066億円(同 99.5%)、経常利益106億円(同 112.9%)となった。

 

また、変更後のセグメント情報の区分による当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は次のとおりである。

発電・販売事業は、売上高5,745億円、経常損益は82億円の損失となった。

送配電事業は、売上高1,756億円、経常利益122億円となった。

その他の事業は、売上高1,066億円、経常利益106億円となった。

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、営業活動により566億円増加したが、投資活動において固定資産の取得による支出を中心に849億円、財務活動により33億円減少したことから、前連結会計年度末に比べ307億円減少し、当連結会計年度末には1,323億円(前期末比81.2%)となった。

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループ(当社及び連結子会社)においては、電気を供給することを主たる事業としており、また、それ以外の事業は、広範囲かつ多種多様であり、生産、受注、販売といった画一的な区分による表示が困難である。

このため、発電及び販売の実績のみを記載している。

a. 発電実績

種別

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前期比(%)

水力発電電力量(百万kWh)

6,159

99.1

火力発電電力量(百万kWh)

22,095

101.1

原子力発電電力量(百万kWh)

新エネルギー等発電電力量(百万kWh)

5

95.7

合計(百万kWh)

28,259

100.7

 (注)1.当社の発電電力量を記載している。

2.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。

 

b. 販売実績

(a)販売電力量

種別

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

前期比(%)

 電灯(百万kWh)

8,254

104.4

 電力(百万kWh)

17,686

103.2

  電灯電力合計(百万kWh)

25,940

103.5

  他社販売(百万kWh)

6,614

117.9

  総販売電力量(百万kWh)

32,554

106.2

 (注)1.送配電事業関連の販売を除く。

2.他社販売は期末時点で把握している実績を記載している。

3.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。

 

(b)料金収入

種別

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前期比(%)

電灯(百万円)

171,159

99.1

電力(百万円)

269,399

96.0

電灯電力合計(百万円)

440,559

97.2

他社販売(百万円)

59,112

119.1

 (注)1.送配電事業関連の販売を除く。

    2.他社販売は期末時点で把握している実績を記載している。

c. 資材の実績

 石炭、重油、原油、LNGの受払実績

種別

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前期比(%)

石炭

(t)

期首残高

437,012

97.4

受入

6,063,458

99.9

払出

6,110,342

100.5

期末残高

390,128

89.3

重油

(kl)

期首残高

244,039

89.9

受入

55,520

713.2

払出

143,822

408.2

期末残高

155,738

63.8

原油

(kl)

期首残高

17,819

34.5

受入

1,002

259.6

払出

9,852

28.7

期末残高

8,970

50.3

LNG

(t)

期首残高

56,382

80.6

受入

561,057

100.8

払出

560,729

98.4

期末残高

56,711

100.6

(注)1.払出には、販売の払出を含む。

   2.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり採用する重要な会計方針については「第5 経理の状況」に記載している。

当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 売上高及び経常収益

売上高(営業収益)は、燃料費調整額の減少はあるが、総販売電力量の増加などにより、前連結会計年度に比べ114億円増の6,394億円(前期比 101.8%)となり、これに営業外収益を加えた経常収益は118億円増の6,422億円(同 101.9%)となった。

b. 経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益

経常利益は、新型コロナウイルス感染症の影響はあったものの総販売電力量が増加し、これによる増益影響があった一方で、購入電力量の増加や卸電力取引所価格高騰影響などにより、前連結会計年度に比べ108億円減123億円(同 53.2%)となった。

また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ65億円減68億円(同 50.9%)となった。

c. 新型コロナウイルス感染症による影響

新型コロナウイルス感染症による影響について一定の前提をおいて試算すると、販売電力量については、電灯で外出自粛などにより増加したが、電力で工場の操業が減少したことなどから8億キロワット時程度の減少、売上高については70億円程度の減収、経常利益については40億円程度の減益影響があったものと見ている。

(セグメントごとの経営成績[セグメント間の内部取引消去前])

a. 電気事業

当連結会計年度の総販売電力量については、325億54百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると6.2%の増加となった。

このうち、小売販売電力量については、電灯においては、冬季の気温が前年より低かったことにより暖房需要が増加したこと、電力においては、工場の操業が減少した影響はあったものの販売拡大活動により契約電力が増加したことなどから、259億40百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると3.5%の増加となった。また、卸販売電力量については、卸電力取引所等への販売増から、66億14百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると17.9%の増加となった。

供給力については、志賀原子力発電所1・2号機が引き続き運転できなかったことから、厳しい状況となった。

しかしながら、水力・火力発電所の補修時期の調整や卸電力取引所からの調達など供給面での諸対策を講じた結果、供給を維持することができた。

収支については、売上高は、燃料費調整額の減少はあるが、総販売電力量の増加などにより前連結会計年度に比べ132億円増の5,840億円(前期比 102.3%)となった。

また、経常利益は、新型コロナウイルス感染症の影響はあったものの総販売電力量が増加し、これによる増益影響があった一方で、購入電力量の増加や卸電力取引所価格高騰影響などにより前連結会計年度に比べ121億円減の39億円(同 24.5%)となった。

b. その他

売上高は、前連結会計年度に比べ4億円減の1,066億円(前期比 99.5%)、経常利益は、前連結会計年度に比べ12億円増の106億円(同 112.9%)となった。

また、変更後のセグメント情報の区分による当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は次のとおりである。

a. 発電・販売事業

発電・販売事業は、国内における発電・小売電気事業等を展開している。

売上高は、販売収入や再エネ特措法交付金の計上などにより、5,745億円となり、経常損益は、燃料費や修繕費、購入電力料の計上などにより、82億円の損失となった。

b. 送配電事業

送配電事業は、北陸域内における一般送配電事業を展開している。

売上高は、託送収益の計上などにより、1,756億円となり、経常利益は、修繕費や減価償却費、購入電力料の計上などにより、122億円となった。

c. その他

売上高は、1,066億円となり、経常利益は、106億円となった。

(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)

a. キャッシュ・フロー

営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の収入は、前連結会計年度に比べ448億円減の566億円(前期比 55.8%)となった。これは、税金等調整前当期純利益や未払事業税及び未払消費税等が減少したことなどによるものである。

投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ97億円増の849億円(同 113.0%)となった。これは、固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものである。

財務活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ29億円減の33億円(同 52.5%)となった。これは、借入金の返済や配当金の支払による支出は増加したものの、社債の償還による支出が減少したことなどによるものである。

これらの活動の結果、当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ307億円減1,323億円(前期末比 81.2%)となった。

b. 資産

資産合計は、前連結会計年度末に比べ26億円増1兆5,956億円(前期末比 100.2%)となった。これは、建設仮勘定が増加したことなどによるものである。

c. 負債

負債合計は、前連結会計年度末に比べ165億円減1兆2,398億円(前期末比 98.7%)となった。これは、借入金の返済や未払税金の減少などによるものである。

d. 純資産

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ192億円増3,557億円(前期末比 105.7%)となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などによるものである。

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

a. 資金需要

主として電気事業固定資産に係る設備投資及び修繕費、社債の償還及び借入金の返済、火力燃料の購入等に資金を充当している。

b. 資金の源泉

主として営業活動によるキャッシュ・フロー、社債の発行、金融機関からの借入等により、必要とする資金を調達している。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローに係る情報については、「(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)」に記載している。

(有利子負債)

有利子負債に係る情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」に記載している。

なお、当連結会計年度末現在、長期発行体格付は株式会社投資格付情報センター(R&I)にてA+となっている。

また、電気事業法の下、当社により発行される社債については一般担保が付されており、償還請求において社債権者は無担保債権者よりも優先される。

c. 流動性

当社グループは、営業活動により十分なキャッシュ・フローを得ていることに加え、国内普通社債発行登録、短期社債発行枠の設定及びコミットメントライン契約により、必要に応じて資本市場及び金融機関より資金調達することが可能である。

以上により必要な現預金残高を確保するとともに、原則として元利確定の銀行預金等で運用することを定めており、十分な流動性を確保している。

(目標とする経営指標の達成状況等)

 当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「北陸電力グループ2030長期ビジョン」にて、「2030年度までに連結自己資本比率30%以上」「期間平均(2019~2030)連結経常利益350億円以上」「2030年度頃までに事業ポートフォリオを連結経常利益ベースで電気事業:電気事業以外=2:1」を財務目標として掲げている。

 当連結会計年度における連結経常利益は123億円、当連結会計年度末における連結自己資本比率は21.2%となった。

 今後も、「北陸を基盤とした『総合エネルギー事業』の拡大」や「新たな成長事業の開拓」に取り組み、財務目標の達成を図っていく。

 また、当事業年度は、1株当たり年間15円の配当を実施することとした。今後も、安定配当を継続するという基本方針を踏まえ、安定的な事業運営や持続的な成長を遂げるために必要な投資、財務基盤の強化、株主還元にバランスよく配分していく。

(事業等のリスクに係る情報)

 事業等のリスクに係る情報については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載している。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はない。

 

5【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)では、お客さま、地域社会など皆さまからの期待・要望に適切、誠実にお応えするため、電力の安定供給、低炭素社会の実現及び環境保全を中心とした研究開発に積極的に取り組んでいる。

なお、研究資源の有効活用や産学官の連携強化などの取組みにより効率的な研究開発に努め、当連結会計年度における研究開発活動の金額は「発電・販売事業」で1,624百万円、「送配電事業」で689百万円、グループ全体(内部取引消去後)で1,741百万円となった。

研究開発活動の内容は、次のとおりである。

研究開発活動の内容

セグメント情報の区分

発電・販売事業

送配電事業

電力の安定供給、

低炭素社会の実現及び

環境保全に資する研究

信頼性と経済性の両立のための

送配電線雷事故解析手法の精度向上

長期的な設備機能維持に向けた工法開発等

電力設備の診断・寿命延伸・性能評価技術の開発

再生可能エネルギー大量導入による

系統影響の経済的な緩和対策

フライアッシュの有効利用

 

新たな企業価値創造や

競争力確保に資する研究

新たな価値創造に向けた研究

業務効率化に向けた新技術の活用研究