2022年2月に勃発したロシアによるウクライナ侵攻に伴い、燃料価格・卸電力市場価格が過去に例を見ない水準まで高騰したことに加え、国内外の金利差を背景とした円安基調も重なり、電力供給コストが大幅に増加した。
緊急経営対策本部を立ち上げ、安定供給に支障のない範囲で、2022年度における140億円の収支改善策を取りまとめたが、当社グループの経営効率化をはるかに上回るコスト増により、2022年度の連結経常損益は過去最大の損失となり、財務基盤が大きく毀損する未曾有の事態に陥った。今後も早期の情勢回復は見込めず、このままでは燃料調達や設備保全に係る対応が困難となり、安定供給に影響を及ぼすおそれがあることから、規制料金を含むすべてのお客さまの電気料金の改定を行うこととした。当社としては、徹底した経営効率化の追求により、財務基盤の早期回復・強化を図り、電力の安定供給という当社の最大使命を果たすとともに、お客さまの声に真摯にお応えすることで、地域のみなさまから当社事業についてご理解いただけるよう努めていく。更に、2050年カーボンニュートラルの実現やDXの進展等の社会変化にも機動的に対応し、お客さま・地域とともに持続的な発展を目指していく。
一般送配電事業者による非公開情報の漏えい事案について、当社に新電力顧客情報を不正閲覧した事実はなかったが、経済産業省の「再エネ業務管理システム」における一部顧客情報の不適切な取扱い等があったことや行為規制に関する情報漏えいが電力業界あげての取り組むべき課題となっていることから、当社においても未然防止・再発防止策を徹底するとともに、社内体制を強化していく。
①北陸電力グループ新中期経営計画<2023~2027年度>
2019年4月に公表した「北陸電力グループ2030長期ビジョン」で示した「北陸と共に発展する」という将来のありたい姿と基本戦略は維持しつつも、激変する経営環境に対応するため、当社最大の使命である安定供給確保と財務基盤の早期回復・強化を最優先とした今後5か年の新中期経営計画を、2023年4月に公表した。
本計画においては、徹底した効率化の追求と事業領域の拡大により収支を改善し、財務基盤の早期回復・強化を図るとともに、脱炭素化や更なる付加価値の提供により、お客さま・地域とともに持続的な発展を目指すため、以下のとおり、経営の3本柱を設定し、将来のありたい姿の実現を目指す。
(新中期経営計画の3本柱)
柱Ⅰ:安定供給確保と収支改善及び財務基盤強化
・志賀原子力発電所2号機の早期再稼働に向けた対応
・設備の安定運用、更なるレジリエンス強化
・需給収支の最大化
柱Ⅱ:地域と一体となった脱炭素化の推進
・電源の脱炭素化、送配電網の次世代化に向けた対応
・自治体と連携した北陸地域の脱炭素化への貢献
柱Ⅲ:持続的成長に向けた新事業領域の拡大
・カーボンニュートラルサービスを含むエネルギー事業の推進
・エネルギー事業の枠を超えた新事業領域の拡大
■経営基盤を支える取組みの強化
・働きやすい職場づくり(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、労働安全、健康経営等)
・労働生産性の向上
・コンプライアンスの徹底・強化
②2050年の将来像及び2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップ
脱炭素社会の実現に向けた社会の動きの加速などを踏まえ、2050年に向けて当社グループが既存の電気事業の枠を超えて事業を展開していく将来像及び2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップを策定し、地域の課題解決及び2050年カーボンニュートラルの実現に向けて取組みを進めている。
(2050年に向けた当社グループの将来像)
既存の電気事業の枠を超えて事業を展開し、地球温暖化問題への対応及び地域の持続可能な発展とスマート社会の実現という社会課題の解決に貢献していく。
(2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップ)
地球温暖化対策としての脱炭素社会の実現は大きな社会的課題であり、当社グループは、信頼され選択される責任あるエネルギー事業者として、「電源の脱炭素化」、「送配電網の次世代化」及び「お客さまや地域のゼロエミッション支援」を通じ、2050年カーボンニュートラルに挑戦する。
[主要目標]
・2030年代早期に再エネ開発量を+100万kW以上(+30億kWh/年以上)※1
・2030年度時点での発電電力量に占める非化石電源比率を50%以上
・2030年度時点でのCO2排出量を△50%以上※2
※1:2018年度対比
※2:2013年度対比、小売販売電力量ベース
<投資及び株主還元の基本的な考え方>
志賀原子力発電所の再稼働や電源の安定稼働、総合エネルギー事業の拡大、成長事業の創出により、キャッシュの創出に努めていくとともに、安定配当を継続するという配当方針のもと、安定的な事業運営や持続的な成長を遂げるために必要な投資、財務基盤の強化、株主還元にバランスよく配分していく。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループは、2050年カーボンニュートラルや持続可能なスマート社会の実現に向けて取り組んでいる。今後もESGの視点による経営を更に深化させることで、持続可能な社会の実現(SDGsの達成)に貢献していく。
サステナビリティに係る事項は、以下のとおり各種会議体を定期的に開催して、評価・管理を行っており、重要事項については、常務会や取締役会に報告する等、トップマネジメントのもと管理するガバナンス体制を構築している。リスク管理については、経営リスクについて適宜把握・評価のうえ、取締役会にて毎年度策定する経営計画等の諸計画に反映するとともに、必要に応じて、当該リスクに関する課題や対応方針を検討する組織の整備や全社横断的な委員会等を設置し、適切に対応している。
(2)気候変動
当社は、社会的に責任のあるエネルギー事業者として、ESGを重視した経営を展開しており、「気候変動が事業活動にもたらすリスク及び機会を分析し、情報開示を推進する」というTCFD提言の趣旨に賛同している。TCFD提言に沿った情報開示を進めるとともに、電源の脱炭素化や電化の推進等、気候変動が当社事業にもたらすリスク及び機会に適切に対応し、社会の持続的な発展に貢献していく。
①ガバナンス
社長を議長とする「カーボンニュートラルチャレンジ推進会議」等を定期的に開催し、気候関連リスク及び機会、指標等の評価・管理を行っている。
また、カーボンニュートラルチャレンジ推進会議等での審議結果については、取締役会に報告している。
②戦略
気候変動に関するリスク及び機会を認識するために、IEA等が公表している気候シナリオを参照し、2℃以下シナリオを含む複数のパターンで当社を取り巻く環境を想定している。
当社グループは、社会的に責任のあるエネルギー事業者として、再生可能エネルギーの主力電源化をはじめとする電源の脱炭素化、暮らしやモビリティ等の電化推進等を通じ、2050年カーボンニュートラルに挑戦していく。
<参照シナリオ>
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シナリオ |
想定する社会状況 |
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IEA (注)1 |
WEO2021 APS(公約宣誓シナリオ) |
・2050年における日本のCO2排出量はほぼゼロ(注) ・2050年に向け電化率は増加 (注)日本においては1.5℃目標に整合的と考えている。 |
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WEO2021 STEPS(公表政策シナリオ) |
・2050年に向け日本のCO2排出量はゆるやかに減少、 電化率はゆるやかに増加 |
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IPCC (注)2 |
第6次評価報告書 SSP5-8.5シナリオ |
・地球温暖化の進行に伴い、大雨・台風等の頻度と強度が増加 |
(注)1. 国際エネルギー機関。「World Energy Outlook(WEO)」を公表。
2. 気候変動に関する政府間パネル。
<日本のCO2排出量想定>
<気候関連リスク及び機会> 太字:特に影響度の大きいリスク及び機会
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IEA シナリオ を参照 |
移行リスク |
政策・法規制 |
・ 2050年カーボンニュートラルに向けた規制強化 (カーボンプライシング等、規制対応コストの増加) |
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技術 |
・大量の再エネ系統連系及び火力電源の縮小による系統混雑管理の増大及び調整力不足 ・再エネ電源の普及拡大による電力品質低下、系統形成・系統利用ルール見直し |
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市場 |
・再エネ電源の普及拡大を受けた電力市場価格変動に伴う卸電力収入の変動及び既存電源の稼働率低下に伴う収益性悪化 ・化石燃料上流開発投資の減少に伴う燃料価格高騰 |
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評判 |
・気候変動対策に消極的な企業に対するイメージの低下(資金調達環境悪化、株価下落) |
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機会 |
資源の効率性 |
・技術革新による設備の性能向上 |
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エネルギー源 |
・第6次エネルギー基本計画の策定 (再生可能エネルギーへの投資機会拡大) ・原子力発電や再生可能エネルギーの優位性向上 |
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製品・サービス |
・電化の進展、EV・蓄電池の普及拡大 |
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市場 |
・再エネ電気・関連サービス等、お客さまの脱炭素ニーズの高まり・市場の拡大 ・新市場開設(非化石価値取引市場、容量市場等)による取引機会の拡大 |
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IPCC シナリオ を参照 |
物理リスク |
急性 |
・台風等の大規模自然災害激甚化に伴う電力設備トラブル(事前対応・復旧コスト増加) |
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慢性 |
・降水量変動による出水率変動リスク |
||
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機会 |
強靭性 (レジリエンス) |
・社会における防災・減災ニーズの高まり |
(注)上記は「北陸電力グループ統合報告書2022」公表(2022年9月)時点の情報を記載している。
③リスク管理
気候変動に係る経営リスクについて適宜把握・評価のうえ、毎年度策定する経営計画(取締役会にて決定)等の諸計画に反映するとともに、必要に応じて、当該リスクに関する課題や対応方針を検討する組織の整備や全社横断的な委員会等を設置し、適切に対応している。
気候関連リスクについては、カーボンニュートラルチャレンジ推進会議等において識別・評価し、経営リスクとともに取締役会に報告している。
④指標及び目標
当社は「北陸電力グループカーボンニュートラル達成に向けたロードマップ」を策定し、目標を掲げ、各施策を推進している。
<北陸電力グループカーボンニュートラル達成に向けたロードマップにおける目標>
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指標 |
目標値 |
目標達成時期 |
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再エネ開発量 |
2018年度対比で +100万kW以上(+30億kWh/年以上) |
2030年代早期 |
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CO2排出削減率 (小売販売電力量ベース) |
2013年度対比で△50%以上 |
2030年度 |
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非化石電源比率 (発電電力量ベース) |
50%以上 |
2030年度 |
(注)北陸電力グループカーボンニュートラル達成に向けたロードマップは当社ホームページに掲載している。
https://www.rikuden.co.jp/sustainability/vision.html
<サプライチェーン温室効果ガス排出量>
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区分 |
2021年度 |
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スコープ1(自らの燃料燃焼による排出)(万t-CO2) |
1,876 |
|
スコープ2(消費した電気、熱・蒸気使用による排出)(万t-CO2) |
0 |
(注)1.当社及び北陸電力送配電株式会社の実績を記載している。
2.「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(Ver.2.4)」(環境省・経済産業省)等に基づき算定している。
(3)人的資本
①戦略
ⅰ.人材育成方針
○基本的な考え方
当社グループは、「人材」こそが企業価値を高める原動力であり、かけがえのない資本であると考え、北陸電力グループ理念である“Power & Intelligenceでゆたかな活力あふれる北陸を”の実現に向けて、変化の激しい経営環境においても北陸地域とともに持続的に成長していくため、人的資本に対する投資を積極的に進めている。
○従業員の教育
人材の育成を図るため、各階層において必要な知識・ビジネススキル等の習得を目標とする基本教育や、部門ごとに必要な専門知識・技能等の習得を目的とする職能教育を実施している。
また、現場技術技能継承のための技術マスター認定制度や若手社員の定着、自立・成長を図るメンター制度などを整備している。
<教育体系>
基本教育の各研修及び特別教育において、女性活躍をはじめとするDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進に向けて、全社的な理解促進・行動変容や、女性のキャリア意識醸成・能力伸長を図る教育を実施している。
加えて、国家資格等取得時の祝金贈呈や通信教育費用の助成などにより、従業員の職務遂行能力の向上や自己啓発意欲の促進を図っている。
○人事評価面談等を通じた人材育成
上司との人事評価面談(年4回以上)や、上司・同僚・部下からの360度多面評価の定期的な実施を通じて、能力伸長や自律的なキャリア形成に向けた動機づけを図っている。
ⅱ.社内環境整備方針
○基本的な考え方
多様な人材が、互いを尊重しながら、各々の能力・強みを存分に発揮し、健康でいきいきと働けることが、持続的な企業価値の向上に繋がるとの考えのもと、DE&I推進及び働く環境の整備に取り組んでいる。
○多様な人材の活躍促進
多様な属性(性別、年齢、障がいの有無 など)の従業員の活躍促進に取り組んでいる。
<女性>
DE&I推進に関する社長メッセージの発信、地元企業との異業種交流会や女性役職者メンタープログラムの実施等で女性従業員の活躍を促進してきたことにより、「えるぼし」の3段階目の認定を2017年から継続して受けている。
また、育児支援関連制度の充実に取り組んでおり、「プラチナくるみん」の認定を2019年から継続して受けている。
<キャリア(経験者)採用者>
多様な能力・専門性を有する他企業等経験者をこれまで160人以上採用しており、異業種での勤務経験やスキル・資格等を活かし、様々な部門で活躍している。
<障がい者>
自社における雇用に加え、オフィスサポート業務を担う特例子会社「北陸電力ウィズスマイル株式会社」の設立による雇用拡大により、障がい者雇用を推進している。
○働きやすい職場づくり
コアタイムを設定しないフレックスタイム勤務・時間短縮勤務・在宅勤務・勤務間インターバル(11時間以上)・時間単位休暇などの柔軟な勤務制度に加え、育児・介護・慶弔・社会貢献など各従業員のライフイベントに応じた特別休暇や休職制度を設けており、従業員のワーク・ライフ・バランス実現に向けた取組みを推進している。
特に、男性の育児休業については、産後パパ育休期間の一部有給化、取得しやすい職場環境づくりに向けた社長メッセージの発信、男性育児休業セミナーの開催等により、取得促進に取り組んでいる。
○労働災害の防止と健康経営の推進
「安全と健康はすべてに優先する」との考えのもと、安全衛生管理方針を策定し、労働災害の防止、心身の健康増進に向けた取組みを、全社を挙げて推進している。
労働災害の防止については、当社の事業にかかわる全ての者の安全を確保するため、従業員と請負会社が一体となり、基本ルールの遵守徹底等に取り組んでいる。
心身の健康増進については、2023年4月に「北陸電力健康憲章」を制定し健康増進に積極的に取り組む企業風土の醸成を図るとともに、メンタルヘルスや生活習慣病対策、禁煙促進・受動喫煙防止対策などを展開しており、「健康経営優良法人 ホワイト500」に選定されている。
②指標及び目標
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項目 |
2022年度実績 |
2023年度目標 |
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女性における役職比率 |
41.3% |
40%以上 |
|
有給休暇取得日数 |
21.5日 |
20日以上 |
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男性の育児休業取得率 |
61.5% |
100% |
(注)1.目標及び実績は、当社と北陸電力送配電株式会社を合わせた数値である。
2.女性における役職比率は、女性の社員(35歳以上)に占める役職者の比率である。
3.有給休暇取得日数は、ゆとり休暇(使途を限定せず、年間5日付与)を含む。
4.男性の育児休業取得率は、出生時育児休業制度創設(2022年10月1日)以降、100%である。
当社グループの業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクについては、以下に記載のとおりである。
なお、記載した将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
(1) 原子力を取り巻く状況について
①志賀原子力発電所の状況
当社は、東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故を受け、早期に安全強化策を取りまとめ、実施してきた。引き続き、新規制基準も踏まえた安全性向上施策に関する工事を進めており、2号機については新規制基準への適合性確認審査を受けている。
安全性向上施策については、先行他社の審査状況を踏まえ得られた知見・評価を反映しながら2号機の工事を進めており、工事完了時期については、今後の審査や工事の進捗を踏まえて決定する。なお、1号機については引き続き検討を進めていく。
また、新規制基準への適合性確認審査の場では、これまで敷地内断層の審査が中心に行われてきたが、2023年3月、敷地内断層は活断層ではないとする当社の評価が認められた。今後も、敷地周辺の断層や地震動、津波などの審査が継続するが、引き続き、新規制基準等へ的確に対応し、世界最高水準の安全性を目指していくとともに、安全対策や適合性確認審査の内容を地域の皆さまにわかりやすく丁寧にご説明し、ご理解いただけるよう最大限努力し、早期の再稼働を目指していく。
なお、新規制基準への適合性確認審査の進捗や原子力政策・規制の見直し等によって、原子力発電所の停止が長期化する場合や稼働率が低下する場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
②原子力バックエンド事業
原子力バックエンド事業については、原子力施設の廃止措置・使用済燃料の再処理・放射性廃棄物の処分等に多額の資金と長期にわたる事業期間が必要であり、事業に必要な費用については、国の制度措置等に基づき費用計上・拠出している。具体的には、原子力施設の廃止措置に係る費用については、法令に基づき算定した原子力発電施設解体費の総見積額を基に、資産除去債務及びこれに対応する費用を計上し、使用済燃料の再処理及び放射性廃棄物の処分に係る費用については、法令に基づき事業を実施する各機構から通知される拠出金単価を基に、原子力発電所の運転に伴い発生する使用済燃料や特定放射性廃棄物の量に応じた金額を拠出している。
これらの制度措置等により事業者のリスクは低減されているものの、今後の制度見直しや将来費用の見積額の変更等がある場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(2) 電気事業に関わる制度の変更等について
電力システム改革については、小売全面自由化や送配電部門の法的分離が実施された。新市場取引については、非化石価値取引市場、ベースロード市場、容量市場、需給調整市場での取引が開始されており、2023年度には長期脱炭素電源オークションの取引開始が予定されている。
また、2021年10月に策定された「第6次エネルギー基本計画」において、2050年カーボンニュートラルを見据え、2030年度温室効果ガス排出削減目標及びその実現のためのエネルギーミックスの見通しが示された。加えて、2023年5月に成立した「GX推進法」において、将来的なカーボンプライシングの導入が示されている。
このような当社事業に関連する制度の変更や脱炭素社会の実現に向けた環境規制強化などにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
当社グループとしては「低廉で良質なエネルギーを安定的にお届けする」という社会的使命に変わりはなく、お客さまをはじめステークホルダーの皆さまの視点に立ち、安定供給や更なる経営効率化に不断の努力で取り組むとともに、2021年4月に策定・公表した2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップに基づき、電源の脱炭素化及びお客さまや地域のゼロエミッション支援などに取り組んでいく。
(3) 経済状況や天候等による販売電力量等の変動について
販売電力量は、経済活動や天候(特に気温)の状況、電力市場における競争状況、企業の海外移転などによる産業空洞化、感染症の流行などによって変動することから、営業収益の増減により当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
また、年間の降雨降雪量の変動により水力発電所の発電量が増減し、火力燃料費が変動することから、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(4) 燃料価格、卸電力市場価格の変動等について
火力燃料は、石炭、原・重油、LNGであり、需給状況や外国為替相場の動向により、火力燃料価格が急激に変動した場合や、調達地域での操業トラブルや政治情勢の変動等により、燃料が円滑に調達できない場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
なお、燃料価格の変動については、価格変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」によって一定の調整が図られており、業績への影響は軽減されるが、特定小売供給約款の適用を受ける契約には燃料費調整単価に上限が設けられている。
また、当社グループは、卸電力取引所を通じ、供給余力を活用した販売や不足時の調達を行っているが、需給状況や燃料価格の動向により、卸電力取引所の市場価格が変動した場合、販売収入や調達費用が増減し、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻などに伴い、これらのリスクが顕在化したことなどを踏まえ、電気料金の改定を行い、燃料費調整単価の諸元変更や、高圧・特別高圧の契約を対象に市場価格の変動を反映させる市場価格調整単価の導入を行っている。これらにより収支変動リスクが軽減されている。
また、燃料・卸電力市場価格動向や自社の需給状況を評価し、燃料・電力デリバティブ取引の活用や販売ポートフォリオの最適化などにより、最大限、収支変動リスクの抑制を図っていく。
(5) 金融市場の動向について
当社グループの有利子負債残高は、当連結会計年度末で1兆2,854億円であり、市場金利や格付の低下等に伴う調達金利の上昇により、業績は影響を受ける可能性がある。
ただし、有利子負債の殆どは中長期的に利率が確定している社債や長期借入金で構成されていることから、金利上昇による業績への影響は限定的と考えられる。
また、企業年金資産等の一部は、株価・金利等の変動により時価が変動することから、業績は影響を受ける可能性がある。
(6) 自然災害・操業トラブルについて
当社グループは、電力供給設備を中心に、多くの設備を保有しており、その保守・保全には万全を期しているが、当社グループの設備及び当社グループが受電している他社の設備において地震・台風等の大規模な自然災害や操業トラブルが発生した場合、修繕費用や代替電源の調達費用の増加等により、業績は影響を受ける可能性がある。
2018年度及び2019年度に発生した石炭火力発電所の計画外停止を踏まえ、適正な設備点検補修の実施、AIやIoT技術を活用したトラブル早期検知システムの導入等、操業トラブルの未然防止及び早期発見・早期復旧に繋がる対策をこれまで以上に強化している。
(7) 電気事業以外の事業について
当社グループは、これまでカーボンニュートラルに係る事業・サービスや海外事業などを展開している。また、2023年4月に公表した新中期経営計画においても「地域と一体となった脱炭素化の推進」「持続的成長に向けた新事業領域の拡大」を掲げており、電気事業の枠を超えた事業領域の開拓を進め、挑戦し続けていく。
これらの事業については、その将来性や収益性を十分勘案して取り組んでいるが、他業者との競合進展等の市場環境の変化や、国際情勢などにより、業績は影響を受ける可能性がある。
(8) 企業倫理の遵守等について
企業倫理に反した行為やサイバー攻撃による被害が発生した場合、当社グループへの社会的信用の低下や対応に要する費用の増加等により、業績は影響を受ける可能性がある。
当社グループは、コンプライアンスの徹底を経営方針に掲げ、「行動規範」や「個人情報保護規程」の制定・遵守に加え、コンプライアンス研修を充実するなど、企業倫理を遵守した業務運営を定着させるための取組みに努めているとともに、サイバー攻撃の早期発見・早期復旧するための体制構築など、情報セキュリティ対策の強化に努めている。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いている。
① 財政状態及び経営成績の状況
(財政状態)
資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,452億円増の1兆8,053億円(前期末比 108.8%)となった。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,362億円増の1兆5,530億円(同 117.9%)となった。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ909億円減の2,522億円(同 73.5%)となった。
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績は、売上高(営業収益)8,176億円(前期比 133.2%)、経常損益は937億円の損失(前連結会計年度は経常損失176億円)、親会社株主に帰属する当期純損益は884億円の損失(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失67億円)となった。
(セグメントごとの経営成績[セグメント間の内部取引消去前])
発電・販売事業は、売上高7,487億円(前期比 135.9%)、経常損益は942億円の損失(前連結会計年度は経常損失324億円)となった。
送配電事業は、売上高2,316億円(前期比 127.9%)、経常利益0億円(同 0.4%)となった。
その他の事業は、売上高1,306億円(同 110.2%)、経常利益94億円(同 89.7% )となった。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、営業活動により970億円、投資活動により888億円減少したが、財務活動により2,457億円増加したことから、前連結会計年度末に比べ598億円増加し、当連結会計年度末には1,648億円(前期末比 157.0%)となった。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)においては、電気を供給することを主たる事業としており、また、それ以外の事業は、広範囲かつ多種多様であり、生産、受注、販売といった画一的な区分による表示が困難である。
このため、発電及び販売の実績のみを記載している。
a. 発電実績
|
種別 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比(%) |
|
|
発 電 電 力 量 |
水力発電電力量(百万kWh) |
6,035 |
97.8 |
|
火力発電電力量(百万kWh) |
23,104 |
92.9 |
|
|
原子力発電電力量(百万kWh) |
- |
- |
|
|
再生可能エネルギー発電電力量(百万kWh) |
5 |
103.7 |
|
|
合計(百万kWh) |
29,144 |
93.9 |
|
(注)1.当社の発電電力量を記載している。
2.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
b. 販売実績
(a)販売電力量
|
種別 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比(%) |
|
電灯(百万kWh) |
7,773 |
95.0 |
|
電力(百万kWh) |
18,499 |
93.0 |
|
電灯電力合計(百万kWh) |
26,273 |
93.5 |
|
他社販売(百万kWh) |
6,418 |
79.4 |
|
総販売電力量(百万kWh) |
32,691 |
90.4 |
(注)1.送配電事業関連の販売を除く。
2.他社販売は期末時点で把握している実績を記載している。
3.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
(b)料金収入
|
種別 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比(%) |
|
電灯(百万円) |
178,946 |
113.3 |
|
電力(百万円) |
353,573 |
131.9 |
|
電灯電力合計(百万円) |
532,520 |
125.0 |
|
他社販売(百万円) |
119,857 |
151.3 |
(注)1.送配電事業関連の販売を除く。
2.他社販売は期末時点で把握している実績を記載している。
3.「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおり、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」に基づき実施される「電気・ガス価格激変緩和対策事業」により、国が定める値引き単価による電気料金の値引きを行っている。
c. 資材の実績
石炭、重油、原油、LNGの受払実績
|
種別 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比(%) |
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石炭 (t) |
期首残高 |
388,137 |
99.5 |
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受入 |
6,652,980 |
95.5 |
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払出 |
6,422,280 |
92.1 |
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期末残高 |
618,838 |
159.4 |
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重油 (kl) |
期首残高 |
90,624 |
58.2 |
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受入 |
364,995 |
191.7 |
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払出 |
287,924 |
112.7 |
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期末残高 |
167,695 |
185.0 |
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原油 (kl) |
期首残高 |
5,924 |
66.0 |
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受入 |
64 |
0.6 |
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払出 |
△51 |
△0.4 |
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期末残高 |
6,039 |
101.9 |
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LNG (t) |
期首残高 |
67,304 |
118.7 |
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受入 |
439,125 |
87.7 |
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払出 |
445,624 |
90.9 |
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期末残高 |
60,805 |
90.3 |
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(注)1.払出には、販売分・棚卸差異分を含む。
2.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり採用する重要な会計方針については「第5 経理の状況」に記載している。
当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高及び経常収益
売上高(営業収益)は、総販売電力量の減少はあったものの燃料費調整額の増加などにより、前連結会計年度に比べ2,038億円増の8,176億円(前期比 133.2%)となり、これに営業外収益を加えた経常収益は2,017億円増の8,229億円(同 132.5%)となった。
b. 経常損益及び親会社株主に帰属する当期純損益
経常損益は、燃料価格の高騰などにより、937億円の損失(前連結会計年度は経常損失176億円)となった。
また、これに法人税等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損益は、884億円の損失(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失67億円)となった。
(セグメントごとの経営成績[セグメント間の内部取引消去前])
a. 発電・販売事業
発電・販売事業は、国内における発電・小売電気事業等を展開している。
当連結会計年度の総販売電力量については、前連結会計年度に比べ34億82百万キロワット時減の326億91百万キロワット時(前期比90.4%)となった。
このうち、小売販売電力量については、電灯において、冬季の気温が前連結会計年度より高かったことにより暖房需要が減少したこと、電力において、契約電力が減少したことや工場の操業が減少したことなどから、262億73百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると6.5%の減少となった。また、卸販売電力量については、卸電力取引所等への販売が減少したことから、64億18百万キロワット時となり、前連結会計年度と比較すると20.6%の減少となった。
供給力については、志賀原子力発電所1・2号機が引き続き運転できなかったことから、厳しい状況となった。
しかしながら、お客さまに夏季及び冬季の節電にご協力いただくとともに、水力・火力発電所の補修時期の調整や卸電力取引所からの調達など供給面での諸対策を講じた結果、安定した供給を維持することができた。
収支については、売上高は、燃料費調整額の増加などから、前連結会計年度に比べ1,978億円増の7,487億円(同 135.9%)となった。
また、経常損益は、燃料価格の高騰などにより、942億円の損失(前連結会計年度は経常損失324億円)となった。
b. 送配電事業
送配電事業は、北陸域内における一般送配電事業等を展開している。
売上高は、再生可能エネルギー電源からの買取増加に伴う卸販売電力量の増加などにより、前連結会計年度に比べ506億円増の2,316億円(前期比 127.9%)となった。
また、経常利益は、追加のkW公募及びkWh公募にかかる費用並びに需給バランス調整等を行うために必要な調整力の調達費用の増加などにより、前連結会計年度に比べ85億円減の0億円(同 0.4%)となった。
c. その他
売上高は、LNG販売価格の上昇などにより、前連結会計年度に比べ121億円増の1,306億円(前期比 110.2%)となり、経常利益は、請負工事の受注減少などにより、前連結会計年度に比べ10億円減の94億円(同 89.7%)となった。
(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)
a. キャッシュ・フロー
営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の支出は、前連結会計年度に比べ1,279億円増の970億円(前期は309億円の収入)となった。これは、税金等調整前当期純損失の計上や棚卸資産の増加などによるものである。
投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ221億円減の888億円(前期比 80.0%)となった。これは、投融資による支出が減少したことなどによるものである。
財務活動による資金の収入は、前連結会計年度に比べ1,929億円増の2,457億円(同 465.6%)となった。これは、社債及びコマーシャル・ペーパーの発行、長期借入れによる収入の増加などによるものである。
これらの活動の結果、当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ598億円増の1,648億円(前期末比 157.0%)となった。
b. 資産
資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,452億円増の1兆8,053億円(前期末比 108.8%)となった。これは、現金及び預金や棚卸資産の増加などによるものである。
c. 負債
負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,362億円増の1兆5,530億円(前期末比 117.9%)となった。これは、有利子負債の増加などによるものである。
d. 純資産
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ909億円減の2,522億円(前期末比 73.5%)となった。これは、親会社株主に帰属する当期純損失の計上などによるものである。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
a. 資金需要
主として電気事業固定資産に係る設備投資及び修繕費、社債の償還及び借入金の返済、火力燃料の購入等に資金を充当している。
b. 資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー、社債の発行、金融機関からの借入等により、必要とする資金を調達している。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローに係る情報については、「(キャッシュ・フロー及び財政状態の分析)」に記載している。
(有利子負債)
有利子負債に係る情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」に記載している。
なお、当連結会計年度末現在、長期発行体格付は株式会社投資格付情報センター(R&I)にてA+となっている。
また、電気事業法の下、当社により発行される社債については一般担保が付されており、償還請求において社債権者は無担保債権者よりも優先される。
c. 流動性
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失の計上や棚卸資産の増加などにより970億円の資金流出となったものの、当社グループは、国内普通社債発行登録、短期社債発行枠の設定及びコミットメントライン契約により、必要に応じて資本市場及び金融機関より資金調達することが可能である。
また、必要な現預金残高を確保しているとともに、原則として元利確定の銀行預金等で運用することを定めており、十分な流動性を確保している。
(事業等のリスクに係る情報)
事業等のリスクに係る情報については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載している。
該当事項はない。
当社グループ(当社及び連結子会社)では、お客さま、地域社会など皆さまからの期待・要望に適切、誠実にお応えするため、電力の安定供給、脱炭素社会の実現及び環境保全を中心とした研究開発に積極的に取り組んでいる。
なお、研究資源の有効活用や産学官の連携強化などの取組みにより効率的な研究開発に努め、当連結会計年度における研究開発活動の金額は「発電・販売事業」で
研究開発活動の内容は、次のとおりである。
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研究開発活動の内容 |
セグメント情報の区分 |
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発電・販売事業 |
送配電事業 |
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電力の安定供給、 脱炭素社会の実現及び 環境保全に資する研究 |
信頼性と経済性の両立のための 送配電線雷事故解析手法の精度向上 |
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○ |
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長期的な設備機能維持に向けた工法開発等 |
○ |
○ |
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電力設備の診断・寿命延伸・性能評価技術の開発 |
○ |
○ |
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再生可能エネルギー大量導入による 系統影響の経済的な緩和対策 |
○ |
○ |
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フライアッシュの有効利用 |
○ |
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新たな企業価値創造や 競争力確保に資する研究 |
新たな価値創造に向けた研究 |
○ |
○ |
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業務効率化に向けた新技術の活用研究 |
○ |
○ |
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