当連結会計年度におけるわが国の経済情勢をみると、雇用・所得環境の改善が続く中で、個人消費は底堅く推移したものの、輸出の伸び悩みを背景に生産活動の回復が遅れるなど、景気は緩やかな回復にとどまった。当中国地方においても、ほぼ全国と同様の状況で推移した。
このような中で、当連結会計年度の業績は、売上高(営業収益)が1兆2,315億円と、前連結会計年度に比べ680億円(5.2%)の減収、経常利益が392億円と、前連結会計年度に比べ195億円の減益となった。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は271億円となり、前連結会計年度に比べ67億円の減少となった。
セグメントの業績は、次のとおりである。
売上高(営業収益)は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の賦課金や交付金の増加はあったものの、販売電力量の減少や燃料費調整制度の影響などにより電気料金収入が減少したことなどから、1兆1,168億円と前連結会計年度に比べ539億円の減収となった。
営業費用は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の納付金や修繕費などの増加はあったものの、経営全般にわたる効率化に加え、燃料価格の低下による原料費の減少もあり、1兆781億円と前連結会計年度に比べ329億円の減少となった。
この結果、営業利益は387億円となり、前連結会計年度に比べ210億円の減益となった。
売上高(営業収益)は、LNG販売事業収入が減少したことなどから、437億円と前連結会計年度に比べ145億円の減収となった。
営業費用は、燃料価格下落による仕入単価の低下などから、400億円と前連結会計年度に比べ168億円の減少となった。
この結果、営業利益は36億円となり、前連結会計年度に比べ22億円の増益となった。
売上高(営業収益)は、情報関係事業収入が増加したことなどから、403億円と前連結会計年度に比べ11億円の増収となった。
営業費用は、委託費の増加などから、357億円と前連結会計年度に比べ26億円の増加となった。
この結果、営業利益は46億円となり、前連結会計年度に比べ15億円の減益となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ51億円減少の1,479億円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ437億円増加の1,946億円の支出となった。
この結果、差引フリー・キャッシュ・フローは、467億円のマイナスとなった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、510億円の支出となった。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ981億円減少し、934億円となった。
当社及び連結子会社の業種は広範囲かつ多種多様であり、また、電気事業が事業の大半を占めることから、電気事業の需給実績、販売実績及び資材の状況についてのみ記載している。
種別 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | 前年同期比(%) | ||
発受電電力量 | 自社 | 水力発電電力量(百万kWh) | 3,445 | 101.3 |
火力発電電力量(百万kWh) | 36,612 | 94.4 | ||
原子力発電電力量(百万kWh) | ― | ― | ||
新エネルギー等発電電力量(百万kWh) | 8 | 147.2 | ||
他社受電電力量(百万kWh) | 26,300 △3,765 | 104.2 106.7 | ||
融通電力量(百万kWh) | 137 △333 | 114.4 72.1 | ||
揚水発電所の揚水用電力量(百万kWh) | △630 | 146.0 | ||
合計 | 61,775 | 97.9 | ||
損失電力量(百万kWh) | △5,056 | 96.4 | ||
販売電力量(百万kWh) | 56,719 | 98.0 | ||
出水率(%) | 106.7 | ― | ||
(注) 1 他社受電電力量及び融通電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示す。
2 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力である。
3 販売電力量の中には自社事業用電力量(127百万kWh)を含んでいる。
4 出水率は、昭和59年度から平成25年度までの30か年の年平均に対する比である。
5 四捨五入の関係で合計と一致しない場合がある。
種別 | 平成28年3月31日現在 | 前年同期比(%) | |
契約口数 | 電灯 | 4,849,861 | 100.7 |
電力 | 442,000 | 97.7 | |
計 | 5,291,861 | 100.4 | |
契約電力(千kW) | 電灯 | 6,386 | 103.4 |
電力 | 2,838 | 97.9 | |
計 | 9,224 | 101.6 | |
(注) 本表には、特定規模需要及び他社販売を含まない。
種別 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | 前年同期比(%) | |
販売電力量(百万kWh) | 電灯 | 17,710 | 97.3 |
電力 | 39,009 | 98.3 | |
計 | 56,719 | 98.0 | |
他社販売 | 3,746 | 106.4 | |
料金収入(百万円) | 電灯 | 382,978 | 93.0 |
電力 | 587,746 | 92.5 | |
計 | 970,724 | 92.7 | |
他社販売 | 36,366 | 90.4 | |
(注) 1 本表には、下記の電力会社融通(送電分)電力量及び同販売電力料を含まない。
2 上記金額には、消費税等は含まれていない。
種別 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | 前年同期比(%) |
融通電力量(百万kWh) | 323 | 71.5 |
同上販売電力料(百万円) | 4,464 | 49.5 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれていない。
種別 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | |||
販売電力量 | ||||
(百万kWh) | 前年同期比(%) | |||
鉱工業 | 鉱業 | 143 | 96.0 | |
製造業 | 食料品 | 1,129 | 103.1 | |
繊維工業 | 407 | 94.9 | ||
パルプ・紙・紙加工品 | 403 | 95.6 | ||
化学工業 | 2,640 | 101.2 | ||
石油製品・石炭製品 | 578 | 95.1 | ||
ゴム製品 | 317 | 98.4 | ||
窯業・土石 | 735 | 86.7 | ||
鉄鋼業 | 5,648 | 96.2 | ||
非鉄金属 | 1,515 | 99.5 | ||
機械器具 | 4,912 | 101.8 | ||
その他 | 1,250 | 99.6 | ||
計 | 19,534 | 98.6 | ||
計 | 19,677 | 98.6 | ||
その他 | 鉄道業 | 1,234 | 99.6 | |
その他 | 1,314 | 102.2 | ||
計 | 2,548 | 100.9 | ||
合計 | 22,225 | 98.9 | ||
品名 | 単位 | 平成26年 | 前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) | 平成27年 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | 平成28年 | ||
受入 | 払出 | 受入 | 払出 | |||||
石炭 | t | 817,562 | 5,740,959 | 6,069,451 | 489,070 | 6,296,947 | 5,869,579 | 916,438 |
重油 | kl | 140,353 | 1,153,560 | 1,129,821 | 164,092 | 1,054,493 | 1,120,210 | 98,375 |
原油 | kl | 137,306 | 338,972 | 381,316 | 94,962 | 323,540 | 320,306 | 98,196 |
LNG | t | 214,089 | 2,816,346 | 2,803,132 | 227,303 | 2,507,832 | 2,564,088 | 171,047 |
当社グループは、これまで60年以上にわたって中国地域を事業の基盤とし、地域の皆さまに育てていただきながら、電気事業を中心とするグループ事業を展開してきた。
電力の小売全面自由化や送配電部門の法的分離など電気事業を取り巻く環境が大きく変化していく中で、当社グループが更に発展していくためには、こうした当社グループの原点を再認識したうえで、中国地域における電気事業を当社グループの柱としてより盤石なものとしながら、中国地域外における電気事業や海外事業など、グループの強みを活かせる成長事業の育成・拡大にも取り組んでいくことが重要と考えている。
こうした認識のもと、当社は、将来にわたってお客さまや株主・投資家をはじめとする皆さまに信頼され選択いただけるよう、本年1月、新たな企業理念を制定するとともに、今後の経営の方針等を示すものとして、2020年代を展望した「中国電力グループ経営ビジョン」を策定した。
当社グループは、これまで取り組んできた設備・人材・技術の基盤強化を引き続き着実に進めていくとともに、毀損した収支・財務の改善を進めることで、本ビジョンに掲げた「地域で選ばれ、地域をこえて成長する企業グループ」の実現に向け、以下の諸課題に取り組んでいく。

(1)電力の小売全面自由化等への対応
電力の小売全面自由化に対応するため、競争力強化に向けたグループ大での体制整備を進めるとともに、お客さまに満足いただけるサービスの提供を目指し、まずは事業基盤である中国地域のお客さまに引き続き選択いただけるよう取り組んでいく。
具体的には、会員制WEBサイト「ぐっとずっと。クラブ」を立ち上げ、新たな料金メニュー「ぐっとずっと。プラン」や、地域密着型のポイントサービス、地元企業などとの提携によるコラボレーションメニューを導入した。今後も、お客さまの選択肢を拡大し、利便性を高めるため、料金メニューやサービスの充実に積極的に取り組んでいく。
加えて、中国地域外や海外における収益基盤を確立するための取り組みを進めていくこととしており、首都圏で電気の販売を開始したほか、マレーシアにおける石炭火力発電事業への出資参画も行っている。今後もリスクを見極め、時機を逸することなく、当社グループの強みが活かせる成長事業の育成・拡大に取り組んでいく。
(2)島根原子力発電所の再稼働・運転開始に向けた取り組み
原子力発電所の事故を決して起こしてはならないという確固たる決意のもと、新規制基準への適合はもちろんのこと、さらなる安全性を不断に追求し、みなさまに安心していただける原子力発電所を目指していく。
具体的には、航空機衝突その他のテロ行為による重大事故等に対処するための特定重大事故等対処施設の設置など、設備面の安全対策に引き続き取り組んでいく。また、社員の危機管理に対する意識を高め、緊急時の対応能力を向上させる訓練・教育などを引き続き実施していく。
島根2号機については、原子力規制委員会における新規制基準への適合性審査が進められており、今後もこれに総力をあげて対応していく。また、島根3号機についても申請に向けて準備を進めていく。
当社グループは、引き続き安全性を一層高める取り組みを積み重ね、地域のみなさまのご理解を得ながら島根原子力発電所の再稼働・運転開始に向け、最大限取り組んでいく。
なお、島根1号機については、現在、廃止措置計画の認可申請に向けた準備を進めている。今後も安全確保を最優先に、廃止措置に責任を持って取り組んでいく。
(3)徹底した経営効率化の取り組み
抜本的な収支の改善・経営の安定化には島根原子力発電所の早期稼働が不可欠だが、島根原子力発電所の運転停止が長期化している中においても、収支の改善・財務体質の悪化抑制を図り、競争力を強化していくため、徹底した経営効率化の取り組みを一層強化していく。
具体的には、引き続き請負・資機材等の調達コストの低減、燃料費の削減、労働生産性の向上などに取り組むとともに、今後の事業環境の変化を見据え、恒常的なコスト削減につながるよう、業務の進め方の抜本的な見直しに取り組んでいる。
(4)安定供給確保に向けた取り組み
当社グループは、電源の競争力強化を図りつつ、将来にわたり、低廉で高品質な電気を安定的に供給するという当社の変わらぬ使命を果たすため、中長期的な展望に立った設備の形成・信頼度維持などに取り組むとともに、送配電部門の法的分離にも適切に対応していく。
資源の乏しいわが国においては、特定のエネルギー源に過度に依存することなく各種電源の特徴を活かしながらバランスよく活用していくことが必要であり、とりわけ、国のエネルギー政策において重要なベースロード電源と位置付けられている原子力発電については、温室効果ガスの削減を継続的に進めていくためにも、一定比率維持していく必要がある。
当社としても、より一層安全性に優れた新規原子力発電所の開発を計画的に進めていくことが重要であると考えている。島根1号機の廃止を考慮すると、島根3号機の早期運転開始はもとより、新規原子力である上関原子力発電所の開発はこれまで以上に重要な経営課題であり、早期に着手できるよう、引き続き取り組んでいく。
火力発電に関しても、経年化が進む既設火力発電所の代替として、三隅発電所2号機の開発を進めていくこととしており、現在、環境影響評価手続きなどに取り組んでいる。
また、トラブルの未然防止や災害への備えのため、設備の計画的かつ確実な点検・補修、更新工事など将来にわたる電力の安定供給確保に取り組むとともに、業務品質の維持・向上に向け、実践的な訓練や点検作業を通じ、グループの保有する技術・技能の向上と着実な継承に努めていく。
(5)地球温暖化問題への取り組み
地球温暖化問題については、昨年12月に温室効果ガス削減に関する2020年以降の新たな国際枠組み(パリ協定)が採択されるなど、世界的な対応が求められているところであり、当社グループにとっても重要な課題となっている。
当社を含む電気事業者は、昨年7月、低炭素社会の実現に向け、電気事業全体のCO2排出抑制目標を掲げた。
当社グループとしては、温室効果ガスの削減に向け、安全確保を大前提とした原子力発電や再生可能エネルギーの活用、「大崎クールジェンプロジェクト」など火力発電の高効率化・クリーン化に資する技術開発、お客さまへの省エネ提案などに引き続き取り組んでいく。
(6)コンプライアンス最優先の業務運営
昨年6月、島根原子力発電所において、低レベル放射性廃棄物を収めたドラム缶にモルタルを充填し固形化するための設備の校正記録に不適切な取り扱いがあったことが判明した。
当社は、事実関係の調査・確認及び原因の分析を行った結果、原因を「業務管理のしくみの問題」、「業務運営の問題」及び「意識面の問題」と整理し、それぞれについて具体的な再発防止対策の策定を行い、その実施に取り組んでいる。
当社は、このような事案が発生したことを極めて重く受け止めており、今後、再発防止対策を確実に実施することはもとより、グループをあげてコンプライアンス最優先の業務運営に全力で取り組んでいく。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載している。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避や発生した場合の対応に努めていく。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)原子力発電に係る規制・制度の見直し
当社は、福島第一原子力発電所において発生した事故を踏まえ、地震・津波対策、外部電源の信頼性確保、フィルタ付ベント設備の設置といったシビアアクシデント対策など、平成25年7月に施行された新規制基準への適合はもちろんのこと、さらなる安全性を不断に追及していく。しかしながら、原子力に関する政策や規制の見直し等の動向によっては、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
原子力のバックエンド事業は、超長期の事業であり不確実性を有しているが、国による制度措置等により事業者のリスクが軽減されている。しかしながら、今後の制度の見直しや将来費用の見積り額の変更、再処理工場の稼働状況などにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(2)電気事業に係る政策・制度の見直し
小売全面自由化が開始され、法的分離の方式による送配電部門の一層の中立性確保措置等を規定した電気事業法の改正が行われた。これに伴う詳細制度検討等、電気事業に係る制度の見直しにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
また、2030年度のエネルギーミックスや温室効果ガス排出量の削減に関する、エネルギー・環境政策の動向によっては、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(3)災害・トラブルの発生
電気事業を中心とする当社グループは、電力供給設備をはじめ多くの設備を保有している。地震、台風等の自然災害の発生や、テロ等不法行為、その他の理由によるトラブルの発生により、設備の復旧に係る費用や代替火力燃料の調達等に係る費用等が発生し、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(4)電気事業以外の事業
当社グループは、電気事業以外に「総合エネルギー供給事業」、「情報通信事業」、「環境調和創生事業」、「ビジネス・生活支援事業」を行っている。これらの事業が事業環境の変化等により当社グループの予想通りに進展しない場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(5)電力供給区域の経済状況
電気事業においては、中国地方5県を中心とする地域が主要な供給区域であり、販売電力量は地域における生産活動等の景気動向の影響を受けるため、供給区域の経済状況により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(6)天候の状況
電気事業における販売電力量は冷暖房需要の影響を受けるため、供給区域における気温の状況により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
出水率の低下は、水力発電比率の低下による原料費増加要因となるため、水力発電所の水源地域における降水量の状況により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(7)燃料価格の変動
電気事業における主要な火力燃料は石炭、LNG、重・原油であるため、石炭価格、LNG価格、重・原油価格及び外国為替相場の変動により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。ただし、バランスのとれた電源構成を目指すこと等によって燃料価格変動リスクの分散に努めているほか、燃料価格の変動を電気料金へ反映させる「燃料費調整制度」の適用により、業績への影響は限定的と考えられる。
(8)金融市場の変動
市場金利の変動及び格付の変更により当社グループの調達金利が変動し、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。ただし、有利子負債残高の多くは固定金利で調達した長期資金(社債や長期借入金)であるため、市場金利の変動による業績への影響は限定的と考えられる。
また、当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されている。割引率や運用利回りの変動により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(9)コンプライアンス
当社グループは、あらゆる事業運営においてコンプライアンスを最優先に進めることを経営の基本とし、コンプライアンス徹底の取り組みに努めるとともに、コンプライアンスに反する行為に対しては、速やかな是正措置をとることとしているが、仮に重大な事案が発生した場合には、当社グループへの社会的信用が低下し、円滑な業務運営に影響を与える可能性がある。
(10)業務情報の管理
当社グループは、電気事業におけるお客さまの情報をはじめとして、多くの業務情報を保有している。これらの業務情報については、情報管理基本方針や個人情報保護方針等の社内ルールを整備し、これらを遵守するとともに、情報セキュリティ対策を推進する等により、厳重に管理を行っているが、外部に漏洩した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
該当事項なし
電気事業の技術力を活かしグループ一体となり、S(安全確保)を前提としたうえで3E(供給安定性、経済性、環境保全)の同時達成に向け、電気の需要、供給、ネットワークの各方面において、電気事業への活用につながる新たな価値創造に取り組んでいる。
その中で、事業強化に向けて特に優先度の高い分野を「重点開発分野」として設定し、重点的に経営資源を配分するなどして、効果的な研究開発を推進していくとともに、研究開発成果を通して地域の産業創造、技術振興など、より魅力ある地域づくりに貢献したいと考えている。
また、中国地方の大学をはじめとした産学官の連携、電力中央研究所などとの密接な協力関係を保ちながら、効率的に推進していくこととしている。
研究開発活動とともに、グループ会社を含めて知的財産活動にも積極的に取り組んでいる。こうした取り組みの結果、当連結会計年度における当社グループの特許出願件数は491件、同新規登録件数は374件となった。商用検索システムで集計したデータによる当連結会計年度末での当社の特許登録件数は、4,297件であり、電力・ガス会社でトップである。
また、地域産業活性化に向けた取り組みとして、自治体や金融機関等と連携し、当社特許技術を中小企業へ紹介する等、知財ビジネスマッチング活動を展開している。
なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は49億円であり、うち電気事業に係る研究開発費は48億円、電気事業以外に係る研究開発費は1億円である。
設備信頼度の向上及び保修コストの低減を図るため、火力発電所のボイラ配管のひずみを高精度に計測し、それを基にボイラ配管の余寿命を診断する技術の開発、及び補修工事を現地で簡易に施工できる方法の開発など、設備経年化へ適切に対応する技術の研究開発に取り組んでいる。
また、火力・原子力発電所の海水系統での付着生物による発電効率の低下を防止するため、新規付着生物対策として付着抑制技術の研究開発に取り組んでいる。
さらに、太陽光発電が大量に導入された場合の電力系統へ与える影響調査・分析など、電力品質や安定供給に影響を及ぼさない電力系統安定化技術などの研究開発に取り組んでいる。その中でも国内初の先進的な取り組みとしてハイブリッド蓄電池システムを設置(環境省の補助事業採択)し、再エネ導入拡大における技術的課題の解決に向け実証事業を開始している。
環境問題に対する取り組みとして、火力発電所から排出されるCO2を強制的に吸収させることなどにより、製造時におけるCO2排出量を実質ゼロ以下にできるコンクリートの開発や、石炭灰のリサイクル材を活用した河川底質改善技術の普及拡大に向けた実証試験を実施している。
また、再生可能エネルギー分野の研究では、バイオマスエネルギー転換技術開発として、焼酎残渣を高温高圧で効率的にガス化する研究開発、海洋・地熱エネルギー等利用技術の研究として、橋脚・港湾構造物を利用した潮流発電技術の研究などを実施している。
さらに、小売全面自由化後も地域社会・経済の発展に貢献し、お客さまより選択し続けられるため、中国地域経済・産業動向の調査分析の実施及びエネルギア地域経済レポートなどを通じた情報提供、戦略的企業経営の支援、金融技術を活用したリスク管理、新たなサービスに関する研究などに取り組んでいる。
売上高(営業収益)は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の賦課金や交付金の増加はあったものの、販売電力量の減少や燃料費調整制度の影響などにより電気料金収入が減少したことなどから、1兆2,315億円と前連結会計年度に比べ680億円の減収となった。
営業費用は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の納付金や修繕費などの増加はあったものの、経営全般にわたる効率化に加え、燃料価格の低下による原料費の減少もあり、1兆1,815億円と前連結会計年度に比べ467億円の減少となった。
この結果、営業利益は500億円と、前連結会計年度に比べ213億円の減少となった。
支払利息などの営業外損益を加えた経常利益は392億円となり、前連結会計年度に比べ195億円の減益となった。
渇水準備金を取崩し、原子力発電工事償却準備金を引き当て、関係会社の株式を売却したことに伴う特別利益を計上し、法人税などを控除した親会社株主に帰属する当期純利益では271億円となり、前連結会計年度に比べ67億円の減少となった。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 差引 | 増減率 |
売上高(営業収益) | 12,996 | 12,315 | △680 | △5.2 |
経常利益 | 587 | 392 | △195 | △33.3 |
親会社株主に帰属する | 338 | 271 | △67 | △19.9 |
(参考)営業利益 | 713 | 500 | △213 | △29.9 |
(参考)中国電力個別決算
| 前事業年度 | 当事業年度 | 差引 | 増減率 |
売上高(営業収益) | 12,218 | 11,505 | △713 | △5.8 |
経常利益 | 498 | 313 | △184 | △37.1 |
当期純利益 | 303 | 210 | △92 | △30.6 |
(参考)営業利益 | 604 | 396 | △208 | △34.4 |
②収支諸元(中国電力個別)
○販売電力量
当事業年度の販売電力量は567.2億kWhと、前事業年度に比べ2.0%の減少となった。
電灯は、冬季の気温が前年に比べて高めに推移したことによる暖房需要の減少などから前事業年度を下回った。
産業用の大口電力は、鉄鋼が減少したことなどから、前事業年度を下回った。
○発受電電力量
自社の火力発電は、補修量の増加や販売電力量の減などにより減少した。
他社受電は、太陽光発電の増加や他社発電所の補修量の減少などにより増加した。
○前提となる主要諸元
| 前事業年度 | 当事業年度 |
販売電力量 | 578.7億kWh | 567.2億kWh |
為替レート(インターバンク) | 110円/$ | 120円/$ |
原油CIF価格 | 90.4$/b | 48.7$/b |
海外炭CIF価格 | 92.7$/t | 75.4$/t |
(2)財政状態の分析
資産・負債・純資産
資産は、短期投資等の流動資産が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ353億円減少し、3兆709億円となった。
負債は、有利子負債の減少などから、前連結会計年度末に比べ189億円減少し、2兆4,624億円となった。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などによる増加はあったものの、配当金の支払いなどから、前連結会計年度末に比べ163億円減少し、6,085億円となった。
この結果、自己資本比率は、19.7%となった。
| 前連結会計年度末 | 当連結会計年度末 | 差 引 | |
資 産 | 31,062 | 30,709 | △353 | |
| (うち電気事業固定資産) | (13,385) | (13,341) | (△44) |
負 債 | 24,814 | 24,624 | △189 | |
| (うち有利子負債) | (19,801) | (19,503) | (△298) |
純 資 産 | 6,248 | 6,085 | △163 | |
| (自己資本) | (6,198) | (6,043) | (△155) |
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金と社債の金額及び利子を支払っている負債を対象としており、無利子のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を含んでいる。
○営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益の減少などにより、前連結会計年度に比べ51億円減少の1,479億円の収入となった。
○投資活動によるキャッシュ・フロー
設備投資の増加などにより、前連結会計年度に比べ437億円増加の1,946億円の支出となった。
この結果、差引フリー・キャッシュ・フローは、467億円のマイナスとなった。
○財務活動によるキャッシュ・フロー
社債・借入金の返済を行ったことなどにより、510億円の支出となった。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ981億円減少し、934億円となった。
項 目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 差 引 | |
○営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,531 | 1,479 | △51 | |
○投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,508 | △1,946 | △437 | |
差引フリー・キャッシュ・フロー | 22 | △467 | △489 | |
○財務活動によるキャッシュ・フロー | 1,018 | △510 | △1,529 | |
| 社債・借入金による純増減 | 1,222 | △300 | △1,523 |
| 配当金の支払など | △203 | △209 | △6 |
現金及び現金同等物(増減額) | 1,041 | △981 |
| |
現金及び現金同等物(期末残高) | 1,915 | 934 | △981 | |