【訂正内容】

第一部【証券情報】

第1【募集要項】

 

<中国電力株式会社第(未定)回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(トランジションボンド)及び中国電力株式会社第(未定)回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(トランジションボンド)に関する情報>

 

1【新規発行社債】

(訂正前)

未定

 

(訂正後)

本発行登録の発行予定額のうち、金(未定)円を社債総額とする中国電力株式会社第(未定)回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(トランジションボンド)及び中国電力株式会社第(未定)回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(トランジションボンド)(以下個別に又は総称して「本社債」という。)を、下記の概要にて募集する予定であります。

  各社債の金額 :100万円

  発行価格   :各社債の金額100円につき金100円

 

2【社債の引受け及び社債管理の委託】

(訂正前)

未定

 

(訂正後)

<中国電力株式会社第(未定)回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(トランジションボンド)に関する情報>

(1)【社債の引受け】

  本社債を取得させる際の引受金融商品取引業者は、次の者を予定しております。

引受人の氏名又は名称

住所

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

東京都千代田区大手町一丁目9番2号

SMBC日興証券株式会社

東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

みずほ証券株式会社

東京都千代田区大手町一丁目5番1号

大和証券株式会社

東京都千代田区丸の内一丁目9番1号

野村證券株式会社

東京都中央区日本橋一丁目13番1号

東海東京証券株式会社

愛知県名古屋市中村区名駅四丁目7番1号

 

(注)各引受人の引受金額、引受けの条件については、利率の決定日に決定する予定です。

 

(2)【社債管理の委託】

  本社債の社債管理者は、次の者を予定しております。

社債管理者の名称

住所

株式会社みずほ銀行

東京都千代田区大手町一丁目5番5号

三井住友信託銀行株式会社

東京都千代田区丸の内一丁目4番1号

 

(注)委託の条件については、利率の決定日に決定する予定です。

 

 

<中国電力株式会社第(未定)回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(トランジションボンド)に関する情報>

(1)【社債の引受け】

  本社債を取得させる際の引受金融商品取引業者は、次の者を予定しております。

引受人の氏名又は名称

住所

みずほ証券株式会社

東京都千代田区大手町一丁目5番1号

SMBC日興証券株式会社

東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

大和証券株式会社

東京都千代田区丸の内一丁目9番1号

野村證券株式会社

東京都中央区日本橋一丁目13番1号

しんきん証券株式会社

東京都中央区京橋三丁目8番1号

 

(注)各引受人の引受金額、引受けの条件については、利率の決定日に決定する予定です。

 

(2)【社債管理の委託】

  本社債の社債管理者は、次の者を予定しております。

社債管理者の名称

住所

株式会社みずほ銀行

東京都千代田区大手町一丁目5番5号

三井住友信託銀行株式会社

東京都千代田区丸の内一丁目4番1号

 

(注)委託の条件については、利率の決定日に決定する予定です。

 

3【新規発行による手取金の使途】

(訂正前)

(1)【新規発行による手取金の額】

  未定

 

(2)【手取金の使途】

  設備資金、借入金返済、社債償還資金及び子会社への貸付金に充当する予定であります。

 

(訂正後)

(1)【新規発行による手取金の額】

  本社債の払込金額の総額(未定)百万円(発行諸費用の概算額は未定)

 

(2)【手取金の使途】

 設備資金、借入金返済、社債償還資金及び子会社への貸付金に充当する予定であります。

  本社債の手取金については、島根原子力発電所3号機の安全対策工事等に関わる新規投資ならびにリファイナンスに充当する予定であります。

 

「第一部 証券情報」「第2 売出要項」の次に以下の内容を追加します。

 

【募集又は売出しに関する特別記載事項】

<中国電力株式会社第(未定)回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(トランジションボンド)及び中国電力株式会社第(未定)回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(トランジションボンド)に関する情報>

 

トランジションボンドとしての適合性について

当社は、以下の通り、サステナブル・ファイナンス・フレームワーク(以下「本フレームワーク」という。)を策定しました。当社は、本フレームワークに対する第三者評価として株式会社日本格付研究所(JCR)より、本フレームワークが以下の原則等に適合する旨のセカンド・パーティ・オピニオンの評価を取得しております。なお、適用または参照される基準等は調達手法(ボンド/ローン)において異なります。

・クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック(注1)

・クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(注2)

・グリーンボンド原則2021(注3)

・グリーンローン原則2023(注4)

・サステナビリティ・リンク・ボンド原則2020(注5)

・サステナビリティ・リンク・ローン原則2023(注6)

・グリーンボンド及びサステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン2022(注7)

・グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2022(注8)

(注1)「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」とは、国際資本市場協会(ICMA)が事務局機能を担う民間団体であるグリーンボンド・ソーシャルボンド原則執行委員会(Green Bond Principles and Social Bond Principles Executive Committee)の主導の下でクライメート・トランジション・ファイナンス・ワーキング・グループにより策定され、特に排出削減困難なセクターにおいて、トランジションに向けた資金調達を目的とした資金使途を特定したファイナンスまたはサステナビリティ・リンク・ファイナンスに際して、その位置付けを信頼性のあるものとするために推奨される、発行体レベルでの開示要素を明確化することを目的としたハンドブックです。

(注2)「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」とは、金融庁・経済産業省・環境省において、クライメート・トランジション・ファイナンスを普及させ、より多くの資金の導入による国内における2050年カーボンニュートラルの実現とパリ協定の実現への貢献を目的として策定されたものです。

(注3)「グリーンボンド原則2021」とは、ICMAが事務局機能を担う民間団体であるグリーンボンド・ソーシャルボンド原則執行委員会により策定されているグリーンボンドの発行に係るガイドラインです。

(注4)「グリーンローン原則2023」とは、ローン市場協会(LMA)、アジア太平洋地域ローン市場協会(APLMA)及びローンシンジケーション&トレーディング協会(LSTA)(以下、LMA等という。)により策定された環境分野に使途を限定する融資のガイドラインです。

(注5)「サステナビリティ・リンク・ボンド原則2020」とは、ICMAが2020年6月に公表したサステナビリティ・リンク・ボンドの商品設計、開示及びレポーティング等に係るガイドライン(The Sustainability-Linked Bond Principles)をいいます。

(注6)「サステナビリティ・リンク・ローン原則2023」とは、LMA等により2019年に策定・公表され、2023年に改訂されたサステナビリティ・リンク・ローン等の商品設計、開示及びレポーティング等に係るガイドラインです。

(注7)「グリーンボンド及びサステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン2022」とは、環境省が2017年3月に策定・公表し、2022年7月に改訂したガイドラインをいいます。同ガイドラインでは、グリーンボンド原則及びサステナビリティ・リンク・ボンド原則との整合性に配慮しつつ、我が国におけるグリーンボンド及びサステナビリティ・リンク・ボンド市場の健全かつ適切な拡大を図ることを目的として、具体的対応の例や我が国の特性に即した解釈が示されています。

(注8)「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2022」とは、環境省が2020年3月に策定・公表し、2022年7月に改訂したガイドラインをいいます。同ガイドラインでは、グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンについてグリーンローン原則及びサステナビリティ・リンク・ローン原則との整合性に配慮しつつ、グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンを国内でさらに普及させることを目的として、具体的対応の例や我が国の特性に即した解釈が示されています。

 

 

クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブックおよびクライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針等に基づく開示事項

1 資金調達者のクライメート・トランジション戦略とガバナンス

1.1 トランジション戦略について

我が国が2050年カーボンニュートラルに向けた動きを加速させる中、2021年2月、当社グループのカーボンニュートラルに向けた長期的な方向性を明確化するとともに、取り組みを加速させることを、「中国電力グループ『2050年カーボンニュートラル』への挑戦」として公表しました。

さらに、2023年4月、2023年度の当社グループの経営計画概要である「Action Plan2023」において、脱炭素化に係る目標の追加設定やカーボンニュートラルに向けた重点施策のさらなる具体化を行いました。

当社グループは、ステークホルダーの皆さまの期待にお応えすべく、S+3Eを基本に、環境負荷低減の取り組みを推進しています。

また、当社グループは一体となって、カーボンニュートラルに取り組むことにより、持続的な未来社会の実現に挑戦していくとともに、中国地域を基盤とする事業者として、地域の皆さまと相互に協力し、地域のカーボンニュートラルに貢献していきます。

 

<中国電力グループ「2050年カーボンニュートラル」への挑戦>


 

<2050年カーボンニュートラルへ向けたロードマップ(重点施策)>

当社グループは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、次のロードマップに掲げる施策(重点施策)を優先して取り組んでいきます。

再生可能エネルギーの最大限の導入拡大や、安全確保を大前提とした原子力発電の活用、また火力発電においては非効率石炭火力発電所を段階的に廃止していくとともに、バイオマス混焼率の拡大等、運用面での低炭素化にも取り組みます。また、現時点では様々な課題が存在しますが、実用可能と判断した段階から遅滞なくアンモニアや水素を導入していくための検討を進めていきます。

こうした供給サイドでの取り組みを推進していくため、電源事業本部内にカーボンニュートラル推進グループを、需要サイドの脱炭素化ニーズにお応えしていくため、販売事業本部内に脱炭素ソリューション推進室を設置しました。加えて、2022年6月に社長直属の専任組織として「カーボンニュートラル推進本部」を設置し、グループ横断的にカーボンニュートラルを進めていく体制を整えました。

お客さまの意識やニーズは大きく変化してきていると感じています。この変化をビジネスチャンスと捉え、再生可能エネルギーを活用した料金メニューや太陽光PPAサービスの拡大をはじめ、脱炭素化への取組を通じた地域の課題解決に資するサービスの検討を進めています。

 


 

<火力発電のトランジション計画>

カーボンニュートラル実現に向けて、 S+3Eを前提に、設備更新時期や技術開発動向等を踏まえ、カーボンニュートラル燃料として、バイオマスや水素・アンモニアの混焼、IGFC+CCUS/カーボンリサイクル等、新技術の導入・開発等に取り組みます。

水素・アンモニア発電については、第6次エネルギー基本計画を踏まえ、2030年代のLNG火力への水素10%混焼・石炭火力へのアンモニア20%混焼の実現に向けて検討を加速させるとともに、経済的・技術的な課題等の解決後に遅滞なく導入できるよう、2030年までに実装準備を進めていきます。

 


 

<中国電力ネットワーク カーボンニュートラル推進計画>

中国電力ネットワーク株式会社は、2021年12月、「カーボンニュートラル推進計画 ~電力ネットワークの次世代化に向けて~」を策定しました。

2050年までに我が国がカーボンニュートラルを実現するために、中国電力ネットワーク株式会社は以下のとおり取り組み、電力ネットワークの次世代化を積極的に推進します。


 

<2050年カーボンニュートラルに向けた指標と目標>

当社は、前述の施策を通して、2050年カーボンニュートラルへの挑戦に向けた中間目標として、2030年度までに小売電気事業におけるCO2排出量の2013年度比半減を目指していきます。

さらに、新たに発電事業においても、2030年度までにCO2排出量の2013年度比半減を目指すこととしたほか、「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」に基づく国全体の排出係数の実現に向けて挑戦することを表明しました*。

 


*本目標は、電気事業低炭素社会協議会の策定した「カーボンニュートラル行動計画」における目標であり、国が掲げる▲46%目標に向け、需給両面における様々な課題の克服を想定した場合の電源構成比率や電力需要の見通しに基づくものです。この見通しが実現した場合の国全体での排出係数は、0.25kg-CO2/kWh程度(使用端)です。

 


 

<シナリオで想定する事業環境の変化>

当社は、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に賛同し、気候変動に関する情報開示の更なる充実を推進しています。

当社は、気候変動に関するリスク・機会を評価するためシナリオを設定するに際し、IEA等の公表データを参照しました。「1.5℃シナリオ(2050年ネットゼロシナリオ)」においてはIEA「World Energy Outlook 2021」NZEシナリオおよび第6次エネルギー基本計画、「4℃シナリオ」においては気象庁「日本の気候変動2020」4℃上昇シナリオを参照しています。

「1.5℃(2050ネットゼロシナリオ)」では、供給側における非化石電源比率の拡大や需要側における電力需要・電化率の伸びを予測しています。

当社は、気候変動に関するリスクに対応しつつ、機会を最大化していくために、需給両面からあらゆる施策に取り組んでいきます。供給面における脱炭素化、需要面における更なる省エネの深掘りや電化に向けた取り組みなど、需給両面から最大限の取り組みを進めることで、「2050年カーボンニュートラル」に向けたメルクマールとして2030年度までに小売電気事業および発電事業におけるCO2排出量半減(2013年度比)を目指します。

 


 


 


 

1.2 ガバナンスについて

<コーポレートガバナンス体制>

当社グループは、複雑化・多様化する社会の要請に的確にこたえていくことで、企業価値向上と持続的成長を実現することを目指しています。

経営の透明性・公正性の維持・向上、経営環境の変化に対する迅速・果断な意思決定を行うことができる体制の構築が重要であると考え、株主の権利・平等性の確保、株主以外のステークホルダーとの適切な協働、適切な情報開示と透明性の確保、取締役会の責務および株主との対話を柱とするコーポレートガバナンスに関する基本方針を定め、その充実・強化に継続的に取り組んでいます。

当社では、取り巻く経営環境の変化に対して柔軟かつ迅速に対応できる体制として、監査等委員会設置会社の形態を採用しています。

 

<一連の不適切事案への対応>

当社グループは、公正取引委員会からの独占禁止法に基づく排除措置命令および課徴金納付命令の受領、中国電力ネットワーク㈱が管理するお客さま情報や経済産業省の「再エネ業務管理システム」の不正閲覧、卸電力市場への入札等に係る不適切な対応などの不適切事案が連続して発生していることを厳粛かつ真摯に受け止め、一連の不適切事案に対する根本原因を分析し、再発防止策の立案・推進を統括する組織として「不適切事案再発防止対応本部」を2023年3月28日に設置しました。

今後は、同対応本部が中心となり、法令遵守の徹底、ガバナンス・内部統制システム改革はもとより、開かれた企業文化の醸成にいたるまで、全社横断的な再発防止策を着実に実行することで、組織としての活力を取り戻し、同様の事象を二度と発生させることのないよう、決意を新たに取り組んでまいります。

 

<カーボンニュートラル推進体制の強化>

2022年6月28日に、グループ大のカーボンニュートラルを強力に推進するとともに、カーボンニュートラルに向けたお客さま・地域社会との連携のより一層の強化を図るため、社長直属の専任組織として、カーボンニュートラル推進本部を設置しました。

 

<環境マネジメント推進体制>

当社では、社長を環境管理の最高責任者とし、カーボンニュートラル推進本部長を全社環境管理推進者としています。全社環境管理推進者を委員長とする「全社環境委員会」において、気候変動問題をはじめとする環境問題に関する方針・計画や、取り組みに関する重要事項の審議を原則年2回開催しており、実施状況等を社長に報告しています。

取締役会は、社長から「中国電力グループ環境行動計画」の実施状況等について年2回報告を受け、環境管理の職務執行を監督しています。

あわせて、カーボンニュートラルに関する取り組みを推進するため、カーボンニュートラル推進本部長を議長とするカーボンニュートラル推進会議を設置しました。当該会議の主な審議結果は、「中国電力グループ環境行動計画」の取組み等とともに、全社環境委員会および中国電力グループ環境委員会等を通じてグループ企業とも共有し、連携した取組みを推進しています。

 


 

2 ビジネスモデルにおける環境面のマテリアリティ

前述のとおり、当社グループは、SDGsを参照し、2030年度に向けて取り組む4つの重点課題「エネルギーの安定供給確保」「気候変動の緩和」「地域社会との協働・共創」「あらゆる人々の活躍の推進」を選定しました。

特に、当社は、地球温暖化問題への取り組みを重要な課題として認識しており、安全確保(Safety)を大前提とした、安定供給(Energy Security)、経済性(Economic Efficiency)、環境への適合(Environment)の「S+3E」を基本に、バランスのとれた電源構成の構築を目指しながら、持続可能な未来社会の実現に向け、「2050年カーボンニュートラル」に挑戦します。

 

3 科学的根拠のあるクライメート・トランジション戦略

当社のトランジション戦略は、2050年カーボンニュートラルの実現を長期目標とし、2022年2月に経済産業省より公表された「トランジション・ファイナンス」に関する電力分野におけるロードマップとも整合しています。

当該分野別ロードマップは、我が国の2050年カーボンニュートラル実現に向けて、科学的根拠に基づいて、現状利用可能な着実な低炭素への取組に加え、将来的な革新技術についても、エネルギー基本計画やNDC(国が決定する貢献)、グリーン成長戦略を始めとする国内の各政策および国際的なシナリオ等を参照し、背景や時間軸とともに表しているものであり、これに整合する当社トランジション戦略についても科学的根拠を有するものと考えます。

 

4 実施の透明性

「2050年カーボンニュートラルへ向けたロードマップ(重点施策)」に従い、再生可能エネルギーの導入拡大、安全確保を大前提とした原子力発電の稼働、バイオマスの混焼率拡大、大崎クールジェンプロジェクトの推進、および再生可能エネルギーの導入拡大に伴う系統面での設備対策など各事業領域で対策を講じていきます。

投資実績については各種媒体において開示しており、今後も、透明性を確保するよう、情報の開示を進めていきます。

また、気候変動以外にも、廃棄物の発生抑制を第一に、3Rの推進、環境アセスメントの実施を含む地域特性に応じた生物多様性への配慮等、地球環境への負荷低減に様々な面から取り組んでいます。

なお、当社は、「リスク管理基本方針」に基づき、毎年、各事業本部・部門において、気候変動をはじめ主管業務に関するリスクについて、発生頻度および事業への影響度の観点から、洗い出し・評価・未然防止策や事後対応策の検討を行い、経営計画に反映して継続的にリスク管理を実施しています。

加えて、コンプライアンス推進部門内に全社のリスク管理を総括する専任組織を設置しており、各事業本部・部門のリスク管理状況を把握するとともに全社のリスク管理状況および経営資源を優先投入すべきリスクについて経営会議に付議し、取締役会にも報告することとしております。

 

 

グリーンボンド原則等における4原則との整合(グリーン/トランジション・ファイナンス)

1 調達資金の使途

グリーン/トランジション・ファイナンスにより調達した資金は、以下の適格クライテリアに該当するプロジェクト(適格プロジェクト)に対する新規投資およびリファイナンスに充当します。

リファイナンスについては、ファイナンスの実行日から遡って36ヶ月以内に支出、出資または運転開始した事業を対象とします。

適格プロジェクトは、潜在的にネガティブな環境面・社会面の影響に配慮しているものであり、当社の定める事業導入手順等に従って、対象設備・案件において設置国・地域・自治体で求められる設備認定・許認可の取得、環境アセスメントの手続きおよびその他の環境影響評価活動等が適切に実施されることを確認した上で進められます。

特に、発電所の建設や改修にあたっては、環境面では規模や内容等に応じて環境影響評価法に基づく環境影響評価等を実施し、環境面への配慮事項がある場合は適切に計画に反映します。また、設備面では電気事業法等の各種関係法令に基づく手続きを適正に実施し、技術基準をクリアしたうえで建設工事に着手します。

なお、バイオマス燃料を将来的に活用していくためには、燃料の安定調達や持続可能性の確保が重要となります。適格プロジェクトにて使用するバイオマス燃料は、持続可能性にかかる認証を取得したものを前提に検討します。

 

適格クライテリア

プロジェクト概要

再生可能エネルギー

再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力・バイオマス)の開発・建設・運営・改修*

蓄電池の導入*

原子力

原子力発電所の再稼働等対応・運営・改修

最新鋭技術にかかる研究開発

火力

非効率火力発電所の休廃止

高効率火力発電所の開発・運営・改修

火力発電所へのバイオマス混焼実施

・IGCC/IGFCにかかる研究開発・実証(大崎クールジェンプロジェクト等)

・ CCU/CCSにかかる研究開発・実証(大崎上島カーボンリサイクル研究拠点におけるカーボンリサイクル技術開発等)

火力発電所における水素・アンモニア混焼の研究開発・実証・実装

電力ネットワーク

・ 再エネの普及拡大に貢献する電力ネットワークの強化・高度化(ネットワーク設備の新設・保全・更新等、レジリエンス強化、次世代化等)

需給調整の実現のための蓄電池・電動車・蓄熱機器等の導入・活用*

離島のカーボンニュートラル推進に資するプロジェクト

その他事業領域

自社業務用車両の電動化(EV等導入)*

・ EV・EVバス等の普及促進及び活用拡大に資するサービス展開及び設備導入*

 

*グリーンファイナンスの資金使途候補です。

 

2 プロジェクトの評価・選定プロセス

資金使途とする適格プロジェクトは、調達本部 財務グループが適格クライテリアに適合するプロジェクト候補を選定し、財務グループおよび社内関係部署にて当該プロジェクトが適格クライテリアに適合していることを確認した上で、最終決定します。

 

3 調達資金の管理

グリーン/トランジション・ファイナンスにより調達した資金は、調達本部 財務グループが内部管理システムおよび専用の帳簿を用い、適格プロジェクトの合計額がファイナンスによる調達額を下回らないように管理し、財務グループマネージャーが確認します。

当社の関係会社等が実施主体となるプロジェクトについては、当社から当該関係会社等に対して投融資を実施するとともに、充当状況は内部管理システムおよび専用の帳簿を用いて管理します。

未充当資金がある場合には、現金または現金同等物にて管理します。

 

4 レポーティング

グリーン/トランジション・ファイナンスにより調達した資金の全額が充当されるまでの間、守秘義務の範囲内、かつ、合理的に実行可能な限りにおいて、調達資金の充当状況および環境改善効果として当社が定める内容の全てまたは一部について、統合報告書または当社ウェブサイトにて年次で開示、もしくは貸し手に対して開示(ローンの場合のみ)します。

ファイナンス期間中、資金充当状況やインパクトに重大な変化があった場合には、その旨を開示する予定です。

 

<資金充当状況のレポーティング>

・充当金額

・未充当金の残高

・調達資金のうちリファイナンスに充当された部分の概算額(または割合)

 

<インパクト・レポーティング>

・インパクト・レポーティングに際しては、下記に例示された内容の全てまたは一部を開示する予定ですが、資金充当対象とするプロジェクトに応じて変更することがあります。

・環境改善効果については、可能な限り定量的な開示を目指すものの、プロジェクトの状況や性質等により定量的な開示が困難な場合、定性的な開示のみとすることがあります。

 

適格クライテリア

インパクト・レポーティング項目例

再生可能エネルギー
(発電設備)

再生可能エネルギー種別の設備容量(kW

再生可能エネルギー種別の年間CO2排出削減量(t-CO2/年)

再生可能エネルギー
(蓄電池)

導入容量(kWh

年間CO2排出削減量(t-CO2/年)

原子力・火力

プロジェクト概要(設備・研究開発等)

設備容量(kW

年間CO2排出削減量(t-CO2/年)

電力ネットワーク

(電力ネットワークの強化・高度化)

設備投資等の状況(再生可能エネルギーの普及拡大に資する設備投資例もしくは設備投資総額等)

・中国電力ネットワーク株式会社サービス区域内の再生可能エネルギーの申込状況(接続済容量(kW))

電力ネットワーク

(その他)

プロジェクト概要

対象資産の導入件数・容量等

その他事業領域

プロジェクト概要

対象資産の導入件数・容量等

年間CO2排出削減量(t-CO2/年)

 

 

 

サステナビリティ・リンク・ボンド原則等における5原則との適合(トランジション・リンク・ファイナンス)

1 KPI選定の妥当性

本フレームワークでは、KPIとして「CO2排出量」を利用しています。

当社グループは、グループ経営ビジョン「エネルギアチェンジ2030」でも重点課題として「気候変動の緩和」を掲げており、カーボンニュートラルに取り組むことにより、持続的な未来社会の実現に挑戦していく予定です。

また、中国地域を基盤とする事業者として、地域の皆さまと相互に協力し、地域のカーボンニュートラルに貢献していく方針であり、上記KPIは「中国電力グループ環境行動計画」、「中国電力グループ経営ビジョン(エネルギアチェンジ2030)」、および「中国電力グループ『2050年カーボンニュートラル』への挑戦」の目標達成に資する有意義な指標であると考えています。

 

2 SPTの測定

本フレームワークでは、SPTとして「2050年カーボンニュートラル」への挑戦に向けて、「2030年度の小売電気事業におけるCO2排出量を2013年度比半減」を設定しています。これらは、日本のNDCとも整合し、KPIの大幅な改善に結びつくと同時に、野心的な設定であると考えています。

気候変動に関するリスクと機会に対応し、CO2排出量の削減を進めるためには、供給側における電源の脱炭素化と需要側における電化の拡大が必要であることから、上記指標をSPTとしました。

SPT達成にかかる判定日は、2031年10月末日までのいずれかの日とします。

 

3 債券の特性(経済条件)

SPTが未達成の場合、トランジション・リンク・ボンドの償還までに、トランジション・リンク・ボンド発行額の0.20%相当額を、環境保全活動を目的とする公益社団法人、公益財団法人、国際機関、自治体認定NPO法人、地方自治体やそれに準じた組織へ寄付します。

なお、トランジション・リンク・ボンドの発行時点で予見し得ない状況により、KPIの定義やSPTの設定、および前提条件が変更となった場合には、変更内容の説明について開示する予定です。

また、SPTの設定等に重大な変更があった場合、当社はこれら変更内容を踏まえた従来評価基準と同等以上の野心度合いのSPTを設定すること等について関係者と協議し、必要に応じて第三者評価機関より第三者評価を取得する予定です。

 

4、5 レポーティングと検証

当社は、KPIのパフォーマンスについて、統合報告書または当社ウェブサイト上において、CO2削減計画の進捗(小売電気事業におけるCO2排出量等)に関する毎年のレポーティングの開示を予定しています。

なお、環境情報の信頼性を高めるため、上記CO2排出量に対し第三者保証を引き続き受ける予定です。