文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
(1) 基本方針
当社グループは、「エネルギーを中心として、人々の生活に関わる様々なサービスを高い品質で提供し続けることにより、快適・安全・安心な暮らしと地域の発展に貢献する」というグループミッションを掲げており、お客さまから最も信頼されるパートナーとして、エネルギーから情報通信、ビジネス・生活サポートまで、多様なサービスをワンストップで提供できる「マルチユーティリティー企業グループ」への変革・成長をはかっていく。
(2) 対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境においては、電力小売全面自由化の進展に伴い、新規参入事業者に加え、旧一般電気事業者との間においても、お客さま獲得競争が本格化している。
また、2020年4月には送配電事業の法的分離が予定されるほか、ベースロード市場や容量市場等の新たな市場メカニズムの導入、さらには、温室効果ガスの排出削減に向けた環境規制の強化など、今後の当社グループの事業経営に大きな影響を及ぼす様々な政策・規制面の見直しが進められようとしている。
このように事業環境が大きく変化するなかにあって、当社グループは、責任あるエネルギー事業者として、安全性を最優先に、供給安定性、経済効率性、環境適合性をバランス良く達成することを基本に据えつつ、中長期にわたって持続的な成長を達成していくことを目指し、「コスト効率の徹底改善」と「収益力の維持・向上」を最重要課題と位置づけ、スピード感を持って積極果敢に取り組んでいく。
① コスト効率の徹底改善
電力供給設備においては、安定供給の基盤となる基幹設備の稼働率の最大化をはかる一方、低・不稼働設備の休廃止や集約化、設備・修繕工事の厳選や資機材等の調達コストの低減などに努めることにより、最適な設備形成と関連費用の削減を進めていく。
また、外部の知見や新技術等も活用した効率化の一層の推進に加え、業務の抜本的な見直しなどによる生産性の向上にも取り組んでいく。
② 収益力の維持・向上
電力販売においては、他事業者との提携も含めた様々な施策をスピーディーに実行していくことにより、既存のお客さまの繋ぎ止めや新たなお客さまの獲得に努めていく。さらに、卸販売や四国域外における電力小売販売については、引き続き積極的な展開をはかるとともに、今後導入されるベースロード市場等も有効に活用し、電気事業における収益の最大化に取り組んでいく。
電気事業以外の分野においては、情報通信事業や海外でのエネルギー事業の一層の拡大に向けた取り組みを推進していく。このほか、IoTやAIなどの新技術を活用した新たなビジネスやサービスの創出、スタートアップ企業を含めた幅広い事業者との提携・協業などによる新たな収益源の開拓にも努めていく。
なお、一般送配電事業については、電気事業法の定めに基づき、2020年4月1日に完全子会社の四国電力送配電株式会社に承継させるため、本年4月26日、当社と同社との間で吸収分割契約を締結するなど、送配電事業の法的分離に向けた対応を着実に実施している。今後も引き続き、責任あるエネルギー事業者としての立場を十分に認識しつつ、事業環境に即した最適な組織体制の整備を進めていく。
当社グループが、今後とも円滑な事業運営を進めていくためには、地域社会や株主・投資家の皆さまに当社グループの事業活動への理解を深めていただくことが、これまで以上に重要となる。
当社グループは、法令遵守や企業倫理の徹底、透明・公正な情報開示、環境保全、地域共生活動の推進、コーポレート・ガバナンスの充実、従業員活力の維持・向上など、社会的責務の遂行に真摯に取り組んでいくことにより、信頼され、評価・選択される企業グループを目指していく。
(3) 経営目標
上記のような取り組みを通じて、2016年9月に策定した「中期経営計画2020」で掲げた、以下の経営目標の達成を目指していく。
※ ROAは「事業利益(経常利益+支払利息)÷総資産(期首・期末平均)」にて算定。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがある。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
① 経済・社会情勢、天候
当社グループの連結売上高の約9割を占める電気事業において、販売電力量は、経済・社会情勢や天候による影響を受ける可能性がある。特に冷夏・暖冬となった場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
② 火力発電用燃料価格の変動
火力発電用燃料である原油、石炭などの価格は、国際市況や為替相場の動向等により変動するが、燃料価格及び為替相場の変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」により、当社グループの業績への影響は限定的であると考えている。
ただし、燃料価格や為替相場が著しく変動した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
③ 金利変動
当社グループの社債・借入金残高は、2018年度末で 7,042億円となっており、今後の金利変動により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
ただし、当社グループの社債・借入金残高の大半は、固定金利に基づく長期資金であることなどから、金利変動による当社グループの業績への影響は限定的であると考えている。
④ 退職給付費用・債務
当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率など数理計算上の前提条件に基づいて算出している。このため、金利変動に伴う割引率の変動などにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
① エネルギー政策や電気事業制度の変更
エネルギー需給に関する基本方針等を定めた「エネルギー基本計画」に基づく今後の施策や、小売全面自由化、送配電部門の法的分離等の電力システム改革、電力市場における更なる競争活性化等に向けた市場・ルールの整備、さらにはこれらに伴う他事業者との競争の進展などにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
② 原子力発電に係る安全規制
当社グループは、原子力規制委員会が定めた新規制基準への適合をはじめとして、原子力発電事業に係る各種法令に則り、原子力発電所を安全・安定的に運転するための取り組みを進めている。
今後、新規制基準等への適合性の確保や各種基準・法令等の変更への対応において、原子力発電所の稼働が制約を受ける場合や追加の安全対策が必要となる場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
③ 原子燃料サイクルに係る費用等の変動
使用済燃料の再処理や放射性廃棄物の処分など原子燃料サイクルに係る費用や、原子力発電施設の解体費用については、国が定める制度措置等により不確実性が低減されているが、今後、制度措置の見直しなどによる将来費用の見積額の変動や再処理施設等の稼働状況などにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
④ 環境規制の強化
電気事業においては、原子力発電の最大活用やLNGの導入をはじめとする火力発電設備の高効率化、再生可能エネルギーの導入などを通じて温室効果ガスの削減をはかっているが、今後、低炭素社会の実現に向けて環境規制が強化された場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
① 設備・操業のトラブル
電気事業を中心とする当社グループでは、高品質のサービスを提供するため、設備の保守・点検を着実に実施している。また、災害リスクを検討し、最新の知見を反映した設備の安全性確保対策を適宜、適切に実施している。
しかしながら、大規模な地震・津波・台風等の自然災害のほか、故障、事故等により、設備の損傷や操業トラブルが発生した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
② 電気事業以外の事業
電気事業以外の事業については、その将来性や収益性を吟味しながら進めているが、市場環境の急速な悪化等により、当初見込んでいた収益を確保できない可能性がある。
③ コンプライアンス
当社グループでは、事業活動に関する全ての法令の遵守と、社会からの信頼と評価を得るための企業倫理の徹底をはかるため、グループ各社に「コンプライアンス推進委員会」を設置するとともに、「よんでんグループコンプライアンス推進協議会」を設置し、グループ全体でコンプライアンスの推進に取り組んでいる。しかしながら、法令違反や企業倫理に反した行為が発生した場合、当社グループへの社会的信用が低下し、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
④ 情報の管理
当社グループが保有するお客さま情報をはじめ、業務上取扱う重要情報については、情報管理のルール・体制・システムを整備するとともに、従業員に教育を実施するなど、厳正な管理に努めているが、こうした情報が社外へ漏洩した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
⑤ 訴訟等
当社グループでは、法令等の遵守の徹底に努めているが、当社グループの事業活動等が重大な訴訟等の対象となり、当社グループに不利な判断がなされた場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
特に、原子力については、訴訟の結果により発電所の停止が長期化する場合、代替の火力燃料費の増加により、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
2018年度の当社グループは、電力小売りにおける競争が一層進展するなか、徹底したコストダウンにより競争力の強化をはかるとともに、情報通信事業や海外での発電事業、さらには新たな収益源の開拓にも積極的に取り組むなど、収益力の強化に努めた。
こうしたなか、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ 54億98百万円(+0.8%)増収の 7,372億74百万円となる一方、営業費用は、90億34百万円(+1.3%)増加の 7,115億44百万円となった。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ 35億35百万円(△12.1%)減益の 257億29百万円、支払利息など営業外損益を差引き後の経常利益は、28億71百万円(△10.3%)減益の 251億28百万円、法人税等差引き後の親会社株主に帰属する当期純利益は、26億80百万円(△13.6%)減益の 169億95百万円となった。
セグメントごとの経営成績(セグメント間取引消去前)は、次のとおりである。
[電気事業]
売上高は、小売販売電力量の減少により、前連結会計年度に比べ 29億1百万円(△0.5%)減収の 6,408億71百万円となった。
一方、営業費用は、経営全般にわたる費用削減に努めたものの、燃料価格の上昇等に伴い需給関連費(燃料費+購入電力料)が増加したことから、前連結会計年度に比べ 15億59百万円(+0.2%)増加の 6,272億34百万円となった。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ 44億60百万円(△24.6%)減益の 136億37百万円となった。
売上高は、(株)ケーブルメディア四国及びケーブルテレビ徳島(株)を当連結会計年度より連結の範囲に含めたことなどから、前連結会計年度に比べ 59億32百万円(+16.0%)増収の 429億65百万円となった。
一方、営業費用は、(株)ケーブルメディア四国及びケーブルテレビ徳島(株)を当連結会計年度より連結の範囲に含めたことなどから、前連結会計年度に比べ 36億68百万円(+11.5%)増加の 356億48百万円となった。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ 22億63百万円(+44.8%)増益の 73億16百万円となった。
売上高は、請負工事の受注減などから、前連結会計年度に比べ 55億79百万円(△9.9%)減収の 507億95百万円となった。
一方、営業費用は、請負工事の受注減に伴う原材料費の減少などから、前連結会計年度に比べ 45億31百万円(△8.4%)減少の 496億18百万円となった。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ 10億47百万円(△47.1%)減益の 11億76百万円となった。
売上高は、LNG販売事業の増加などから、前連結会計年度に比べ 28億18百万円(+13.1%)増収の 243億41百万円となった。
一方、営業費用は、LNG販売事業の仕入価格が上昇したことなどから、前連結会計年度に比べ 34億2百万円(+17.2%)増加の 231億59百万円となった。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ 5億84百万円(△33.1%)減益の 11億82百万円となった。
売上高は、製造事業の増などから、前連結会計年度に比べ 17億94百万円(+3.9%)増収の 478億66百万円となった。
一方、営業費用は、製造事業の増などから、前連結会計年度に比べ 18億41百万円(+4.2%)増加の 460億7百万円となった。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ 47百万円(△2.5%)減益の 18億58百万円となった。
(注) 上記記載金額には、消費税等は含まれていない。
資産は、事業用資産が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ 237億15百万円(+1.8%)増加の 1兆3,539億41百万円となった。
負債は、社債・借入金が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ 150億91百万円(+1.5%)増加の 1兆327億52百万円となった。
純資産は、利益の確保などから、前連結会計年度に比べ 86億24百万円(+2.8%)増加の 3,211億89百万円となった。
利益の減少などにより、前連結会計年度に比べ 690億4百万円(△55.9%)減少の 545億7百万円の収入となった。
設備投資の増加などにより、前連結会計年度に比べ 4億45百万円(+0.5%)増加の 824億円の支出となった。
社債・借入金を調達したことなどから、前連結会計年度に比べ 462億99百万円増加の 145億41百万円の収入となった。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ 115億37百万円減少し、406億81百万円となった。
[電気事業]
(注) 四捨五入の関係で、合計が合わない場合がある。
(注) 1 販売電力量は、四捨五入の関係で、合計が合わない場合がある。
2 料金収入には、消費税等は含めていない。
石炭、重原油及びLNGの受払実績
<石炭>
<重油>
<原油>
<LNG>
生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、受注生産形態をとらない品目も多いことから、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示していない。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。
当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたり、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金、退職給付に係る負債、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
伊方発電所の稼働状況にばらつきはあるものの、経営効率化の推進などにより一定の事業利益(経常利益+支払利息)を確保していることから、2~3%程度で安定的に推移している。
自己資本が増加するなか、親会社株主に帰属する当期純利益も増加していることから、2014~2016年度にかけての3%台から、2018年度には 5.4%に上昇した。
(注) 有利子負債倍率=社債・借入金÷自己資本
2018年度末残高は、2016年度に使用済燃料再処理等積立金と同引当金をオフバランス化した影響などから 2014年度末に比べ 472億円(△3.4%)の減少となった。
2018年度末残高は、2014~2017年度にかけてフリー・キャッシュ・フローがプラスとなったことから、2014年度末に比べ 76億円(△1.1%)の減少となった。
2018年度末残高は、利益の確保などにより、2014年度末に比べ 186億円(+6.2%)の増加となった。
以上の結果、自己資本比率は、2014年度末の 21.5%が、2018年度末には 23.6%に上昇した。
また、有利子負債倍率は、2014年度末の 2.4倍が、2018年度末には 2.2倍に低下した。
5,200億円以上)
利益の確保や減価償却による回収などにより、2018年度は 545億円の収入となった。
伊方発電所に係る追加安全対策工事や供給信頼度を維持するための設備更新工事に加え、西条発電所1号機リプレース工事などにより、2018年度は 824億円の支出となった。
フリー・キャッシュ・フローに応じて変動しており、2018年度は 145億円の収入となった。
当社の主な資金需要である設備資金については、自己資金及び社債・長期借入金により調達している。なお、季節要因などによる短期的な資金需給の調整には、コマーシャル・ペーパーを活用している。
該当事項なし。
当社グループは、技術力・競争力の向上を目的として、㈱四国総合研究所を中心に、電力の供給・利用などの研究開発に取り組んでいる。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、
主要な研究課題は次のとおりである。
設備の長寿命化技術、運用保守の高度化・効率化技術、石炭灰利用技術などに関する研究開発を行っている。
再生可能エネルギーの大量導入への対応や、蓄電池等の需要家機器の活用方策など、電力供給システムの変化に対応するための研究開発を行っている。