文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
(1) 基本方針
当社グループは、「エネルギーを中心として、人々の生活に関わる様々なサービスを高い品質で提供し続けることにより、快適・安全・安心な暮らしと地域の発展に貢献する」というグループミッションを掲げており、お客さまから最も信頼されるパートナーとして、エネルギーから情報通信、ビジネス・生活サポートまで、多様なサービスをワンストップで提供できる「マルチユーティリティー企業グループ」への変革・成長をはかっていく。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループのコア事業である電気事業においては、電力小売全面自由化の進展に伴い、新規参入事業者に加え、旧一般電気事業者との間においても、お客さま獲得競争が激しさを増している。
また、電力取引における新たな市場メカニズムの整備や温室効果ガスの排出削減に向けた環境規制の強化、自然災害に備えた電力供給におけるレジリエンス強化への諸施策など、今後の当社グループの事業経営に大きな影響を及ぼす様々な政策・規制面の見直しが進められている。
さらに、新型コロナウイルス感染症に適切に対応していくことが、当社グループにおいても喫緊の課題となっている。
こうしたなか、当社は、電気事業法が定める送配電事業の法的分離に対応するため、本年4月1日に、一般送配電事業を完全子会社である四国電力送配電株式会社に承継させたが、当社及び四国電力送配電株式会社は、大規模災害や感染症の長期化などの事態が生じた場合においても、引き続き、社会的責任を果たすべく、電力の安定供給に万全を期していく。
また、重要な基幹電源である伊方発電所3号機については、運転差し止めを命じる仮処分決定の早期の取り消しに向けて全力を尽くすとともに、特定重大事故等対処施設設置工事の早期完了に向けて、安全を大前提に、懸命に取り組んでいく。
当社グループが、責任あるエネルギー事業者として、中長期にわたって持続的な成長を達成していくためには、安全性を最優先に、供給安定性・経済効率性・環境適合性をバランスよく維持することを基本に、短期的な課題の解決はもとより、将来を見据えた先行的な取り組みを着実に実施していく必要がある。
このような認識のもと、当社グループは、「電気事業における今後の収益性向上に向けた足固め」と「将来の収益源となる事業の開発・実施に向けた検討の加速」を最重要課題と位置づけ、グループ一丸となってこれらの課題に取り組んでいく。
① 電気事業における今後の収益性向上に向けた足固め
電力販売においては、既存のお客さまの繋ぎ止めや四国域外を含めた新たなお客さまの獲得を目指すとともに、電力取引市場等も有効に活用し、電気事業における収益力の維持・拡大に努めていく。
加えて、ベースロード電源の稼働率の最大化をはかる一方、低・不稼働設備の休廃止や集約化、資機材等の調達コストを低減することなどにより、最適な設備形成と関連費用の削減を徹底して進めていく。
② 将来の収益源となる事業の開発・実施に向けた検討の加速
電気事業以外の分野においては、情報通信事業や海外でのエネルギー事業をはじめ、さらなる拡大に向けた積極的な展開をはかっていく。また、当社グループが保有する設備、知的財産、人材、情報などの経営資源はもとより、IoTやAIなどの新技術やスタートアップ企業を含む幅広い事業者の知見も活用した新たな事業の創出についても、検討を加速させていく。
当社グループは、今後とも円滑な事業運営を進めていくために、株主・投資家の皆さまをはじめとするステークホルダーの方々に当社グループの事業活動へのご理解を一層深めていただけるよう努めていく。
また、当社グループは、コンプライアンスの徹底、透明・公正な情報開示、環境保全、地域共生活動の推進、コーポレートガバナンスの充実、従業員活力の維持・向上など、持続的価値創造の基盤となる社会的責務の遂行に真摯に取り組んでいくことにより、信頼され、評価・選択される企業グループを目指していく。
(3) 経営目標
広島高等裁判所において、伊方発電所3号機の運転差し止めを命じる仮処分決定が出された影響により、2016年9月に策定した「中期経営計画2020」で掲げた、以下の経営目標の達成が困難な状況となっているが、前述のとおり、本仮処分決定の早期の取り消しと、特定重大事故等対処施設設置工事の早期完了に向けて全力を尽くすとともに、「電気事業における今後の収益性向上に向けた足固め」と「将来の収益源となる事業の開発・実施に向けた検討の加速」に重点的に取り組んでいく。
※ ROAは「事業利益(経常利益+支払利息)÷総資産(期首・期末平均)」にて算定。
当社グループでは、リスク管理の重要性を強く認識して事業運営を進めており、リスク管理の基本的事項や行動原則などを定めた「リスク管理規程」を制定している。この規程に基づき、経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、毎年、経営陣がチェック・アンド・レビューを実施し、次年度の経営計画に反映することで、リスクの発生防止と低減に努めている。また、全社横断的なリスクについては、必要に応じて専門委員会を設置し、総合的な判断のもとで適切に対処するとともに、自然災害などの非常事態においても、被害の最小化と早期復旧が図れるよう、個別の規程を整備し、管理体制を明確化している。さらに、危機情報が速やかに集まる窓口として「危機ホットライン」を設置することにより、適切な情報共有や被害の最小化・早期復旧をはかるとともに、全従業員対象のe-ラーニング研修などを活用することにより、危機管理意識の徹底に努めている。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると経営者が認識している主なリスクには、次のようなものがある。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。
電気事業に係るリスク
(1) エネルギー政策や電気事業制度
① エネルギー政策や電気事業制度の変更
当社グループでは、我が国のエネルギー需給に関する基本方針等を定めた「エネルギー基本計画」を踏まえ、特定の電源・燃料に過度に依存しないバランスの良いエネルギー供給体制を構築している。また、一連の電力システム改革や新たな電力市場の整備等に適切に対応しつつ、安定的な電力供給の維持や収益機会の拡大に取り組んでいる。
今後、エネルギー政策や電気事業制度が大幅に見直された場合、その内容次第では、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
② 環境規制の強化
当社グループでは、原子力や再生可能エネルギーなどのゼロエミッション電源の最大活用に加え、LNGコンバインドサイクルの導入・石炭火力のUSC(超々臨界圧機)化による火力発電設備の高効率化などを通じて温室効果ガスの削減をはかっている。
今後、低炭素社会の実現に向けて環境規制が強化された場合、火力発電所の運転が制約され、供給コストが増大するなど、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
(2) 原子力事業を取り巻く環境
① 原子力発電所に係る訴訟への対応
現在、当社は、広島高裁による伊方発電所3号機の運転差止仮処分決定の早期取り消しを目指し、異議審での主張・立証に全力を尽くしている。また、その他の仮処分及び本案訴訟についても、勝訴を目指し、同発電所の安全性を丁寧に主張している。
今後、広島高裁での異議審やその他の仮処分及び本案訴訟の結果により、長期に亘り発電所の運転停止を余儀なくされる場合、代替の火力燃料費の増加などにより、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
② 原子力発電所に係る基準・法令等への対応
当社グループでは、原子力規制委員会が定めた新規制基準への適合をはじめとして、原子力発電事業に係る各種法令に則り、伊方発電所を安全・安定的に運転するための取り組みを進めている。
今後、新規制基準等への適合性の確保や各種基準・法令等の変更への対応において、伊方発電所の稼働が制約を受ける場合や追加の安全対策が必要となる場合、代替の火力燃料費の増加や設備投資の増加などにより、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
③ 原子燃料サイクルや原子力発電所廃止への対応
原子力発電における使用済燃料の再処理や放射性廃棄物の処分など原子燃料サイクルに係る費用や、原子力発電施設の解体費用については、国が定める制度措置等により不確実性が低減されている。
今後、制度措置の見直しなどが行われる場合、将来費用の見積額の増加や、再処理施設の稼働時期の遅延等により、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
(3) 市場動向
① 市場競争の進展
当社グループでは、小売市場での厳しい競争に勝ち抜くため、料金・サービス両面における施策の拡充を推進するとともに、順次、整備が進められている新市場を最大限に活用することにより、収益機会の拡大と供給コストの低減をはかっている。
今後、更に競争が進展した場合、販売電力量の大幅な減少や小売・卸販売単価の下落等により、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
② 電力需要の変動
当社グループでは、法人分野での電化厨房等のメリット訴求による電化促進や家庭分野でのサブユーザーへの営業による新築電化率の向上などを通じて電力需要の拡大に取り組んでいる。
今後、人口減少や省エネ機器・蓄電池等の普及拡大、冷夏・暖冬など、経済・社会情勢や天候影響等により、電力需要が想定以上に低下すれば、設備の稼働率低下に伴う固定費の回収不足などにより、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
③ 再エネ電源の普及
当社グループでは、再エネ電源の普及拡大に伴い、スポット市場など卸電力取引市場価格が影響を受ける中、市況水準に応じた火力発電ユニットを稼働させるなど、最経済運用に努めることにより、卸販売の拡大をはかっている。
今後、再エネ電源の普及拡大が一層進む場合、需給緩和による卸販売単価の大幅な低下などにより、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
④ 燃料価格や為替相場の変動
火力発電用燃料である原油、石炭などの価格は、国際市況や為替相場の動向等により変動するが、燃料価格及び為替相場の変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」により、当社グループの業績への影響は限定的である。
ただし、燃料価格や為替相場が著しく変動した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(4) 設備・操業のトラブル等
当社グループでは、高品質のサービスを提供するため、設備の保守・点検を着実に実施している。また、様々な自然災害リスクを想定し、最新の知見を反映した設備の安全性確保対策を適宜、適切に実施するとともに、自治体、他事業者との連携強化や復旧訓練の共同実施、災害情報発信ツールの普及拡大等にも取り組んでいる。さらには、BCPの観点から、感染症流行等に対しても予め行動計画を策定し、感染状況に応じた事業運営体制等を整備している。
今後、大規模な地震・津波・台風等の自然災害や設備の故障、事故等により設備の損傷や操業トラブルが発生した場合や、大規模かつ長期の感染症流行等により事業の縮小・停止を余儀なくされた場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
その他事業活動に係るリスク
(1) 電気事業以外の事業
当社グループでは、持続的な企業価値の創出に向けて、情報通信事業や海外でのエネルギー事業をはじめとした電気事業以外の事業について、その将来性や収益性を吟味しながら取り組むことにより、市場エリア・事業領域の拡大をはかっている。
今後、市場環境の急速な変化等により、個々の事業・案件の収益が当初の見込みより大幅に下回る場合などには、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(2) コンプライアンス
当社グループでは、事業活動に関する全ての法令の遵守と、社会からの信頼と評価を得るための企業倫理の徹底をはかるため、グループ各社に「コンプライアンス推進委員会」を設置するとともに、「よんでんグループコンプライアンス推進協議会」を設置し、グループ全体でコンプライアンスの徹底に取り組んでいる。
しかしながら、法令違反や企業倫理に反した行為が発生した場合、当社グループへの社会的信用が低下し、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(3) 退職給付費用及び債務に係るリスク
当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率など数理計算上の前提条件に基づいて算出している。
今後、金利変動に伴う割引率の変更など、数理計算上の前提条件について、大幅な見直しがある場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
2019年度の当社グループは、電力小売りにおける競争が一層進展するなか、徹底したコスト効率の改善により競争力の強化をはかるとともに、情報通信事業や海外での発電事業、さらには新たな収益源の開拓にも取り組むなど、収益力の維持・向上に努めた。
こうしたなか、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ40億86百万円(△0.6%)減収の7,331億87百万円となる一方、営業費用は、96億45百万円(△1.4%)減少の7,018億99百万円となった。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ55億59百万円(+21.6%)増益の312億88百万円、支払利息など営業外損益を差引き後の経常利益は、28億23百万円(+11.2%)増益の279億52百万円、法人税等差引き後の親会社株主に帰属する当期純利益は、10億97百万円(+6.5%)増益の180億92百万円となった。
セグメントごとの経営成績(セグメント間取引消去前)は、次のとおりである。
[電気事業]
売上高は、卸販売収入や再エネ交付金などが増加したものの、競争の進展や燃料費調整額の減などから小売販売収入が大幅に減少したため、前連結会計年度に比べ81億56百万円(△1.3%)減収の6,327億15百万円となった。
一方、営業費用は、伊方発電所3号機の稼働増等に伴い需給関連費(燃料費+購入電力料)が減少したほか、経営全般にわたる費用削減に努めた結果、前連結会計年度に比べ125億57百万円(△2.0%)減少の6,146億77百万円となった。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ44億円(+32.3%)増益の180億38百万円となった。
売上高は、光通信サービスの収入増などから、前連結会計年度に比べ17億56百万円(+4.1%)増収の447億21百万円となった。
一方、営業費用は、光通信サービスにおける回線使用料の増加やデータセンター事業における減価償却費の増加などから、前連結会計年度に比べ21億92百万円(+6.2%)増加の378億41百万円となった。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ4億36百万円(△6.0%)減益の68億79百万円となった。
売上高は、請負工事の受注増などから、前連結会計年度に比べ57億84百万円(+11.4%)増収の565億79百万円となった。
一方、営業費用は、請負工事の受注増に伴う原材料費の増加などから、前連結会計年度に比べ53億3百万円(+10.7%)増加の549億22百万円となった。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ4億80百万円(+40.8%)増益の16億57百万円となった。
売上高は、LNG販売事業の販売価格の上昇などから、前連結会計年度に比べ6億98百万円(+2.9%)増収の250億40百万円となった。
一方、営業費用は、LNG販売事業が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ3億62百万円(△1.6%)減少の227億96百万円となった。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ10億61百万円(+89.8%)増益の22億43百万円となった。
[その他]
売上高は、商事業の増などから、前連結会計年度に比べ53億26百万円(+11.1%)増収の531億93百万円となった。
一方、営業費用は、商事業の増などから、前連結会計年度に比べ49億87百万円(+10.8%)増加の509億95百万円となった。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ3億39百万円(+18.3%)増益の21億97百万円となった。
(注) 上記記載金額には、消費税等は含まれていない。
(資産)
資産は、事業用資産が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ196億98百万円(+1.5%)増加の1兆3,736億40百万円となった。
(負債)
負債は、社債・借入金が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ142億39百万円(+1.4%)増加の1兆469億92百万円となった。
(純資産)
純資産は、利益の確保などから、前連結会計年度に比べ54億58百万円(+1.7%)増加の3,266億48百万円となった。
③キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
利益の確保や減価償却による回収などから、前連結会計年度に比べ528億5百万円(+96.9%)増加の1,073億13百万円の収入となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
設備投資の増加や、海外事業への出資などから、前連結会計年度に比べ175億46百万円(+21.3%)増加の999億46百万円の支出となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
フリー・キャッシュ・フローが好転したことなどから、前連結会計年度に比べ82億22百万円(△56.5%)減少の63億18百万円の収入となった。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ136億7百万円増加し、542億89百万円となった。
[電気事業]
(注) 四捨五入の関係で、合計が合わない場合がある。
(注) 1 販売電力量は、四捨五入の関係で、合計が合わない場合がある。
2 料金収入には、消費税等は含めていない。
石炭、重原油及びLNGの受払実績
<石炭>
<重油>
<原油>
<LNG>
生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、受注生産形態をとらない品目も多いことから、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示していない。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ⅰ)経営成績の分析
※ 総資産利益率=事業利益÷総資産
<総資産利益率>
伊方発電所の稼働状況にばらつきがあるものの、経営効率化の推進などにより一定の事業利益(経常利益+支払利息)を確保していることから、2~3%程度で安定的に推移している。
自己資本が増加するなか、親会社株主に帰属する当期純利益も増加していることから、2015~2016年度にかけての3%台から、2017~2019年度には5~6%台に向上している。
(ⅱ)財政状態の分析
※ 有利子負債倍率=社債・借入金÷自己資本
<総資産>
2016年度に使用済燃料再処理等積立金と同引当金をオフバランス化したことなどから、1,000億円程度減少したものの、2017年度以降は、設備投資や海外事業投資などにより、増加傾向にある。
<社債・借入金>
2017年度以降、総資産が増加傾向にあるなか、7,000億円程度で推移している。
<自己資本>
配当を上回る利益の確保により、2015年度以降、毎年徐々に増加している。
以上の結果、自己資本比率は、2015年度末の20.4%が、2016年度末には23%台に上昇し、その後、ほぼ同水準で推移している。
また、有利子負債倍率は、2015年度末の2.5倍が、2019年度末には2.2倍に低下した。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(ⅰ)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
◇キャッシュ・フローの推移 (単位:億円)
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
安定的な利益の確保や減価償却による回収などにより、2015年度から2019年度の5ヵ年平均で900億円程度の収入となった。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
伊方発電所に係る追加安全対策工事や西条発電所1号機リプレース工事などに加え、海外発電事業への出資などにより、増加傾向となっている。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
フリー・キャッシュ・フローに応じて変動しているが、2019年度は新型コロナウイルス感染拡大による資金調達環境の悪化に備え、社債・借入金を純増調達したことなどから63億円の収入となった。
(ⅱ)資本の財源及び資金の流動性について
当社の主な資金需要は設備資金であり、自己資金及び社債・長期借入金により調達している。なお、季節要因などによる短期的な資金需給の調整には、コマーシャル・ペーパーを活用している。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。
当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、固定資産の減損、貸倒引当金、退職給付に係る負債、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、当連結会計年度において、特に重要なものは次のとおりである。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の計上においては、将来の利益計画に基づいた課税所得の見積りにより、回収できないと判断した部分(スケジューリング不能一時差異)について評価性引当を計上している。将来の課税所得の見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の回収可能性の判断を見直す可能性がある。
(固定資産の減損)
固定資産の減損においては、営業損益のマイナスや市場価格の大幅下落等、減損の兆候が認められる資産グループについて、合理的な仮定に基づき将来キャッシュ・フローを見積り、当該資産の帳簿価額と比較して減損の認識を判定のうえ、回収不能と判断した場合には、当該資産の帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失に計上している。
子会社である㈱STNetのデータセンター事業については、継続して営業損益がマイナスとなっており、減損の兆候が認められるが、当連結会計年度において、顧客の定着率や新規獲得数及び使用料収入の見込みなどに基づき将来キャッシュ・フローを見積り、同事業資産(当連結会計年度末の固定資産残高:12,636百万円)の減損の認識判定を行った結果、回収可能と判断している。
会社分割による一般送配電事業等の四国電力送配電株式会社への承継
当社は、2019年4月26日開催の取締役会決議により、当社が営む一般送配電事業等を、当社の完全子会社である四国電力送配電株式会社に承継させることとし、同日、同社との間で吸収分割契約を締結した(以下、この会社分割を「本件吸収分割」という。)。
これに基づき、2019年6月26日開催の第95回定時株主総会において、関連議案が承認可決されるとともに、2020年3月13日、一般送配電事業の分割について、電気事業法に基づく経済産業大臣の認可を取得し、2020年4月1日、本件吸収分割の効力が発生した。
(1)本件吸収分割の背景・目的
2015年6月の改正電気事業法において、送配電事業の一層の中立性確保を目的に、2020年4月より送配電事業の法的分離が義務付けられた。
(2)本件吸収分割の要旨
①本件吸収分割の日程
②本件吸収分割の方式
当社を分割会社とし、当社の完全子会社である四国電力送配電株式会社を承継会社とする吸収分割である。
③本件吸収分割に係る割当ての内容
本件吸収分割に際し、承継会社である四国電力送配電株式会社は、普通株式424万株を発行し、そのすべてを当社に対して割当て交付した。
④本件吸収分割に係る割当ての内容の算定根拠
承継会社は、当社の完全子会社であり、本件吸収分割により承継会社が発行する全株式を当社に割当て交付するため、当社と承継会社間で協議し、割当てる株式数を決定している。
⑤本件吸収分割により増減する資本金
当社の資本金に変更はない。
⑥承継会社が承継する権利義務
四国電力送配電株式会社は、当社との間で締結した2019年4月26日付の吸収分割契約の定めに従い、当社が営む一般送配電事業及びこれに附帯関連する事業に関して有する権利義務を効力発生日に承継した。
なお、本件吸収分割による四国電力送配電株式会社への債務の承継については、免責的債務引受の方法によるものとする。
また、当社の既存の有利子負債については、四国電力送配電株式会社へ承継しない。
(3)当社が分割する資産、負債の項目及び帳簿価額(2020年4月1日現在)
当社が四国電力送配電株式会社へ分割する資産、負債の項目及び金額
(4)本件吸収分割後の承継会社の状況(2020年4月1日現在)
当社グループは、技術力・競争力の向上を目的として、㈱四国総合研究所を中心に、電力の供給・利用などの研究開発に取り組んでいる。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、
主要な研究課題は次のとおりである。
設備の長寿命化技術、運用保守の高度化・効率化技術、石炭灰利用技術などに関する研究開発を行っている。
再生可能エネルギーの大量導入への対応や、蓄電池等の需要家機器の活用方策など、電力供給システムの変化に対応するための研究開発を行っている。