第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものである。

 

(1) 基本方針

当社グループは、「エネルギーを中心として、人々の生活に関わる様々なサービスを高い品質で提供し続けることにより、快適・安全・安心な暮らしと地域の発展に貢献する」というグループミッションを掲げており、お客さまから最も信頼されるパートナーとして、エネルギーから情報通信、ビジネス・生活サポートまで、多様なサービスをワンストップで提供できる「マルチユーティリティー企業グループ」への変革・成長をはかっていく。

 

(2) 経営環境および対処すべき課題

わが国は、「2050年カーボンニュートラル」を宣言するとともに、2030年度において温室効果ガス排出量を2013年度から46%削減することを目標としており、その達成に向けた様々な政策の導入が進められるなど、低炭素化・脱炭素化の流れが加速している。こうした状況のもと、化石燃料の新規開発が停滞するなか、コロナ禍からの経済回復などによる需要の急増が重なり、昨年来、燃料価格の高騰が続いている。さらに、本年2月に勃発したロシアによるウクライナ侵攻の影響で国際情勢が不安定になっており、燃料調達を巡る状況に不透明感が増している。

一方、エネルギーリソースの分散化や飛躍的な進歩を遂げたデジタル技術の活用が進んでおり、今後、太陽光や蓄電池などの多様な分散型エネルギーリソースをデジタル技術で統合・制御し、電力需給を調整する、新たなビジネスモデルが誕生することも予想される。

当社グループとしては、このように事業環境が大きく変化するなかにあっても、中長期にわたる持続的な成長・発展を実現できるよう、コア事業である電気事業においては、「発電・販売・送配電ごとの事業基盤強化と収益性向上」、電気事業以外の事業においては、「情報通信事業・国際事業を中心とした成長事業の拡大」に重点的に取り組んでいく。また、カーボンニュートラルへの挑戦やデジタルトランスフォーメーションの推進等に注力することにより、「持続的な企業価値創出の基盤強化」にも努めていく。

 

① 発電・販売・送配電ごとの事業基盤強化と収益性向上

発電事業においては、伊方発電所3号機の安全・安定運転を継続することはもとより、2023年6月の運転開始を目指して進めている西条発電所1号機のリプレース工事を完遂することなどにより、ベースロード電源の最大活用をはかっていく。併せて、設備の効率的な運用や、資機材等の調達コストの低減などによる効率化の深掘りを進めるとともに、再生可能エネルギー開発の一層の推進などを通じて、電源の低炭素化・脱炭素化に向けた取り組みを進めていく。また、販売事業においては、他の事業者とのアライアンスや電気以外の商品・サービスとのセット販売の活用等により、販売力の強化に努めるとともに、電力取引市場の有効活用による収益の拡大を目指していく。

なお、足元においては、ロシアのウクライナ侵攻に伴う不透明な燃料情勢に対応するため、燃料の安定調達を最優先に、十分な在庫の維持や早めの配船手配などに努めるとともに、燃料価格高騰の影響を軽減すべく、機動的な対応を進めていく。

送配電事業においては、設備の更新機会を捉えた送配電網のスリム化やリスク評価を踏まえた設備管理の最適化・効率化を進めるとともに、災害復旧対応を含む供給信頼度の維持・向上をはかり、災害時のレジリエンスを強化していく。また、スマートメーターを活用した送配電ネットワークの新たな価値の創造についても、積極的に推進していく。

 

② 情報通信事業・国際事業を中心とした成長事業の拡大

情報通信事業におけるローカル5GやAI・IoTなどを活用した新たなサービスの開発や、国際事業における再生可能エネルギーを中心とした新規案件の拡大など、今後成長が期待できる事業を軸に、事業領域・市場エリアの一層の拡大と収益性向上に努めていく。

さらに、分散型エネルギーリソースの普及など電気事業の構造変化を捉えた新たな事業の創出や、低炭素化・脱炭素化ニーズに対応したソリューションの提供のほか、不動産・観光事業など四国の地域課題解決を起点とした取り組みの推進等により、収益機会の拡大をはかっていく。

 

③ 持続的な企業価値創出の基盤強化

当社グループは、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)の観点も踏まえ、気候変動対策や地域共生活動の推進、コンプライアンスの徹底など、持続的な価値創造とよりよい社会の形成に向けた取り組みを積極的に進めることにより、株主・投資家の皆さまをはじめとするステークホルダーの方々から信頼され、評価・選択される企業グループを目指していく。

特に、脱炭素社会の実現に向けては、安全確保を大前提とした原子力の最大活用や再生可能エネルギーの開発・導入拡大、火力発電の高効率化・次世代化などによる「電源の低炭素化・脱炭素化」、さらには、産業・運輸部門も含めた電化の推進やエネルギー利用の高度化・多様化、再生可能エネルギーを最大活用する観点からの送配電設備や需給運用の最適化などによる「電気エネルギーのさらなる活用」を推進していく。これらの取り組みを通じて、当社のCO排出量を、2013年度に比べ、2030年度に半減し、2050年に実質ゼロ(カーボンニュートラル)とすることに挑戦していく。

また、デジタル技術を活用して業務やビジネスを変革するデジタルトランスフォーメーションを推進し、既存事業の競争力強化に加え、お客さまの多様なニーズに対応した革新的なサービスを創出・提供していくことにより、持続的な企業価値創出を図るとともに、四国地域のスマート社会の実現に貢献していく。

 

(3) 経営目標

上記のような取り組みを通じて、2021年3月に策定した「よんでんグループ中期経営計画2025」で掲げた、以下の経営目標の達成を目指していく。

 

 

2025年度経営目標(連結)

ROA

3%程度(ROE:7%程度)

経常利益

350億円程度

自己資本比率

25%以上(有利子負債倍率:2倍以下)

営業キャッシュ・フロー

1,100億円程度

 

※ ROAは「事業利益(経常利益+支払利息)÷総資産(期首・期末平均)」にて算定。

 

 

2 【事業等のリスク】

 

当社グループでは、リスク管理の重要性を強く認識して事業運営を進めており、リスク管理の基本的事項や行動原則などを定めた「リスク管理規程」を制定している。この規程に基づき、経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、毎年、経営陣がチェック・アンド・レビューを実施し、次年度の経営計画に反映することで、リスクの発生防止と低減に努めている。また、全社横断的なリスクについては、必要に応じて専門委員会を設置し、総合的な判断のもとで適切に対処するとともに、自然災害などの非常事態においても、被害の最小化と早期復旧が図れるよう、個別の規程を整備し、管理体制を明確化している。さらに、危機情報が速やかに集まる窓口として「危機ホットライン」を設置することにより、適切な情報共有や被害の最小化・早期復旧を図るとともに、全従業員対象のe-ラーニング研修などを活用することにより、危機管理意識の徹底に努めている。

当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると経営者が認識している主なリスクには、次のようなものがある。

なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。

 

電気事業に係るリスク

(1) エネルギー政策や電気事業制度

① エネルギー政策や電気事業制度の変更

当社グループでは、我が国のエネルギー需給に関する基本方針等を定めた「エネルギー基本計画」を踏まえ、特定の電源・燃料に過度に依存しないバランスの良いエネルギー供給体制を構築している。また、電気事業制度の見直しに適切に対応しつつ、安定的な電力供給の維持や収益機会の拡大に取り組んでいる。

今後、エネルギー政策や電気事業制度が大幅に見直された場合、その内容次第では、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。

 

② 環境規制の強化

当社グループでは、原子力や再生可能エネルギーなどのゼロエミッション電源の最大活用に加え、LNGコンバインドサイクルの導入・石炭火力のUSC(超々臨界圧機)化による火力発電設備の高効率化などを通じて温室効果ガスの削減をはかっている。

今後、脱炭素社会の実現に向けて環境規制が強化された場合、火力発電所の運転が制約され、供給コストが増大するなど、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。

 
(2) 原子力事業を取り巻く環境

① 原子力発電所に係る訴訟への対応

当社は、伊方発電所3号機に係る訴訟については、勝訴を目指し、同発電所の安全性を丁寧に主張している。

今後、現在係属中の訴訟の結果により、長期に亘り同発電所の運転停止を余儀なくされる場合、代替の火力燃料費の増加などにより、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。

 

② 原子力発電所に係る基準・法令等への対応

当社グループでは、原子力規制委員会が定めた新規制基準への適合をはじめとして、原子力発電事業に係る各種法令に則り、伊方発電所を安全・安定的に運転するための取り組みを進めている。

今後、新規制基準等への適合性の確保や各種基準・法令等の変更への対応において、伊方発電所の稼働が制約を受ける場合や追加の安全対策が必要となる場合、代替の火力燃料費の増加や設備投資の増加などにより、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。

 

 

 

③ 原子燃料サイクルや原子力発電所廃止への対応

原子力発電における使用済燃料の再処理や放射性廃棄物の処分など原子燃料サイクルに係る費用や、原子力発電施設の解体費用については、国が定める制度措置等により不確実性が低減されている。

今後、制度措置の見直しなどが行われる場合、将来費用の見積額の増加や、再処理施設の稼働時期の遅延等により、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。

 
(3) 市場動向

① 市場競争の進展

当社グループでは、小売市場での厳しい競争に勝ち抜くため、料金・サービス両面における施策の拡充を推進するとともに、新市場を最大限に活用することにより、収益機会の拡大と供給コストの低減をはかっている。

今後、更に競争が進展した場合、販売電力量の大幅な減少や小売・卸販売単価の下落等により、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。

 

② 電力需要の変動

当社グループでは、法人分野での電化厨房等のメリット訴求による電化促進や家庭分野でのサブユーザーへの営業による新築電化率の向上などを通じて電力需要の拡大に取り組んでいる。

今後、人口減少や省エネ機器・蓄電池等の普及拡大、冷夏・暖冬など、経済・社会情勢や天候影響等により、電力需要が想定以上に低下すれば、設備の稼働率低下に伴う固定費の回収不足などにより、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。

 

③ 燃料価格や為替相場の変動

当社の火力発電用燃料調達費用については、原油、石炭などの市場価格や為替相場により変動するが、長期契約や調達の多様化などを通じて、変動リスクの抑制・分散をはかっている。

また、燃料価格および為替相場の変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」が適用されるが、燃料価格や為替相場の著しい変動により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

 
(4) 設備・操業のトラブル等

当社グループでは、高品質のサービスを提供するため、設備の保守・点検を着実に実施している。また、様々な自然災害リスクを想定し、最新の知見を反映した設備の安全性確保対策を適宜、適切に実施するとともに、自治体、他事業者との連携強化や復旧訓練の共同実施、災害情報発信ツールの普及拡大等にも取り組んでいる。

今後、大規模な地震・津波・台風等の自然災害や設備の故障、事故等により設備の損傷や操業トラブルが発生した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

 

 
その他事業活動に係るリスク
(1) 電気事業以外の事業

当社グループでは、持続的な企業価値の創出に向けて、情報通信事業や国際事業を中心とした電気事業以外の事業について、その将来性や収益性を吟味しながら取り組むことにより、市場エリア・事業領域の拡大をはかっている。

今後、内外市場環境の急速な変化や、進出国でのカントリーリスクの顕在化等により、個々の事業・案件の収益が当初の見込みより大幅に下回る場合などには、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

 
(2) コンプライアンス

当社グループでは、事業活動に関する全ての法令の遵守と、社会からの信頼と評価を得るための企業倫理の徹底を図るため、グループ各社に「コンプライアンス推進委員会」を設置するとともに、「よんでんグループコンプライアンス推進協議会」を設置し、グループ全体でコンプライアンスの徹底に取り組んでいる。

しかしながら、法令違反や企業倫理に反した行為が発生した場合、当社グループへの社会的信用が低下し、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

 
(3) 感染症の流行

当社は、新型コロナウイルスを含む感染症対策として、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、「新型インフルエンザ等対策業務計画」を策定し、感染症の発生時においても、従業員の安全確保を前提に、事業の継続が可能な体制を整えている。

今後、新型コロナウイルスの更なる感染拡大や長期化により、設備・修繕工事の遅延や資機材調達に支障が生じる場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。


(4) 退職給付費用および債務に係るリスク

当社グループの退職給付費用および債務は、割引率など数理計算上の前提条件に基づいて算出している。

今後、金利変動に伴う割引率の変更など、数理計算上の前提条件について、大幅な見直しがある場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。

 

①経営成績

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用している。これに伴い「電気事業会計規則等の一部を改正する省令」(令和3年経済産業省令第22号 令和3年3月31日)の施行により改正された、「電気事業会計規則」を当連結会計年度の期首より適用し、再生可能エネルギー固定価格買取制度に係る再エネ特措法賦課金は、電気事業営業収益に計上せず、再エネ特措法交付金は、電気事業営業費用から控除している。この結果、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して大きく減少している。
 なお、これらの会計基準等の適用が財政状態および経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更)および(セグメント情報等)セグメント情報 4.報告セグメントの変更等に関する事項」に記載している。

 

2021年度の当社グループは、2021年3月に策定した「よんでんグループ中期経営計画2025」の達成に向けて、電気事業における収益力の向上に取り組むとともに、情報通信事業・国際事業を中心とした成長事業の拡大に向けた諸施策を推進してきた。また、2022年1月には、伊方発電所3号機が通常運転の再開を果たし、電力需給の安定と経営の正常化に目途を付けることができた。

さらに、脱炭素社会の実現に向けた「よんでんグループ2050年カーボンニュートラルへの挑戦」をはじめ、持続的な企業価値創出に繋がる取り組みについても積極的に進めてきた。

こうしたなか、当連結会計年度の売上高は、燃料費調整額や卸販売収入は増加したものの、収益認識に関する会計基準の適用に伴う売上減などから、前連結会計年度に比べ772億82百万円(△10.7%)減収6,419億48百万円となった。また、営業費用は、燃料価格の高騰や総販売電力量の増加等に伴う費用増があったものの、伊方発電所3号機の運転再開に伴う費用減や収益認識に関する会計基準の適用に伴う減少などから、前連結会計年度に比べ573億8百万円(△8.0%)減少6,554億66百万円となった。

この結果、営業損益は、135億17百万円の損失(前連結会計年度は、64億56百万円の利益)、支払利息など営業外損益を差引き後の経常損益は、121億14百万円の損失(前連結会計年度は、51億88百万円の利益)、法人税等差引き後の親会社株主に帰属する当期純損益は、62億62百万円の損失(前連結会計年度は、29億99百万円の利益)となった。

セグメントごとの経営成績(セグメント間取引消去前)は、次のとおりである。

なお、報告セグメントの利益は、当連結会計年度より、「営業利益」から「経常利益」に変更しており、前連結会計年度のセグメント情報の利益は、変更後の利益により開示している。

 

[発電・販売事業]

売上高は、燃料費調整額や卸販売収入は増加したものの、収益認識に関する会計基準等の適用に伴う売上減などから、前連結会計年度に比べ725億27百万円(△12.5%)減収5,082億3百万円となった。

経常損益は、伊方発電所3号機が運転再開を果たしたものの、燃料価格の高騰影響などにより需給関連収支が悪化したことから、402億17百万円の損失(前連結会計年度は、220億84百万円の損失)となった。

 

[送配電事業]

売上高は、接続供給託送収益や需給調整収益が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ47億49百万円(+2.2%)増収2,198億54百万円となった。

経常利益は、人件費などの減少はあったものの、他社からの購入電力料が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ24億11百万円(△18.6%)減益の105億81百万円となった。

 

 

[情報通信事業]

売上高は、光通信サービスやデータセンター事業の収入増などがあったものの、システム開発案件の減少などから、前連結会計年度に比べ8億24百万円(△1.8%)減収446億24百万円となった。

経常利益は、データセンター事業における減価償却費の減少などから、前連結会計年度に比べ12億56百万円(+18.3%)増益81億14百万円となった。

 

[エネルギー事業]

売上高は、石炭販売事業の販売数量の増などから、前連結会計年度に比べ63億76百万円(+31.7%)増収264億97百万円となった。

経常利益は、LNG販売事業の調達単価が上昇したことなどから、前連結会計年度に比べ2億8百万円(△6.6%)減益29億59百万円となった。

 

[建設・エンジニアリング事業]

売上高は、請負工事の受注増などから、前連結会計年度に比べ73億49百万円(+11.9%)増収691億91百万円となり、経常利益は、前連結会計年度に比べ9億58百万円(+31.6%)増益39億89百万円となった。

 

[その他]

売上高は、収益認識に関する会計基準等の適用に伴う商事業の減などから、前連結会計年度に比べ137億12百万円(△27.5%)減収361億72百万円となり、経常利益は、前連結会計年度に比べ17億44百万円(+123.3%)増益31億58百万円となった。

 

②財政状態

(資産)

資産は、事業用資産が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ703億20百万円(+4.9%)増加1兆5,007億44百万円となった。

 

(負債)

負債は、社債・借入金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ829億77百万円(+7.5%)増加1兆1,854億47百万円となった。

 

(純資産)

純資産は、純損失となったことや配当金の支払いなどから、前連結会計年度末に比べ126億56百万円(△3.9%)減少3,152億97百万円となった。

 

③キャッシュ・フロー

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

純損失となったことなどから、収入が前連結会計年度に比べ24億51百万円(△4.7%)減少498億41百万円となった。
 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

伊方発電所に係る安全対策工事や西条発電所1号機リプレース工事などから、支出が前連結会計年度に比べ357億70百万円(+40.0%)増加1,251億2百万円となった。
 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

社債・借入金を純増調達したことなどから、収入が前連結会計年度に比べ339億50百万円(+70.3%)増加822億61百万円となった。

 

以上の結果、当連結会計年度末における現金および現金同等物は、前連結会計年度に比べ74億84百万円増加し、729億28百万円となった。

 

 

④生産、受注および販売の実績

[発電・販売事業および送配電事業]

a.需給実績

種別

2021年度

前年度比
(%)

販売電力量
(百万kWh)

31,675

113.7

電力供給
(百万kWh)


水力

1,976

82.7

原子力

2,362

新エネルギー等

7

108.5

火力

12,619

107.3

他社受電

16,502

105.7

(水力・新エネ再掲)

(6,257)

(106.1)

損失電力量等

△1,791

94.0

 

(注)1 四捨五入の関係で、合計が合わない場合がある。

2 自社の発電電力量は、従来、発電端電力量を記載してきたが、当連結会計年度より送電端電力量に変更している。これに伴い、前年度比については、前連結会計年度の値を現在の記載に合わせ算定している。

3 原子力発電の前年度比については、前年度は伊方発電所3号機が稼働していないため、記載していない。

 

 

 

b.販売実績

種別

2021年度

前年度比
(%)

販売電力量
(百万kWh)




電灯

8,035

97.9

電力

14,530

105.5

22,565

102.6

卸販売

9,110

155.2

合計

31,675

113.7

料金収入
(百万円)




電灯

172,936

92.6

電力

214,830

95.0

387,767

93.9

卸販売

114,615

168.6

合計

502,383

104.5

 

(注)1 販売電力量は、四捨五入の関係で、合計が合わない場合がある。

2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用している。これに伴い「電気事業会計規則等の一部を改正する省令」(令和3年経済産業省令第22号 令和3年3月31日)の施行により改正された、「電気事業会計規則」を当連結会計年度の期首より適用している。このため、小売販売に係る料金収入は、前連結会計年度に比べて減少している。

 

 

 

c.資材の実績

石炭、重原油およびLNGの受払実績

<石炭>

区分

期首残高(t)

受入量(t)

払出量(t)

期末残高(t)

2020年度

459,184

2,675,150

2,900,225

234,109

2021年度

234,109

3,136,539

3,266,190

104,457

 

 

<重油>

区分

期首残高(kl)

受入量(kl)

払出量(kl)

期末残高(kl)

2020年度

89,646

143,324

134,007

98,964

2021年度

98,964

411,133

443,582

66,514

 

 

<原油>

区分

期首残高(kl)

受入量(kl)

払出量(kl)

期末残高(kl)

2020年度

29,912

29,912

2021年度

 

 

<LNG>

区分

期首残高(t)

受入量(t)

払出量(t)

期末残高(t)

2020年度

9,772

530,321

490,287

49,806

2021年度

49,806

415,628

420,200

45,234

 

 

[情報通信事業、エネルギー事業、建設・エンジニアリング事業、その他]

生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、受注生産形態をとらない品目も多いことから、生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示していない。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりである。

なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものである。

 

①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容

(ⅰ)経営成績の分析

◇経営成績の推移                (  )内は対前年度増減率                  (単位:億円)

 

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

事業利益

(  45.5%)

( △9.8%)

(   6.1%)

( △68.1%)

( %)

356

321

340

108

△65

親会社株主に帰属する
当期純利益又は

親会社株主に帰属する

当期純損失(△)

(  73.4%)

(△13.6%)

(   6.5%)

( △83.4%)

( %)

196

169

180

29

△62

総資産

(   2.2%)

(   1.8%)

(   1.5%)

(    4.1%)

(    4.9%)

13,302

13,539

13,736

14,304

15,007

自己資本

(   2.9%)

(   2.2%)

(   1.7%)

(    0.4%)

(   △3.9%)

3,122

3,192

3,245

3,256

3,128

備考

伊方3号

(稼働6ヵ月)

伊方3号
(稼働5ヵ月)

伊方3号
(稼働9ヵ月)

伊方3号
(全停止)

伊方3号
(稼働4ヵ月)

 

 

 

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

 

2025年度

経営目標

[自己資本当期純利益率]

[6.4%]

[5.4%]

[5.6%]

[0.9%]

[△2.0%]

 

[7%程度]

総資産利益率※

2.7%

2.4%

2.5%

0.8%

△0.4%

 

 3%程度

 

※ 総資産利益率=事業利益(経常利益+支払利息)÷総資産(期首・期末平均)

 

<総資産利益率>

2017年~2019年度は、伊方発電所3号機の稼働により一定の事業利益(経常利益+支払利息)が確保できたため、2.5%程度で推移してきたが、2020年度以降は、伊方発電所3号機の停止や燃料価格の高騰影響により事業利益が大幅に悪化し、2020年度は0.8%、2021年度は△0.4%となった。

 

<自己資本当期純利益率>

2017~2019年度は、一定の純利益が確保できたため、5~6%台で推移してきたが、2020年度以降は大幅に悪化し、2020年度は0.9%、2021年度は△2.0%となった。

 

 

(ⅱ)財政状態の分析

◇財政状態の推移                (  )内は対前年度増減額                  (単位:億円)

 

2017年度末

2018年度末

2019年度末

2020年度末

2021年度末

総資産

(    290)

(    237)

(    197)

(    568)

(  703)

13,302

13,539

13,736

14,304

15,007

社債・借入金

(  △245)

(    210)

(    128)

(    546)

(  886)

6,832

7,042

7,170

7,716

8,602

自己資本

(     86)

(     70)

(     53)

(     11)

( △128)

3,122

3,192

3,245

3,256

3,128

 

 

 

2017年度末

2018年度末

2019年度末

2020年度末

2021年度末

 

2025年度末

経営目標

[有利子負債倍率※]

[2.2倍]

[2.2倍]

[2.2倍]

[ 2.4倍]

[   2.7倍]

 

[ 2倍以下]

自己資本比率

23.5%

23.6%

23.6%

22.8%

20.8%

 

25%以上

 

※ 有利子負債倍率=社債・借入金÷自己資本

 

<総資産>

伊方発電所の安全対策工事や西条発電所1号機リプレース工事などによる事業用資産の増に加え、海外事業投資の増などから増加傾向にあり、2017年度末から2021年度末にかけて約1,700億円増加した。

 

<社債・借入金>

設備投資等の増に伴い増加傾向にあり、2017年度末から2021年度末にかけて約1,800億円増加した。

 

<自己資本>

3,100~3,300億円のレンジでほぼ横ばいとなっている。

 

<自己資本比率>

以上の結果、自己資本比率は、2017年度末の23.5%が2021年度末には20.8%に低下した。

また、有利子負債倍率は、2017年度末の2.2倍が2021年度末には2.7倍に上昇した。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報

(ⅰ)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

◇キャッシュ・フローの推移                                              (単位:億円)

 

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

 

2025年度

経営目標

営業活動による

キャッシュ・フロー

1,235

545

1,073

522

498

 

1,100億円程度

投資活動による

キャッシュ・フロー

△819

△824

△999

△893

△1,251

 

 

フリー・キャッシュ・
フロー

415

△278

73

△371

△752

 

 

財務活動による

キャッシュ・フロー

△317

145

63

483

822

 

 

現金および現金同等物の

期末残高

522

406

542

654

729

 

 

 

 

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

減価償却による回収などにより、2017年度から2021年度の5ヵ年平均で770億円程度の収入となった。
 

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

伊方発電所の安全対策工事や西条発電所1号機リプレース工事などに加え、海外発電事業への出資などにより、支出額は増加傾向となっている。
 

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

フリー・キャッシュ・フローに応じて変動しており、2021年度は822億円の収入となった。

 

(ⅱ)資本の財源および資金の流動性について

当社の主な資金需要は設備資金であり、自己資金および社債・長期借入金により調達している。なお、季節要因などによる短期的な資金需給の調整には、コマーシャル・ペーパーを活用している。

 

③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。

当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、固定資産の減損、貸倒引当金、退職給付に係る負債、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積りおよび判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載している。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項なし。

 

5 【研究開発活動】

 

当社グループは、技術力・競争力の向上を目的として、㈱四国総合研究所を中心に、電力の供給・利用などの研究開発に取り組んでいる。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4,152百万円であり、これは主に発電・販売事業(2,618百万円)および送配電事業(838百万円)に係るものである。

主要な研究課題は次のとおりである。

(1) 電力供給コストの低減などにつながる研究開発

設備の長寿命化技術、運用保守の高度化・効率化技術、石炭灰利用技術などに関する研究開発を行っている。

 

(2) カーボンニュートラル推進に向けた研究開発

再生可能エネルギーの大量導入への対応や、分散型エネルギーリソースの活用、水素等関連技術の活用など、カーボンニュートラル推進に向けた研究開発を行っている。