文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
(1) 基本方針
当社グループは、「エネルギーを中心として、人々の生活に関わる様々なサービスを高い品質で提供し続けることにより、快適・安全・安心な暮らしと地域の発展に貢献する」というグループミッションを掲げており、お客さまから最も信頼されるパートナーとして、エネルギーから情報通信、ビジネス・生活サポートまで、多様なサービスをワンストップで提供できる「マルチユーティリティー企業グループ」への変革・成長をはかっていく。
(2) 経営環境および対処すべき課題
わが国においては、国際情勢の混乱等による燃料価格の高騰や全国的な火力発電所の休廃止等に伴う供給力不足などにより、電気事業の先行き不透明感が高まるなか、電力の安定供給やエネルギーセキュリティーの重要性が再認識されている。
また、エネルギーの安定供給と2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして、本年2月には、再生可能エネルギーの拡大や原子力発電の最大限の活用などについて検討を加速していく政府の方針が閣議決定されるなど、低炭素化・脱炭素化社会の実現に向けた動きが加速している。さらに、AIやIoTなど、飛躍的に進展したデジタル技術の活用や、分散型エネルギーリソースの普及拡大が進んでおり、電気事業を取り巻く環境は、今後、大きく変化していくことが見込まれる。
このように事業環境が大きく変化するなか、当社グループとしては、お客さまにお願いしてきた料金改定の実施等により、経営の正常化をはかるとともに、不透明な国際情勢や供給力不足、自然災害など、振れ幅の大きい様々なリスクに対し、リスク耐性の強化につながる様々な対策を講じ、電気事業の地盤固めをはかっていく。また、情報通信事業や国際事業を中心とする電気事業以外の事業については、引き続き、リスク管理を徹底しつつ、収益の拡大に取り組んでいく。
さらに、持続的な企業価値創出の基盤強化に向けて、カーボンニュートラルへの挑戦やコンプライアンスの推進等に注力していく。特に、コンプライアンスの推進に関しては、当社従業員が、災害等非常時におけるお客さま対応に限り使用を認められていた四国電力送配電株式会社の管理するシステムを、本来の目的外で使用して他の電気事業者のお客さま情報を閲覧していた事案や、同社の管理するID・パスワードを用いて経済産業省のシステムを使用していた事案が相次いで判明したことを、大変重く受け止めており、全社を挙げて再発防止策の着実な実施に努めていく。
① 電気事業における収益性向上とリスク耐性の強化
発電・販売事業においては、これまでに実施してきた自由料金の燃料費調整制度の上限廃止に加え、規制料金改定の実施により、燃料価格高騰に起因する収支不均衡を解消するとともに、他事業者との競争環境や電力調達コストを踏まえた小売料金水準の設定等により収益性の向上をはかっていく。また、電源トラブル等による供給力不足リスクの回避に向け、伊方発電所3号機をはじめとする自社電源の安全・安定運転の継続に向けた修繕工事の強化や、資機材の価格上昇・納期長期化のリスクを踏まえた先行手配の実施などに取り組むとともに、電力市場を活用した収益の拡大にも取り組んでいく。さらに、電源の低炭素化・脱炭素化に向けた取り組みを着実に推進していく。
送配電事業においては、設備の更新機会を捉えた送配電設備のスリム化やリスク評価を踏まえた設備管理の最適化・効率化を進めることにより、設備効率の向上とコスト抑制をはかるとともに、災害復旧対応を含む供給信頼度の維持・向上をはかり、災害時のレジリエンスを強化していく。また、スマートメーターを活用したガス・水道の遠隔検針事業をはじめとする送配電ネットワークの新たな価値の創造にも取り組んでいく。
② 電気事業以外の事業の収益拡大とリスク管理の徹底
国際事業については、2022年度において多額の損失を計上することとなったが、今後も引き続き、成長が期待できる分野の一つであると考えていることから、これまで以上にリスク管理を徹底しつつ、再生可能エネルギーを中心とした新規優良案件への参画を拡大していく。また、情報通信事業や、建設・エンジニアリング事業などの着実な推進により、収益性向上に取り組んでいく。
さらに、分散型エネルギーリソースの普及など電気事業の構造変化を捉えた新たな事業の創出や、低炭素化・脱炭素化ニーズに対応したソリューションの提供による収益機会の拡大にも努めていく。
③ 持続的な企業価値創出の基盤強化
当社グループは、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)の観点も踏まえ、気候変動対策や地域共生活動の推進、コンプライアンスの徹底など、持続的な企業価値創出の基盤強化に資する取り組みを積極的に進めることにより、株主・投資家の皆さまをはじめとするステークホルダーの方々から信頼され、評価・選択される企業グループを目指していく。
気候変動対策の推進については、電源の低炭素化・脱炭素化に取り組むとともに、電化等による電気エネルギーのさらなる活用をはかることにより、当社のCO2排出量を、2013年度に比べ、2030年度に半減し、2050年にカーボンニュートラルを実現することに挑戦していく。
コンプライアンスに関しては、当社従業員が四国電力送配電株式会社や経済産業省のシステムを不適切に使用していた事案の再発防止策として、新たに「意識改革・業務改善推進プロジェクト」および「行為規制遵守プロジェクト」を設置し、社長が委員長を務める「コンプライアンス推進委員会」のもと、社外弁護士の指示・指導も仰ぎながら、行為規制に関する研修や業務フロー・マニュアルの総点検などを実施していく。加えて、専門の内部監査組織の新設や、行為規制遵守に係る活動状況等に対する第三者チェックの仕組みの導入など、客観的かつ実効性の高いチェック体制を通じて、再発防止の徹底に努めていく。当社としては、これらの再発防止策を着実に実施することはもとより、引き続き、全社を挙げてコンプライアンスの徹底に取り組み、社会の皆さまからの信頼回復に努めていく。
(3) 経営目標
上記のような取り組みを通じて、2021年3月に策定した「よんでんグループ中期経営計画2025」で掲げた、以下の経営目標の達成を目指していく。
※ ROAは「事業利益(経常利益+支払利息)÷総資産(期首・期末平均)」にて算定
(ガバナンス)
当社グループでは、ESGの観点から事業活動と連動性の高い重点課題を特定し、社会的責任を果たしつつ、持続的な価値創造に向けた取り組みを進めている。こうした取り組みの実効性を高めるため、「サステナビリティ推進会議(委員長:当社社長)」を設置し、経営層による統括のもと、下部委員会の活動や重点課題に対する取り組みを、毎年PDCAサイクルを繰り返し、当社グループが一体となって推進する体制を構築している。
そのうち、気候変動問題については、上記の「サステナビリティ推進会議」に加え、「カーボンニュートラル推進委員会(委員長:当社社長)」が中心となり、全社的な取り組みを統括・推進している。
サスティナビリティの推進体制の詳細については、「よんでんグループ統合報告書2022」を参照
「よんでんグループ統合報告書2022 - サステナビリティを高める事業経営 -(P44~68)」
(リスク管理)
当社グループでは、リスク管理の重要性を強く認識して事業運営を進めており、リスク管理の基本的方針や行動原則などを定めた「リスク管理規程」を制定している。この規程に基づき、経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、毎年、経営陣がチェック・アンド・レビューを実施し、次年度の経営計画に反映することで、リスク管理のPDCAサイクルを繰り返し、リスクの発生防止と低減に努めている。また、全社横断的なリスクについては、必要に応じて専門委員会を設置し、総合的な判断のもとで適切に対処するとともに、自然災害などの非常事態においても、被害の最小化と早期復旧がはかれるよう、個別の規程等を整備し、管理体制を明確化している。さらに、危機情報を速やかに集約する窓口として「危機ホットライン」を設置し、適切な情報共有や被害の最小化・早期復旧をはかるとともに、全従業員対象のe-ラーニング研修などを活用することにより、危機管理意識の徹底に努めている。
リスク管理体制の詳細については、「よんでんグループ統合報告書2022」を参照
「よんでんグループ統合報告書2022 – リスクと機会への対応 -(P63~64)」
<気候変動問題への対応>
(戦略)
当社グループでは、気候変動関連のリスクや機会が、当社の事業運営にどのような影響を及ぼすのか、一定の将来シナリオのもと、継続的に評価・確認するとともに、その結果を踏まえ、必要な対策を立案し、実行に移している。
具体的には、国際エネルギー機関等が示すシナリオをもとに、1.5℃シナリオ、2℃シナリオ、4℃未満シナリオを選定し、気候変動関連のリスクと機会を抽出している。そして、それらが、今後、当社事業にどのような影響を及ぼすのか、主要なものについて確認・評価し、2℃シナリオ、4℃未満シナリオにおいては、主に「非化石電源の比率拡大/火力電源の規制強化」や「カーボンプライシング導入」によるコスト増加の可能性がある一方で、「非化石電源の価値向上」や「電化の進展/低・脱炭素電力ニーズの拡大」による収支好転も期待できることを確認している。なお、これらの影響の傾向は、1.5℃シナリオにおいて、より顕著になる可能性がある。
さらに、リスクの最小化と機会の最大化をはかるために検討した対応策は、よんでんグループ中期経営計画2025に反映しており、2030年度、さらにその先の2050年を視野に入れ、「電源の低炭素化・脱炭素化」と「電気エネルギーのさらなる活用」の両面でのロードマップを策定し、具体的な取り組みを推進している。
◆各シナリオから抽出した主要なリスク・機会と対応策

(指標および目標)
当社グループは、当社小売部門からのCO2排出量について、「2030年度に2013年度比で半減」を目標に掲げている。
2021年度時点では、約33%の削減を実現しており、引き続き、原子力や再生可能エネルギーの最大活用、火力発電の高効率化、再エネの導入拡大などによる「電源の低炭素化・脱炭素化」と、産業・運輸部門も含めた電化の推進等の取り組みなどによる「電気エネルギーのさらなる活用」を推進することで、目標の達成を目指していく。
◆当社小売部門からのCO2排出量※1

当社グループでは、TCFD提言に基づく情報開示を行っており、気候変動問題への対応の詳細については、「よんでんグループ統合報告書2022」を参照。
「よんでんグループ統合報告書2022 - 気候変動問題への取り組み -(P46~50)」
なお、2022年度の削減状況については、2023年9月目途で公表予定の
<人的資本、ダイバーシティ・インクルージョンの推進に向けた取組>
(戦略)
当社グループでは、「人」こそがサステナビリティ(持続的な価値創造)を推進するための最大の原動力(最大の財産)であるという考えの下、従業員が「やりがい」や「充実感」を持って積極的かつ創造的に仕事に取り組み、持てる能力を最大限発揮できるよう、一人ひとりの人格や多様性を尊重し、価値観や経験、技術・技能を活かせる職務の付与・育成をはかるとともに、風通しの良い活力ある職場環境の整備に取り組んでいく方針としている。
具体的には、「ダイバーシティ・インクルージョンの推進」、「働きやすい職場環境づくり」、「未来を切り拓く人材の獲得・育成の推進」、「労働安全衛生の徹底」を人的資本におけるサステナビリティを高めるための重点課題として特定した上で、以下のとおり推進している。
① ダイバーシティ・インクルージョンの推進
・性別・国籍・職歴等の属性によらない、個人の能力・適性を重視した柔軟な育成配置
・女性従業員のキャリア形成支援、管理職への積極的な登用
・仕事と育児・介護の両立支援制度の整備・利用促進
・障がい者や高年齢層など、多様な人材の積極的な活用
・人権尊重、ハラスメント防止
② 働きやすい職場環境づくり
・従業員の多様な価値観や生活スタイルを尊重した柔軟な働き方を可能とする制度の整備・利用促進
・活力ある組織風土の更なる醸成に向け、エンゲージメント調査を実施し、調査結果を諸施策に反映
③ 未来を切り拓く人材の獲得・育成の推進
・電気事業における技術・技能の継承、ならびに競争力強化に必要な人材および次なる成長分野と位置づける
国際事業・新規事業等の拡大を担う挑戦意欲のある人材の獲得・育成
・中途採用により即戦力としての活躍が期待できる人材や高度な専門能力を有する人材の獲得
④ 労働安全衛生の徹底
・健康経営の推進および労働災害の撲滅
(指標および目標) [四国電力㈱と四国電力送配電㈱の2社合計値]
(注)1 管理監督者等は除く
(注)2 自己都合退職のみ
当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると経営者が認識している主なリスクには、次のようなものがある。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。
電気事業に係るリスク
(1) エネルギー政策や電気事業制度
① エネルギー政策や電気事業制度の変更
当社グループでは、わが国のエネルギー需給に関する基本方針等を定めた「エネルギー基本計画」を踏まえ、特定の電源・燃料に過度に依存しないバランスの良いエネルギー供給体制を構築している。また、電気事業制度の見直しに適切に対応しつつ、安定的な電力供給の維持や収益機会の拡大に取り組んでいる。
今後、エネルギー政策や電気事業制度が大幅に見直された場合、その内容次第では、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
② 環境規制の強化
当社グループでは、原子力や再生可能エネルギーなどのゼロエミッション電源の最大活用に加え、LNGコンバインドサイクルの導入・石炭火力のUSC(超々臨界圧機)化による火力発電設備の高効率化などを通じて温室効果ガスの削減をはかっている。
今後、脱炭素社会の実現に向けて環境規制が強化された場合、火力発電所の運転が制約され、供給コストが増大するなど、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
(2) 原子力事業を取り巻く環境
① 原子力発電所に係る訴訟への対応
当社は、伊方発電所3号機に係る訴訟については、勝訴を目指し、同発電所の安全性を丁寧に主張している。
今後、現在係属中の訴訟の結果により、長期に亘り同発電所の運転停止を余儀なくされる場合、代替の火力燃料費の増加などにより、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
② 原子力発電所に係る基準・法令等への対応
当社グループでは、原子力規制委員会が定めた新規制基準への適合をはじめとして、原子力発電事業に係る各種法令に則り、伊方発電所を安全・安定的に運転するための取り組みを進めている。
今後、新規制基準等への適合性の確保や各種基準・法令等の変更への対応において、伊方発電所の稼働が制約を受ける場合や追加の安全対策が必要となる場合、代替の火力燃料費の増加や設備投資の増加などにより、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
③ 原子燃料サイクルや原子力発電所廃止への対応
原子力発電における使用済燃料の再処理や放射性廃棄物の処分など原子燃料サイクルに係る費用や、原子力発電施設の解体費用については、国が定める制度措置等により不確実性が低減されている。
今後、制度措置の見直しなどが行われる場合、将来費用の見積額の増加や、再処理施設の稼働時期の遅延等により、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
(3) 市場動向
① 市場競争の進展
当社グループでは、小売市場での厳しい競争に勝ち抜くため、料金・サービス両面における施策の拡充を推進するとともに、新市場を最大限に活用することにより、収益機会の拡大と供給コストの低減をはかっている。
今後、更に競争が進展した場合、販売電力量の大幅な減少や小売・卸販売単価の下落等により、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
② 電力需要の変動
当社グループでは、法人分野での電化厨房等のメリット訴求による電化促進や家庭分野でのサブユーザーへの営業による新築電化率の向上などを通じて電力需要の拡大に取り組んでいる。
今後、人口減少や省エネ機器・蓄電池等の普及拡大、冷夏・暖冬など、経済・社会情勢や天候影響等により、電力需要が想定以上に低下すれば、設備の稼働率低下に伴う固定費の回収不足などにより、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
③ 燃料価格や為替相場の変動
当社の火力発電用燃料調達費用については、原油、石炭などの市場価格や為替相場により変動するが、長期契約や調達の多様化などを通じて、変動リスクの抑制・分散をはかっている。
また、燃料価格および為替相場の変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」が適用されるが、燃料価格や為替相場の著しい変動により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(4) 設備・操業のトラブル等
当社グループでは、高品質のサービスを提供するため、設備の保守・点検を着実に実施している。また、様々な自然災害リスクを想定し、最新の知見を反映した設備の安全性確保対策を適宜、適切に実施するとともに、自治体、他事業者との連携強化や復旧訓練の共同実施、災害情報発信ツールの普及拡大等にも取り組んでいる。
今後、大規模な地震・津波・台風等の自然災害や設備の故障、事故等により設備の損傷や操業トラブルが発生した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
その他事業活動に係るリスク
(1) 電気事業以外の事業
当社グループでは、持続的な企業価値の創出に向けて、情報通信事業や国際事業を中心とした電気事業以外の事業について、その将来性や収益性を吟味しながら取り組むことにより、市場エリア・事業領域の拡大をはかっている。
今後、内外市場環境の急速な変化や、進出国でのカントリーリスクの顕在化等により、個々の事業・案件の収益が当初の見込みより大幅に下回る場合などには、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(2) コンプライアンス
当社グループでは、事業活動に関する全ての法令の遵守と、社会からの信頼と評価を得るための企業倫理の徹底をはかるため、グループ各社に「コンプライアンス推進委員会」を設置するとともに、「よんでんグループコンプライアンス推進協議会」を設置し、グループ全体でコンプライアンスを推進している。
また、行為規制や独占禁止法の遵守は、自由化された現行電気事業制度の根幹をなすものと認識し、教育・研修を通じた法令に対する正しい理解の浸透と、意識改革の徹底に取り組んでいる。
こうした取り組みにも関わらず、法令違反や企業倫理に反した行為が発生した場合、当社グループへの社会的信用が低下し、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(3) 感染症の流行
当社は、新型コロナウイルスを含む感染症対策として、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、「新型インフルエンザ等対策業務計画」を策定し、感染症の発生時においても、従業員の安全確保を前提に、事業の継続が可能な体制を整えている。
今後、新型コロナウイルスを含む感染症の感染拡大により、設備・修繕工事の遅延や資機材調達に支障が生じる場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(4) 退職給付費用および債務に係るリスク
当社グループの退職給付費用および債務は、割引率など数理計算上の前提条件に基づいて算出している。
今後、金利変動に伴う割引率の変更など、数理計算上の前提条件について、大幅な見直しがある場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
2022年度における当社グループの事業環境は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、燃料調達を巡る状況に不透明感が増すとともに、燃料価格が世界的にかつてない高水準で推移するなど、非常に厳しいものとなった。こうしたなか、収支面では、これまで以上に踏み込んだ経営の合理化・効率化に加え、自由化部門のお客さまについて、順次、燃料費調整制度の上限廃止をお願いするとともに、昨年11月に規制料金の値上げを申請するなど、収支改善のための諸施策を実施してきた。また、電力需給面では、伊方発電所3号機の安全・安定運転の継続はもとより、十分な燃料在庫を確保し、設備の運用・保全に細心の注意を払いトラブルの未然防止に努めるなど、供給力の確保に取り組むとともに、多くのお客さまに節電にご協力いただいたことにより、安定供給を維持することができた。
さらに、このような厳しい事業環境のなかにあっても、「よんでんグループ中期経営計画2025」において長期重点課題と位置付ける「カーボンニュートラルへの挑戦」や「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」をはじめ、持続的な企業価値創出に繋がる取り組みを積極的に進めてきた。
こうした状況のもと、当連結会計年度の売上高は、燃料費調整額や卸販売収入が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ1,912億54百万円(+29.8%)増収の8,332億3百万円となった。また、営業費用は、需給関連費が、伊方発電所3号機の稼働増はあったものの、燃料価格の高騰などにより大幅に増加したことなどから、前連結会計年度に比べ1,900億22百万円(+29.0%)増加の8,454億89百万円となった。
この結果、前連結会計年度に比べ、営業損益は、12億31百万円改善の122億85百万円の損失(前連結会計年度は、135億17百万円の損失)、経常損益は、海外事業投資損失を営業外費用に計上したことなどから、104億円悪化の225億15百万円の損失(前連結会計年度は、121億14百万円の損失)、法人税等差引き後の親会社株主に帰属する当期純損益は、166億9百万円悪化の228億71百万円の損失(前連結会計年度は、62億62百万円の損失)となった。
セグメントごとの経営成績(セグメント間取引消去前)は、次のとおりである。
[発電・販売事業]
売上高は、燃料費調整額や卸販売収入が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ2,008億31百万円(+39.5%)増収の7,090億34百万円となった。
経常損益は、減価償却方法の変更による費用の減などから、前連結会計年度に比べ112億75百万円改善の289億41百万円の損失(前連結会計年度は、402億17百万円の損失)となった。
[送配電事業]
売上高は、需給調整収益が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ464億16百万円(+21.1%)増収の2,662億71百万円となった。
経常利益は、減価償却方法の変更による費用の減はあったものの、他社からの購入電力料が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ33億16百万円(△31.3%)減益の72億64百万円となった。
[情報通信事業]
売上高は、光通信サービスやデータセンター事業の収入増などから、前連結会計年度に比べ9億57百万円(+2.1%)増収の455億82百万円となった。
経常利益は、減価償却方法の変更による費用の減などから、前連結会計年度に比べ12億55百万円(+15.5%)増益の93億70百万円となった。
売上高は、石炭販売事業の販売数量の減などから、前連結会計年度に比べ7億31百万円(△2.8%)減収の257億66百万円となった。
経常損益は、海外事業投資損失を営業外費用に計上したことなどから、151億18百万円の損失(前連結会計年度は、29億59百万円の利益)となった。
売上高は、請負工事の受注減などから、前連結会計年度に比べ161億25百万円(△23.3%)減収の530億65百万円となり、経常利益は、前連結会計年度に比べ4億79百万円(△12.0%)減益の35億9百万円となった。
[その他]
売上高は、商事業の減などから、前連結会計年度に比べ5億55百万円(△1.5%)減収の356億16百万円となり、経常利益は、前連結会計年度に比べ10億7百万円(△31.9%)減益の21億50百万円となった。
(資産)
資産は、事業用資産が増加したほか、現預金や燃料貯蔵品も増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,112億81百万円(+7.4%)増加の1兆6,120億25百万円となった。
(負債)
負債は、社債・借入金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,282億65百万円(+10.8%)増加の1兆3,137億13百万円となった。
(純資産)
純資産は、純損失となったことなどから、前連結会計年度末に比べ169億84百万円(△5.4%)減少の2,983億12百万円となった。
③キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
損益の悪化などにより、収入が前連結会計年度に比べ137億54百万円(△27.6%)減少の360億86百万円となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
設備投資の減少などにより、支出が前連結会計年度に比べ335億2百万円(△26.8%)減少の916億円となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債・借入金を純増調達したことなどから、収入が前連結会計年度に比べ25億67百万円(+3.1%)増加の848億29百万円となった。
以上の結果、当連結会計年度末における現金および現金同等物は、前連結会計年度末に比べ329億75百万円増加し、1,059億4百万円となった。
[発電・販売事業および送配電事業]
(注) 四捨五入の関係で、合計が合わない場合がある。
(注) 1 販売電力量は、四捨五入の関係で、合計が合わない場合がある。
2 料金収入の電灯および電力には、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」に基づき実施される「電気・ガス価格激変緩和対策」により受領する補助金を含んでいる。
3 主な相手先別の販売実績および総販売実績(連結売上高)に対する割合
石炭、重油およびLNGの受払実績
<石炭>
<重油>
<LNG>
生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、受注生産形態をとらない品目も多いことから、生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示していない。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
(ⅰ)経営成績の分析
※ 総資産利益率=事業利益(経常利益+支払利息)÷総資産(期首・期末平均)
<総資産利益率>
2018~2019年度は、伊方発電所3号機の稼働により一定の事業利益(経常利益+支払利息)が確保できたため、2.5%程度で推移したが、2020年度以降は、伊方発電所3号機の停止や燃料価格の高騰影響により事業利益が大幅に悪化し、2020年度は0.8%、2021年度は△0.4%、2022年度は△1.0%となった。
2018~2019年度は、一定の純利益が確保できたため、5%台で推移したが、2020年度以降は純利益が大幅に悪化し、2020年度は0.9%、2021年度は△2.0%、2022年度は△7.5%となった。
(ⅱ)財政状態の分析
※ 有利子負債倍率=社債・借入金÷自己資本
<総資産>
伊方発電所の安全対策工事や西条発電所1号機リプレース工事などによる事業用資産の増に加え、海外事業投資の増などから増加傾向にあり、2018年度末から2022年度末にかけて約2,600億円増加した。
<社債・借入金>
設備投資等の増に伴い増加傾向にあり、2018年度末から2022年度末にかけて約2,400億円増加した。
<自己資本>
2018~2021年度までは、ほぼ横ばいで推移していたが、今年度の赤字影響により、2,900億円台まで低下している。
以上の結果、自己資本比率は、2018年度末の23.6%が2022年度末には18.3%に低下した。
また、有利子負債倍率は、2018年度末の2.2倍が2022年度末には3.2倍に上昇した。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
(ⅰ)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
◇キャッシュ・フローの推移 (単位:億円)
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
減価償却による回収などにより、2018年度から2022年度の5ヵ年平均で600億円程度の収入となった。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
伊方発電所の安全対策工事や西条発電所1号機リプレース工事などに加え、海外発電事業への出資などにより、支出額は増加傾向となっている。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
フリー・キャッシュ・フローに応じて変動しており、2022年度は848億円の収入となった。
(ⅱ)資本の財源および資金の流動性について
当社の主な資金需要は設備資金であり、自己資金および社債・長期借入金により調達している。なお、季節要因などによる短期的な資金需給の調整には、コマーシャル・ペーパーを活用している。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。
当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、固定資産の減損、貸倒引当金、退職給付に係る負債、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積りおよび判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載している。
該当事項なし。
当社グループは、技術力・競争力の向上を目的として、㈱四国総合研究所を中心に、電力の供給・利用などの研究開発に取り組んでいる。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、
主要な研究課題は次のとおりである。
設備の長寿命化技術、運用保守の高度化・効率化技術、石炭灰利用技術などに関する研究開発を行っている。
再生可能エネルギーの大量導入への対応や、分散型エネルギーリソースの活用、水素等関連技術の活用など、カーボンニュートラル推進に向けた研究開発を行っている。