第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはない。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はない。
 

2 【経営上の重要な契約等】

該当事項なし。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

当第3四半期連結累計期間のわが国経済は、輸出など一部に改善の遅れがみられるものの、設備投資が増加するなど基調として緩やかな回復が続いている。九州経済は、生産が増加しているほか、住宅投資・公共投資の持ち直しなどにより、緩やかに回復している。

当第3四半期連結累計期間の業績については、平成28年熊本地震に伴う特別損失の計上はあったが、修繕工事の年度内繰延べ及びグループ一体となって費用削減に取り組んだことや、平成27年8月以降に発電を再開した川内原子力発電所の安定稼働や燃料価格の下落により燃料費が減少したこと、また、収入面において燃料費調整制度による電気料金引下げへの反映が第4四半期以降にずれ込んだことなどから、黒字となった。

 

ア 収支

当第3四半期連結累計期間の連結収支については、収入面では、電気事業において、再エネ特措法交付金は増加したが、燃料費調整の影響による料金単価の低下などにより電灯電力料が減少したことなどから、売上高(営業収益)は前年同四半期に比べ70億円減(△0.5%)の1兆3,467億円、経常収益は29億円減(△0.2%)の1兆3,606億円となった。

一方、支出面では、電気事業において、再生可能エネルギー電源からの購入電力料は増加したが、修繕工事の年度内繰延べ及びグループ一体となって費用削減に取り組んだことや、川内原子力発電所の安定稼働や燃料価格の下落により燃料費が減少したことなどから、経常費用は379億円減(△2.9%)の1兆2,567億円となった。

以上により、経常利益は前年同四半期に比べ349億円増(+50.8%)の1,039億円となった。
 また、平成28年熊本地震に伴う特別損失の計上などにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は326億円増(+62.0%)の853億円となった。

なお、玄海原子力発電所3、4号機は新規制基準への適合性審査が続いており、依然として収益力の本格的な回復には至っていない状況であるため、当社は引き続きグループ一体となって、安全確保・法令遵守・安定供給を前提に、徹底した費用削減に努めるとともに、玄海原子力発電所の早期再稼働に向けた取組みを進めていく。 

 

 

報告セグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりである。

 

 

当第3四半期連結累計期間
(平成28年4月1日から
  平成28年12月31日まで)

前年同四半期比
(%)

金額(百万円)

 電気事業

売 上 高

1,246,323

99.5

営業利益

107,547

139.9

 エネルギー関連事業

売 上 高

122,876

98.5

営業利益

6,256

101.3

 情報通信事業

売 上 高

68,486

105.6

営業利益

5,740

98.1

 その他の事業

売 上 高

18,211

93.7

営業利益

3,458

100.3

 

 (注) 上記の記載金額には消費税等を含んでいない。

 

① 電気事業

販売電力量については、電灯は、6月から10月の気温が前年に対し高めに推移したことによる冷房需要の増加などから、前年同四半期に比べ4.0%の増加となった。また、電力は、一部工場における生産の減少などから、1.2%の減少となった。この結果、総販売電力量は580億5千万kWhとなり、0.5%の増加となった。

一方、供給面については、川内原子力発電所1、2号機の安定稼働に加え、新エネルギー等の増加に対して火力、揚水等の発電設備の総合的な運用を行うことにより、安定した電力を供給することができた。  

業績については、売上高は、再エネ特措法交付金は増加したが、燃料費調整の影響による料金単価の低下などにより電灯電力料が減少したことなどから、前年同四半期に比べ67億円減(△0.5%)の1兆2,463億円となった。一方、営業費用は、再生可能エネルギー電源からの購入電力料は増加したが、修繕工事の年度内繰延べ及びグループ一体となって費用削減に取り組んだことや、川内原子力発電所の安定稼働や燃料価格の下落により燃料費が減少したことなどから、373億円減(△3.2%)の1兆1,387億円となった。以上により、営業利益は、306億円増(+39.9%)の1,075億円となった。

 

② エネルギー関連事業

エネルギー関連事業は、電気設備の建設・保守など電力の安定供給に資する事業、お客さまのエネルギーに関する様々な思いにお応えするため、ガス・LNG販売、再生可能エネルギー、エネルギーサービス事業等を展開している。また、九電グループが培ってきた技術・ノウハウを活かし、海外エネルギー事業の強化や九州域外におけるエネルギー事業の展開などにも取り組んでいる。
 売上高は、海外発電事業の売上増などはあったが、ガス・LNG販売価格の低下による減少などにより、前年同四半期に比べ18億円減(△1.5%)の1,228億円、営業利益は前年同四半期並みの62億円となった。

 

③ 情報通信事業

情報通信事業は、保有する光ファイバ網やデータセンターなどの情報通信事業基盤や事業ノウハウを活用し、データ通信、光ブロードバンド、電気通信工事・保守、情報システム開発、データセンター事業等を展開している。
 売上高は、情報システム開発受託の増加などにより、前年同四半期に比べ36億円増(+5.6%)の684億円、営業利益は、光ブロードバンドサービス拡大に伴う減価償却費の増加などにより、1億円減(△1.9%)の57億円となった。

 

 

④ その他の事業

その他の事業は、不動産、住宅関連サービス、介護事業等を主たる事業とする生活サービス事業と、環境・リサイクル事業を展開している。
 売上高は、不動産販売に係る収入の減少などにより、前年同四半期に比べ12億円減(△6.3%)の182億円、営業利益は、賃貸建物の減価償却費の減少などもあり、前年同四半期並みの34億円となった。

 

当社グループの主たる事業である電気事業においては、通常の営業形態として、売上高は、夏季及び冬季に需要が高まることから、第2・4四半期連結会計期間において大きくなる傾向にあることや、営業費用は、発電所の修繕工事の完了時期による影響を受けることなどから、四半期毎の業績に変動がある。

 

 

 

イ 販売及び生産の状況

当社グループの事業内容は、電気事業が大部分を占め、電気事業以外の事業の販売、生産及び受注の状況は、グループ全体からみて重要性が小さい。また、電気事業以外の事業については、受注生産形態をとらない業種が多いため、生産及び受注の状況を金額あるいは数量で示すことはしていない。このため、以下では、電気事業の販売及び生産の状況を当社個別の実績によって示している。
 なお、当社は通常の営業形態として、夏季及び冬季に需要が高まることから、四半期毎の販売及び生産には季節的変動がある。

 

 

① 販売実績

 

種        別

当第3四半期累計期間

(平成28年4月1日から

平成28年12月31日まで)

前年同四半期比
(%)

販売電力量(百万kWh)

電灯

19,879

104.0

電力

38,169

98.8

合計

58,048

100.5

 

 (注) 百万kWh未満は四捨五入のため、合計の数値が一致しない場合がある。

 

 

② 需給実績

 

種      別

当第3四半期累計期間

(平成28年4月1日から

平成28年12月31日まで)

前年同四半期比
(%)


 

 

 

 

 


 

 水力発電電力量

(百万kWh)

3,945

101.1

 火力発電電力量

(百万kWh)

32,886

96.5

 原子力発電電力量

(百万kWh)

9,846

235.4

 新エネルギー等発電電力量

(百万kWh)

845

95.1





 受電電力量

(百万kWh)

17,703

88.9

 (新エネルギー等再掲)

    (6,563)

(119.0)

 送電電力量

(百万kWh)

△2,886

217.2

 揚水発電所の揚水用電力量

(百万kWh)

△893

183.9

   合     計

(百万kWh)

61,446

100.5

 損失電力量等

(百万kWh)

3,398

99.5

 販売電力量

(百万kWh)

58,048

100.5

 出水率

(%)

119.1

 

 (注) 1 自社の発電電力量は第1四半期会計期間より送電端の数値を記載している。前年同四半期比については、
 前第3四半期累計期間の自社の発電電力量、発受電電力量合計、損失電力量等を現在の記載に合わせて
 算定している。

2 「新エネルギー等」は、太陽光、風力、バイオマス、廃棄物及び地熱の総称である。

3 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。

4 販売電力量の中には自社事業用電力量(96百万kWh、対前年同四半期比105.4%)を含んでいる。

5 出水率は、昭和60年度から平成26年度までの第3四半期累計期間の30か年平均に対する比である。

 

 

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社は、「ずっと先まで、明るくしたい。」をブランド・メッセージとする「九州電力の思い」のもと、責任あるエネルギー事業者として、安定した電力・エネルギーをお客さまにしっかりとお届けすることを使命に、事業活動を進めている。

平成23年3月の福島第一原子力発電所における深刻な事故を契機に、当社においても、全ての原子力発電所が停止し、厳しい収支・財務状況、需給状況が続いていた。

こうした中、平成27年度に、全国に先がけて、川内原子力発電所1、2号機が通常運転に復帰したものの、玄海原子力発電所3、4号機については、新規制基準の適合性審査が続いており、依然として収益力の本格的な回復には至っていない状況である。

また、昨年4月から電力小売の全面自由化が開始され、当社は厳しい競争の時代を迎えている。

このような状況のもと、当社は、平成27年4月に策定した「九州電力グループ中期経営方針」(平成27~31年度)に基づき、玄海原子力発電所の早期再稼働や、あらゆる収支改善対策、小売全面自由化への取組み等に最大限の努力を傾注しており、今後も、この中期経営方針のもと、引き続き、お客さまから信頼され、選ばれ続けるため、グループを挙げて以下の取組みを推進していく。

なお、昨年4月に発生した「平成28年熊本地震」により、当社設備が多大な被害を受けたが、当社としては、電力の安定供給の確保に向け、設備の早期の本格復旧に努めていく。

 

 ① 九州のお客さまのエネルギーに関する様々な思いにお応えする

○ 電力の安定供給の確保

質の高い電気を安定的かつ効率的にお客さまにお届けし続けるという使命を果たすため、電力設備の安全・安定運転を徹底していく。

 原子力発電については、特別点検の実施など、更なる安全性向上のための自主的かつ継続的な取組みを進めていく。また、玄海原子力発電所3、4号機について、一日も早い再稼働を目指すとともに、川内原子力発電所における、故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムに対処するための、特定重大事故等対処施設の設置等についても、国の審査や検査に、グループを挙げて対応していく。 

 また、今後の競争の進展を見据え、競争力と安定性を備えた電源を確保するため、松浦発電所2号機の開発を着実に進めるとともに、燃料トレーディングの実施や上流権益取得などにより、燃料調達における柔軟性の向上と競争力の強化を図っていく。

さらに、将来の環境変化にも柔軟に対応できるよう、原子力、石炭、LNG及び水力・地熱等の再生可能エネルギーによるバランスの取れた供給体制を構築していく。

なお、太陽光など気象条件等による出力変動の大きい再生可能エネルギーについては、電力の安定供給を前提とした上で、導入に努めていく。

 

○ 多様なエネルギーサービスの提供

当社グループ(当社及び連結子会社)の基盤である九州において、「電気をお届けする」会社から「エネルギーサービスを提供する」企業グループとなり、エネルギーに関するお客さまニーズにお応えした様々なサービスの最適な組合せを、ワンストップでお届けしていく。

昨年4月からの電力小売の全面自由化にあたっては、多様化するお客さまのライフスタイルに対応した「新料金プラン」を創設した。

併せて、引き続き当社をお選びいただけるよう、「九電あんしんサポート」など、お客さまが安心して暮らせる毎日をサポートする「新サービス」を展開していく。

また、本年4月から全面自由化されるガス事業についても、これまでの卸供給に加え、小売事業に本格的に参入していく。

 

 

 ② 九電グループの強みを活かして、成長市場で発展していく

○ 海外電気事業の強化

海外電気事業については、2030年時点での発電事業持分出力500万kWを目標としており、これまで蓄積した技術・ノウハウを活かして、現在、インドネシアの北スマトラにおいて、世界最大級の地熱発電所であるサルーラ地熱発電所の建設に取り組んでいる。今後とも、市場の成長性が高いアジアを中心に発電事業を拡大していく。

また、インドにおける高効率石炭火力発電所建設に係る事業性調査や、西アフリカや大洋州など島嶼地域における再生可能エネルギー導入調査など、海外コンサルティングについても、引き続き積極的に展開していく。

 

○ 九州域外における電気事業の展開

九州域外における電気事業については、他社とのアライアンス等により、域外における電源開発にも取り組んでいく。具体的には、出光興産株式会社及び東京ガス株式会社と三社共同で設立した株式会社千葉袖ケ浦エナジーが、石炭火力発電所開発に向けた検討と環境影響評価の手続きを進めている。

また、昨年4月より、子会社の九電みらいエナジー株式会社が関東エリアでの電力販売を実施している。

 

○ 再生可能エネルギー事業の拡大

世界各地で開発・導入が進んでいる再生可能エネルギー事業については、平成27年6月に営業運転を開始した九電みらいエナジー株式会社の菅原バイナリー発電所など、安定供給や環境への影響を考慮しながら、地熱や水力を中心に国内外で積極的に展開していく。

 

 ③ 強固な事業基盤を築く

○ 競争力の源泉となる人材と組織の強化

今後の競争の進展を見据え、情熱を持って変革をリードする人材や、創意工夫を凝らして業務の改善・改革を実践できる人材の育成に取り組んでいく。

また、環境が大きく変化する中においても、スピード感をもって、柔軟に対応できる組織・業務運営体制を構築していく。

なお、本年4月に、送配電事業において、組織構成上、独立性・中立性の高い「社内カンパニー」を導入し、より一層の公平性・透明性の確保を図っていく。さらに、送配電以外の事業分野においても、意思決定の迅速性や柔軟性の確保、及び事業分野ごとの責任体制の明確化を図るため組織改正を実施し、自律的な業務運営を推進する。

 

○ 九電グループ一体となった財務基盤・競争力強化

事業活動全般にわたる徹底した効率化に努め、競争力を強化することで、収支の改善、財務基盤の回復に努めていく。

具体的には、燃料調達価格の低減や、業務委託範囲・内容の見直し、高効率火力発電所の優先運転の徹底による経済的な需給運用等に加え、外部知見を活用した資機材調達改革や、継続的なコスト低減に向けた原価意識の向上及び原価管理の強化に取り組んでいく。

また、競争優位性の構築に向け、グループ一体となった技術開発の推進やこれまで培ってきた技術力・スキルの維持・継承に取り組んでいく。

 

○ 安全・安心の追求

全ての事業活動の基本として、安全・安心を最優先に取り組んでいく。

特に、原子力については、安全への取組みに終わりがないことを強く自覚し、経営トップの強いリーダーシップのもと、「原子力の安全確保」に継続的に取り組む意識を、当社社員の根底にある「電力の安定供給確保」の意識と同様に、当社のDNAとして、グループの隅々にまで定着させていく。

また、地域の皆さまの更なる安心に向け、迅速かつ正確で分かりやすい情報発信を実施するとともに、フェイス・トゥ・フェイスの対話活動を進め、皆さまの声を当社の取組みに反映させていく。

 

 

○ CSR(企業の社会的責任)経営の徹底

法令遵守はもとより、社会から信頼される行動による誠実かつ公正な事業運営を徹底していく。

また、社会とのコミュニケーションを強化し、いただいた声を事業運営に的確に反映していく。併せて、迅速で分かりやすい情報公開を徹底し、事業活動の透明性を高めていく。

さらに、NPOなど地域の皆さまと協働で取り組むボランティア活動「こらぼらQでん」を拡大させるとともに、「九電みらい財団」を設立し、大分県坊ガツル湿原一帯における環境保全活動や当社の水源かん養林を活用した環境教育、地域の団体が行う次世代育成活動の助成を行うなど、地域社会の課題解決に貢献し、ともに発展していく。

 

当社としては、これらの取組みをグループ一体となって進めることにより、持続的な成長を目指すとともに、ステークホルダーの皆さまへの価値提供を果たしていく。

 

(参考)九州電力グループ中期経営方針(平成27~31年度)

○ 2030年のありたい姿


 

○ ありたい姿に向けた3つの戦略の柱


 

○ 成長事業の目標


 

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の当社グループの研究開発費は4,084百万円である。

 

(4) 主要な設備

前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設、除却等について、当第3四半期連結累計期間において完了したものは次のとおりである。

 

新設等

 (電気事業)

 火力

発電所名

出力(千kW)

着工

運転開始

新大分発電所(増設)

459.4[3号系列第4軸]

平成25年7月

平成28年6月

 

 

 変電

変電所名

電圧(kV)

出力(kVA)

着工

運転開始

東九州変電所(増強)

500/220

1,500,000

平成26年9月

平成28年6月