当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはない。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はない。
当第3四半期連結累計期間のわが国経済は、輸出の弱さが続き、製造業を中心に生産の弱さが増しているが、設備投資の増加などにより、緩やかに回復している。九州経済も、生産や輸出で弱めの動きとなっているが、設備投資の増加などにより、総じてみると緩やかに拡大している。
当第3四半期連結累計期間の業績については、松浦発電所2号機の運転開始等に伴う火力発電単価の低下による燃料費の減少などはあったが、卸電力取引の市況低迷などによる他社販売電力料の減少に加え、松浦発電所2号機の運転開始に伴い減価償却費が増加したことや、需給運用上余剰となったLNGの転売において大幅な市況下落に伴い損失が拡大したことなどにより、前年同四半期に比べ減益となった。
ア 収支
当第3四半期連結累計期間の連結収支については、収入面では、国内電気事業において、再エネ特措法交付金の増加はあったものの、他社販売電力料の減少などにより減収となった一方で、ICTサービス事業において増収となったことなどから、売上高(営業収益)は前年同四半期に比べ34億円増(+0.2%)の1兆5,029億円、経常収益は36億円増(+0.2%)の1兆5,161億円となった。
支出面では、国内電気事業において、火力発電単価の低下などによる燃料費の減少はあったものの、減価償却費やLNG転売損失、連結子会社の電力調達費用の増加などにより費用増となったことに加え、ICTサービス事業において費用増となったことなどから、経常費用は299億円増(+2.0%)の1兆5,035億円となった。
以上により、経常利益は前年同四半期に比べ262億円減(△67.6%)の125億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は252億円減(△94.7%)の14億円となった。
報告セグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりである。
(注) 1 上記の記載金額には消費税等を含んでいない。
2 第1四半期連結会計期間より報告セグメントを変更している。
① 国内電気事業
当社個別の小売販売電力量については、夏季の天候不順や12月の気温が平年に比べ高めに推移したことなどから、前年同四半期に比べ2.7%減の519億kWhとなったが、当社グループ合計の小売販売電力量は、九電みらいエナジー株式会社が関東エリアで契約を伸ばしていることなどから、前年同四半期に比べ0.6%増の539億kWhとなった。また、当社個別及び当社グループ合計の卸売販売電力量は前年同四半期に比べ18.1%減の53億kWhとなった。この結果、当社個別の総販売電力量は前年同四半期に比べ4.4%減の572億kWh、当社グループ合計の総販売電力量は前年同四半期に比べ1.4%減の592億kWhとなった。
供給面については、原子力の安定稼働に加え、火力・揚水等の総合的な運用及び国のルールに基づく再エネ出力制御の実施により、安定して電力を供給することができた。
業績については、売上高は、再エネ特措法交付金の増加はあったものの、他社販売電力料の減少などにより、前年同四半期に比べ20億円減(△0.1%)の1兆3,853億円となった。一方、営業費用は、火力発電単価の低下などによる燃料費の減少はあったものの、減価償却費やLNG転売損失、連結子会社の電力調達費用の増加などにより、199億円増(+1.5%)の1兆3,692億円となった。以上により、営業利益は、219億円減(△57.7%)の160億円となった。
② その他エネルギーサービス事業
その他エネルギーサービス事業は、電気設備の建設・保守など電力の安定供給に資する事業、お客さまのエネルギーに関する様々な思いにお応えするため、ガス・LNG販売、再生可能エネルギー事業等を展開している。また、九電グループが培ってきた技術・ノウハウを活かし、海外エネルギー事業の強化などにも取り組んでいる。
売上高は、電気計測機器の取替工事の増加などはあったが、発電所建設・補修工事の減少やLNG販売の減少などにより、前年同四半期に比べ92億円減(△6.6%)の1,319億円、営業利益は、21億円減(△23.7%)の68億円となった。
③ ICTサービス事業
ICTサービス事業は、保有する光ファイバ網やデータセンターなどの情報通信事業基盤や事業ノウハウを活用し、データ通信、光ブロードバンド、電気通信工事・保守、情報システム開発、データセンター事業等を展開している。
売上高は、情報システム開発受託や情報システム機器販売の増加などにより、前年同四半期に比べ52億円増(+7.4%)の758億円、営業利益は、4億円増(+13.5%)の39億円となった。
④ その他の事業
その他の事業は、不動産、有料老人ホーム事業等を展開している。
売上高は、不動産販売の減少などにより、前年同四半期に比べ20億円減(△8.9%)の207億円、営業利益は、11億円減(△24.1%)の37億円となった。
当社グループの主たる事業である国内電気事業においては、通常の営業形態として、売上高は、夏季及び冬季に電力需要が高まることから、第2・4四半期連結会計期間において大きくなる傾向にあることや、営業費用は、発電所の修繕工事の実施時期などによる影響を受けることから、四半期毎の業績に変動がある。
イ 販売及び生産の状況
当社グループの事業内容は、国内電気事業が大部分を占め、国内電気事業以外の事業の販売、生産及び受注の状況は、グループ全体からみて重要性が小さい。また、国内電気事業以外の事業については、受注生産形態をとらない業種が多いため、生産及び受注の状況を金額あるいは数量で示すことはしていない。このため、以下では、販売及び生産の状況を、国内電気事業の大部分を占める当社個別の実績によって示している。
なお、当社は通常の営業形態として、夏季及び冬季に電力需要が高まることから、四半期毎の販売及び生産には季節的変動がある。
(注) 百万kWh未満は四捨五入のため、合計の数値が一致しない場合がある。
(注) 1 百万kWh未満は四捨五入のため、合計の数値が一致しない場合がある。
2 当社グループ合計の販売電力量は、当社及び連結子会社(九電みらいエナジー株式会社)の数値を記載している。
(注) 1 百万kWh未満は四捨五入のため、合計の数値が一致しない場合がある。
2 自社の発電電力量は送電端の数値を記載している。
3 「新エネルギー等」は、太陽光、風力、バイオマス、廃棄物及び地熱の総称である。
4 融通・他社受電電力量は、受電電力量から送電電力量を控除した電力量を記載している。
5 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
6 小売販売電力量の中には自社事業用電力量(111百万kWh、対前年同四半期比97.9%)を含んでいる。
7 出水率は、1988年度から2017年度までの第3四半期累計期間の30か年平均に対する比である。
資産は、原子力安全性向上対策工事等に伴う固定資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,234億円増(+2.6%)の4兆9,174億円となった。
負債は、有利子負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,400億円増(+3.4%)の4兆2,688億円となった。有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ1,722億円増(+5.3%)の3兆3,954億円となった。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上はあったが、配当金の支払などにより、前連結会計年度末に比べ166億円減(△2.5%)の6,486億円となり、自己資本比率は12.6%となった。
当社グループは、「ずっと先まで、明るくしたい。」をブランド・メッセージとする「九電グループの思い」のもと、「低廉で良質なエネルギーをお客さまにお届けすることを通じて、お客さまや地域社会の生活や経済活動を支える」ことを使命に、事業活動を進めている。
昨今の経営環境は、2016年4月の電力小売全面自由化、2017年4月のガス小売全面自由化が開始されたことに加え、本年4月には送配電部門の分社化(法的分離)が予定されているなど、大きな転換期にある。
世界に目を向けると、経済・社会・環境問題などの地球規模の社会的課題の解決を通じて、全ての人々にとって、より良い世界・未来を創り、次世代につなげていこうというESGやSDGsの意識が高まっており、これらを実現するため、企業への期待も大きくなっている。
また、国内においては、人口減少や少子高齢化の進行に加え、人口流出による地域コミュニティ機能の低下など、様々な社会的課題が深刻化しつつある。
こうした中、九州が保有するポテンシャルを活かした地域・社会の持続的発展に向けて、当社グループがどういった貢献ができるかを示し、地域とともに発展・成長していくという私たちの姿勢を発信するため、昨年6月に「九電グループ経営ビジョン2030」を策定した。
今後、この経営ビジョンのもと、全力を挙げて以下の取組みを推進し、お客さまから信頼され、選ばれ続ける企業グループを目指していく。
「九電グループ経営ビジョン2030」
○ 2030年のありたい姿

○ ありたい姿実現に向けた戦略

○ 経営目標

(参考)<九州電力グループ中期経営方針で定めた財務目標(2017年6月公表)>
(連結ベース)
① エネルギーサービス事業の進化
低炭素で持続可能な社会の実現に挑戦し、より豊かで、より快適な生活をお届けする
○ 環境に優しいエネルギーを低廉かつ安定的にお届けし続ける。
「低廉で良質なエネルギーを安定してお客さまにお届けする」という変わらぬ使命を永続的に持ち続け、グループ一体となって、エネルギーの安定供給の責任を果たすとともに、S+3Eの観点から、最適なエネルギーミックスを追求する。
再生可能エネルギーについては、地熱や水力などの開発を積極的に進めるとともに、下関バイオマスエナジー合同会社を設立し、国内最大級の木質専焼バイオマス発電所の開発を進めるなど、安定供給や環境への影響を考慮しながら国内外で積極的に展開していく。
原子力発電については、安全を大前提として、最大限活用するとともに、経営の最重要課題として、特定重大事故等対処施設などの早期完成に向けて、引き続き最大限の努力を傾注するなど、原子力諸課題(安全・安心の追求、使用済燃料貯蔵対策、廃止措置など)に真摯に向き合い、解決していく。
火力発電については、昨年12月に営業運転を開始した松浦発電所2号機(USC※3)など、高効率機の採用等により環境に配慮しつつ、競争力と安定性を備えた電源を活用していく。
また、ESGの視点を重視し、環境にやさしく、利便性に優れた電気の良さや価値を、より多くのお客さまに感じていただくために、あらゆる分野で電化を推進し、九州の低炭素化を図る。
※3 超々臨界圧(USC:Ultra Super Critical):発電に使用する蒸気を高温高圧化することにより、熱効率
を向上させた最新鋭技術の発電方式
○ エネルギー情勢やお客さまニーズの多様化など、環境変化を先取りし、エネルギーサービスを進化させる。
昨年4月には、4基の原子力発電所が再稼働したことと経営効率化の取組状況を反映して、電気料金を値下げするとともに、お客さまのニーズを捉えた「すくすく赤ちゃんプラン」、「IJUターン応援プラン」の2つの料金プランを創設した。今後も、お客さまにお選びいただけるよう、お客さまとの接点を重視した「顔の見える営業」を展開するとともに、低廉な電気料金や魅力ある料金プランの提供など、エネルギーサービスの充実を図ることにより、競争力の強化に取り組む。
九州域外における電気事業については、域外での電力販売による収益拡大に向け、安定・安価な電源確保を目的に、昨年9月に東京ガス株式会社と株式会社千葉袖ケ浦パワーを設立し、LNG火力発電所の開発について、事業性を考慮した検討を進めていく。また、九電みらいエナジー株式会社が実施している関東エリアでの電力販売についても、他社との提携を含め営業強化に努めていく。
海外電気事業については、昨年5月、当社が建設段階から参画している米国のバーズボローガス火力発電プロジェクトが営業運転を開始した。また、同月、タイのエレクトリシティ・ジェネレーティング・パブリック・カンパニー社の経営に参画、11月に米国のウエストモアランドガス火力発電事業に参画した。今後も、参画事業に関するリスク管理機能を強化するとともに、これまでのアジア・米州を中心とした事業展開に加え、欧州・中東・アフリカ地域へも海外事業を拡大していく。
送配電事業については、一層の公平性・透明性・中立性を確保しつつ、保全・運用業務の効率化・高度化などにより、安定供給とコスト低減の両立を実現する。また、電力の安定供給のために実施している太陽光などの出力制御については、出力制御量の最小化に向け、これまでにシステムを開発することにより、九州から本州への再エネ送電可能量拡大に取り組んだ。今後も、再エネの普及や効率的な設備運用を目指し、ネットワーク技術の高度化を推進する。
② 持続可能なコミュニティの共創
九州各県の地場企業として、新たな事業・サービスによる市場の創出を通じて、地域・社会とともに発展していく
○ 地域・社会の課題解決に向けて、挑戦者としてあらゆることに取り組むという姿勢の下、当社グループの強みを活かせる「ICTサービス」、「都市開発・まちづくり」、「インフラサービス」を中心に取り組む。
「都市開発・まちづくり」については、当社が他企業とコンソーシアムを組み、事業権を獲得した福岡市青果市場跡地活用事業をはじめとして、更なる開発を推進していく。また、「インフラサービス」についても、民間委託が進む空港運営事業に取り組んでおり、昨年4月から福岡空港の運営事業を開始したほか、熊本空港でも本年4月からの事業開始に向けて準備を進めるなど、当社グループの強みを活かした事業を展開していく。
また、「ビジネスサポート」や「ライフサポート」にも取り組みつつ、地域特性を踏まえ、「観光関連」や「一次産業関連」などの領域にも挑戦し、九州の更なる成長・活性化に向けてグループ一体となって新たな市場の創出に取り組む。
○ 取組みにあたっては、デジタルトランスフォーメーションを進めるとともに、他企業とのアライアンスを積極的に推進することで、外部の知見を取り入れ、新たな価値を創造する。
③ 経営基盤の強化
経営を支える基盤の強化を図り、グループ一体となって挑戦し、成長し続ける
○ 安全・健康・ダイバーシティを重視した組織風土をつくる。
安全については、当社グループの事業に関わるすべての人たちの安全を守り、その先にある安心と信頼につなげるため、「九電グループ安全行動憲章」を制定しており、憲章に基づく継続的な教育・訓練などを通じて、当社グループが目指す安全の永続的な徹底を図っていく。特に、原子力については、自主的・継続的な安全対策に取り組むとともに、地域の皆さまの安心と信頼を高めていくため、分かりやすい情報発信やフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーション活動を継続していく。また、昨年2月に廃止を決定した玄海原子力発電所2号機についても、今後、1号機と併せて、地域の皆さまとのコミュニケーションを密にしながら、安全を最優先に廃止措置を進めていく。
健康については、「九州電力健康宣言」のもと、従業員の健康保持・増進の取組みを進めるとともに、より一層の労働環境の整備を行い、労働生産性・働きがいの向上に向けた働き方改革に全社を挙げて取り組んでいく。
事業の基盤となる人づくりについては、一人ひとりが能力を最大限に発揮するためのダイバーシティ推進の取組みを進めるとともに、オープンなマインドセットを持ったプロフェショナルな人材を育成する。
○ 働きがいのある職場を永続的に追求する。
風通しの良い組織・風土づくり、日常業務の改善・改革、デジタルトランスフォーメーションなどにより、創造的で付加価値の高い業務を行い、それぞれのライフスタイルにあった働き方で、やりがいを持って活き活きと働くことができる職場を追求する。
○ ステークホルダーからの信頼向上に継続的に取り組む。
当社グループの持続的成長と企業価値の向上に向け、様々な事業活動を行う上での基盤となるコーポレート・ガバナンスの体制構築・強化に継続的に取り組むとともに、CSR(企業の社会的責任)経営と迅速で分かりやすい情報発信を徹底していく。さらに、国際社会全体の「持続可能な開発目標」であるSDGsをはじめ、社会から解決を求められている課題について、九州地域の交流人口拡大につながる地域活性化への貢献や、九州の豊かな自然を守る環境活動の実施などに、当社グループの経営資源を活用し、積極的に取り組んでいく。
また、組織づくりについては、社会のニーズや経営環境変化に迅速・柔軟に対応できる組織・業務運営体制の構築を目指していく。
加えて、株主価値向上に向け、財務体質を改善し、株主還元の更なる充実に取り組むとともに、ビジネスパートナーとの強固な信頼関係をベースにグループ一体となって事業を推進する。
当社グループとしては、これらの取組みを通じて、ステークホルダーの皆さまへの価値提供を果たしていく。
(文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において、当社グループが判断したもの)
当第3四半期連結累計期間の当社グループの研究開発費は3,752百万円である。
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設・除却等について、当第3四半期連結累計期間において、運転を開始した設備、廃止した設備は次のとおりである。
新設等
(国内電気事業)
火力
除却等
(国内電気事業)
火力
原子力
該当事項なし。