(1) 業績
平成28年度の沖縄県経済は、個人消費や観光が堅調で、建設関連も公共投資が底堅く推移していることなどにより、全体として拡大した。
このような状況の中で、当連結会計年度の収支については、売上高(営業収益)は、前連結会計年度に比べ22億67百万円減(1.2%減)の1,799億97百万円となった。
営業費用は前連結会計年度に比べ41億54百万円減(2.4%減)の1,708億70百万円となった。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ18億87百万円増(26.1%増)の91億26百万円となった。
また、営業外損益を含めた経常利益は22億91百万円増(43.8%増)の75億21百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は18億69百万円増(51.3%増)の55億17百万円となった。
セグメントの業績は次のとおりである。
①電気事業
当連結会計年度の販売電力量は、電灯については、お客さま数の増加に加え、気温が前年に比べ高めに推移したことによる需要増により、前連結会計年度を上回った。また、電力については、他事業者への契約切り替えの影響はあったものの、気温が前年に比べ高めに推移したことによる需要増などから、前連結会計年度並みとなった。
この結果、電灯と電力の販売電力量合計は、前連結会計年度に比べ2.1%増の78億13百万kWhとなった。
収支については、販売電力量の増加があったものの、燃料費調整制度の影響により、売上高は前連結会計年度に比べ19億45百万円減(1.1%減)の1,723億40百万円となった。
一方、営業費用は、修繕費が増加したものの、燃料費が減少したことから、前連結会計年度に比べ34億61百万円減(2.1%減)の1,652億27百万円となった。
この結果、営業利益は15億15百万円増(27.1%増)の71億12百万円となった。
②その他
その他の収支については、電気事業向け工事の受注増やガス供給事業の売上増などにより、売上高は前連結会計年度に比べ9億99百万円増(2.4%増)の433億59百万円、営業費用は前連結会計年度に比べ8億11百万円増(2.0%増)の412億90百万円となった。
この結果、営業利益は1億88百万円増(10.0%増)の20億69百万円となった。
(注)上記の記載金額には消費税等を含んでいない。
(2) キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
たな卸資産の増減額の減少などにより、前連結会計年度に比べ19億67百万円減(5.8%減)の319億7百万円の収入となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投融資の回収による収入の減少などにより、前連結会計年度に比べ26億99百万円増(15.8%増)の197億95百万円の支出となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
有利子負債の返済などにより、126億26百万円の支出となった。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ5億13百万円減(4.1%減)の121億26百万円となった。
当社グループの主たる事業である電気事業セグメントのみを記載している。
(1)需給実績
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種別 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
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発受電電力量 |
|
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自社火力発電電力量(千kWh) |
6,490,117 |
104.5 |
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自社新エネルギー発電電力量(千kWh) |
1,948 |
101.5 |
|
他社受電電力量(千kWh) |
1,616,856 |
91.1 |
|
揚水発電所の揚水用電力量(千kWh) |
- |
- |
|
合計(千kWh) |
8,108,921 |
101.6 |
|
損失電力量(千kWh) |
296,224 |
88.4 |
|
販売電力量(千kWh) |
7,812,697 |
102.1 |
(注)1.自社の発電電力量は、当連結会計年度より送電端の電力量を記載しており、対前年同期比は、
前連結会計年度を送電端に組み替えたうえで算定している。
2.販売電力量の中には、建設工事用電力及び事業用電力(12,179千kWh)を含んでいる。
(2)販売実績
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種別 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
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販売電力量 (百万kWh) |
電灯 |
3,115 |
105.5 |
|
電力 |
4,698 |
100.1 |
|
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計 |
7,813 |
102.1 |
|
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料金収入 (百万円) |
電灯 |
73,486 |
101.0 |
|
電力 |
84,484 |
94.7 |
|
|
計 |
157,971 |
97.5 |
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(注)上記料金には、消費税等は含まれていない。
(3)資材の状況
石炭、燃料油及びLNGの受払状況
|
区分 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
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期首在庫量 |
当期受入 |
当期払出 |
期末在庫量 |
期首在庫量 |
当期受入 |
当期払出 |
期末在庫量 |
|
|
石炭(t) |
155,934 |
1,717,877 |
1,640,751 |
233,060 |
233,060 |
1,624,553 |
1,645,876 |
211,737 |
|
重油(kl) |
69,386 |
264,370 |
273,170 |
60,586 |
60,586 |
262,750 |
254,642 |
68,694 |
|
軽油(kl) |
1,028 |
1,037 |
1,156 |
909 |
909 |
1,003 |
1,105 |
807 |
|
灯油(kl) |
6,707 |
9,166 |
11,002 |
4,871 |
4,871 |
19,898 |
21,162 |
3,607 |
|
LNG(t) |
67,200 |
251,813 |
246,161 |
72,852 |
72,852 |
264,618 |
279,482 |
57,988 |
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)当社グループの目指すべき姿及び経営の基本的方向性
当社グループは、「総合エネルギー事業をコアとして、ビジネス・生活サポートを通した新しい価値の創造を目指し、地域に生き、共に発展する一体感のある企業グループ」を目指していく。経営の基本的方向性として、「お客さまのニーズを探求し、満足度の向上に尽くす」「地域社会の良き企業市民として社会的責任を果たす」「人を育み、人を大切にする」「効率的事業運営と戦略的投資を通じて持続的成長を図る」の4つを位置付けている。
(2)中長期的な経営戦略
グループの中心である電気事業においては、電力システム改革を契機に、沖縄県内においても新電力が参入し、本格的な競争時代を迎えている。
このような状況の下、当社グループの目指すべき姿の実現に向け、『沖電グループの中長期成長戦略』を策定し、様々な経営課題の解決や財務目標の達成に向け、グループ一丸となって果敢に挑戦していく。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、平成28年4月に策定した『沖電グループの中長期成長戦略』において、収益性及び資本効率の向上に係る財務目標を、以下のとおり設定している。
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平成32年度 |
平成37年度 |
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経常利益 |
90億円以上 |
120億円以上 |
|
ROE[自己資本当期純利益率] ※ |
4%以上 |
5%以上 |
|
自己資本比率 |
30%台維持 |
30%台維持 |
※ROE = 親会社株主に帰属する当期純利益 ÷ 自己資本〔期首・期末平均〕
(4)経営環境及び対処すべき課題
電力需要については、省エネの進展等により当社電力需要の伸びの鈍化が見込まれる一方、大規模都市開発計画などで新たなエネルギー需要が期待される。地場の企業としてこれまで成熟させてきた当社グループの強みを最大限に活かし、総合エネルギーサービスの積極的な展開およびオール電化の強力な推進により、電気とガスの更なる販売拡大を図っていく。
コスト面においては、これまでの既成概念にとらわれない抜本的なコスト低減策や業務効率化策を検討・実施していく。
地球温暖化対策については、国のエネルギーミックス決定を踏まえ、CO2排出抑制目標の達成に向けて電気事業全体で取り組んでいくこととしている。当社において最も有力な手段である液化天然ガス(LNG)を燃料とした吉の浦火力発電所の着実な運用を通して、低炭素社会の実現に向けて取り組んでいく。
台風時における早期復旧に向けた対策や、地震・津波等の自然災害に強い設備形成など、防災・減災意識を高めた事業運営および設備管理を徹底し、災害対策の強化に取り組んでいく。
無事故無災害に向けた取り組みは、企業が事業活動を行う上で最も基本的な責務として、最大限の努力をもって徹底されるべきものである。「安全」は経営の根幹であり、最優先事項であることを強く認識し、グループ・協力会社一体となって、安全文化の浸透や安全管理の徹底に努めるとともに、当たり前のことを一つひとつ丁寧に積み重ね、エネルギーの安定供給という使命を果たしていく。
また、従業員の健康を確保し、仕事と生活の調和を図るため、長時間労働の防止等、適正な労働時間管理にも徹底して取り組んでいく。
電気事業以外の事業は、グループ社員一人ひとりが、果たすべき使命と役割を強く認識し、当社グループのコア事業である総合エネルギー事業に取り組んでいくとともに、各事業の自律的な発展に向けて、グループ外売上の拡大および収益性、資本効率の向上に資する施策の検討について取り組んでいく。また、これまでの既成概念にとらわれない抜本的なコスト低減や業務効率化に取り組んでいく。
当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがある。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)電気事業制度改革について
平成28年4月より、沖縄地域についても本土と同様、小売全面自由化が実施されている。なお、平成32年4月には送配電部門の一層の中立化を図るための法的分離が予定されているが、当社は小売電気事業、発電事業を営むことができる「認可一般送配電事業者」に位置付けられることで、引き続き発送電一貫体制を維持することになる。
これら電力システム改革の動向により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(2)環境問題への対応について
当社は環境問題を経営の最重要課題の一つに位置付け、これまで様々な取り組みを行っており、今後とも、低炭素社会の実現に取り組んでいく。
今後環境規制の強化などの動向によっては、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(3)電気事業以外の事業について
当社グループは、電気事業を核として建設業、IT関連事業、不動産業、ガス供給事業、再エネ事業等の事業を展開している。
当社グループの業績は、他事業者との競合の進展など事業環境の変化により、影響を受ける可能性がある。
(4)販売電力量の変動について
当社グループの中核事業である電気事業において、販売電力量は気象状況(気温や台風等)や景気動向、省エネルギーの進展、他業者との競争状況などによって変動することから、当社グループの業績はそれらの状況により影響を受ける可能性がある。
(5)燃料価格の変動について
当社グループの電気事業における主要な火力燃料は、石炭・重油・LNGであるため、燃料価格及び外国為替相場等の動向によって燃料費は変動する。
燃料価格及び外国為替相場の変動を電気料金へ反映させる「燃料費調整制度」があるが、燃料価格等が著しく変動した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(6)金融市場の動向について
当社グループの有利子負債残高は、平成29年3月末時点で1,797億円であり、今後の市場金利動向や格付けの変更による調達金利の変動により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
ただし、有利子負債残高の大部分を固定金利で調達していることから、金利変動による業績への影響は限定的と考えられる。
また、当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されている。割引率や運用利回りの変動により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(7)沖縄振興特別措置法等に基づく特別措置について
当社は、沖縄振興特別措置法により、沖縄における電気の安定的かつ適正な供給を確保するため、資金の確保等に関する特別措置を受けており、これと併せて、沖縄振興開発金融公庫法、同業務方法書等に基づき同公庫から最優遇金利による融資を受けている。
また、当社は、税法上の特別措置(固定資産税の軽減、石炭およびLNGに係わる石油石炭税の免除)を受けているが、これによる特別措置額は、お客さまに還元されている。
当該制度が撤廃された場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(8)自然災害・トラブルの発生について
当社グループは、お客さまに電力を安定的に供給するため、設備の点検・修繕を計画的に実施し、設備の信頼性維持・向上に努めている。
しかしながら、大規模な地震・津波・台風等の自然災害や設備事故等のトラブルが発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(9)個人情報の流出について
当社グループが事業を行うために取得・管理しているお客さまの個人情報については、充分な対策を講じているが、万が一、外部流出により問題が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
該当事項はない。
当社グループの研究開発活動は、電気事業に関わる分野を中心に、主として当社が担当し実施している。
研究開発は、良質な電気の安定供給や地球環境との調和等、持続的成長を図る研究を推進しつつ、新技術調査研究等新しい価値の創造を目指し行っている。
研究の実施にあたっては、限られた資源を有効に活用するとともに、公的研究機関をはじめ、電気事業者各社、(一財)電力中央研究所等、社外機関と積極的に情報交換・協調・連携を図り、国等の補助金の活用や他研究機関との共同研究を行うこと等により、より効率的かつ効果的な研究開発を目指している。
当連結会計年度における研究開発費の総額は671百万円となる。
主要研究開発は次のとおりである。
(1) 持続的成長を図る研究の推進
①良質な電気の安定供給を目指した研究
・災害に強い電力システム構築に関する調査
・日射量推定・予測に関する研究 等
②地球環境との調和を目指した研究
・再生可能エネルギー導入拡大に係る系統安定化技術の実証研究
・宮古島メガソーラー実証研究
・CO2固定化調査研究 等
(2) 新しい価値の創造を目指した新技術等への挑戦
・新技術調査研究
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりである。
(1) 経営成績の分析
セグメントの業績に関する数値については、セグメント間の内部取引消去前で記載している。
①売上高
当連結会計年度の販売電力量は、電灯については、お客さま数の増加に加え、気温が前年に比べ高めに推移したことによる需要増により、前連結会計年度を上回った。また、電力については、他事業者への契約切り替えの影響はあったものの、気温が前年に比べ高めに推移したことによる需要増などから、前連結会計年度並みとなった。
この結果、電灯と電力の販売電力量合計は、前連結会計年度に比べ2.1%増の78億13百万kWhとなった。
電気事業の売上高は、販売電力量の増加があったものの、燃料費調整制度の影響により、前連結会計年度に比べ19億45百万円減(1.1%減)の1,723億40百万円となった。
その他の売上高は、電気事業向け工事の受注増やガス供給事業の売上増などにより、前連結会計年度に比べ9億99百万円増(2.4%増)の433億59百万円となった。
電気事業とその他の売上高の合計(セグメント間の内部取引消去前)は、前連結会計年度に比べ9億46百万円減(0.4%減)の2,157億円となった。
一方セグメント間の内部取引については、前連結会計年度に比べ13億21百万円増(3.8%増)の357億2百万円となった。
この結果、セグメント間の内部取引を消去した売上高は、22億67百万円減(1.2%減)の1,799億97百万円となった。
②営業利益
電気事業の営業費用は、修繕費が増加したものの、燃料費が減少したことから、前連結会計年度に比べ34億61百万円減(2.1%減)の1,652億27百万円となった。
その他の営業費用は、前連結会計年度に比べ8億11百万円増(2.0%増)の412億90百万円となった。
売上高から営業費用を差し引いた営業利益は、電気事業が前連結会計年度に比べ15億15百万円増(27.1%増)の71億12百万円、その他が前連結会計年度に比べ1億88百万円増(10.0%増)の20億69百万円となった。
電気事業とその他の営業利益の合計(セグメント間の内部取引消去前)は、前連結会計年度に比べ17億4百万円増(22.8%増)の91億81百万円となった。
この結果、セグメント間の内部取引を消去した営業利益は18億87百万円増(26.1%増)の91億26百万円となった。
③経常利益
経常利益は、前連結会計年度に比べ22億91百万円増(43.8%増)の75億21百万円となった。
④親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ18億69百万円増(51.3%増)の55億17百万円となった。
(2) 財政状態の分析
①資産・負債・純資産
資産については、固定資産の減価償却に伴う減少などにより、前連結会計年度末に比べ96億23百万円減(2.3%減)の4,002億37百万円となった。
負債については、有利子負債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ148億73百万円減(5.7%減)の2,468億76百万円となった。
純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ52億49百万円増(3.5%増)の1,533億61百万円となった。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.2ポイント増の38.1%となった。
②キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の増減額の減少などにより、前連結会計年度に比べ19億67百万円減(5.8%減)の319億7百万円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投融資の回収による収入の減少などにより、前連結会計年度に比べ26億99百万円増(15.8%増)の197億95百万円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の返済などにより、126億26百万円の支出となった。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ5億13百万円減(4.1%減)の121億26百万円となった。