文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
当社グループは、「総合エネルギー事業をコアとして、ビジネス・生活サポートを通して新しい価値の創造を目指し、地域に生き、共に発展する一体感のある企業グループ」として、持続可能な社会の実現に貢献するため、様々な取り組みを推進している。経営の基本的方向性として、「エネルギーの安定供給に尽くす」「カーボンニュートラルに積極果敢に挑戦する」「お客さまの多様なニーズに対応し、満足度の向上に尽くす」「地域社会の良き企業市民として社会的責任を果たす」「人を育み、人を大切にする」「積極的な事業展開と不断の経営効率化を通じて持続的成長を図る」の6つを位置付けている。
2025年度財務目標の達成に向けた具体的な計画と、2050年カーボンニュートラル実現に向けた長期的な計画として2022年3月に『おきでんグループ中期経営計画2025』を策定している。本計画では、当社グループを取り巻く経営環境の変化や、県内のエネルギー市場における厳しい環境下においても、当社グループが強固な経営基盤を構築し、将来にわたり持続的な成長を成し遂げていくための経営の方向性をとりまとめ、業務効率化とビジネス連携によって新たな価値の創造・競争力の強化を図る「おきでん.COM」の考え方のもと、「トップラインの拡大」、「攻めの効率化」、「カーボンニュートラルへの挑戦」の3つの方向性を推進することで、お客さまにエネルギープラスαの新たな価値を提供していく。
今後も当社グループが持続的に成長発展していけるよう、様々な経営課題の解決や財務目標の達成、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、グループ一丸となって果敢に挑戦していく。
当社グループは、収益性及び資本効率の向上に係る財務目標を、以下のとおり設定している。2022年3月の計画策定時から経営環境の変化が非常に大きく、2023年度の黒字転換以降、財務基盤の回復は進んでいるものの、いまだ回復途上である。目標に近づけるよう「超・攻めの効率化」等の取り組みを推進し、「持続的な成長」および「企業価値向上」を目指していく。
※1 ROE = 親会社株主に帰属する当期純利益 ÷ 自己資本〔期首・期末平均〕
※2 将来的には30%を目指していく。
当社グループを取り巻く環境について、燃料価格の高騰基調は収束しつつあるものの、需給バランスは引き続きタイトな状況である。国際エネルギー市場の混乱もあり、価格の先行きは不透明であるため、引き続き動向を注視する必要がある。
こうした中で、当社は、社員一人ひとりが自らに限界を設けることなく「超・攻めの効率化」に"Challenge"していく。変革を一過性のものとせず、将来において持続的に成長していくための基盤とすべく、グループ一丸となって取り組んでいく。
[おきでんPXプロジェクトの取り組み]
喫緊の課題である物価高対策として、「調達力」を抜本的に強化すべく、組織横断的なプロジェクトチーム「おきでんPXプロジェクト」を2025年1月に立ち上げた。本プロジェクトにおいて、調達活動の変革・コストの最適化・生産性の向上・更なるスキル向上に取り組んでいく。さらに、自ら工夫して仕事のやり方を変える「超・攻めの効率化」と、DXの更なる推進による業務効率化により、前例にとらわれない変革に取り組んでいく。
[エネルギーの安定供給に向けて]
エネルギーの安定供給は当社の基本的使命である。供給設備の点検や保全の重要性を再認識するとともに、自然災害やサイバー攻撃などに備えて、日頃から訓練や対策を実施することで、良質なエネルギーの安定供給に向けて全力を尽くす。加えて、災害時における迅速な復旧に向けては、引き続き自治体との連携強化にも取り組んでいく。
[カーボンニュートラル、海外事業への挑戦]
カーボンニュートラルに向けた取り組みについて、当社グループが提供する「かりーるーふ(PV-TPO事業※)」の更なる展開により、お客さまの脱炭素化に貢献していく。また、域外・海外では初の発電・小売事業として、2025年度からパラオ共和国においてPV-TPO事業を開始する予定である。このほか海外の島しょ国において脱炭素化に向けたロードマップ支援に取り組むなど、沖縄エリアにおける再生可能エネルギー導入の取り組みから得た知見や系統安定化技術を活かして、脱炭素化および事業領域の拡大に取り組んでいく。
※太陽光発電設備と蓄電池を無償で設置し、発電した電気をお客さまに販売するサービス
[エネルギー政策への対応]
2025年2月、「第7次エネルギー基本計画」および「GX2040ビジョン」が閣議決定された。当社は、これらのエネルギー政策やGX推進の方向性を踏まえつつ、沖縄エリアにおける「S+3E※」の実現に向けて取り組んでいく。
※エネルギー政策の基本方針として、安全性(Safety)を大前提に、安定供給(Energy Security)、
経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合(Environment)を同時に実現する考え方
[沖縄県の成長ポテンシャルへの関与]
沖縄県においては、2025年にテーマパークのジャングリア沖縄開業、2026年に首里城の復元が予定されるなど、入域観光客数は今後も堅調に推移することが期待される。さらには、空港機能の拡充と基地返還跡地の開発を連動させたGW2050 PROJECTSの検討が進められている。当社グループは、これからの沖縄県の成長ポテンシャルに積極的に関与することで、グループ全体の企業価値向上に繋げていく。
※当社グループの中期経営計画および統合報告書の詳細は以下を参照。
「おきでんグループ中期経営計画2025」
https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/ir/management/plan_2025.pdf
「おきでんグループ統合報告書2024」
https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/active/csr/new/2024/report2024_01.pdf
「2025年度経営方針」
https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/ir/management/2025-manage_all.pdf
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)サステナビリティに関する考え方及び取組
当社は取り巻く経営環境のもと、経営理念に基づき経営上の様々な課題を認識し、その解決や目指すべき姿の実現に向けて策定した方針や戦略に基づき日々事業活動を行っている。
事業活動を通じたサステナビリティに関する様々な取り組みについては、取締役会や各種委員会などにおいて、審議・決定を行っている。また、様々なリスクに対しては、社内における「リスクマネジメント基本要領」に基づき、各部門においてリスク特定、分析、評価を行った上で、整備した対応マニュアル等の有効性を評価し、必要に応じて制改定を行っている。その取り組み状況と顕在化したリスクへの対応については、執行役員会にて報告している。
更に、ステークホルダーとの対話などにより得られた当社への期待や要望などについては、経営層も含めて適宜把握することで、日々取り組みにおける改善を行っている。
今後も「地域とともに、地域のために」のコーポレートスローガンのもと、社会的責任を果たしながら新たな価値を創造することで、持続可能な社会の実現に貢献していく。
(2)経営上の重要課題(マテリアリティ)
当社は、目指すべき姿の実現に向けて、経営理念やグループビジョン、取り巻く経営環境などを踏まえた「経営上の重要課題(マテリアリティ)」を特定した。
その解決に向けて、「おきでんグループ中期経営計画2025」に基づき、持続的な企業価値向上と社会課題の解決の両立に向けた取り組みを推進している。
※マテリアリティ詳細は「
「おきでんグループ統合報告書2024」
https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/active/csr/new/2024/report2024_01.pdf
「2025経営方針」
https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/ir/management/2025-manage_all.pdf


(3)気候変動等に対する取組
当社では、気候変動が事業にもたらすリスクと機会に適切に対応し、企業価値の向上に努めるとともに、ステークホルダーの皆さまとともに持続的発展が可能な社会の実現に貢献すべく、TCFD提言の枠組みに基づいた情報開示を推進している。
※気候変動等に対する取組事項は「おきでんグループ統合報告書2024」掲載ベースで記載しており、関係データは2023年度実績に基づくものである。
※なお、この中で記載する将来情報は、不確実な要素が多いなか、気候関連シナリオ等を参照し、当社として考え得る事象・影響度を整理したものであり、将来見通しを示したものではない。
①ガバナンス
気候変動への対応を重要な経営課題と位置づけ、社長を委員長とする「カーボンニュートラル推進委員会」を定期的に開催し、気候変動に係る諸施策および諸問題について審議し、取り組み等の改善・充実化を図っている。審議結果ならびに管理状況については取締役会に報告するほか、気候変動に関する重要課題が発生する際には適宜報告し、確認を受けることとしている。
「カーボンニュートラル推進委員会」で審議した重点取組み方針は経営計画、経営方針に反映され、取締役会にて審議、決定することとし、各事業部門は事業計画の執行状況を取締役会に報告している。

②リスク管理
リスク管理については、毎年、リスクの未然防止およびリスク発生時の迅速な対応を目的にリスクマネジメントの状況を確認している。また気候変動リスクを含めた業務上や財務上のリスクについては別途、関連部門と調整の上、確認を行っている。特に、設備保有部門で気候変動に伴い発生する物理的なリスクを重要なリスクと想定しており、設備保護、従業員の安全確保の観点から評価している。リスク対応マニュアルなどの規定文書を定めるとともに、台風や津波などに起因する災害を想定した訓練を行う等、リスク発生に備えるとともに、定期的に防災計画の有効性の評価・分析、リスク低減に向けた対応策等を検討し、適切に対応している。リスクマネジメントの状況については、トップマネジメントへ適宜報告している。
③戦略
[シナリオの参照]
将来の気候変動に係るリスク・機会を把握するため、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)などが示す複数の気候関連シナリオなどを参照し、気温上昇を2℃以下に抑えるために必要な対策が講じられる場合の「2℃シナリオ」、2℃シナリオよりさらに厳しい対策が求められる「1.5℃シナリオ」、現状を上回る気候変動対策を取らず低炭素化が進まない「4℃シナリオ」を参照し、気候関連リスクと機会について考え得る事象を整理している。
※気候シナリオ参照の詳細は「
「おきでんグループ統合報告書2024」
https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/active/csr/new/2024/report2024_01.pdf
[気候変動に係るリスクと機会の整理]
気候変動に係る主なリスクと機会について下表のとおり分類した。


※発現時期について、「短中期は2030年まで」、「長期は2050年まで」とした。
※影響度について、「大:事業が停止、もしくは大幅に縮小または拡大するほどの影響」、「中:事業の一部に影響」、「小:軽微な影響」とした。
※本表の記載は、不確実な要素が多いなか、当社として考え得る事象・影響度を整理したものであり、将来見通しを示したものではない。
④指標と目標
当社は、2020年12月に「沖縄電力ゼロエミッションへの取り組み~2050 CO2 排出ネットゼロを目指して~」を公表し、今後30年間を見据えたロードマップに基づき「再エネ主力化」、「火力電源のCO2 排出削減」の2つの柱に基づく施策を推進している。
2022年10月には、従来の目標(▲26%)から深掘りした『2030年度▲30%(2005年度比)』 を野心的な目標として目指すこととし、ロードマップを更新した。
ロードマップに示した各種カーボンニュートラルに向けた施策の取り組みを含めた最大限の努力をもって「沖縄エリアのジャスト・トランジション」を加速していく。
・2030年度にCO2排出量を2005年度比30%削減
・2030年度に再エネ導入+10万kW
※「沖縄エリアのジャスト・トランジション」、「2030年度 野心的な目標の深掘り」、「2050 CO2 排出ネットゼロに向けた取り組み ロードマップ」については「
[GHG排出量]
サプライチェーンを通じた2023年度温室効果ガス排出量(スコープ1,2,3)については、「
「おきでんグループ統合報告書2024」
https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/active/csr/new/2024/report2024_01.pdf
(4)人財戦略の策定
当社は、人財戦略を策定し、当戦略における3つの方向性(環境、個、組織)に基づく施策を展開することで、多様な人財がイキイキと働くことができる職場づくりを推進するとともに、「社員力・組織力」の向上を図り、経営目標達成を目指していく。
「環境をつくる」では、社員と組織がそのパフォーマンスを最大限発揮するための仕組みを構築し、「個をつくる」では、社員の成長意欲を喚起し「行動変容」が促され、価値「創造」が加速化する仕組みを構築、「組織をつくる」では、「個」の能力を最大化させるために価値「共創」の仕組みを構築していく。
これら3つの方向性を有機的に連携させながら人的資本経営を展開していく。
[人財戦略の全体図(概念図)]

(参考リンク)
「
https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/news_release/2023/231114.pdf
「
https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/ir/management/plan_2025.pdf
(5)多様性の確保についての考え方
当社は、性別に関係なく、社員が能力を発揮しながら活躍できる環境の整備に取り組む方針としている。
女性の中核人財への登用について、女性が管理職として活躍できる雇用環境の整備を行うための行動計画を策定し、管理職に占める女性比率を2026年3月末までに2019年度の1.5倍とする目標を設定している(2024年度にて達成:1.65倍)。
(管理職に占める女性労働者の割合)
2020.3月末(実績) 3.8%
2025.3月末(実績) 6.3%
また、技術採用者に占める女性割合について、人財戦略にてKPIを20%に設定している(2025年度入社にて達成:20.8%)。
(技術採用者に占める女性労働者の割合)
2023年度入社 5.9%
2024年度入社 5.9%
2025年度入社 20.8%
(参考リンク)
「
https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/corporate/employer/210401.pdf
「
https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/news_release/2023/231114.pdf
(6)安全・健康両面の保持増進
当社の事業運営に関わる全ての者の「安全」が最優先事項であることを強く認識し、安全確保の徹底に努めている。
「従業員の健康は、経営の根幹であり会社にとってかけがえのない貴重な財産」という方針の下、従業員が心身ともに健康で意欲と夢をもって働くことで、個々の生活や仕事の質を高め、企業生産性や価値向上に繋げることを目的に様々な健康施策を実施し、従業員一人ひとりが自らの健康づくりに主体的に取り組めるよう、「健康経営」を推進している。
当社では、経営トップである代表取締役社長を健康経営推進の最高責任者とし、健康経営推進責任者の担当執行役員と事務局である総務部安全健康グループが産業医と連携して、安全衛生委員会等によりPDCAサイクルを回し、健康保険組合と相互協力しながら、日々の健康経営推進施策に取り組んでいる。今後も、従業員とその家族の健康保持・増進とともに、働きやすい従業員の職場環境づくりに努めていく。
[健康経営の体制図]

(参考リンク)
「健康経営の取り組み」の詳細
当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがある。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
電力システム改革については、電力広域的運営推進機関の設置、小売全面自由化に続き、2020年4月には送配電部門の一層の中立化を図るための法的分離が実施されているが、当社は小売電気事業、発電事業を営むことができる「認可一般送配電事業者」に位置付けられることにより、引き続き発送電一貫体制を維持している。
一方、国のエネルギー政策やそれに伴う電気事業に係る制度変更、環境規制の強化などの動向によって、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
当社グループは、総合エネルギー事業をコアに、建設・不動産業、情報通信業、生活・ビジネスサポート事業を展開している。
当社グループの業績は、他事業者との競合の進展など事業環境の変化により、影響を受ける可能性がある。
当社グループの中核事業である電気事業において、販売電力量は気象状況(気温や台風等)や景気動向、省エネルギーの進展、他事業者との競争状況などによって変動することから、当社グループの業績はそれらの状況により影響を受ける可能性がある。
電気事業における主要な火力燃料は、石炭・重油・LNGであるため、燃料価格及び外国為替相場等の変動により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
ただし、バランスのとれた電源構成を目指すこと等によって燃料価格変動のリスク分散に努めている。
燃料価格及び外国為替相場の変動を電気料金へ反映させる「燃料費調整制度」については、当社グループの業績への影響を一定程度緩和しているものの、燃料価格等の著しい変動を全て織り込むことができない場合がある。
当社グループの有利子負債残高は、2025年3月末時点で3,101億円であり、今後の市場金利動向や格付けの変更による調達金利の変動により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
ただし、有利子負債残高の大部分を固定金利で調達していることから、金利変動による業績への影響は限定的と考えられる。
また、当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されている。割引率や運用利回りの変動により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
当社は、沖縄振興特別措置法により、沖縄における電気の安定的かつ適正な供給を確保するため、資金の確保等に関する特別措置を受けており、沖縄振興開発金融公庫から低金利による融資を受けている。
また、当社は、税法上の特別措置(固定資産税の軽減、石炭およびLNGに係る石油石炭税の免除)を受けているが、これによる特別措置額は、お客さまに還元されている。
当該制度が撤廃された場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
当社グループは、大規模な地震・津波、台風等の自然災害による設備被害や設備事故等のトラブルが発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
このような自然災害・トラブル発生のリスクを軽減するため、設備の点検・修繕・改良を計画的に実施し、設備の信頼性維持・向上に取り組み、エネルギーの安定供給に努めている。
また、被災時の早期復旧に備え、大規模地震・津波等により電力設備等が甚大な被害を受けたとの想定のもと、全社規模での総合防災訓練の実施および行政機関が実施している防災訓練にも参加している。
サイバー攻撃による被害が発生した場合、電力の供給支障、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、対応に要する費用や損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
当該リスクに対しては、サイバー攻撃を早期検出・対応するための仕組みや体制の整備、セキュリティ教育や訓練の実施及び他事業者や関係機関との情報共有など、組織的・人的・技術的対策を推進し、サイバーリスクの低減に努めている。
なお、リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、リスクの性質上、合理的に予見することが困難であるため、記載していない。
当社グループは、事業を行うためにお客さまの個人情報(特定個人情報を含む)を取得・管理しており、漏えい事故が発生した場合には、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
当該リスクに対しては、以下の対策を図っている。
・個人情報の保護に関する基本方針(プライバシーポリシー)を定め従業員へ周知するとともに、ホームページへの掲載を行っている。
・適切な情報管理を行うために、個人情報保護に関する規定を制定し、社内体制を整備している。
・eラーニングによる研修の実施や、個人情報保護上問題のある事例の社内報への掲載等を通して個人情報保護に対する理解度の向上や意識の高揚に努めている。
なお、リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、リスクの性質上、合理的に予見することが困難であるため、記載していない。
企業倫理に反する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
当該リスクに対しては、以下の対応を図っている。
・社長を委員長とする「企業倫理委員会」を設置し、企業倫理に関する規程の制定や、企業倫理に関する活動計画の策定などを行っている。
・企業倫理に関する活動として、社長メッセージの発信や、法令遵守・企業倫理に関する講話等の開催、問題事例の社内報への掲載、協力企業に対する啓発活動等を実施し、企業倫理の徹底に努めている。
・また、企業倫理に関する事項の通報・相談を受け付ける「企業倫理相談窓口」を社内・社外に設置し、役職員に対する継続した周知活動を行うとともに、通報者の保護の徹底を図っている。
なお、リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、リスクの性質上、合理的に予見することが困難であるため、記載していない。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
2024年度の沖縄県経済は、底堅い消費マインドや堅調な観光需要にけん引され、緩やかに拡大する動きとなった。
このような状況の中で、当連結会計年度の収支については、売上高は前連結会計年度並みの2,365億40百万円となった。
営業費用は前連結会計年度に比べ36億95百万円減(1.6%減)の2,292億17百万円となった。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ38億41百万円増(110.3%増)の73億22百万円となった。
また、経常利益は30億97百万円増(120.6%増)の56億65百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は19億31百万円増(80.8%増)の43億22百万円となった。
セグメントの業績は次のとおりである。
電気事業
売上高は、販売電力量の増加はあるものの、燃料価格下落に伴う燃料費調整額の減少などにより、前連結会計年度に比べ15億66百万円減(0.7%減)の2,240億43百万円となった。
一方、営業費用は、修繕費などの増加はあるものの、燃料価格下落に伴う燃料費などの減少により、前連結会計年度に比べ58億79百万円減(2.6%減)の2,187億1百万円となった。
この結果、営業利益は43億13百万円増(419.8%増)の53億41百万円となった。
建設業
売上高は、公共工事の増加やグループ内向け工事の増加などにより、前連結会計年度に比べ17億50百万円増(7.1%増)の263億68百万円、営業費用は前連結会計年度に比べ18億39百万円増(7.8%増)の254億48百万円となった。
この結果、営業利益は88百万円減(8.8%減)の9億19百万円となった。
その他
売上高は、ESP事業やガス供給事業の増加、グループ内向け工事の増加などにより、前連結会計年度に比べ29億29百万円増(8.4%増)の378億6百万円、営業費用は前連結会計年度に比べ33億17百万円増(10.2%増)の359億83百万円となった。
この結果、営業利益は3億88百万円減(17.5%減)の18億23百万円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ84億53百万円増(33.0%増)の340億82百万円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ20億41百万円増(6.4%増)の340億41百万円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、34億38百万円の支出となった。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ33億98百万円減(15.4%減)の186億41百万円となった。
当社グループの主たる事業である電気事業セグメントのみを記載している。
需給実績
(注) 1.自社の発電電力量は、送電端の電力量を記載している。
2.販売電力量の中には、建設工事用電力及び事業用電力(6百万kWh)を含んでいる。
販売実績
(注) 「電気料金支援措置」及び「沖縄電気料金高騰緊急対策事業」等により、国と沖縄県が定める値引単価による電気料金の値引を行っている。この結果、「電灯料」が6,034百万円減少、「電力料」が3,867百万円減少しており、その原資として受領する補助金9,901百万円を「電気事業雑収益」に計上している。
資材の実績
石炭、燃料油及びLNGの受払実績
当連結会計年度の販売電力量は、電灯については、夏場の気温が前年に比べ高めに推移したことなどによる需要増により、前連結会計年度を上回った。電力については、夏場の気温が前年に比べ高めに推移したことや、水道業などの需要増により、前連結会計年度を上回った。
この結果、電灯と電力の販売電力量合計は、前連結会計年度に比べ5.4%増の73億41百万kWhとなった。
当連結会計年度の経営成績は、売上高については、販売電力量の増加や連結子会社における売上高の増加はあるものの、燃料価格下落に伴う燃料費調整額の減少などにより、前連結会計年度並みの2,365億40百万円となった。営業費用については、燃料価格下落に伴う燃料費の減少などにより、前連結会計年度に比べ36億95百万円減(1.6%減)の2,292億17百万円となった。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ38億41百万円増(110.3%増)の73億22百万円、経常利益は前連結会計年度に比べ30億97百万円増(120.6%増)の56億65百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ19億31百万円増(80.8%増)の43億22百万円となった。
当連結会計年度の財政状態は、資産については、電気事業固定資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ17億40百万円増(0.3%増)の5,004億11百万円となった。負債については、退職給付に係る負債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ29億79百万円減(0.8%減)の3,768億60百万円となった。純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益の増加などにより、前連結会計年度末に比べ47億20百万円増(4.0%増)の1,235億50百万円となった。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末から0.9ポイント増の24.3%となった。
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動については、税金等調整前当期純利益の増加などにより、前連結会計年度に比べ84億53百万円増(33.0%増)の340億82百万円の収入となった。投資活動については、固定資産の取得による支出の増加などにより、前連結会計年度に比べ20億41百万円増(6.4%増)の340億41百万円の支出となった。
この結果、差し引きのフリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ64億12百万円増の40百万円のプラスとなった。
財務活動については、有利子負債の返済などにより、34億38百万円の支出となったことから、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ33億98百万円減(15.4%減)の186億41百万円となった。
当社グループの資本の財源については、電気事業等を行うための設備投資と債務償還などに必要な資金を、自己資金に加えて、金融機関からの長期借入や社債発行により調達している。また、短期的な運転資金を銀行借入やコマーシャル・ペーパー発行により調達している。資金の流動性については、各種計画に基づき、適時に資金繰計画を作成・更新するほか、当座借越枠の設定やコミットメントラインの取得により確保している。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。
当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたり、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金、退職給付に係る負債及び資産などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、重要な項目は以下のとおりである。
(繰延税金資産の回収可能性)
将来の課税所得の見積りについては、現時点で利用可能な情報に基づいた最善の見積りを行っているが、予想し得ない要因や変化が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性の判断を見直す可能性がある。
なお、2025年度はおきでんグループ中期経営計画の最終年度であり、次期中期経営計画がスタートする2026年度に向けた土台作りの年度となる。
当社グループは、喫緊の課題である物価高対策として、「調達力」を抜本的に強化すべく、「おきでんPXプロジェクト」を立ち上げた。「S+3E」の考え方をもとに安定供給に必要な取り組みを着実に進めるとともに、調達部門の強化、サプライチェーンの最適化、DX等を活用した生産性の向上など、これまでの取り組みを超えた新しい発想で「超・攻めの効率化」にチャレンジし、「持続的な成長」および「企業価値向上」に向けて経営基盤を強化していく。
該当事項はない。
当社グループの研究開発活動は、電気事業に関わる分野を中心に、主として当社が担当し実施している。
当社は、「夢と活力ある沖縄の未来づくりに貢献する」ために、持続的成長を図る研究開発および新しい価値の創造を目指した研究開発を推進する。
研究の実施にあたっては、限られた資源を有効に活用するとともに、公的研究機関をはじめ、電気事業者各社、(一財)電力中央研究所等、社外機関と積極的に情報交換・協調・連携を図り、国等の補助金の活用や他研究機関との共同研究を行うこと等により、より効率的かつ効果的な研究開発を目指している。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
主要研究開発は次のとおりである。
・系統安定化に関する調査研究(再エネ主力化への貢献)
・来間島マイクログリッド実証研究
・(NEDO事業)再エネ導入地域グリッドの実現に向けた課題解決に関する研究開発 等
・CO2削減技術調査研究
・CO2フリー燃料(水素・アンモニア等)の利用技術調査
・次世代太陽光発電導入可能性に関する調査研究
・大型風力導入に向けた可能性調査(風況調査) 等
・新技術、新規事業等に資する研究開発