文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
現在、エネルギーを取り巻く環境は大きな転換期を迎えております。社会全体に省エネルギーが浸透・定着するとともに、少子高齢化・人口減少の進展により、エネルギー需要は長期的に減少傾向にあります。また、地球環境問題が深刻化する中、世界は低炭素化に向けて大きく舵を切りました。一方、わが国ではエネルギーの全面自由化により、エネルギーの垣根を越えた競争が本格化しております。このような環境変化のもと、地域社会の発展とともに、当社グループが持続的に成長していくことが最大の経営課題であると認識しております。このため、ガスと電気の最適な組み合わせによる省エネルギーシステムを構築し、北海道全域に普及拡大する「総合エネルギーサービス事業」を目指してまいります。当社グループは「総合エネルギーサービス事業」の本格展開に向けて、以下の取り組みを強力に推進してまいります。
当社の普及率は50%台前半であり、拡大・成長の余地が大きいことから、引き続き、ガス事業基盤の強化に取り組んでまいります。このため、家庭用分野では、エネルギー効率に優れた省エネ型給湯暖房システム「エコジョーズ」や、省エネ・節電効果の高いガスマイホーム発電「コレモ」、「エネファーム」の普及拡大を図ります。加えて、ガス供給エリア内のガス導管未整備地区において、ガス導管を戦略的に整備・拡充し、家庭用、業務用の燃料転換を推進し、ガス普及率の向上と将来の顧客基盤づくりを進めます。また、業務用分野では、既築物件の燃料転換や、ガスコージェネレーションシステムといった天然ガスの高度利用を推進してまいります。さらに、供給エリアから離れた遠方の地域には、「LNGサテライト供給」の営業活動により、北海道全域に天然ガスの普及拡大を進めてまいります。
このような事業展開を見据え、安定的かつ低廉なLNGの調達や工事体制の強化に取り組み、ガス製造・供給設備の災害対策やセキュリティ向上に加え、お客さま設備の安全対策の確実な実施など、お客さまの安心・安全の確保に向けた取り組みを着実に進めるとともに、ガスの自由化における競合にも万全を期してまいります。
<電力事業の推進>
当社グループ一丸となって営業活動を展開した結果、本年2月には、北海道内全ての市町村(※1)のお客さまへ「北ガスの電気」を供給することとなりました。これまでに、累計ご契約件数はお申込みベースで10万件を突破しましたが、今後、更なる普及拡大を実現するため、当社グループのガスをお使いのお客さまに対する営業活動の強化に加え、ガス供給エリア外の北海道全域に「北ガスの電気」を浸透させてまいります。引き続き、業務機会を通じた営業活動と北海道全域におけるPR・巡回活動を積極的に展開してまいります。
一方、電源の整備・調達につきましては、石狩LNG基地に建設を進めております「石狩発電所」が本年10月に運転を開始します。世界最高クラスの発電効率を誇るガスエンジンを設置し、発電時の排熱をガス製造工程等に有効利用することにより、環境負荷およびエネルギーコストの低減を図ります。このような大型電源に加え、分散型電源であるガスコージェネレーションシステムやガスマイホーム発電、また、当社が事業参画している「苫小牧バイオマス発電所」をはじめとする地産地消の環境負荷が少ない電源を活用することにより、高効率で環境にやさしい電源構成を目指してまいります。
<総合エネルギーサービス事業の全道展開>
当社では、省エネルギーを推進することにより、経済合理性を追求しながら低炭素社会へ貢献するという理念に基づき、当社独自のエネルギーマネジメントシステムの開発を進めております。当社独自のエネルギーマネジメントシステムとして開発を進めてまいりました「北ガス版HEMS」につきましては、「EMINEL(エミネル)※2」と命名し、本年10月よりサービスを開始します。電気やガス(給湯・暖房)のデータの見える化、暖房の省エネ自動運転や省エネアドバイスに加え、今後、マルチセンサーを活用した「警備会社による駆けつけサービス」をはじめとする各種サービスをご提供する予定です。このような当社独自のエネルギーマネジメントシステムを、北海道全域に広く普及拡大することにより、当社グループの持続的な成長を実現するとともに、地域のエネルギー利用の効率化を図り、地域が抱える課題や深刻化する地球環境問題の解決に貢献してまいります。
<人材基盤の強化・地域貢献>
施策を推進する上で基本となるのは人材であり、積極的な新卒採用や人材育成に引き続き取り組んでまいります。「働き方改革」、「女性活躍促進」、「健康経営」につきましては、当社グループ全体の課題として取り組みを進めます。特に、生産性向上による時間外労働の削減に加え、多様な人材を当社グループの持続的な成長の原動力にするため、女性の採用人数の増加や職域拡大等に継続的に取り組んでまいります。
一方、地域に貢献する取り組みの一環として、「北海道ガス硬式野球部」を本年4月よりスタートしました。地域に根差す企業グループとして、北海道の文化・スポーツの振興を通じ、地域社会のさらなる活性化に貢献してまいりたいと考えております。
当社グループは「エネルギーと環境の最適化による快適な社会の創造」という理念のもと、「総合エネルギーサービス事業」を展開することにより、地域社会の発展と環境負荷の低減に貢献し、ともに成長する企業グループを目指してまいります。
※1:離島を除く175市町村
※2:EMINEL(Energy Management for INteractive Eco Life)
住まいのエネルギー利用を最適にコントロールする最新技術を活用したエネルギーシステム
お客さまとの双方向コミュニケーションを通じて、快適便利で経済的な暮らしと、省エネ・低炭素化による環境に優しい北海道のエネルギー社会を実現
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
地震等の自然災害により、お客さま設備や当社グループに被害が発生した場合、供給支障等により、お客さま被害が発生する可能性があります。
天然ガスや液化天然ガス等の原料調達に関して不測の事態が生じた場合、都市ガスの供給に影響を与え、有形無形の損失が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
ガス事故の発生により、お客さま被害が発生した場合、対応に要する直接的費用の発生に加え、社会的信用の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
国策や制度の変更により、ガス業界に対する規制が変更された場合、エネルギー間競争の激化によるお客さまの離脱や販売価格低下を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。
お客さまに設置した消費機器・設備に関する重大な不具合が発生した場合、対応に要する直接的費用の発生に加え、社会的信用の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
気温の推移が平年値から乖離する等によりガス需要量が想定から変動した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
商品や技術の開発が遅れた場合、競争力を失い業績に影響を及ぼす可能性があります。
関係法令が変更されたり、法的な問題や争いが生じた場合、対応に要する直接的間接的費用の発生や、事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。
原材料価格が、原油価格・為替・市場相場等の変動によって高下した場合、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
取引先の倒産や事故等があった場合、債権未回収や業務支障を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。
ガス事業の性質から、業容拡大や増産を目的とした大規模な設備投資の実施により、費用負担が増加し、一時的に業績に影響を及ぼす可能性があります。また係る設備投資が、その後の経済情勢の変化等により、所期の成果を出せないことで、有利子負債依存度が高まる可能性があります。
市況や金融の混乱により資金調達や資産運用の悪化が発生した場合、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
社内情報が不適切な形で外部流出した場合、有形無形の損失が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
業務システムや通信回線の不具合により、業務処理の誤りや業務停滞を引き起こした場合、有形無形の損失が発生し、業績や事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における北海道経済は、個人消費の一部に弱い動きが見られたものの、雇用・所得環境の改善や、引き続き好調なインバウンドを背景に、国内外からの観光客が好調に推移するなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。
一方、エネルギー業界におきましては、平成28年4月の電力小売り全面自由化に続き、平成29年4月に都市ガスの小売り全面自由化がスタートしました。これまでのところ、当社グループのガス供給エリアにおいて、新たに参入した企業はないものの、今後、エネルギーを取り巻く環境は一層厳しさを増してまいります。
このような状況のもと、当社グループは、ガスの販売拡大を中心とした積極的な営業活動や保安の強化に取り組むとともに、電力事業においても道内各地でPR・巡回活動を展開するなど、総合エネルギーサービス事業の展開に向けた取り組みを着実に進めてまいりました。
連結売上高につきましては、都市ガス・電力販売の増収等により、前連結会計年度に比べ19.0%増の103,580百万円となりました。一方、費用につきましては、経営全般にわたる合理化・効率化を進めた結果、経常利益は前連結会計年度に比べ59.6%増の2,911百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は法人税等を計上した結果、同48.3%増の1,923百万円となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較につきましては、変更後の報告セグメントに基づいております。変更の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載しております。
ガス
当連結会計年度末のお客さま件数は、新築・燃料転換営業を積極的に進めたことで、賃貸集合物件や戸建住宅の獲得件数の増加等により、前連結会計年度末に比べ5,597件増の571,544件となり、5期連続の純増となりました。都市ガス販売量は、新設件数が3年連続で10,000件を超えたことに加え、家庭用につきましては、給湯や暖房を含め幅広い用途でガスをご利用のお客さまの件数が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ6.2%増の190百万㎥となりました。業務用につきましては、医療分野における新規物件の獲得等により、同1.6%増の378百万㎥となり、他のガス事業者向け卸供給を含めました総販売量は同3.1%増の577百万㎥となりました。
以上に加え、新たなお客さまの獲得によるLNG販売量の増加や、原料費調整制度による販売単価の上昇等もあり、ガス全体の売上高は同10.4%増の59,907百万円となり、セグメント利益は同34.6%増の3,449百万円となりました。
電力
売上高は、お客さまとの接点機会を活用した営業活動に加え、道内各地におけるPR・巡回活動を積極的に展開した結果、お客さま件数が、計画通りの獲得件数になったこと等により、前連結会計年度に比べ137.6%増の16,953百万円となり、セグメント利益は同172.0%増の750百万円となりました。
エネルギー関連
売上高は、気温等の影響による熱供給事業の販売量が減少したものの、LPG販売量や工事・器具販売等の増加等により、前連結会計年度に比べ5.6%増の29,574百万円となり、セグメント利益は同31.4%増の972百万円となりました。
その他
売上高は、システム事業の減収等により前連結会計年度に比べ6.9%減の1,542百万円となり、セグメント利益は同3.0%減の168百万円となりました。
当連結会計年度末の総資産につきましては、石狩発電所への投資等に伴い前連結会計年度末に比べ11,192百万円増加し、147,250百万円となりました。負債は、長期借入金の増加等により前連結会計年度末に比べ8,597百万円増加し、102,606百万円となりました。純資産は、第3回無担保転換社債型新株予約権付社債の株式転換等により、前連結会計年度末に比べ2,595百万円増加し、44,644百万円となりました。なお、第3回無担保転換社債型新株予約権付社債は累計で転換率99%まで進み、4,953百万円となり、資本の充実が図られております。
(注) 1 本書面では、ガス量はすべて1㎥当り45メガジュール(10,750キロカロリー)で表示しております。
2 消費税については税抜方式を採用しております。
当連結会計年度末の借入金・社債等の残高は前連結会計年度末に比べ2,981百万円増加し、76,026百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ2,224百万円増加し、3,291百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローはたな卸資産の増減額の減少や未払い消費税等の増加等により、前連結会計年度に比べ5,314百万円増加し、16,729百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出の増加等により、同2,951百万円支出額が増加し、17,819百万円の支出となりました。これらを合計したフリー・キャッシュ・フローは1,089百万円のマイナスとなりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、設備投資の増加に伴い長期借入金による資金調達を行ったこと等により、3,313百万円の収入となりました。
当社グループにおきましては、「都市ガス事業」が売上高及び営業費用共に連結財務諸表の大半を占めており、当該セグメントが当社グループの生産、受注及び販売活動の中心となっております。
以下は、「都市ガス事業」における当社の生産、受注及び販売の状況について記載しております。
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
|
区分 |
生産量(千m3) |
対前年増減率(%) |
|
|
都市ガス |
石狩LNG基地 |
532,828 |
2.5 |
|
函館みなと工場 |
47,541 |
1.1 |
|
|
北見工場 |
8,412 |
7.2 |
|
|
計 |
588,780 |
2.5 |
|
都市ガス事業については、その事業の性質上、受注生産を行っておりません。
当連結会計年度における都市ガス販売実績は次のとおりであります。
|
区分 |
販売量 |
対前年増減率(%) |
||
|
都市ガス |
家庭用 |
190,745 |
千m3 |
6.2 |
|
その他 |
378,043 |
千m3 |
1.6 |
|
|
計 |
568,788 |
千m3 |
3.1 |
|
|
他事業者向け供給 |
8,534 |
千m3 |
8.0 |
|
|
総販売量 |
577,322 |
千m3 |
3.1 |
|
|
月平均調定件数 |
455,921 |
件 |
1.2 |
|
|
調定件数1件当たり月平均販売量 |
104.0 |
m3 |
1.8 |
|
|
区分 |
販売高(千円) |
対前年増減率(%) |
|
|
都市ガス |
家庭用 |
25,174,561 |
8.6 |
|
その他 |
26,280,364 |
11.5 |
|
|
計 |
51,454,925 |
10.0 |
|
平成30年3月末における地区別お客さま件数及び普及率は次のとおりであります。
|
地区別 |
世帯数(世帯) |
お客さま件数(件) |
普及率(%) |
|||
|
札幌地区 |
854,723 |
(1.1) |
436,861 |
(1.3) |
51.1 |
(0.2) |
|
函館地区 |
115,062 |
(△0.3) |
65,017 |
(△0.1) |
56.5 |
(0.2) |
|
小樽地区 |
46,483 |
(△0.9) |
32,417 |
(△0.7) |
69.7 |
(0.1) |
|
千歳地区 |
44,176 |
(1.2) |
19,877 |
(0.7) |
45.0 |
(△0.4) |
|
北見地区 |
43,626 |
(0.1) |
17,372 |
(0.9) |
39.8 |
(0.8) |
|
計 |
1,104,070 |
(0.8) |
571,544 |
(1.0) |
51.8 |
(0.2) |
(注) 1 お客さま件数は、ガスメーター取付数によっております。
2 世帯数は、供給区域の住民基本台帳及び各自治体の資料から推計した一般世帯数であります。
3 ( )内数値は対前年増減率(%)であります。
供給約款料金に対しては、下記の料金が適用されます。この区分によるa基本料金およびb従量料金の合計とし、各月の使用量に応じてA・B・C・D・Eのいずれかの料金表が適用されます。また、一般ガス供給約款で定める料金以外に、選択約款による料金や個別交渉による大口向けの料金があります。
a 基本料金
基本料金は、1か月につき次のとおりであります。
|
料金表 |
1か月の使用量 |
基本料金(税込) |
|
A |
0m3から15m3まで |
928.80円 |
|
B |
15m3を超え50m3まで |
1,427.76円 |
|
C |
50m3を超え200m3まで |
1,976.40円 |
|
D |
200m3を超え800m3まで |
7,560.00円 |
|
E |
800m3を超える場合 |
9,720.00円 |
従量料金は、使用量に次の単位料金を乗じて算定しております。
|
料金表 |
1か月の使用量 |
基準単位料金(税込) (1m3につき) |
|
A |
0m3から15m3まで |
197.04円 |
|
B |
15m3を超え50m3まで |
163.78円 |
|
C |
50m3を超え200m3まで |
152.80円 |
|
D |
200m3を超え800m3まで |
124.89円 |
|
E |
800m3を超える場合 |
122.19円 |
(注) 1 支払期限日(検針日の翌日から30日目)を経過した後に支払われる場合には、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%の割合で算定した延滞利息が発生します。
2 上記の料金は1m3当たり45MJです。なお、消費税8%分が含まれております。
3 当社は、為替レートや原油価格など外的な要因で変動する原料価格をガス料金に反映する原料費調整制度を導入しております。平成29年4月から平成30年3月までの調整額は次のとおりであります。
|
検針月 |
1m3当たり調整額(税込) |
|
|
平成29年4月 |
-21.05 |
円 |
|
平成29年5月 |
-19.06 |
円 |
|
平成29年6月 |
-18.24 |
円 |
|
平成29年7月 |
-17.70 |
円 |
|
平成29年8月 |
-16.88 |
円 |
|
平成29年9月 |
-16.15 |
円 |
|
平成29年10月 |
-15.79 |
円 |
|
平成29年11月 |
-16.43 |
円 |
|
平成29年12月 |
-16.79 |
円 |
|
平成30年1月 |
-17.33 |
円 |
|
平成30年2月 |
-17.33 |
円 |
|
平成30年3月 |
-16.70 |
円 |
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績等)
積雪寒冷地の北海道では省エネルギーが浸透・定着するとともに、少子高齢化・人口減少の進展により、エネルギー需要は長期的に減少傾向にあります。また、電力・ガスシステム改革により小売全面自由化がスタートし、エネルギーを取り巻く環境が大きく変化しました。当社グループでは、地域社会の発展とともに継続的に成長していくため、エネルギーの最適な組み合わせによる省エネルギーシステムを構築し、北海道全域に普及拡大する「総合エネルギーサービス事業」を推進しております。「総合エネルギーサービス事業の展開」に向けては、2016年度中期経営計画を策定し、「ガス事業基盤の強化」「電力事業の推進」「北ガス版エネルギーマネージメントサービスの展開」の3つの施策を柱とし、取り組みを推進しております。
当連結会計年度においても、中期経営計画に沿って、ガスの販売拡大を中心とした積極的な営業活動や保安の強化に取り組むとともに、道内各地で電力のPR・巡回活動を展開するなど、総合エネルギーサービス事業の展開に向けた取り組みを着実に進めてまいりました。
結果、都市ガスのお客さま件数は、新設件数が3期連続で1万件を超え、前連結会計年度末に比べ5,597件増加し、571,544件となりました。また、電力供給件数においても、前連結会計年度末に比べ39,006件増加し96,019件となり、ガス・電力ともにお客さま件数の獲得についてほぼ計画通り進捗しております。
連結売上高につきましては、お客さま件数の増加により都市ガスおよび電力の販売量が増加したことに加え、都市ガスの原料費調整制度による販売単価の上昇等により、前連結会計年度に比べ19.0%増の103,580百万円となりました。一方、費用につきましては、経営全般にわたる合理化・効率化を進めたことに加え、営業外収入が増加した結果、厚別供給所ガスホルダー廃止に伴う減損計上等を行ったものの、経常利益は前連結会計年度に比べ59.6%増の2,911百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は法人税等を計上した結果、同48.3%増の1,923百万円となり、中期経営計画はほぼ計画通り進捗しております。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
気温変動リスク
当社グループの売上高の過半が都市ガスおよびLNG販売によるもので、販売量は気温の影響を大きく受けます。積雪寒冷地の北海道ではその影響は大きく、暖冬になった場合、ガス販売量は減少し減収・減益の要因となります。
大口需要や気温影響を受けにくい需要を戦略的に取込むことで、気温変動リスクが収益に及ぼす影響を軽減していきます。
原料購入価格変動リスク
当社グループが供給する都市ガスの主要原料であるLNGは海外から輸入しており、原油価格に連動して決定されるLNG価格は国際原油価格市場の変動を受けます。また、ドル建ての売買契約になっている契約においては円・ドル為替の影響を受けます。
ただし、原料価格が変動しても変動分については、ガス料金に反映する「原料費調整制度(注)」を適用しているため中長期的には収支への影響は軽微であります。
(注)調整額の上限は設定されている。
金利変動リスク
当社グループの有利子負債は76,026百万円となっているが、長期・短期ともに概ね固定金利での借入であり、借入期間中の金利変動リスクは軽微であります。
(当社グループの資本の財源及び資金の流動性)
当社グループにおける資金需要は、主に、設備投資、有利子負債返済、運転資金になります。
資金調達に関しては、まず減価償却費等の自己資金を優先して充当し、設備投資の内容に則し、都度有利な調達手段を選んでおります。期中に必要となる運転資金に関しては、マーケットの状況を睨みつつ、短期借入金、短期社債(電子CP)等を織り交ぜながら調達していきます。石狩発電所建設や導管投資など設備投資に充当する資金は、将来の金利上昇リスクに備え、社債、長期借入などの長期資金で調達いたします。なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は76,026百万円となっております。また、現預金残高は3,343百万円となっております。
(セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容)
ガス
家庭用においては戸建、分譲集合、賃貸集合各分野とも新築件数が増加したことに加え、省エネ型給湯暖房システム「エコジョーズ」や省エネ・節電効果の高いガスマイホーム発電「コレモ」、「エネファーム」中心に幅広い用途でガスをお使いのお客さまが増加したことや、業務用においても既築物件の燃転や医療用分野の新規物件獲得等により、卸供給を含むガス販売量が前年比3.1%増の577百万m3となりました。また、LNG販売分野においても稼働物件も増え販売量が増加しております。一方、一昨年に収支に影響を与えた原料在庫の影響もなく、ガス全体の売上高は同10.4%増の59,907百万円となり、セグメント利益は同34.6%増の3,449百万円となりました。
都市ガス分野では導管延伸計画を含めお客さま件数の増加は計画通り進んでおります。また、LNG販売分野においても北海道一円での営業展開により採用を拡大しており、JXTGエネルギー株式会社所有の釧路LNGターミナルを本年4月から共同利用することで、北海道道東地区における天然ガス・LNG供給体制のさらなる強化および普及拡大を図ってまいります。
電力
北ガスフレアストを中心に当社グループ全体で、お客さまへのサービス機会や各種イベントでのPR、供給エリア外の北海道全域でのPR活動「全道キャラバン」など提案活動を進め、電力のお客さまの獲得は計画通り進んでおります。また、費用については、購入電力や経費などの原価低減に努めたことにより、売上高は前連結会計年度に比べ137.6%増の16,953百万円となり、セグメント利益は同172.0%増の750百万円となりました。
お客さまとの接点機会での営業を強化することでお客さま件数の増加に努める一方、「石狩発電所」を含む自社電源の整備拡充により環境負荷の低減、供給安定性の向上および競争力の向上を図ります。
エネルギー関連
気温等の影響による熱供給事業の販売量が減少したものの、LPG販売量や工事・器具販売等の増加等により売上高は前連結会計年度に比べ5.6%増の29,574百万円となりました。セグメント利益は、LPG事業が原料価格の上昇で減益になったものの、受注工事・器具販売等の増収がこれを上回り、同31.4%増の972百万円となりました。
当社は、長期に安定した原料調達を行うため、石狩LNG基地向け「LNG売買契約」を東京瓦斯株式会社と締結しており、その契約の期限は平成34年度で、調達数量は年間30~40万tを予定しております。
なお、石狩LNG基地について下記の通り賃貸借契約を締結しております。
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
契約内容 |
契約品目 |
契約期間 |
|
北海道LNG株式会社 |
東銀リース株式会社 |
賃貸借契約 |
機械設備等 |
平成24年12月3日から |
|
北海道ガス株式会社 |
北海道LNG株式会社 |
転貸借契約 |
〃 |
平成24年12月3日から |
|
北海道ガス株式会社 |
北海道LNG株式会社 |
賃貸借契約 |
〃 |
平成24年12月1日から |
当社グループにおける研究開発活動は、当社が主に都市ガス事業において行っており、「技術開発研究所」を中心に、積雪寒冷地に適したエネルギー利用機器の開発やエネルギー利用技術の研究を実施しております。当連結会計年度における研究開発費は300,713千円であります。
「技術開発研究所」の基本理念を以下に示します。
① 寒冷地技術の研究開発を推進し、技術の蓄積・普及を図ります。
② エネルギー利用技術の高度化を追求し、環境負荷低減に努めます。
③ 低炭素社会の実現に向けたエネルギー技術への対応を図ります。
④ 地域社会と密接な交流を深めつつ、北国の生活文化に貢献します。
これらの基本理念に基づき、他企業・大学等の外部研究機関・行政とも協力し、研究開発活動を推進しております。
主な研究内容は、以下のとおりであります。
① 寒冷地向け家庭用燃料電池「エネファーム」の開発
② 寒冷地向け家庭用ガスエンジンコージェネレーション「コレモ」の開発
③ 寒冷地向け高効率給湯暖房機エコジョーズのバリエーション最適化
④ 寒冷地向け家庭用暖房システム最適制御の開発
⑤ 寒冷地向けデシカント(除湿)換気システムの開発
① 寒冷地に適した次世代のエネルギーシステムについての研究
① 天然ガスの普及拡大に資する供給技術・工法開発
② ガス導管の保安レベル、施工性向上とコスト低減に貢献する技術・工法開発
① 再生可能エネルギー発電に伴う需給調整力確保に向けたコージェネレーション群の有効活用に関する研究(北海道大学との共同研究)
② ディープラーニングによる路面画像認識を用いた融雪システムの制御(北海道大学との共同研究)
③ 寒冷地に適したエレクトロミック・スマートウィンドウに関する研究(北見工業大学との共同研究)
④ 金属管の腐食メカニズムに関する研究(室蘭工業大学との共同研究)
① 工学系若手研究者支援を目的とした「北海道ガス大学研究支援制度」の運営
② ビックデータを活用した情報の利用高度化