第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

今般の新型コロナウイルス感染症の拡大は、当社グループの事業活動にも影響を及ぼしつつありますが、先ずは、足元の体制をしっかり整え、お客さまの安全・安心とエネルギーの安定供給に万全を期してまいります。 一方、人口減少や少子高齢化といった社会構造の変化、地球温暖化に伴う気候変動等の事業環境をいかに見極め、計画を立てていくかが大きな課題となっております。
 このような中、当社グループが、事業環境の変化に対応しつつ成長していくためには、安定的な収益基盤の構築が不可欠です。ガス供給設備や自社電源等の大型投資により総資産が増加していますが、ガス・電力の需要開発を確実に進めていくことに加え、設備稼働率を向上させることにより収益力を高め、財務体質の強化を図ります。このため、2020年度を最終年度とする「2016中期経営計画」の総仕上げに向けて、各施策を積極的に進めてまいります。また、当社グループ全体の人材基盤の強化に向けて「働き方改革」、「女性活躍推進」、「健康経営」を推進してまいります。
 昨年11月には、新たな組織として「次世代プラットフォーム検討プロジェクト」を設置しました。これは、事業に関わるあらゆる情報(ビッグデータ)を繋ぎ、デジタル技術を活用することにより事業の革新を図り、持続的成長を目指すものであります。さらに、今後も起こり得る地震等の自然災害に対し、危機管理の観点から、レジリエンス(強靭性)をより一層強化し、適切かつ柔軟に対応してまいります。
 新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、先行きが不透明な状況が続いておりますが、今後の推移を注視しながら、これらの課題にしっかりと取り組んでまいります。
 

 

<ガス事業基盤の強化>

 当社の普及率は50%台前半であり、拡大・成長の余地が大きいことから、引き続き、ガス事業基盤の強化に取り組んでまいります。家庭用分野では、エネルギー効率に優れた省エネ型給湯暖房システム「エコジョーズ」や、省エネ・節電効果の高いガスマイホーム発電「コレモ」、「エネファーム」の普及拡大を図ります。加えて、ガス供給エリア内のガス導管未整備地区において、ガス導管を戦略的に整備・拡充し、家庭用、業務用の燃料転換を推進し、ガス普及率の向上と将来の顧客基盤づくりを進めます。また、業務用分野では、既築物件の燃料転換や、ガスコージェネレーションシステムといった天然ガスの高度利用を推進してまいります。さらに、供給エリアから離れた遠方の地域には、「LNGサテライト供給」の営業活動により、北海道全域に天然ガスの普及拡大を進めてまいります。

 このような事業展開を見据え、安定的かつ低廉なLNGの調達や工事体制の強化に取り組み、ガス製造・供給設備の災害対策やセキュリティ向上に加え、お客さま設備の安全対策の確実な実施など、お客さまの安心・安全の確保に向けた取り組みを着実に進めるとともに、ガスの自由化における競合にも万全を期してまいります。

 

<電力事業の推進>

 当社グループ一丸となって営業活動を展開した結果、累計件数は契約ベースで17万件を突破し、北海道内全ての市町村(※1)のお客さまへ「北ガスの電気」を供給しております。引き続き、更なる普及拡大を実現するため、当社グループのガスをお使いのお客さまに対する営業活動の強化に加え、ガス供給エリア外の北海道全域に「北ガスの電気」を浸透させてまいります。

 一方、電源の整備・調達につきましては、「北ガス石狩発電所」が一昨年10月に運転を開始し、環境にやさしい天然ガスを燃料とした高効率発電により、環境性、経済性に優れた電源を安定的に供給しております。このような大型電源に加え、昨年6月から、本社ビル地下に設置した「北ガス札幌発電所」により、自立分散型エネルギーとして、地域へのエネルギー安定供給、環境負荷低減を図るとともに、地域のまちづくり計画にも貢献しております。

 また、分散型電源であるガスコージェネレーションシステムやガスマイホーム発電、また、当社が事業参画している「苫小牧バイオマス発電所」をはじめとする地産地消の環境負荷が少ない電源を活用することに加え、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)の期間満了に伴い余剰電力の買取サービスを積極的に進めるとともに、風力発電等の再生可能エネルギーの利用を進めるなど、高効率で環境にやさしい電源構成を目指してまいります。

 

 

<総合エネルギーサービス事業の全道展開>

 当社では、省エネルギーを推進することにより、経済合理性を追求しながら低炭素社会へ貢献するという理念に基づき開発した当社独自のエネルギーマネジメントシステム「EMINEL(エミネル)※2」によりガス(給湯・暖房)や電気のデータの見える化、暖房の省エネ自動運転や省エネアドバイスに加え、マルチセンサーを活用した「警備会社による駆けつけサービス」をはじめとする各種サービスをご提供し、普及拡大を進めております。

また、北海道初のCEMS(セムス)(※3)による供給開始など、道内各自治体とともに「まちづくり」と一体となった効率的で環境性・持続性に優れた「地産地消型エネルギーモデル」を推進しております。

このような当社独自のエネルギーマネジメントシステムを、北海道全域に広く普及拡大することにより、当社グループの持続的な成長を実現するとともに、地域のエネルギー利用の効率化を図り、地域が抱える課題や深刻化する地球環境問題の解決に貢献してまいります。

 

当社グループは「エネルギーと環境の最適化による快適な社会の創造」という理念のもと、「総合エネルギーサービス事業」を展開することにより、地域社会の発展と環境負荷の低減に貢献し、ともに成長する企業グループを目指してまいります。

 

※1:離島を除く175市町村

※2:EMINEL(Energy Management for INteractive Eco Life)

住まいのエネルギー利用を最適にコントロールする最新技術を活用したエネルギーシステム

お客さまとの双方向コミュニケーションを通じて、快適便利で経済的な暮らしと、省エネ・低炭素化による環境に優しい北海道のエネルギー社会を実現。

※3:CEMS(Community Energy Management System)

地域全体のエネルギー利用を最適にコントロールする最新技術を活用したエネルギーシステム

北ガス工場跡地を含む「北4東6周辺地区」において天然ガスコージェネレーションと再生可能エネルギー (太陽熱・地中熱)を活用し、ICTを利用したエネルギーセンターの最適運転により、周辺地区に電気と熱を供給。また、自立型のエネルギー供給システムにより、災害時もエネルギーの供給を継続し、災害に強いまちづくりを支援。

 

 ○目標とする経営指標

 2016中期経営計画における目標は次のとおり。

項目

目標(2020年度の姿)

自己資本比率

30%

ROE

8%

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

 

(1) 自然災害による影響

大規模な自然災害により、LNG基地等の製造設備やガス導管等の供給設備に被害が発生した場合、都市ガスの供給に支障を及ぼす可能性があります。また、不測の大規模な停電が発生した場合、ガスの需要量や製造・供給設備の状況によっては、ガスの製造・供給に支障を及ぼす可能性があります。

当社グループは大規模な自然災害に対して、ガス導管の耐震化など製造・供給設備等の耐震性向上を図るとともに、事業継続計画(BCP:Business  Continuity  Plan)の策定や、自家発電設備などの防災設備を整備することで、災害による影響を最小限に止める対策を実施しております。

 

(2) 原料調達に関する不測の事態

LNGや天然ガス等の原料調達に関して不測の事態が生じ長期にわたり調達ができない場合には、都市ガスの供給に支障を及ぼす可能性があります。
 都市ガス原料の大半を占めるLNGは海外からの輸入に頼っていますが、複数の長期契約で供給源を特定しないポートフォリオ契約で調達しており、供給プロジェクトのトラブルやLNG船のトラブル時にも代替調達が可能となっています。また、長期契約だけでなく、短期・スポット調達も組み合わせることにより、安定的かつ柔軟なLNG調達に取り組んでおります。

 

(3) ガス事故による影響

ガス事故の発生により、お客さま被害が発生した場合、対応に要する直接的費用の発生に加え、社会的信用の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、供給防災センターに全社保安指令機能を集約し、専任要員が24時間対応することに加え、グループ会社を含めた保安処理体制構築、消防機関等との連携により、ガス事故の対応力強化に努めております。

 

(4) 国策や制度の変更による競争激化

国策や制度の変更により、ガス業界に対する規制が変更された場合、エネルギー間競争の激化によるお客さまの離脱や販売価格低下を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、ガス、電気、熱、再生可能エネルギーの最適利用とデジタル技術の高度活用を通じた「持続性」「環境性」「経済性」に優れたエネルギーシステムの導入やエネルギーの地産地消など総合エネルギー事業を推進するとともに、安心安全を第一に保安の強化やサービスの向上に取り組むことでお客さまに選択されるよう努めております。また、国策や制度、業界動向などの環境変化に加え、お客さまのニーズを掴むよう、お客さまや関係機関との絶えず緊密な対話に努めております。

 

(5) ガス消費機器・設備に関するトラブル

消費機器・設備に関する重大な不具合が発生した場合、対応に要する直接的費用の発生に加え、社会的信用の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、お客さまへの定期保安巡回の強化、ガス安全機器の取替や警報機設置の促進、ガス機器の安全操作の周知等により、保安の強化に努めております。

 

(6) 気温影響によるガス需要の変動

当社グループの売上高の過半が都市ガスおよびLNG販売によるため、気温の推移が平年値から乖離する等によりガス需要が想定から変動した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。特に、積雪寒冷地の北海道では、冬季から春先にかけて需要が大きくなるため、当該期間の気温推移が業績に与える影響は大きくなる傾向があります。ガス事業基盤の強化を進め、気温による業績への影響の軽減に取組んでまいります。

 

 

(7) 商品・技術開発の遅延

積雪寒冷地に適した機器や次世代エネルギー技術などの開発を進めておりますが、遅延が生じた場合、事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、商品に対するお客さまの使用感や要望等についての定期的なアンケート調査や、機器の使用状況に関するデータ計測、市場環境の各種情報収集等により、お客さまのニーズや商品の課題、社会環境の変化等の的確な把握に努めております。そのうえで、新商品・技術を適切なタイミングに遅延なく市場投入できるよう、開発メーカーや地域の大学と密に連携をはかり、数年先までの工程を共有しながら商品・技術の企画・開発に取り組んでおります。

 

(8) 法令変更・法的トラブル

当社グループは法令順守を経営の基本におき事業活動を行っております。ガス事業法をはじめとした関係法令の改正への対応が遅れた場合や、法的な問題や争いが生じた場合、対応に要する直接的間接的費用の発生に加え、社会的信用の低下等により、事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。そのため、法改正情報の社内周知・啓蒙や、顧問弁護士との連携強化を図るなど、これらのリスクを未然に防ぐよう努めております。

 

(9) 原材料調達価格の変動

原材料価格が、原油価格・為替・市場相場等の変動によって高下した場合、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。都市ガスの主要原料であるLNGの売買契約のうち、原油価格に連動するものについては、原油価格の変動により業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ドル建てで売買契約を締結しているものについては、円・ドル為替の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、原料価格が変動しても、変動分については、ガス料金に反映する「原料費調整制度(注)」を適用しているため、中長期的には業績への影響は軽微であります。

(注)調整額の上限は設定されております。

 

(10) 取引先の信用問題や事故等

取引先の倒産や事故等があった場合、債権未回収や業務支障を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 設備投資による影響

ガス事業の性質から、業容拡大や増産を目的とした大規模な設備投資の実施により、費用負担が増加し、一時的に業績に影響を及ぼす可能性があります。また係る設備投資が、その後の経済情勢の変化等により、所期の成果を出せないことで、有利子負債依存度が高まる可能性があります。

 

(12) 資金調達・資産運用

市況や金融の混乱により資金調達や資産運用の悪化が発生した場合、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、資金調達先や年金資産運用先については多様化を図っております。また、有利子負債は、長期で固定化した資金調達とすることで、借入期間中の金利変動リスクを限定的にするよう備えております。

 

(13) 個人情報等の社内情報の流出

当社グループでは、お客さま情報をはじめとした、多くの個人情報や営業機密情報を有しております。それらの社内情報が不適切な形で外部流出した場合、対応に要する直接的な費用にとどまらず、当社グループの社会的信用の低下等、有形無形の損害が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、情報を管理する上での各種規程を整備するとともに、グループ全体を対象とした情報セキュリティ推進体制を構築し、情報セキュリティに関する教育・啓発や自主点検を実施しております。また、誤操作等による情報漏えいを防止するためのシステム的な対策の実施等、個人情報等の流出防止に取り組んでおります。

 

 

 

(14) 業務システム・通信回線の不具合

業務システムや通信回線の不具合により、業務処理の誤りや業務停滞を引き起こした場合、有形無形の損失が発生し、業績や事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。

業務システムのサーバーは、津波の心配がなく耐震性に優れた施設が完備されているデータセンターに設置し、運用・監視業務を委託しております。またデータは、毎夜、日次バッチ処理後にデータバックアップを実施し、特に重要なデータについては、別拠点のデータセンターにて遠隔バックアップを行っております。

一方、グループ会社を含めた主要拠点間の通信設備は、故障時にも通信が途切れることのないように冗長化しております。また、何らかの原因で通信設備が利用できない場合でも、インターネット回線を利用して外部から安全にアクセスすることができるルートを用意しております。

 

(15) コンプライアンス違反

法令、定款に照らして不適切な行為、ならびに企業倫理、社会規範に反する行為が発生した場合は、対応に要する直接的な費用にとどまらず、当社グループの社会的信用の低下等、有形無形の損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、倫理・法令遵守の基本的な考え方として「倫理方針」「倫理行動指針」を定めるとともに、コンプライアンス遵守に関する教育・啓発等により、グループ全体でコンプライアンス向上に取り組んでおります。また、内部監査により、その遵守状況の確認を行っております。

 

(16) サイバー攻撃

日々発生するサイバー攻撃は、巧妙化、高度化しており、その対策が十分ではない場合、基幹システムの停止・動作不良、社内情報の流失等が発生し、業務やお客さまへの対応が停滞するばかりではなく、当社グループの社会的信用の低下等、有形無形の損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、システム的な各種セキュリティ対策の実施やインシデント対応訓練を実施する他、適宜、情報セキュリティの脆弱性に関する確認を行い防御策の見直しを行う等、サイバー攻撃への対策に取り組んでおります。

 

(17) 新型コロナウイルス・新型インフルエンザなど感染症拡大による影響

当社グループの従業員に感染拡大した場合、一時的に業務が停止し、事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。従業員の感染に関する取り組みとして、マスク着用、訪問時の消毒の徹底に加え作業中の換気など感染防止について対策するとともに、従業員の健康安全確保のため時差出勤やテレワーク、工場・保安要員への緊急応援体制整備などの必要な対策を講じております。

感染拡大による影響が長期化した場合、販売量減少による財政状況の悪化、商材等のサプライチェーンの遅延、債権回収不能など複合的な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における北海道経済は、個人消費が持ち直しの動きを維持するとともに、企業の設備投資や公共投資が増加したことなどにより緩やかな回復基調で推移したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大により、先行きは不透明な状況が続いております。

一方、エネルギー業界におきましては、電力・ガスの小売り全面自由化が進み、地域を超えたエネルギー間の相互参入や異業種からの参入が進んでおります。また、北海道においてもガス事業への新規参入の動きが顕在化するなど、当社グループを取り巻く環境は一層厳しさを増すものと見ております。

このような状況のもと、当社グループは、ガスの販売拡大を中心とした積極的な営業活動や保安の強化に取り組むとともに、自社電源であります「北ガス石狩発電所」に加え、「北ガス札幌発電所」の新たな稼働や、当社独自のエネルギーマネジメントシステム「EMINEL(エミネル)」のサービスの普及拡大、北海道内の自治体との連携によるエネルギー地産地消の拡大等、「総合エネルギーサービス事業」の本格展開に向けた取り組みを着実に進めてまいりました。

連結売上高につきましては、電力事業の増収等により、前連結会計年度に比べ4.3%増126,375百万円となりました。

また、経常利益は、新社屋移転関連費用の増加等があったものの、器具販売の増益等に加え、連結子会社における修繕引当金の戻入益316百万円を計上したことにより、同23.0%増5,194百万円となりました。前連結会計年度では、特別利益として固定資産売却益657百万円を計上しておりましたが、当連結会計年度では特別損益の計上がなかったことから、法人税等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、同12.9%増3,954百万円となりました。

セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

① ガス

当連結会計年度末のお客さま件数は、前連結会計年度に比べ新設件数が5期連続で1万件を超えるなど、前連結会計年度末に比べ1.0%増加し、7期連続の純増となる同6,056件増583,819件となりました。

都市ガス販売量は、家庭用につきましては、お客さま件数の増加や給湯や暖房を含め幅広い用途でガスをご利用のお客さまが増加したことに加え、気温影響等により、同4.5%増201百万㎥となりました。業務用につきましては、大型工場の稼働や新規ホテル開業、大型物件の設備更新等による販売量の増加等により、同1.7%増383百万㎥となりました。以上の結果、他のガス事業者向け卸供給を含めました総販売量は2.8%増594百万㎥となりました。

ガス全体の売上高は、販売量の増加等で都市ガス事業は増収となったものの、LNG販売が減収となったため、同0.2%減68,348百万円となりました。

セグメント利益は、製造設備の定期点検や新社屋移転関連費用の増加等により、同12.1%減3,853百万円となりました。

 

② 電力

当連結会計年度末のお客さま件数は、接点機会を活用した営業活動に加え、道内の都市ガス事業者との協業等により獲得件数を着実に伸ばした結果、前連結会計年度末に比べ23.9%増加し、32,999件増171,352件となりました。売上高は、お客さま件数が増加したことや電力卸売の増加に伴う販売量の増加等により、前連結会計年度に比べ13.3%増27,761百万円となりました。

セグメント利益は、発電所の効率的な運転等、調達減価の低減に努めたものの、発電所設備の減価償却費や経費の増加等により、同7.2%減1,209百万円となりました。

 

 

③ エネルギー関連

売上高は、原料費調整制度による販売単価の低下により、LPG事業が減収となりましたが、熱供給事業や工事・器具販売等の増収等により、前連結会計年度に比べ4.8%増32,765百万円となりました。

セグメント利益は、LPG事業の減益があったものの工事・器具販売等の増益等により、同75.0%増1,697百万円となりました。

 

④ その他

売上高は、ITサービス事業の増収等により、前連結会計年度に比べ24.4%増2,225百万円となり、セグメント利益は同40.3%増279百万円となりました。

 

(目標とする経営指標の実績)

2019年度における当社グループの経営指標の実績は下記の通り。

「自己資本比率」:32.2%

「ROE」   :8.5%   

継続的かつ安定的に目標を達成できるよう、引き続き、2016中期経営計画に取り組んでまいります。

 

(新型コロナウイルス感染症の流行拡大・原油価格の下落の影響)

当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の流行拡大や、これに起因した原料価格の急落が当社の業績に与える影響は軽微でありましたが、翌連結会計年度以降につきましては、新型コロナウイルス感染症流行拡大の影響により、インバウンド需要の減退や工場等の稼働率の低下など数年程度影響を受けるものと想定しております。家庭用への影響は軽微なものと想定しておりますが、ガス販売量の約3分の2を占める業務用(商業用や工業用等)の一部については影響があるものと見込んでおります。なお、翌連結会計年度の都市ガス販売量の見通しは当連結会計年度に比べ2.4%減の5億8千万m3としております。

原油価格の変動は、ガス販売単価や原料費に反映されるため、当社の業績へ影響を与えます。なお、ガス販売単価・原料費に反映されるタイミングにはタイムラグがあるため、一時的な損益影響が出る場合がありますが、中長期的には原料費調整制度により軽微なものとなります。

以上の状況を踏まえ、翌連結会計年度の経常利益は、当連結会計年度に比べ42.2%減の3,000百万円としております。ただし、業績予想の算定における前提に差異が生じた場合等には、実績が予想値から大きく乖離する可能性があります。今後の業績動向を踏まえ、業績予想の修正が必要となる場合には、速やかに開示いたします。

 

(注) 1 本書面では、ガス量はすべて1㎥当り45メガジュール(10,750キロカロリー)で表示しております。

2 消費税については税抜方式を採用しております。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産につきましては、連結子会社における製造設備の譲渡等により固定資産は減少となりましたが、原材料等の流動資産が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ778百万円増加し、150,345百万円となりました。負債は、有利子負債が増加したものの、未払金等の減少により、前連結会計年度末に比べ2,723百万円減少し、99,933百万円となりました。純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ3,501百万円増加し、50,411百万円となりました。

 

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末の借入金・社債等の残高は前連結会計年度末に比べ568百万円増加し、79,900百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ160百万円減少し、1,537百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは仕入債務の増加等により前連結会計年度に比べ3,043百万円増加し、15,405百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出の減少等により、同626百万円支出額が減少し、15,213百万円の支出となりました。これらを合計した当期のフリー・キャッシュ・フローは192百万円のプラスとなりました。

また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により、353百万円の支出となりました。

投資活動に必要な資金は営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内となりましたが、運転資金等による短期借入金の増加等により有利子負債は増加となりました。翌連結会計年度以降の投資活動は営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内で計画しております。

 

   (資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループにおける資金需要は、主に、設備投資、有利子負債返済、運転資金になります。

資金調達に関しては、減価償却費等の自己資金を優先して充当し、設備投資の内容に則し、都度有利な調達手段を選択しております。期中に必要となる運転資金に関しては、マーケットの状況に合わせ、短期借入金、短期社債(電子CP)等を織り交ぜながら調達しております。導管投資など設備投資に充当する資金は、将来の金利上昇リスクに備え、社債、長期借入などの長期資金で調達いたします。なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は79,900百万円となっております。また、現預金残高は1,537百万円となっております。

 

   (資金調達について)

当社グループは安定的かつ効率的な資金調達を行うとともに、資本コストの抑制として、低金利下の環境を生かし、長期で固定化した資金の調達を行っております。安定した資金調達は重要な経営課題と認識しており、資金調達の多様化を図るため、主要な取引先金融機関との良好な取引関係維持に加え、国内2社の格付機関から格付を取得しております。株式会社日本格付研究所の格付は、「シングルA(安定的)」、株式会社格付投資情報センターの格付は、「シングルA(安定的)」となっております。また、当社グループ内の資金は、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の導入により効率的な資金管理を行っております。

 

 

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

当社グループにおきましては、「都市ガス事業」が売上高及び営業費用共に連結財務諸表の大半を占めており、当該セグメントが当社グループの生産、受注及び販売活動の中心となっております。

以下は、「都市ガス事業」における当社の生産、受注及び販売の実績について記載しております。

 

① 生産実績

 当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

 

区分

生産量(千m3)

対前年増減率(%)

都市ガス

石狩LNG基地

551,801

2.8

函館みなと工場

48,768

4.5

北見工場

9,406

7.5

609,975

3.0

 

 

② 受注実績

 都市ガス事業については、その事業の性質上、受注生産を行っておりません。

 

③ 販売実績

  都市ガス販売実績

  当連結会計年度における都市ガス販売実績は次のとおりであります。

 

区分

販売量

対前年増減率(%)

都市ガス

家庭用

201,231

千m3

4.5

その他

383,131

千m3

1.7

584,362

千m3

2.7

他事業者向け供給

10,261

千m3

10.8

総販売量

594,622

千m3

2.8

月平均調定件数

467,021

1.3

調定件数1件当たり月平均販売量

104.3

3

1.3

 

 

区分

販売高(千円)

対前年増減率(%)

都市ガス

家庭用

27,773,393

1.6

その他

29,835,398

0.9

57,608,792

1.3

 

 

  お客さま件数及び普及率

 2020年3月末における地区別お客さま件数及び普及率は次のとおりであります。

 

地区別

世帯数(世帯)

お客さま件数(件)

普及率(%)

札幌地区

875,208

(1.1)

448,995

(1.3)

51.3

(0.2)

函館地区

114,229

(△ 0.3)

64,584

(△ 0.2)

56.5

(0.0)

小樽地区

45,397

(△ 0.9)

32,093

(△ 0.5)

70.7

(0.4)

千歳地区

45,938

(1.9)

20,406

(1.5)

44.4

(△ 0.4)

北見地区

43,882

(0.3)

17,741

(1.3)

40.4

(1.0)

1,124,654

(0.9)

583,819

(1.0)

51.9

(0.2)

 

 (注) 1 お客さま件数は、ガスメーター取付数によっております。

 2 世帯数は、供給区域の住民基本台帳及び各自治体の資料から推計した一般世帯数であります。

 3 ( )内数値は対前年増減率(%)であります。

 

 

 都市ガス料金

供給約款料金に対しては、下記の料金が適用されます。この区分によるa基本料金およびb従量料金の合計とし、各月の使用量に応じてA・B・C・D・Eのいずれかの料金表が適用されます。また、一般ガス供給約款で定める料金以外に、選択約款による料金や個別交渉による大口向けの料金があります。

なお、当社は、「消費税法の改正」に伴い、2019年10月1日よりガス料金を変更いたしました。これは2019年10月1日からの消費税法の改正による消費税率10%への引き上げを反映させたものです。これにより、ガス料金への新税率10%の適用開始は、消費税法の経過措置により9月以前から継続してガスをご使用の場合は11月検針分から、10月1日以降に新規でガスをご使用になる場合は10月検針分からとなります。

 

(2019年9月30日までの適用料金)

a 基本料金

基本料金は、1か月につき次のとおりであります。

料金表
種別

1か月の使用量

基本料金(税込)
(ガスメーター1個につき)

0m3から15m3まで

928.80円

15m3を超え50m3まで

1,427.76円

50m3を超え200m3まで

1,976.40円

200m3を超え800m3まで

7,560.00円

800m3を超える場合

9,720.00円

 

b 従量料金

従量料金は、使用量に次の単位料金を乗じて算定しております。

料金表
種別

1か月の使用量

基準単位料金(税込)

(1m3につき)

0m3から15m3まで

197.04円

15m3を超え50m3まで

163.78円

50m3を超え200m3まで

152.80円

200m3を超え800m3まで

124.89円

800m3を超える場合

122.19円

 

(注) 1 支払期限日(検針日の翌日から30日目)を経過した後に支払われる場合には、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%の割合で算定した延滞利息が発生します。

 2 上記の料金は1m3当たり45MJです。なお、消費税8%分が含まれております。

3 当社は、為替レートや原油価格など外的な要因で変動する原料価格をガス料金に反映する原料費調整制度を導入しております。2019年4月から2019年9月までの調整額は次のとおりであります。

検針月

1m3当たり調整額(税込)

2019年4月

-1.55

2019年5月

-2.18

2019年6月

-3.54

2019年7月

-5.45

2019年8月

-7.81

2019年9月

-10.53

 

 

(2019年10月1日からの適用料金)

a 基本料金

基本料金は、1か月につき次のとおりであります。

料金表
種別

1か月の使用量

基本料金(税込)
(ガスメーター1個につき)

0m3から15m3まで

946.00円

15m3を超え50m3まで

1,454.20円

50m3を超え200m3まで

2,013.00円

200m3を超え800m3まで

7,700.00円

800m3を超える場合

9,900.00円

 

b 従量料金

従量料金は、使用量に次の単位料金を乗じて算定しております。

料金表
種別

1か月の使用量

基準単位料金(税込)

(1m3につき)

0m3から15m3まで

200.69円

15m3を超え50m3まで

166.81円

50m3を超え200m3まで

155.63円

200m3を超え800m3まで

127.20円

800m3を超える場合

124.45円

 

(注) 1 支払期限日(検針日の翌日から30日目)を経過した後に支払われる場合には、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%の割合で算定した延滞利息が発生します。

 2 上記の料金は1m3当たり45MJです。なお、消費税10%分が含まれております。

3 当社は、為替レートや原油価格など外的な要因で変動する原料価格をガス料金に反映する原料費調整制度を導入しております。2019年10月から2020年3月までの調整額は次のとおりであります。

検針月

1m3当たり調整額(税込)

2019年10月

-11.65

2019年11月

-11.37

2019年12月

-11.55

2020年1月

-11.83

2020年2月

-12.66

2020年3月

-12.29

 

 

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、過年度実績や経営計画、入手可能で合理的な情報に基づく仮定等から会計上の見積りを行っておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果は異なる場合があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、長期に安定した原料調達を行うため、石狩LNG基地向け「LNG売買契約」を東京瓦斯株式会社と締結しており、その契約の期限は2022年度で、調達数量は年間30~40万tを予定しております。

なお、石狩LNG基地について下記の通り賃貸借契約を締結しております。

 

契約会社名

相手方の名称

契約内容

契約品目

契約期間

北海道ガス株式会社

石狩LNG桟橋株式会社

賃貸借契約

機械設備等

2018年7月31日から

2038年3月31日まで

北海道LNG株式会社

東銀リース株式会社

賃貸借契約

2012年12月3日から
2022年12月2日まで

北海道ガス株式会社

北海道LNG株式会社

転貸借契約

2012年12月3日から
2022年12月2日まで

北海道ガス株式会社

北海道LNG株式会社

賃貸借契約

2012年12月1日から
2022年11月30日まで

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、当社が主に都市ガス事業において行っており、「技術開発研究所」を中心に、積雪寒冷地に適したエネルギー利用機器の開発やエネルギー利用技術の研究を実施しております。当連結会計年度における研究開発費は290,430千円であります。

「技術開発研究所」の基本理念を以下に示します。

①  寒冷地技術の研究開発を推進し、技術の蓄積・普及を図ります。

②  エネルギー利用技術の高度化を追求し、環境負荷低減に努めます。

③  低炭素社会の実現に向けたエネルギー技術への対応を図ります。

④  地域社会と密接な交流を深めつつ、北国の生活文化に貢献します。

これらの基本理念に基づき、他企業・大学等の外部研究機関・行政とも協力し、研究開発活動を推進しております。

 

主な研究内容は、以下のとおりであります。

(1) 寒冷地向けガス機器及びマイホーム発電の商品開発

① 家庭用燃料電池「エネファーム」の寒冷地仕様開発

② 家庭用ガスエンジンコージェネレーション「コレモ」の開発

③ 高効率給湯暖房機エコジョーズの最適化開発

④ 小口業務用市場に最適な機器の開発

 

(2) 次世代エネルギーシステムの技術開発

①  太陽光発電・蓄電池とマイホーム発電の最適連携に関する研究

②   寒冷地におけるデシカント(除湿)換気システムの研究

③   AI(人口知能)による画像認識を用いた融雪システムの研究(北海道大学との共同研究)

④   お客さまのエネルギー利用状況に関する調査研究

 

(3) ガス事業基盤の強化に向けた取り組み

① ガス導管の保安レベル、施工性向上とコスト低減に貢献する技術・工法開発

② IoTを活用したガス供給インフラのローコストオペレーションに関する研究

③ ガス機器の品質・信頼性向上に向けた取り組み

 

(4) 低炭素で持続可能な社会の実現に向けた研究

① 北海道の持続可能なエネルギーシステム構築のためのシナリオ解析(北海道大学との共同研究)

② 北海道のスマートエネルギーネットワーク構築におけるコージェネレーション群の有効活用に関する研究(北海道大学との共同研究)

 

 

(5) その他

① 工学系若手研究者支援を目的とした「北海道ガス大学研究支援制度」の実施

② ビックデータを活用した情報の利用高度化