第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の我が国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな回復基調で推移したものの、新興国経済の減速を受け、輸出の落ち込みや設備投資が減少するなど、全体として基調の弱さが見られた。エネルギー業界においては、平成28年4月の電力小売り全面自由化に続き、平成29年中にはガスの小売りも全面自由化が決定しており、異業種からの新規参入の動きが高まるなど、当社を取り巻く環境は大きく変化しつつある。このような状況のなか、当社は平成25年からの3ヵ年を実施期間とする中期経営計画の目標達成に向けて諸施策に着実に取り組んできた。

当連結会計年度の売上高については、ガス売上高が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ 5.0%減少の94,816百万円となった。営業費用については、原料価格下落の影響で原材料費が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ7.5%減少した。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ51.9%増加の6,384百万円、経常利益は50.3%増加の6,802百万円、当期純利益は55.5%増加の4,440百万円となった。

 

 

セグメントの業績は、次のとおりである。

 

① ガス

当連結会計年度のガス販売量は、家庭用については、気温・水温が前連結会計年度に比べ高めに推移した影響などにより、1.6%減少した。また、業務用については、工業用でのお客さま設備の稼働の減少などにより、前連結会計年度に比べ0.3%減少した。この結果、ガス販売量合計では、前連結会計年度に比べ0.9%減少の686,589千m3となった。

ガス売上高については、ガス販売量の減少や原料費調整制度による販売単価の下方調整などにより、前連結会計年度に比べ6.4%減少の80,948百万円となった。

費用面については、原料価格下落の影響で原材料費が減少したことなどから、営業利益は前連結会計年度に比べ34.9%増加の9,047百万円となった。

② 不動産

不動産事業の売上高は、前連結会計年度に比べ1.4%減少の1,343百万円となった。営業利益は1.0%増加の731百万円となった。

③ その他

ガス工事・ガス機器販売等その他の売上高は、GHPやエネファームの売上が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ5.5%増加の14,137百万円となった。営業利益は前連結会計年度に比べ28.6%増加の603百万円となった。

(注) 1 本報告書でのガス量はすべて1m3当たり45メガジュール(MJ)換算で表示している。

2 事業の状況に記載する金額には、消費税等は含まれていない。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、営業活動により獲得した資金を有形及び無形固定資産の取得や借入金の返済等に振り向けた結果、前連結会計年度末に比べ1,525百万円増加の9,586百万円となった。

 

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

税金等調整前当期純利益6,802百万円や資金の支出を伴わない減価償却費8,018百万円等により、当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、前連結会計年度に比べ2,131百万円増加の13,737百万円となった。

 

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

有形及び無形固定資産の取得による支出9,607百万円等により、当連結会計年度において投資活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ740百万円増加の9,656百万円となった。

 

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

長期借入金が純額で1,942百万円の返済となったことなどにより、当連結会計年度において財務活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ1,029百万円増加の2,555百万円となった。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループにおいては、ガス事業が生産及び販売活動の中心となっている。

このため、以下はガス事業セグメントにおける生産及び販売の状況について記載している。

(1) 生産実績

最近2連結会計年度におけるガスの生産実績は、次のとおりである。

 

製品

項目

前連結会計年度

(自 平成26年1月1日

至 平成26年12月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年1月1日

至 平成27年12月31日)

ガス

製造ガス(千m3)

181,897

189,078

製品ガス仕入
(千m3)

518,298

501,112

 

 

(2) 受注状況

ガスについては、その性質上受注生産を行わない。

 

(3) 販売実績

ガスは、導管を通じて直接お客さまに販売している。

① ガス販売実績

最近2連結会計年度におけるガスの販売実績は次のとおりである。

 

項目

前連結会計年度

(自 平成26年1月1日

至 平成26年12月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年1月1日

至 平成27年12月31日)

数量(千m3)

金額(百万円)

数量(千m3)

金額(百万円)

ガス販売

 

 

 

 

 家庭用

315,921

53,402

310,822

51,590

 その他

376,963

33,095

375,767

29,358

692,885

86,498

686,589

80,948

お客さま件数(件)

938,466

948,337

 

 

 

② ガス料金

ガスの販売実績に関し、参考として当社のガス料金について記載する。

 

当社は、平成27年7月31日にガス料金の引き下げを主な内容とした供給約款などの変更について関東経済産業局長に対し届出を行い、平成27年9月1日より実施した。

なお、供給約款以外の料金として、選択約款による料金や、個別交渉による大口のお客さま向け料金がある。

 

 

   a 平成27年1月1日から平成27年8月31日までの適用料金(供給約款料金)

一般ガス供給約款に定めるガス料金は、基本料金及び基準単位料金(従量料金)の合計とし、1ケ月の使用量に応じて下記の料金表A、B、C、Dのいずれかを適用する。

 

適用区分
(1ケ月の使用量)

基本料金
(ガスメーター1個につき月額)

基準単位料金
(1m3につき)

料金表A(円)

0m3から20m3まで

800.28(税込)

162.47 (税込)

料金表B(円)

20m3をこえ100m3まで

1,139.65(税込)

145.50  (税込)

料金表C(円)

100m3をこえ350m3まで

1,926.51(税込)

137.63  (税込)

料金表D(円)

350m3をこえる場合

6,318.51(税込)

125.08  (税込)

 

(注) 1 上記の料金は、平成26年7月検針分以降の料金表である。

2 供給ガスの熱量は、1m3当たり45メガジュールである。

3 ガス料金の支払いが支払期日(検針日の翌日から30日目)を経過した場合には、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%の延滞利息が賦課される。

4 為替レートや原料価格等の外的要因で変動する原料価格をガス料金に反映する原料費調整制度を導入しており、上記料金表の基準単位料金に対し、下記の調整を行った調整単位料金が適用される。

料金適用期間(検針分)

1m3当たり調整額(円)

 

料金適用期間(検針分)

1m3当たり調整額(円)

平成27年  1月

13.63(税込)

 

平成27年  7月

4.69(税込)

  〃   2月

15.58(税込)

 

  〃   8月

△0.36(税込)

  〃   3月

17.97(税込)

 

 

 

  〃   4月

18.24(税込)

 

 

 

  〃   5月

15.23(税込)

 

 

 

  〃   6月

10.62(税込)

 

 

 

 

 

   b 平成27年9月1日からの適用料金(供給約款料金)

一般ガス供給約款に定めるガス料金は、基本料金及び基準単位料金(従量料金)の合計とし、1ケ月の使用量に応じて下記の料金表A、B、C、Dのいずれかを適用する。

 

適用区分
(1ケ月の使用量)

基本料金
(ガスメーター1個につき月額)

基準単位料金
(1m3につき)

料金表A(円)

0m3から20m3まで

800.28(税込)

166.51 (税込)

料金表B(円)

20m3をこえ100m3まで

1,150.20(税込)

149.01 (税込)

料金表C(円)

100m3をこえ350m3まで

1,950.48(税込)

141.01  (税込)

料金表D(円)

350m3をこえる場合

6,489.72(税込)

128.04  (税込)

 

(注) 1 供給ガスの熱量は、1m3当たり45メガジュールである。

2 ガス料金の支払いが支払期日(検針日の翌日から30日目)を経過した場合には、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%の延滞利息が賦課される。

3 為替レートや原料価格等の外的要因で変動する原料価格をガス料金に反映する原料費調整制度を導入しており、上記料金表の基準単位料金に対し、下記の調整を行った調整単位料金が適用される。

料金適用期間(検針分)

1m3当たり調整額(円)

平成27年  9月

△10.50(税込)

  〃   10月

△12.16(税込)

  〃   11月

△11.38(税込)

  〃   12月

△10.59(税込)

 

 

 

3 【対処すべき課題】

東日本大震災以降、エネルギーシステム改革に向けた社会的要請が高まり、平成28年4月の電力小売り全面自由化に続き、平成29年中にはガスの小売りも全面自由化が決定している。今後、お客さまの利便性の観点に立った競争環境整備を目的としたシステム改革の進展に伴い、これまでにない形でエネルギー間競争が起こることが想定されている。

このような経営環境の大きな変化を踏まえ、当社は「中期経営計画(平成28年~平成30年)」を策定し、「オール京葉ガスとしてエネルギー供給事業をコアとしながら多様なサービスを提供し、『地域と共に成長する価値創造企業』を実現する」という基本的な方向性のもと、四つの事業課題を掲げた。

一つ目の課題は、「エネルギーシステム改革への対応」である。ガス事業制度の変更に対し的確に対応するとともに、ガス小売りの全面自由化に向けた社内体制の見直しなどを行い、お客さま対応の準備に万全を期していく。

二つ目の課題は、「保安の高度化と供給基盤の強靭化」である。「お客さまへの安全・安心の提供」を高いレベルで実現するために、重大事故ゼロに向けた業務品質の向上などの保安の高度化に資する各種施策に引き続き取り組むほか、地震等に対する防災対策の高度化や供給ネットワークの整備等により供給基盤の強靭化を推進していく。

三つ目の課題は、「サービス価値の向上」である。多様なお客さまニーズを把握し提供サービスの充実を図るほか、電力小売りを含むマルチエネルギー供給の展開に向けた準備を進めていくなど、サービス価値の向上に取り組んでいく。

四つ目の課題は、「経営基盤の整備」である。業務の効率化や保有資産・ノウハウの有効活用等による経営効率化を推進し財務体質の強化を図るとともに、グループ全体の競争力強化に資する施策などの取り組みを進めていく。

当社グループは、これらの取り組みを通して企業価値の向上を図り、厳しい経営環境下においてもお客さまや社会から信頼され、選ばれ続ける企業グループを目指していく。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1) ガス事故

ガスの製造・供給に関する重大な漏洩・爆発事故等が発生した場合、お客さまへの安定供給に支障を及ぼす可能性がある。さらに、お客さまの身体・財産等に被害を与えてしまった場合には、訴訟・損害賠償費用の発生や社会的信頼の喪失等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

(2) 自然災害

当社グループの事業基盤は千葉県北西部に集中しているため、同地区に大規模な地震等の自然災害が発生した場合、導管等の供給設備やお客さまのガス設備に重大な被害が発生し、都市ガスの供給に支障を及ぼす可能性がある。また、その復旧対応に伴う費用が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

(3) エネルギーシステム改革による規制緩和と競争の激化

都市ガス事業における小売全面自由化等のエネルギーシステム改革が進んでおり、このような規制緩和の進展に伴うエネルギー市場における競争の激化は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

(4) 基幹情報システムの支障

ガスの製造・供給監視、ガス料金計算等を行う基幹情報システムに重大な支障が発生した場合、お客さまへの安定供給や円滑なサービスの提供が損なわれ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

(5) コンプライアンスに関するリスク

コンプライアンスの徹底については日頃より万全を期しているが、万一、ガス事業法その他の法令等に照らして不適切な行為や、企業倫理に反した行為等が発生した場合には、社会的信頼を喪失し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

(6) 情報漏洩

公益事業者として、大勢のお客さまの個人情報等の管理には万全を期しているが、万一お客さま情報が社外に流出した場合には、社会的信頼を喪失するとともに、損害賠償費用等が発生する可能性がある。

 

(7) 気温・水温の変動

ガス事業におけるガスの販売量は気温・水温によって増減するため、気温・水温の変動が業績に影響を及ぼす可能性がある。

(8) 原料価格の変動と原料調達の支障

都市ガスの原料であるLNG等は、その価格が原油価格や為替相場の変動の影響を受ける。この影響については、原料費調整制度の適用によりガス販売価格に反映させることができるが、反映までのタイムラグにより、決算期を越えて業績に影響を及ぼす可能性がある。

また、国際情勢の変化などにより当社の原料調達先におけるLNG輸入に不測の事態が生じた場合、当社の安定的な原料調達に支障を及ぼす可能性がある。

(9) ガス消費機器・設備に関するトラブル

ガス消費機器・設備に重大なトラブルが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

(10)感染症の流行

新型インフルエンザ等感染症が流行した非常時においては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はない。

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、主に当社がガス事業について行っている。当社では、ガス利用技術の研究開発及び導管の工事・維持管理等の供給技術の開発に取り組んでいる。

ガス利用技術としては、家庭用燃料電池システム(エネファーム)の普及拡大が図られる中、固体高分子型燃料電池(PEFC型エネファーム)よりも発電効率の高い固体酸化物型燃料電池(SOFC型エネファーム)について、実運転による性能評価試験を実施している。
 また、近年では、節電要請の高まりと、停電時の非常用電源として蓄電池に注目が集まってきていることから、蓄電池についても当社敷地に設置し、性能評価試験を継続して実施している。

供給技術開発としては、ガスを開通したままの状態で、ガスを噴出させることなくガス管を分岐できる「シャッター装置不要型 鋼管/鋳鉄管用トランジション活管分岐継手」を他事業者と共同開発し、平成27年度日本ガス協会技術大賞を受賞している。
 また、平成6年に当社で開発した「ねじガス栓」に温度変化への対応強化と防水機能の強化を施した「防水ねじガス栓」を他事業者と共同開発し、平成27年度日本ガス協会技術賞を受賞した。

なお、当連結会計年度における研究開発費は全額ガス事業に関するものであり、その金額は14百万円である。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績の分析

① ガス販売量

当連結会計年度の家庭用ガス販売量は、気温・水温が前連結会計年度に比べ高めに推移した影響などにより、1.6%減少した。また、業務用ガス販売量は、工業用でのお客さま設備の稼働の減少などにより、前連結会計年度に比べ0.3%減少した。この結果、ガス販売量合計では、前連結会計年度に比べ0.9%減少の686,589千m3となった。

② 売上高

ガス売上高については、ガス販売量の減少や原料費調整制度による販売単価の下方調整などにより、前連結会計年度に比べ6.4%減少の80,948百万円となった。不動産事業の売上高は、前連結会計年度に比べ1.4%減少の1,343百万円となった。ガス工事・ガス機器販売等その他の売上高は、GHPやエネファームの売上が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ5.5%増加の14,137百万円となった。この結果、売上高合計は前連結会計年度に比べ5.0%減少の94,816百万円となった。

③ 収支

売上原価については、原料価格下落の影響で原材料費が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ11.7%減少の55,931百万円となった。供給販売費及び一般管理費については、退職給付費用の増加などにより前連結会計年度に比べ0.8%増加の32,500百万円となった。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ51.9%増加の6,384百万円となった。

経常利益は、営業利益の増加等により前連結会計年度に比べ50.3%増加の6,802百万円となり、当期純利益は前連結会計年度に比べ55.5%増加の4,440百万円となった。

(2) 財政状態の分析

総資産は、前連結会計年度末に比べ2,751百万円増加の103,502百万円となった。これは、有形固定資産や投資有価証券が増加したことなどにより固定資産が2,352百万円増加したことや、現金及び預金が増加したことなどにより流動資産が399百万円増加したことによるものである。

負債は、前連結会計年度末に比べ2,008百万円減少の38,295百万円となった。これは、長期借入金が減少したことなどにより固定負債が1,020百万円減少したことや、支払手形及び買掛金が減少したことなどにより流動負債が988百万円減少したことによるものである。

純資産は、前連結会計年度末に比べ4,760百万円増加の65,206百万円となった。これは、当期純利益の計上等により利益剰余金が3,698百万円増加したことや、株価上昇などによりその他有価証券評価差額金が1,032百万円増加したことなどによるものである。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度に比べ3.0ポイント上昇し61.1%となった。

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ2,131百万円増加の13,737百万円の収入となった。これは、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度より2,275百万円増加したことなどによるものである。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ740百万円支出増加の9,656百万円の支出となった。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものである。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,029百万円支出増加の2,555百万円の支出となった。これは、長期借入れによる収入が減少したことなどによるものである。

以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,525百万円増加の9,586百万円となった。