当連結会計年度の我が国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が続くなか、政府や日本銀行の各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移したものの、アジア地域における地政学リスクが顕在化するなど、世界経済を巡る不確実性は依然として高く、先行きは不透明な状況となっている。エネルギー業界においては、平成28年4月の電力小売り全面自由化に続く、平成29年4月のガス小売り全面自由化により、エネルギー事業者間の相互参入の動きが高まるなど、当社を取り巻く環境は大きく変化しつつある。このような状況のなか、当社は平成28年からの3ヵ年を実施期間とする中期経営計画の目標達成に向け、諸施策に着実に取り組んできた。
当連結会計年度の売上高については、ガス売上高が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ 3.6%増加の83,897百万円となった。営業費用については、原料価格上昇の影響で原材料費が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ4.2%増加した。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ4.4%減少の5,687百万円、経常利益は2.8%減少の6,199百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は7.1%増加の4,282百万円となった。
セグメントの業績は、次のとおりである。
当連結会計年度のガス販売量は、家庭用については、気温・水温が前連結会計年度に比べ低めに推移した影響などにより、4.9%増加した。また、業務用については、工業用のお客さま設備の稼働が増加したことや、商業用及びその他用の暖房・給湯需要が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ2.5%増加した。この結果、ガス販売量合計では、前連結会計年度に比べ3.6%増加の712,737千㎥となった。
ガス売上高については、ガス販売量の増加などにより、前連結会計年度に比べ3.3%増加の69,248百万円となった。
費用面については、原料価格上昇の影響で原材料費が増加した結果、営業利益は前連結会計年度に比べ3.8%減少の 8,144百万円となった。
不動産事業の売上高は、前連結会計年度に比べ0.2%増加の1,349百万円となった。営業利益は6.2%増加の783百万円となった。
ガス工事・ガス機器販売・電力小売り等その他の売上高は、電力小売りの売上が増加したこと等により前連結会計年度に比べ5.7%増加の15,062百万円となった。営業利益は前連結会計年度に比べ20.1%増加の861百万円となった。
(注) 1 本報告書でのガス量はすべて1m3当たり45メガジュール(MJ)換算で表示している。
2 事業の状況に記載する金額には、消費税等は含まれていない。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、営業活動により獲得した資金を有形及び無形固定資産の取得や借入金の返済等に振り向けた結果、前連結会計年度末に比べ1,565百万円増加の12,050百万円となった。
税金等調整前当期純利益6,167百万円や資金の支出を伴わない減価償却費8,235百万円等により、当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、前連結会計年度に比べ812百万円減少の11,429百万円となった。
有形及び無形固定資産の取得による支出8,212百万円等により、当連結会計年度において投資活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ932百万円減少の8,269百万円となった。
長期借入金が純額で971百万円の返済となったことなどにより、当連結会計年度において財務活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ548百万円減少の1,594百万円となった。
当社グループにおいては、ガス事業が生産及び販売活動の中心となっている。
このため、以下はガス事業セグメントにおける生産及び販売の状況について記載している。
最近2連結会計年度におけるガスの生産実績は、次のとおりである。
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製品 |
項目 |
前連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
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ガス |
製造ガス(千m3) |
191,507 |
214,762 |
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製品ガス仕入 |
504,160 |
508,191 |
ガスについては、その性質上受注生産を行わない。
ガスは、導管を通じて直接お客さまに販売している。
最近2連結会計年度におけるガスの販売実績は次のとおりである。
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項目 |
前連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
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数量(千m3) |
金額(百万円) |
数量(千m3) |
金額(百万円) |
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ガス販売 |
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家庭用 |
307,741 |
44,754 |
322,930 |
45,526 |
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その他 |
380,216 |
22,258 |
389,806 |
23,722 |
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計 |
687,957 |
67,013 |
712,737 |
69,248 |
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取付ガスメーター数(件) |
963,641 |
979,319 |
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文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、『お客さまの視点に立った企業活動を通じ、より快適な生活と豊かな社会の実現に貢献いたします』を経営理念として、エネルギーの安定供給と保安の確保に努めるとともに、お客さま満足の向上に努めることにより、お客さまから選ばれる企業を目指すことを基本方針としている。
(2) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
電力・ガスの小売り全面自由化により、エネルギー業界は大競争時代を迎えており、異業種との間も含めた合従連衡の動きが見られるなど、これまで以上に厳しい競争環境になることが想定される。今後、地域社会にとって必要不可欠で、より信頼される企業グループであり続けるためには、「お客さまへの安心・安全の提供」を高いレベルで実現するとともに、お届けするサービス・価値をさらに高めていくことが必要となる。
このような経営環境において、当社は中期経営計画で定めた3年後のありたい姿「エネルギー供給事業を基盤に、新たな事業領域へ果敢に挑戦」の実現に向け、諸課題を確実に実施していく。
一つ目の課題は、「小売り事業の拡大」である。当社の都市ガスの供給区域への新たな事業者の参入に備えつつ、ガスをお使いいただく家庭用や業務用、大口のお客さまへの対応を丁寧かつ確実に実施するとともに、電力の販売等オール京葉ガスが一体となり、積極的に展開していく。
二つ目の課題は、「導管事業の拡大」である。ガス導管事業者の使命である「ガスの安定供給と保安レベルの向上」のため、早期復旧を目的とした地震対策に加え、緊急保安研修センターを活用した保安業務のレベルアップを推進していく。また、当社が保有する技術・ノウハウ・人財を活用した他事業者との協働についても検討を進めていく。
三つ目の課題は、「経営基盤の強化」である。エネルギー事業者間の激しい競争に勝ち残っていくために、業務のスリム化や情報技術の活用・推進などにより、事業運営の効率化を図っていく。
四つ目の課題は、「人財育成の強化」である。多様化するお客さまのニーズに合わせた様々な提案を行うことができるように、従来とは異なる技術・ノウハウを持った人財の育成を推進していく。
当社は、これらの取り組みを通して企業価値の向上を図り、厳しい経営環境下においてもお客さまや社会から信頼され、選ばれ続ける企業を目指していく。
(3) 目標とする経営指標
当社は、「中期経営計画(平成28年~平成30年)」において、「ガスの製造から消費にかかわる重大事故件数ゼロ」、「安定供給の確保と保安の高度化に資する設備投資額100億円(3カ年計)」、「お客さまニーズにお応えできる新たな付加価値サービスの提供」、「総資産経常利益率4.0%(3カ年平均)」を経営目標としている。
なお、進捗状況は、「ガスの製造から消費にかかわる重大事故件数ゼロ」については、平成28年、平成29年ともにゼロ件であった。「安定供給の確保と保安の高度化に資する設備投資」については、平成28年は38億円、平成29年は37億円の設備投資を行った。「お客さまニーズにお応えできる新たな付加価値サービスの提供」については、平成28年7月より低圧電力の販売を開始し、平成29年9月よりポイントサービスを開始した。「総資産経常利益率(個別)」については、平成28年は6.0%、平成29年は5.6%となった。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
ガスの製造・供給に関する重大な漏洩・爆発事故等が発生した場合、お客さまへの安定供給に支障を及ぼす可能性がある。さらに、お客さまの身体・財産等に被害を与えてしまった場合には、訴訟・損害賠償費用の発生や社会的信頼の喪失等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループの事業基盤は千葉県北西部に集中しているため、同地区に大規模な地震等の自然災害が発生した場合、導管等の供給設備やお客さまのガス設備に重大な被害が発生し、都市ガスの供給に支障を及ぼす可能性がある。また、その復旧対応に伴う費用が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
都市ガス事業における小売全面自由化等のエネルギーシステム改革が進んでおり、このような規制緩和の進展に伴うエネルギー市場における競争の激化は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
ガスの製造・供給監視、ガス料金計算等を行う基幹情報システムに重大な支障が発生した場合、お客さまへの安定供給や円滑なサービスの提供が損なわれ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
コンプライアンスの徹底については日頃より万全を期しているが、万一、ガス事業法その他の法令等に照らして不適切な行為や、企業倫理に反した行為等が発生した場合には、社会的信頼を喪失し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
公益事業者として、大勢のお客さまの個人情報等の管理には万全を期しているが、万一お客さま情報が社外に流出した場合には、社会的信頼を喪失するとともに、損害賠償費用等が発生する可能性がある。
ガス事業におけるガスの販売量は気温・水温によって増減するため、気温・水温の変動が業績に影響を及ぼす可能性がある。
都市ガスの原料であるLNG等は、その価格が原油価格や為替相場の変動の影響を受ける。この影響については、原料費調整制度の適用によりガス販売価格に反映させることができるが、反映までのタイムラグにより、決算期を越えて業績に影響を及ぼす可能性がある。
また、国際情勢の変化などにより当社の原料調達先におけるLNG輸入に不測の事態が生じた場合、当社の安定的な原料調達に支障を及ぼす可能性がある。
ガス消費機器・設備に重大なトラブルが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
新型インフルエンザ等感染症が流行した非常時においては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
該当事項はない。
当社グループにおける研究開発活動は、主に当社が都市ガス事業において行っている。当社では、コストダウン・効率化・安全高度化・環境負荷低減の観点から、導管の工事・維持管理等、供給技術の開発を中心に取り組んでいる。
供給技術分野の対応として、ガス工事のコストダウン・環境負荷低減に寄与する非開削工法やガスを開通したままの状態で、ガスを噴出させることなくガス管を分岐できる活管分岐工法等の技術開発を行っている。
また、供給支障対応としてガス管内の水溜まり箇所の特定やガス管への差し水箇所補修後の状態調査を効率的に行うことを目的に、「ポータブル都市ガス露点計」を他事業者と共同で開発し、平成29年度日本ガス協会技術賞を受賞した。
さらに、ガス管を道路に埋設する際、アスファルト舗装の切断に使用するコンクリートカッターの騒音を低減することを目的に、軽量かつ低コストな「可動式の防音パネル」を他事業者と共同で開発し、平成29年度日本ガス協会技術賞を受賞した。
なお、当連結会計年度における研究開発費は全額ガス事業に関するものであり、その金額は16百万円である。
当連結会計年度の家庭用ガス販売量は、気温・水温が前連結会計年度に比べ低めに推移した影響などにより、4.9%増加した。また、業務用ガス販売量は、工業用のお客さま設備の稼働が増加したことや、商業用及びその他用の暖房・給湯需要が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ2.5%増加した。この結果、ガス販売量合計では、前連結会計年度に比べ3.6%増加の712,737千㎥となった。
ガス売上高については、ガス販売量の増加などにより、前連結会計年度に比べ3.3%増加の69,248百万円となった。不動産事業の売上高は、前連結会計年度に比べ0.2%増加の1,349百万円となった。ガス工事・ガス機器販売・電力小売り等その他の売上高は、電力小売りの売上が増加したこと等により前連結会計年度に比べ5.7%増加の15,062百万円となった。この結果、売上高合計は前連結会計年度に比べ3.6%増加の83,897百万円となった。
売上原価については、原料価格上昇の影響で原材料費が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ5.0%増加の44,822百万円となった。供給販売費及び一般管理費については、事業者間精算費の増加などにより前連結会計年度に比べ3.3%増加の33,387百万円となった。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ4.4%減少の5,687百万円となった。
経常利益は、営業利益の減少等により前連結会計年度に比べ2.8%減少の6,199百万円となった。
親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等調整額を含めた税負担が減少した影響により、前連結会計年度に比べ7.1%増加の4,282百万円となった。
総資産は、前連結会計年度末に比べ3,692百万円増加の108,799百万円となった。これは、投資有価証券が増加したことなどにより固定資産が214百万円増加したことや、受取手形及び売掛金や現金及び預金が増加したことなどにより流動資産が3,478百万円増加したことによるものである。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,458百万円減少の35,476百万円となった。これは、退職給付に係る負債が減少したことなどにより固定負債が1,644百万円減少した一方で、支払手形及び買掛金が増加したことなどにより流動負債が186百万円増加したことによるものである。
純資産は、前連結会計年度末に比べ5,150百万円増加の73,323百万円となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が3,738百万円増加したことなどによるものである。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度に比べ2.5ポイント上昇し65.4%となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ812百万円減少の11,429百万円の収入となった。これは、売上債権の増減額が前連結会計年度より1,795百万円増加したことなどによるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ932百万円支出減少の8,269百万円の支出となった。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出が減少したことなどによるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ548百万円支出減少の1,594百万円の支出となった。これは、長期借入による収入が増加したことなどによるものである。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,565百万円増加の12,050百万円となった。