第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1) 会社の経営の基本方針

  当社は、『お客さまの視点に立った企業活動を通じ、より快適な生活と豊かな社会の実現に貢献いたします』を経営理念として、エネルギーの安定供給と保安の確保に努めるとともに、お客さま満足の向上に努めることにより、お客さまから選ばれる企業を目指すことを基本方針としている。

(2) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題

電力・ガスの小売り全面自由化により、関東エリアにも新規参入者の進出が本格化するなど、今後も当社を取り巻く環境はより一層厳しくなることが予想される。

こうした状況のなか、今後も当社が持続的に成長するために、これまで以上に地域のお客さまとの関係を強化し、お客さまの暮らしに貢献するという社会的な役割を果たすため、当社は「中期経営計画(2019-2021)」を策定した。本中期経営計画においては、3年後のありたい姿として「変革と挑戦によりお客さまの豊かで快適な暮らしを支える新しい価値を創造して提供し続けている」を定め、その実現に向けて三つの事業課題を掲げた。

一つ目の課題は、「豊かで快適な暮らしに貢献」である。お客さまの豊かで快適な暮らしに貢献するため、都市ガス・LPG・電気といったエネルギー供給をはじめ、IoT等を活用した新たな機器・サービスや省エネ・生活関連情報の提供にオール京葉ガスで取り組んでいく。

二つ目の課題は、「安心・安全のたゆまぬ追求」である。重大事故ゼロに向けた保安の高度化に資する各種施策に引き続き取り組むほか、生産供給設備の能力の増強や大規模地震発生時の早期復旧に向けた災害対策の推進等により供給基盤の強靭化を推進していく。

三つ目の課題は、「選択と集中による経営基盤の強化」である。エネルギーの料金競争に向けて、ICT活用の推進により業務プロセスや運営体制の改善を行い業務全般にわたる不断の効率化に努めるとともに、人財と保有資産を中心とした経営資源を最大限に活用していく。

当社は、これらの取り組みを通して企業価値の向上を図り、厳しい経営環境下においてもお客さまや社会から信頼され、選ばれ続ける企業を目指していく。

(3) 目標とする経営指標

当社は、「中期経営計画(2019-2021)」において、経営目標を以下のとおり設けている。

① 安定供給・保安の確保に関する目標

 ・ガスの製造から消費にかかわる重大事故※1件数ゼロ

 ・安定供給と保安の確保に資する設備投資額100億円(3カ年計)

② 営業・サービスに関する目標

 ・エネルギー事業におけるお客さま件数 都市ガス※2:100万件 電気※3:10万件

③ 事業の多様性拡大に関する目標

 ・ガス事業以外の売上高100億円

 ・新たな事業の立ち上げ2件以上

④ ICT・人財育成に関する目標

 ・付加価値の向上や業務効率化を図るため、ICT活用による生産性の向上、業務の高度化を実現

 ・高付加価値人財※4の育成・増強と社員数抑制の両立

⑤ 経営指標に関する目標

 ・総資産経常利益率4.5%以上(3カ年平均)

 

 ※1 当社に起因する人身事故、大規模供給停止、爆発事故等。

 ※2 当社および卸先事業者(京和ガス㈱)のメーター取付数。

 ※3 当社の電気を使用している契約件数

※4 定型業務ではなく、事業環境の変化を受けて、状況対応・判断、企画立案・提案等の役割を担うことができる人財。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1) ガス事故

ガスの製造・供給に関する重大な漏洩・爆発事故等が発生した場合、お客さまへの安定供給に支障を及ぼす可能性がある。さらに、お客さまの身体・財産等に被害を与えてしまった場合には、訴訟・損害賠償費用の発生や社会的信頼の喪失等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

(2) 自然災害

当社グループの事業基盤は千葉県北西部に集中しているため、同地区に大規模な地震等の自然災害が発生した場合、導管等の供給設備やお客さまのガス設備に重大な被害が発生し、都市ガスの供給に支障を及ぼす可能性がある。また、その復旧対応に伴う費用が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

(3) 競争の激化

ガス小売全面自由化等に伴うエネルギー市場における競争の激化は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

(4) 基幹情報システムの支障

ガスの製造・供給監視、ガス料金計算等を行う基幹情報システムに重大な支障が発生した場合、お客さまへの安定供給や円滑なサービスの提供が損なわれ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

(5) コンプライアンスに関するリスク

コンプライアンスの徹底については日頃より万全を期しているが、万一、ガス事業法その他の法令等に照らして不適切な行為や、企業倫理に反した行為等が発生した場合には、社会的信頼を喪失し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

(6) 情報漏洩

公益事業者として、大勢のお客さまの個人情報等の管理には万全を期しているが、万一お客さま情報が社外に流出した場合には、社会的信頼を喪失するとともに、損害賠償費用等が発生する可能性がある。

(7) 気温・水温の変動

ガス事業におけるガスの販売量は気温・水温によって増減するため、気温・水温の変動が業績に影響を及ぼす可能性がある。

(8) 原料価格の変動と原料調達の支障

都市ガスの原料であるLNG等は、その価格が原油価格や為替相場の変動の影響を受ける。この影響については、原料費調整制度の適用によりガス販売価格に反映させることができるが、反映までのタイムラグにより、決算期を越えて業績に影響を及ぼす可能性がある。

また、国際情勢の変化などにより当社の原料調達先におけるLNG輸入に不測の事態が生じた場合、当社の安定的な原料調達に支障を及ぼす可能性がある。

(9) ガス消費機器・設備に関するトラブル

ガス消費機器・設備に重大なトラブルが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

(10)感染症の流行

新型インフルエンザ等感染症が流行した非常時においては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りである。

なお、当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり見積もりが必要な事項については、入手可能な情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づき、会計上の見積もりを行っている。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度の我が国経済は、堅調な企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移したものの、海外における通商問題、新興国等の経済・政策に関する不確実性等による影響もあり、先行きはやや不透明な状況となっている。

エネルギー業界においては、電力・ガス小売り全面自由化により、業界の枠を越えた企業の提携が進むなど、エネルギー事業者間の競争が激化しており、当社を取り巻く環境は大きく変化しつつある。

このような状況のなか、当社は2016年からの3カ年を実施期間とする中期経営計画の目標達成に向けて、諸施策に着実に取り組んできた。

当連結会計年度の売上高については、ガス売上高や電力小売りの売上高が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ4.6%増加の87,732百万円となった。売上原価については、原料価格上昇の影響で原材料費が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ10.7%増加した。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ16.6%減少の4,741百万円、経常利益は14.9%減少の5,274百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は13.8%減少の3,692百万円となった。

 

セグメント別の業績は、次のとおりである。

 

① ガス

  当連結会計年度のガス販売量は、家庭用については、春以降の気温が前年に比べ高めに推移した影響により、4.9%減少した。また、業務用については、猛暑の影響で商業用及びその他用の空調需要が増加した一方で、工業用のお客さま設備の稼働が減少したことなどにより、ほぼ前連結会計年度並みとなった。この結果、ガス販売量合計では、前連結会計年度に比べ2.2%減少の697,125千m3となった。
  ガス事業の売上高については、原料費調整制度による販売単価の上方調整などにより、前連結会計年度に比べ2.7%増加の71,147百万円となった。
  費用面については、原料価格上昇の影響で原材料費が増加した結果、営業利益は前連結会計年度に比べ9.4%減少の 7,382百万円となった。

 

② 不動産

  不動産事業の売上高は、ほぼ前連結会計年度並みの1,350百万円となった。営業利益は0.1%増加の784百万円となった。

 

③ その他

  ガス工事・ガス機器販売・電力小売り等その他の売上高は、電力小売りの売上が増加したこと等により前連結会計年度に比べ12.9%増加の17,003百万円となった。営業費用については電力小売り関連の費用が増加した結果、営業利益は前連結会計年度に比べ10.4%減少の771百万円となった。

 

(注) 1 本報告書でのガス量はすべて1m3当たり45メガジュール(MJ)換算で表示している。
      2 事業の状況に記載する金額には、消費税等は含まれていない。

 

 

(2) 財政状態

総資産は、前連結会計年度末に比べ334百万円増加の109,134百万円となった。これは、現金及び預金が増加したことなどにより流動資産が822百万円増加した一方で、投資有価証券が減少したことなどにより固定資産が487百万円減少したことによるものである。

負債は、前連結会計年度末に比べ39百万円増加の35,515百万円となった。これは、退職給付に係る負債が増加したことなどにより固定負債が209百万円増加した一方で、未払法人税等が減少したことなどにより流動負債が170百万円減少したことによるものである。

純資産は、前連結会計年度末に比べ295百万円増加の73,618百万円となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が3,120百万円増加した一方で、株価の下落などによりその他有価証券評価差額金が1,813百万円減少したことや、退職給付に係る調整累計額が1,097百万円減少したことなどによるものである。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度並みの65.4%となった。

 

(3) キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,192百万円増加の12,622百万円の収入となった。これは、売上債権の増減額が前連結会計年度より1,844百万円減少したことなどによるものである。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,414百万円支出増加の9,683百万円の支出となった。これは、投資有価証券の取得による支出が前連結会計年度に比べ992百万円増加したこと、定期預金の預入による支出が前連結会計年度に比べ600百万円増加したことなどによるものである。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ350百万円支出増加の1,944百万円の支出となった。これは、長期借入による収入が前連結会計年度に比べ500百万円減少したことなどによるものである。

以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ993百万円増加の13,044百万円となった。

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

当社グループにおいては、ガス事業が生産及び販売活動の中心となっている。

  このため、以下はガス事業セグメントにおける生産及び販売の状況について記載している。

① 生産実績

最近2連結会計年度におけるガスの生産実績は、次のとおりである。

 

製品

項目

前連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

当連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

ガス

製造ガス(千m3)

214,762

 197,621

製品ガス仕入
(千m3)

508,191

 508,647

 

 

② 受注状況

ガスについては、その性質上受注生産を行わない。

 

③ 販売実績

ガスは、導管を通じて直接お客さまに販売している。

最近2連結会計年度におけるガスの販売実績は次のとおりである。

 

項目

前連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

当連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

数量(千m3)

金額(百万円)

数量(千m3)

金額(百万円)

ガス販売

 

 

 

 

 家庭用

322,930

45,526

 307,226

 45,291

 その他

389,806

23,722

 389,899

 25,823

712,737

69,248

 697,125

 71,115

取付ガスメーター数(件)

979,319

       991,757

 

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの販売活動の中心であるガス事業において、その販売量は気温・水温の変動により影響を受ける。家庭用ガス販売の主な用途は暖房・給湯需要であるため、暖冬の場合には販売量が減少し、減益要因となる。さらに、家庭用以外のガス販売では、商業施設やホテル向けを含む商業用や、学校や官公庁向けを含むその他用において、暖房・冷房用の需要が冬場・夏場の気温の変動の影響を受けるため、販売量が増減する。
 また、当社グループが供給するガスの原料であるLNG等の価格は、為替相場や原油価格の変動の影響を受ける。原料価格の変動は原料費調整制度によりガスの販売価格に反映され、中長期的には回収されるが、その反映までに最大5ヶ月のタイムラグが生じることにより、連結会計年度末時点において経営成績等に影響を及ぼすことがある。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの主な資金需要は、ガス導管を中心とした設備投資資金であり、そのための資金調達については、自己資金及び金融機関からの借入れを基本としている。
  なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は7,433百万円、現預金残高は15,681百万円である。

 

(7) 目標とする経営指標の実績

当社は、「中期経営計画(2016年~2018年)」において、「ガスの製造から消費にかかわる重大事故件数ゼロ」、「安定供給の確保と保安の高度化に資する設備投資額100億円(3カ年計)」、「お客さまニーズにお応えできる新たな付加価値サービスの提供」、「総資産経常利益率4.0%(3カ年平均)」を経営目標とし、達成に向けて、諸施策に着実に取り組んできた。
  その結果、「ガスの製造から消費にかかわる重大事故件数ゼロ」については、2016年~2018年においてゼロ件であった。「安定供給の確保と保安の高度化に資する設備投資」については、2016年は38億円、2017年は37億円、2018年は31億円の設備投資を行い、3カ年計の設備投資額は107億円となった。「お客さまニーズにお応えできる新たな付加価値サービスの提供」については、2016年7月より低圧電力の販売を開始し、2017年9月よりポイントサービス、2018年5月よりガス機器あんしんサポートを開始した。「総資産経常利益率(個別)」については、2016年は6.0%、2017年は5.6%、2018年は4.6%となり、3カ年平均で5.4%となった。
  また、当社は新たに「中期経営計画(2019-2021)」を策定した。「中期経営計画(2019-2021)」の概要及び目標値については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載している。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はない。

 

5 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、主に当社が都市ガス事業において、コストダウン・効率化・安全高度化・環境負荷低減の観点から、導管の工事・維持管理等、供給技術の開発を中心に取り組んでいる。

供給技術分野については、ガス工事のコストダウン・環境負荷低減に寄与する非開削工法や、ガスを開通したままの状態で、ガスを噴出させることなくガス管を分岐できる活管分岐工法等の技術開発を行っている。

また、ガスメーターを建物の外壁に固定する部材を軽量かつ小型化することにより、コストダウン及び作業性の向上を実現した「ガスメーター固定金具」を他事業者と共同で開発し、2018年度日本ガス協会技術賞を受賞した。

さらに、保安の向上を目的に、継手の交換のみの簡単な作業でガスの検査口を追加できる「検査口付ガスメーター継手」を他事業者と共同で開発し、2018年度日本ガス協会技術賞を受賞した。

なお、当連結会計年度における研究開発費は全額ガス事業に関するものであり、その金額は12百万円である。