(1) 経営の基本方針
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
当社グループは、創業以来培ってきた「お客さま第一主義」の精神のもと、エネルギー供給を通じてお客さまの「くらし」と「ものづくり」を支え、地域の発展と社会の低炭素化に貢献することを目指している。
これまで、2014~2018年度の5か年を計画期間とする中期経営計画で掲げた施策を実行し、都市ガス事業での成長を実現するとともに、電気事業への参入やグループ・新規事業の強化など、事業領域拡大に取り組んできた。
今後を見通すと、エネルギー自由化に伴い事業者間競争はさらに激化するとともに、様々な外部環境の変化により、エネルギーを巡る状況は大きく変わっていくことが見込まれる。こうしたなか、2019~2021年度の3年間では、競争に勝ち抜き、引き続きエネルギー事業での成長を実現することに加え、将来に向けた事業構造改革を加速していく必要がある。これを踏まえ、当社グループは、2019~2021年度の3か年を対象とする新たな中期経営計画を策定した。
当社グループは、当計画に沿って「経営基盤の強化」を図りつつ、「都市ガス事業のさらなる成長」、「トータルエネルギープロバイダーへの発展」、「新たな領域への挑戦」の「3つの重点戦略」を実行することで、お客さまに信頼され、地域に根差したエネルギー事業者としてのポジションをさらに強固にするとともに、事業領域を一層拡大し、持続的な成長を実現する。
なお、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)目標とする経営指標の達成状況」に記載している。
(2) 対処すべき課題
エネルギー業界は、競争の激化に加え、低炭素化の進展や脱炭素化への動き、デジタル技術の急速な進歩がお客さまのライフスタイルや産業構造に影響を与えるなど、大きな転換期を迎えている。加えて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、当地域の経済や産業にも広範に影響を及ぼしており、事業環境の先行きが見通せない状況となっている。
こうした中、当社グループは、新型コロナウイルスの感染防止策を徹底し、ガス事業者としての使命である安定供給、保安の確保等に万全を期していく。併せて、中期経営計画を具体化した以下の取り組みを進める。また、新型コロナウイルスによる業績への影響が極めて不透明であるため、固定費のさらなる削減等を行いつつ、状況変化に柔軟に対応していく。
①都市ガス事業のさらなる成長
家庭用では、IoT機能を搭載したエネファームをはじめとする快適でエコなくらしの提案や、お客さまのくらしをサポートする幅広いサービスを提供する。また、当社グループの強みである地域に密着した保安・サービス体制をさらに充実させる。
業務用では、他燃料からの燃料転換や高効率ガス設備の導入などを推進するとともに、当社の技術力や最新技術を活用した高品質なサービスを提供する。
低廉かつ安定的な原料調達に向けて、調達方法の多様化や受入基地の柔軟性向上に取り組む。また、導管網の拡充やLNGローリー供給での需要開発により天然ガスの広域展開を図るほか、地震や風水害に対してハード・ソフト両面での保安対策・災害対策を着実に進める。
②トータルエネルギープロバイダーへの発展
都市ガスにLPGと電気を加えた3つのエネルギーの最適提案と、周辺サービスをワンストップでお届けする「トータルエネルギープロバイダー」への発展に向け、さらに取り組みを進める。
LPG事業では、東海3県から活動エリアを広げるとともに、東邦液化ガスが共同保有する内航船の活用などにより低廉かつ安定的な調達を実現する。電気事業では、販売施策を強化するほか、再生可能エネルギー電源の開発、お客さまの節電意識を高めるための家庭向けサービスの開発などに取り組む。加えて、本年3月に開設したウェブサイト「ASMITAS(アスミタス)」などを通じて、くらしまわりの新たなサービスを提供する。
③新たな領域への挑戦
「総合ユーティリティサービス事業」、「リフォーム事業」、「製造・供給技術の外販」、「保有不動産の活用」の4つの領域を中心に、グループ事業を着実に拡大する。また、松阪市・岡崎市に続く地域新電力、海外におけるガス事業やガス火力発電への参画など、当社の技術・資源・ノウハウを活用できる事業に積極的に取り組む。
以上の取り組みを支えるため、多様な人材の採用・育成や柔軟な働き方の実現、コーポレート・ガバナンスの強化、抜本的な効率化など、経営基盤を強化する。また、最新のデジタル技術を活用した新たなサービス開発、水素関連などの技術開発等に取り組むとともに、当社事業を通じた環境負荷低減、地域での環境・社会活動などに取り組む。
併せて本年4月に設置した「導管ネットワークカンパニー」において、2022年4月の導管部門の法的分離に向けた準備を着実に進める。
経営環境は厳しさを増しているが、当社グループは、持続的な成長に向けて取り組み、いつの時代にも選ばれ続ける企業グループを目指していく。
有価証券報告書に記載した事業の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの経営成績及び財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクとしては、以下のようなものがある。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものである。
当社グループの主要な事業である都市ガス・LPG・電気事業は、当地域の社会・経済動向のほか、猛暑や暖冬等の気候変動、小売全面自由化に伴う競争環境の変化、省エネルギーの進展や産業構造の変化等により、販売量が変動し、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。
当社グループは、新規需要開発を推進するとともに、新サービス等による付加価値の提供やデジタル技術活用等により、当地域におけるトータルエネルギーシェアの拡大を進めている。
都市ガスの原料であるLNG(液化天然ガス)の価格は、原油価格・為替相場等の変動の影響を受ける。原料価格の変動は、原料費調整制度によってガス販売価格に反映されるが、反映までのタイムラグにより期間収支に影響を受ける可能性がある。また、LNG調達先との契約更改、価格交渉の動向により原料価格が変動した場合、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。
原油価格や為替相場等の変動リスクを一定程度抑制するため、商品スワップ取引を利用している。
当社グループの保有する株式・年金資産等は株価・金利等が変動することによって、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。また、市場金利の動向により調達金利が変動することによって、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。ただし、有利子負債の大部分は固定金利で調達した長期借入金や社債であり、短期の金利変動による影響は限定的である。
変動金利での調達は、一部に金利スワップ取引を利用して固定化を行っている。
エネルギー・環境政策、各種法令や制度の変更により、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。
低炭素化社会の実現に向けて、当社グループは、重油等から都市ガスへの燃料転換や高効率ガス設備の導入促進に取り組んでいる。併せて、再生可能エネルギーとともに、再生可能エネルギーと親和性の高い分散型電源の普及拡大を推進している。
(5) 自然災害等による影響
大規模な自然災害により、製造設備や供給設備、お客さま設備に広範に被害が発生した場合、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。また、不測の大規模停電が発生した場合にも、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。
当社グループは、大規模な自然災害に対しては、自家発電設備や防消火設備等の防災設備や防災体制を整備するなど、災害の影響を最小限に止める対策を実施するとともに、ガス導管の耐震化など供給設備や製造設備等の耐震性の向上を図っている。
ガスの原料調達、製造、供給に重大な支障が生じた場合、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。
LNGの安定調達に向け、当社グループは、調達地域の分散や受入基地の柔軟な運用に取り組んでいる。また、製造および供給支障への対策として、工場やガス導管等の高経年対策をはじめ、各種保安対策を実施している。
(7) 情報システム支障による影響
基幹となる情報システムに重大な支障が生じた場合、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。
当社グループは、システムの維持管理を徹底するとともに、各種のセキュリティ対策を実施し、サイバー攻撃対策訓練の実施やセキュリティ規程類に基づくチェックを継続的に行っている。
ガスの消費機器・設備に関する重大なトラブルが生じた場合、社会的な責任を含めて有形無形の損害が発生する可能性がある。
当社グループは、ガス消費機器の調査、安全点検、メンテナンス業務等の品質向上とともに、安全使用のための周知や安全機器への取替促進を行っている。
当社グループ及び委託先が取り扱う商品・サービス等に関する品質にトラブルが発生した場合、社会的な責任を含めて有形無形の損害が発生する可能性がある。
当社グループは、社内外の研修等を通じて、当社グループ及び委託先が取り扱う商品・サービス等の品質向上に取り組んでいる。
(10) 投資環境の変化による影響
原油価格下落等の市況の変化や景気動向等によっては、国内外投資について、将来の収益性の低下等により、適切に回収されず、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。また、海外投資については、事業を行う各国における法規制や商慣習等の変化により、事業運営の遅延や停滞、費用の増加などが発生する可能性がある。
当社グループは、案件ごとに収益性やリスク等の事業性を慎重に吟味の上、必要な投資を行っている。また、市況の変化や景気動向等を注視し、減損の兆候がある場合、減損損失の認識・測定の要否に関する判定を行っている。
法令、約款、若しくは企業倫理や社会的規範に反する行為が発生した場合、社会的な責任を含めて有形無形の損害が発生する可能性がある。
当社グループは、コンプライアンス委員会を設置して、コンプライアンス活動の進捗確認と課題把握を行うとともに、教育・啓発や点検・調査活動を推進し、コンプライアンスの徹底を図っている。また、コンプライアンスに関する相談窓口を社内外に設置している。
当社グループが取得、管理しているお客さまの個人情報が外部に流出した場合、社会的な責任を含めて有形無形の損害が発生する可能性がある。
当社グループは、個人情報保護委員会を設置して、個人情報保護に関する活動計画等の審議を行うとともに、教育・啓発や自主監査の活動を推進し、情報管理の徹底に取り組んでいる。
新型コロナウイルス等の感染症の拡大に伴い、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。当社グループは、対策本部を設置し、感染防止策を徹底することで、ガス事業者としての使命である安定供給、保安の確保等に取り組んでいる。
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、当地域においても大きな影響が及ぶと予想されるが、現時点では先行きが極めて不透明であり、業績等への影響の算定が困難である。翌連結会計年度の連結業績予想については、今後、新型コロナウイルスの感染拡大が当社グループに及ぼす影響の確認が進み、算定が可能になった段階で、速やかに公表する。
なお、2020年4及び5月の累計ガス販売量は、前期と比べ12%の減少となった。
当連結会計年度(以下、当期という。)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
(1)経営成績
当期は、米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの世界的な感染拡大などを背景に、期末にかけて当地域経済の減速感が急速に強まった。エネルギー業界においても、エリア・業界の垣根を超えた競争により厳しさが増している。このような状況の中、当社グループは、中期経営計画で重点戦略として掲げた「都市ガス事業のさらなる成長」、「トータルエネルギープロバイダーへの発展」、「新たな領域への挑戦」に着実に取り組んできた。
当期末のガスのお客さま数は、前期末と比べ2万4千件増加し251万件となった。ガス販売量は、前期と比べ1.2%減少し37億9千2百万㎥となった。用途別では、家庭用は、記録的な暖冬影響などにより同4.3%の減少となった。業務用は、気温影響に加え、お客さま先設備の稼働減などにより同1.5%の減少となった。他ガス事業者向け卸供給は同10.5%の増加となった。LPGのお客さま数は、ヤマサグループの連結子会社化などにより、前期末と比べ8万9千件増加し58万9千件、販売量は前期と比べ7.7%の増加となった。電気のお客さま数は、前期末と比べ13万9千件増加し33万5千件、販売量は9億9千万kWhとなった。
売上高は、前期比5.3%増加し4,856億2千3百万円となった。売上原価は、同4.7%増加し3,300億9千2百万円となった。供給販売費及び一般管理費は、同4.8%増加し1,341億7千9百万円となった。これらの結果、経常利益は同15.3%増加し247億6千3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同9.8%増加し162億6千6百万円となった。
当期は、暖冬影響やお客さま先設備の稼働減などにより販売量が減少したが、原料費調整制度による原材料費と売上高の期ズレ差損が差益に転じたことにより、増益となった。
なお、新型コロナウイルス感染症による当期の業績への影響は軽微であると判断している。
また、経常利益の主な増減要因は、次のとおりである。
ガス販売量の影響 △20億円
スライドタイムラグの影響 +170億円(前期△90億円→当期+80億円)
原材料在庫による受払差の影響 △45億円
固定費の増加等の影響 △73億円
<参考>平均気温・原油価格・為替レート
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
お客さま数は当期中に2万4千件増加し、期末には251万件となった。ガス販売量は、前期と比べ1.2%減少し37億9千2百万㎥となった。用途別では、家庭用は、記録的な暖冬影響などにより同4.3%減少し、6億4千4百万㎥となった。業務用は、気温影響に加え、お客さま先設備の稼働減などにより同1.5%減少し、28億6千万㎥となった。他ガス事業者向け卸供給は同10.5%増加し、2億8千8百万㎥となった。売上高は、前期比3.0%減の3,028億9千6百万円となった。
LPG事業、電気事業、熱供給事業などの売上高は前期比17.0%増の1,084億2千9百万円となった。LPGのお客さま数は、ヤマサグループの連結子会社化などにより、前期末と比べ8万9千件増加し58万9千件、販売量は前期と比べ7.7%の増加となった。電気のお客さま数は、前期末と比べ13万9千件増加し33万5千件、販売量は9億9千万kWh となった。
<工事及び器具>
新設工事や業務用ガス機器販売の増加により、売上高は前期比15.5%増の400億2千8百万円となった。
プラントの設計施工や不動産の賃貸などのその他事業については、売上高は前期比34.6%増の553億9千9百万円となった。
当社グループにおいては、当社及び子会社が行うガス事業が生産及び販売活動の中心であり、外部顧客に対する売上高及び営業費用において連結合計の大半を占めている。ガス事業以外のセグメントにおける生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるが、生産規模は小さく、また受注生産形態をとらない製品も多い。このため以下は、ガス事業セグメントについて記載している。
当社及び水島瓦斯㈱においてガスの生産を行っている。
最近2連結会計年度のガスの生産実績は次のとおりである。
ガス事業については、その性質上受注生産は行っていない。
当社は愛知県、三重県、岐阜県で、水島瓦斯㈱は岡山県内においてそれぞれガスの販売を行っている。
最近2連結会計年度におけるガス販売実績は次のとおりである。
総資産は前期末比141億5千6百万円の増加となった。これは、現金及び預金が増加したことなどによる。
負債は前期末比187億2千7百万円の増加となった。これは、社債が増加したことなどによる。
純資産は前期末比45億7千万円の減少となった。これは、保有株式等の時価の下落に伴い、その他有価証券評価差額金が減少したことなどによる。
これらの結果、自己資本比率は前期末の59.5%から57.2%となり、総資産当期純利益率(ROA)は、前期の 2.7%から2.9%となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上などにより、683億7千6百万円の収入となった。前期比では、357億6千1百万円の収入の増加となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資をはじめとして 429億4千9百万円の支出となった。前期比では、29億3千8百万円の支出の増加となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得や配当金の支払いなどにより、107億3千万円の支出となった。前期比では、195億6千5百万円の支出の増加となった。これらの結果、当期における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ147億1千8百万円増加し、339億7千9百万円となった。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりである。
資金調達については社債、コマーシャル・ペーパー及び銀行等金融機関からの借入により行っている。当社の社債については、国内無担保社債を昨年4月および12月に各100億円、合計200億円発行した。なお、当期中の社債償還額は100億円である。借入金は前期末に比べ88億4千5百万円減少した。また、適時に資金繰計画を作成・更新するなどの方法により、流動性リスクを管理している。
当社グループは、競争に勝ち抜き、引き続きエネルギー事業での成長を実現することに加え、将来に向けた事業構造改革を加速していくため、2020年3月期を初年度とする中期経営計画(2019年度~2021年度)を策定している。
中期経営計画初年度となる当期は、米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大等を背景に、当地域の景気・経済活動の停滞感が強まる中、順調に推移したと評価している。中期経営計画に掲げた主要施策については、新規需要開発や、ライフサービスプラットフォーム事業のサービス「ASМITAS(アスミタス)」開始、国内外のエネルギー案件の具体化等、着実に進めることができた。
○目標とする経営指標
※1 お客さま数(天然ガス)は取付メーター数。
※2 お客さま数(LPG)には、配送受託件数を含む。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積もりに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。
この連結財務諸表作成にあたり、見積りが必要な事項については、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っている。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているが、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは以下のとおりである。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大が世界全体に大きな影響を及ぼしているが、先行きを見通すことが困難な状況であることから、当期末時点において入手可能な情報に基づいて、固定資産の減損等の見積り及び判断を行っている。ただし、今後の状況の変化によっては、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性がある。
①保安対策引当金
白ガス支管、防災上重要な道路に埋設されているガス導管及び保安上重要とされる建物に関する白ガス供給管の入替え工事に要する費用の支出に備えるため、対象のガス導管の延長や過去の実績に基づいた工事費用によって、その見積額を計上している。
工事対象の拡大や、工法や物価の変動等により実際の工事費用が前提と異なる場合、将来の費用に影響を受ける可能性がある。
②退職給付に係る会計処理
退職給付債務および費用の算定にあたり、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいている。
実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件を変更した場合には、将来の退職給付債務及び費用に影響を受ける可能性がある。
③減損損失
減損の兆候のある固定資産について、販売量や原油価格に基づく売上単価等に一定の前提を置いて、将来キャッシュ・フローを見積り、減損損失の認識・測定の要否に関する判定を行っている。
経済情勢の変化によって原油価格が下落した場合など、前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性がある。
(注) 1 本書面でのガス販売量は、すべて1㎥当たり45メガジュール換算で表示している。
2 本書面に記載の売上高、仕入高等の金額には、消費税等は含まれていない。
特記すべき事項はない。
当社グループでは、環境性、供給安定性、利便性に優れた天然ガスの普及を促進するため、天然ガスの高効率・高度利用や、トータルエネルギープロバイダーへの発展、新たな領域への挑戦、安定供給・保安の確保、コストダウン等に向けた技術開発を推進するとともに、将来の水素社会に向けた取組みを行っている。
現在、当社グループの研究開発は、当社のR&D・デジタル本部等において行っている。
具体的には以下のとおりである。
<天然ガスの高効率・高度利用>
家庭用分野では、エネファームの信頼性向上や低コスト化などに取り組んでいるほか、快適な生活を実現する温水機器や厨房機器などの商品性向上、省エネ診断ソフトの開発、ガス機器のIoT化開発、調理・入浴等に関する研究に取り組んでいる。
業務用分野では、電力負荷の平準化にもつながるガス空調システムとして、ガスエンジンヒートポンプの新機種開発、ガスエンジンコージェネレーションの改良、高効率な固体酸化物形燃料電池システムの実用化開発に取り組んでいる。また、熱処理分野やアルミ溶解分野を中心に省エネルギー性に優れた工業炉バーナーの開発や、業務用厨房機器などの性能向上にも取り組み、随時商品化している。
<トータルエネルギープロバイダーへの発展、新たな領域への挑戦>
くらしまわりのサービス、デジタルチャネルの活用等デジタル技術を活用した新たなサービスの開発や、電力需要予測の高度化開発、エネファームやガスエンジンコージェネレーションを活用したバーチャルパワープラントの実証などに取り組んでいる。
また、将来の水素社会を見据え、燃料電池自動車の普及に必要な商用水素ステーションの整備・運営に取り組むとともに、水素燃焼などの水素利用技術の開発を実施している。
<安定供給・保安の確保、コストダウン>
保安の確保や安全・安心の一層の向上を目指して、ガス管劣化予測技術の高度化や、供給・製造設備の適切な維持管理に資する技術開発等に取り組んでいる。
また、ガス供給のコストダウンに向けて導管工事を効率的に行う非開削工法、導管の検査や修理などを効率的に実施する技術、製造設備の改良などの開発を行っている。
なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、