第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、実質賃金の伸び悩みにより個人消費で停滞感が見られたものの、政府の経済政策や日銀の金融政策の効果から、雇用、所得環境の改善が進むなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。

 エネルギー業界におきましては、平成28年4月の電力小売り全面自由化に続き、平成29年4月にはガスも小売り全面自由化が決定しており、エネルギー間の垣根を越えた相互参入や異業種からの新規参入の動きが高まるなど、当社を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。

 こうした情勢下にありまして、当社グループ(当社及び連結子会社)は総力をあげて都市ガスの普及拡大、事業基盤の強化及び保安の確保に取り組んでまいりました。

 

 当連結会計年度の売上高は、ガス販売量の減少に加え原料費調整制度に基づくガス料金単価の引き下げがあったことなどから、459億24百万円(前期比10.4%減)となりました。

 営業費用につきましては、ガス販売量の減少や原油価格下落に伴い原料費が減少したことに加え、経営全般にわたり経費の削減に努めたことなどから、新たに設定した器具保証引当金への繰入があったものの439億26百万円(前期比11.3%減)となりました。

 その結果、営業利益は19億98百万円(前期比15.3%増)、営業外収益及び営業外費用を加えた経常利益は22億32百万円(前期比14.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億4百万円(前期比8.9%増)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 なお、売上高及びセグメント利益には、セグメント間の内部取引に係る金額を含んでおります。

<都市ガス>

 ガス販売量は、350,814千㎥(前期比3.6%減)となりました。用途別では、家庭用ガス販売量は冬場の気温が前年に比べ高めに推移したことにより、給湯・暖房用需要が減少したことから、159,808千㎥(前期比4.1%減)となりました。業務用(商業用、工業用、その他用)ガス販売量は、冬場の気温が前年に比べ高めに推移したことに加え、夏場の気温が前年に比べ低めに推移した影響により空調用需要が減少したことや、お客さま設備の稼働減少により、191,006千㎥(前期比3.1%減)となりました。

 都市ガス事業(付随する受注工事及び器具販売を含む)の売上高は、ガス販売量の減少に加え原料費調整制度に基づくガス料金単価の引き下げがあったことなどから419億61百万円(前期比10.4%減)、セグメント利益は14億86百万円(前期比19.3%増)となりました。

<その他>

 その他の事業の売上高は74億74百万円(前期比11.3%減)、セグメント利益は5億12百万円(前期比1.2%減)となりました。

(注)1.消費税等については税抜方式を採用しております。

   2.ガス量は本報告では、特に記載のある場合を除き、全て1m3当たり45メガジュール換算で表示しております。

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ5億35百万円減少し、42億36百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

 営業活動の結果増加した現金及び現金同等物は、76億13百万円(前期比14.0%増)となりました。これは、減価償却費が54億10百万円計上されたこと及び税金等調整前当期純利益が22億32百万円計上されたことなどによるものです。

 <投資活動によるキャッシュ・フロー>

 投資活動の結果減少した現金及び現金同等物は、68億79百万円(前期比85.9%増)となりました。これは、定期預金の払戻による収入が22億30百万円ありましたものの、有形固定資産の取得による支出が52億38百万円あったこと及び定期預金の預入による支出が41億40百万円あったことなどによるものです。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

 財務活動の結果減少した現金及び現金同等物は、12億69百万円(前期比10.0%減)となりました。これは、長期借入金の返済による支出が8億69百万円あったこと及び配当金の支払額が3億83百万円あったことなどによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループは、都市ガスを中心とした生産及び販売活動を行っておりますので、都市ガス供給事業に限定して記載しております。

(1)生産実績

項目

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前期比(%)

製品ガス

229,288千m3

96.4

(注)1.1m3当たり45メガジュールで表示しております。

2.上記表に含まれていない当連結会計年度の「製品ガス仕入」は126,407千m3(前期比95.5%)であります。

(2)受注状況

 当社グループは事業の性質上受注生産は行っておりません。

(3)販売実績

 当社グループの主製品である都市ガスは製造工場から導管により直接お客さまに販売しております。

① ガス販売実績

区分

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

数量(千m3

前期比(%)

金額(千円)

前期比(%)

ガス販売量

 

 

 

 

家庭用

159,808

95.9

21,843,093

90.0

その他

191,006

96.9

15,273,103

88.4

350,814

96.4

37,116,197

89.3

月平均調定件数

360,286件

100.3

調定件数1件当たり月平均販売量

81m3

96.4

 (注) 1m3当たり45メガジュールで表示しております。

② ガス普及状況

 当社グループにおける都市ガスお客さま数は、連結財務諸表提出会社がその大半を占めておりますので、以下は連結財務諸表提出会社のガス普及状況について記載しております。

地区別

供給区域内世帯数(世帯)

都市ガスお客さま数(件)

普及率(%)

新潟地区

254,289

251,486

98.9

長岡地区

124,670

117,822

94.5

378,959

369,308

97.5

前期末計

375,088

367,024

97.9

 (注)1.供給区域内世帯数は各地区内の市町の統計資料から推計した一般世帯数であります。

2.都市ガスお客さま数はガスメーター取付数であります。

 

③ ガス料金

 当社グループにおける都市ガスお客さま数は、連結財務諸表提出会社がその大半を占めておりますので、以下は連結財務諸表提出会社のガス料金について記載しております。

 下表は、供給ガスの標準熱量が45メガジュールの新潟地区における一般ガス供給約款に定める料金表であります。標準熱量が43メガジュールの長岡地区、越路地区、三島地区・与板地区、42メガジュールの三条地区、栃尾地区、及び43.9535メガジュールの川口地区では、それぞれの標準熱量に換算した料金表を適用しております。

 なお、これ以外の料金として、選択約款料金及び個別の交渉に基づく大口需要家向け料金があります。

    (45メガジュール/m3

区分

料金表A

料金表B

料金表C

料金表D

月間使用量
18m3まで

月間使用量
18m3超93m3まで

 月間使用量
93m3超325m3まで

月間使用量
325m3

基本料金

(1ヵ月当たり・税込)

561.60円

841.32円

1,000.08円

3,222.72円

従量料金(基準単位料金)(1m3当たり・税込)

146.40円

131.34円

129.66円

122.82円

 

    (注)1.基本料金はガスメーター1個について、従量料金は使用量に従量料金単価を乗じて算出します。

   2.当社では、ガス料金のお支払が支払期限日(検針日の翌日から30日目)を経過した場合に、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%(年率約10%)の率で算定した延滞利息をいただく延滞利息制度を導入しております。

   3.為替レートや原料価格等の外的要因により変動する原料価格をガス料金に反映させる原料費調整制度に基づき、下記のとおり、当連結会計年度において従量料金単価の調整を実施しております。

料金適用期間

1m3当たり調整額(税込)

平成27年4月

+13.63円

平成27年5月

+11.42円

平成27年6月

+7.97円

平成27年7月

+3.54円

平成27年8月

△0.18円

平成27年9月

△4.08円

平成27年10月

△5.23円

平成27年11月

△4.70円

平成27年12月

△4.17円

平成28年1月

△3.99円

平成28年2月

△4.43円

平成28年3月

△5.41円

 

 

3【対処すべき課題】

 当社グループ(当社、当社の子会社及び関連会社)は、ガス事業を通じて地域社会の発展に貢献するとともに、業績の向上を図り、お客さまや株主の皆さまから常に信頼・評価され、選択していただける企業であることを基本方針としております。

 さらに、企業活動のあらゆる場面において、企業倫理の向上、法令遵守の徹底を図り、社会的責任を確実に果たしてまいります。

 日本経済の先行きにつきましては、雇用、所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあり、緩やかに回復していくことが期待されております。

 一方、電力に続き平成29年にガスの小売り全面自由化が実施されるなど、当社を取り巻く事業環境は変革期を迎えており、今後は新規参入や異業種連携の動きが活性化するなど、自由化に向けて競争環境はますます厳しくなると想定されます。

 そのような状況のなか、当社はお客さまから選択され続ける企業となるため、生産・供給体制を強化し、都市ガスを中心としたエネルギーを安定的に供給するとともに、お客さまの多様なニーズに対応した高品質なサービスを提供し、より地域に密着した事業活動を展開してまいります。

 また、当社は「暮らしをスマートにするガスの先進性」を「ガ、スマート!」というコンセプトワードにこめて広く訴求し、お客さまとのコミュニケーション促進に努めてまいります。

 さらに、3カ年計画の最終年となる中期家庭用ガス機器販売戦略「プロジェクトE3‐Ene・farm Energy
Evolution‐」の目標達成に向け全社をあげて取り組んでまいります。具体的には、家庭用燃料電池「エネファーム」の普及拡大による発電需要の開発を主体とし、あわせて家庭用コージェネレーションシステム及びガス温水暖房システム「TES」の拡販による温水暖房需要の開発に取り組む2本の柱で積極的に家庭用需要の獲得に努めてまいります。

 そのため、従来から進めております「フェイス・トゥ・フェイス訪問」の一層の推進を図り、あらゆる機会をとらえて都市ガスに関する最新情報をすべてのお客さまに積極的にPRしてまいります。

 保安強化の面では、お客さまから安心してガスをご使用いただくため、すべてのバーナーに安全センサーが搭載された「Siセンサーコンロ」など安全型ガス機器の普及促進を図るとともに、白ガス管などの経年ガス管取替を継続的かつ積極的に推進してまいります。災害対策としては、地震・津波浸水への備えとして、設備対策・緊急対策を検討・実施してまいります。

 加えて、当社が持続的な成長を遂げるための中長期的な課題につきましても引き続き取り組むとともに、コーポレートガバナンス・コードの趣旨を踏まえ、各種改革を実行し、継続的に企業価値を高めていくこと並びに経営の健全性を維持向上させるためコンプライアンスの徹底を図ってまいります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)法令・制度の変更等による競合激化

     当社グループ事業の中心である都市ガス事業においては、小売り事業の全面自由化に向けてガス事業法など法令や制度が変更され新規参入者との競合が激化し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、電力会社の厨房給湯分野への進出によるオール電化住宅攻勢により、お客さま件数の減少などシェアの低下を余儀なくされる可能性があります。

(2)天候状況及び経済状況

     天候による気温、水温の変動はガスの需要に大きく影響します。特に家庭用ガス販売量のシェアが高く、家庭用暖房需要への依存度の高い当社グループにおいては、天候状況により業績が著しく変動する可能性があります。また業務用需要においては、天候状況のほか景気動向の経済状況により影響を受ける可能性があります。

(3)自然災害・事故等

     地震等の大規模な自然災害や事故等により、工場の製造設備や導管などの供給設備に損害が発生し都市ガスの供給に支障を及ぼす場合や、ガスの消費機器・設備に関する重大なトラブルが発生した場合、基幹となる情報システムにおける重大な支障が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原料価格の変動

     ガスの原料価格は為替レートや原油価格等の外的要因の変動により影響を受けます。この影響については原料費調整制度の適用により、原料価格の変動をガス販売価格に反映させることができますが、タイムラグにより、決算期をまたがって影響が発生する可能性があります。また当社が購入するLNG気化ガスの指標となるLNG価格と、ガス料金を決定する際の指標とされるLNG価格の水準に大きな乖離がある場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)資金調達における金利変動

     当社グループはガス導管の更新等に毎年多額の設備投資を実施しておりますが、資金調達の手段として金融機関からの借入れを行っております。資金調達に際しては、借入れ時点での金利水準により経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、固定金利での借入れにより借入時に債務額を確定させておりますので、金利変動による影響は限定的であります。

(6)情報漏洩その他

    お客さま個人情報の外部への流出や、法令・規則違反もしくは企業倫理に反する行為等が発生した場合には、対応に要する直接的な費用にとどまらず、社会的責任の発生等有形無形の損害が発生する可能性があります。
 また、当社の退職給付制度は積立型の確定給付制度を採用しておりますので、退職給付債務及び年金資産は国債利回り、株式の時価により変動します。こうした市場価格の変動に伴って負担や損失が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

   該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

特記事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、ガス販売量の減少に加え原料費調整制度に基づくガス料金単価の引き下げがあったことなどから、前連結会計年度に比べて10.4%減少し、459億24百万円となりました。

 当連結会計年度の家庭用ガス販売量は、冬場の気温が前年に比べ高めに推移したことにより、給湯・暖房用需要が減少したことから前連結会計年度に比べ4.1%減少し、159,808千㎥となりました。業務用(商業用、工業用、その他用)ガス販売量は、冬場の気温が前年に比べ高めに推移したことに加え、夏場の気温が前年に比べ低めに推移した影響により空調用需要が減少したことや、お客さま設備の稼働減少により、前連結会計年度に比べ3.1%減少の191,006千㎥となりました。この結果、当連結会計年度の都市ガス販売量は前連結会計年度に比べ3.6%減少の350,814千㎥となりました。

 都市ガス事業(付随する受注工事及び器具販売を含む)の売上高は、ガス販売量の減少に加え原料費調整制度に基づくガス料金単価の引き下げがあったことなどから、前連結会計年度に比べ10.4%減少の419億61百万円となりました。

 その他の事業の売上高は、前連結会計年度に比べ11.3%減少の74億74百万円となりました。

  なお、上記の金額は部門間の内部取引を含んだものであります。

 (営業利益)

 売上原価は、ガス販売量の減少や原油価格下落に伴い原料費が減少したことから、新たに設定した器具保証引当金への繰入があったものの前連結会計年度に比べ15.8%減少し、288億41百万円となりました。
 供給販売費及び一般管理費につきましては、経営全般にわたり経費の削減に努めたことなどから、前連結会計年度に比べ1.1%減少し150億84百万円となりました。
 この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ0.5%増加し170億83百万円、営業利益は前連結会計年度に比べ15.3%増加し、19億98百万円となりました。

 (経常利益)

 営業外収益は、前連結会計年度に比べ4.6%増加の2億86百万円、営業外費用は、前連結会計年度に比べ6.6%減少の51百万円となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ14.4%増加し、22億32百万円となりました。

 (親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ8.9%増加の14億4百万円となりました。

  当連結会計年度の経営成績につきましては上記のとおりでありますが、「3.対処すべき課題」にも記載してあるとおり、当社は引き続きお客さまサービスの向上と保安の確保を前提とした経営全般にわたる効率化に努め、市場対応力のあるガス料金政策を推進するとともに、「暮らしをスマートにするガスの先進性」を「ガ、スマート!」というコンセプトワードにこめて広く訴求し、お客さまとのコミュニケーション促進に努めてまいります。

 

(2)財政状態の分析

①貸借対照表の分析

 (資産)

 当連結会計年度末における資産の残高につきましては、前連結会計年度に比べ59百万円減少し、576億67百万円となりました。
 投資その他の資産は、投資有価証券の減少により5億33百万円減少しました。
 流動資産は、現金及び預金残高の増加などにより、5億71百万円増加しました。
 繰延資産は、熱量変更事業費用の償却が進み、72百万円減少しました。

 (負債)

 当連結会計年度末における負債の残高は、当社及び連結子会社において長期借入金の返済が進んだことから、前連結会計年度に比べ4億47百万円減少し、132億51百万円となりました。

 (純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加等により444億15百万円となり、自己資本比率は72.3%となりました。

②キャッシュ・フローの分析

 営業活動では、現金及び現金同等物が76億13百万円増加しました。これは、減価償却費が54億10百万円計上されたこと及び税金等調整前当期純利益が22億32百万円計上されたことなどによるものです。

 投資活動では、現金及び現金同等物が68億79百万円減少しました。これは、定期預金の払戻による収入が22億30百万円ありましたものの、有形固定資産の取得による支出が52億38百万円あったこと及び定期預金の預入による支出が41億40百万円あったことなどによるものです。

 財務活動では、現金及び現金同等物が12億69百万円減少しました。これは、長期借入金の返済による支出が8億69百万円あったこと及び配当金の支払額が3億83百万円あったことなどによるものです。