第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループ(当社、当社の子会社及び関連会社)は、ガス事業を通じて地域社会の発展に貢献するとともに、業績の向上を図り、お客さまや株主の皆さまから常に信頼・評価され、選択していただける企業であることを基本方針としております。

 さらに、企業活動のあらゆる場面において、企業倫理の向上、法令遵守の徹底を図り、社会的責任を確実に果たしてまいります。

(2)経営環境及び対処すべき課題

 電力・ガスの小売り全面自由化により、エネルギー事業者間の競争が激しさを増しております。また、少子高齢化や人口減少、省エネルギーの進展によりエネルギー需要は長期的に減少傾向にあるなど、当社グループを取り巻く事業環境も大きく変化しつつあります。

 このような状況のなか、当社グループは、お客さまから選択され続ける企業グループであるために、生産・供給体制を強化し、都市ガスを中心としたエネルギーを安定的に供給するとともに、お客さまの多様なニーズに対応した高品質なサービスを提供し、より地域に密着した事業活動を展開してまいります。

 そのため、「顔の見える営業」として、従来から進めております「フェイス・トゥ・フェイス訪問」をより一層推進し、家庭用はもちろん業務用のお客さまとの良好な関係を維持していくとともに、環境負荷低減につながる都市ガスのメリットをPRしてまいります。

 一方、機器販売の面では、家庭用ガス普及戦略を策定し、家庭用燃料電池「エネファーム」と「ガス温水暖房システム」の提案強化による都市ガスの普及拡大に加え、「リフォーム事業」にも積極的に取り組んでまいりました。

 今後の市況環境を踏まえると、地域の人口が減少傾向のなか、お客さま件数の伸び悩みが見込まれますが、既存住宅へのガス販売量を増加させるべく、新戦略『3Rise(サンライズ)』に基づき「エネファーム」等の販売に注力いたします。

 また、「ガス温水暖房システム」のさらなるPRにより、ヒートショック対策に有効で、衛生面にも有益で快適な「浴室暖房乾燥機」や家事の時短化につながる「衣類乾燥機」等の販売強化にも引き続き取り組んでまいります。

 保安強化の面では、お客さまに安心してガスをご使用いただくため、すべてのバーナーに安全センサーが搭載された「Siセンサーコンロ」など安全型ガス機器の普及促進や「都市ガス警報器」、「住宅用火災警報器」のPR強化を図るとともに、白ガス管などの経年ガス管取替を継続的かつ積極的に推進してまいります。災害対策としては、ポリエチレン管の敷設をはじめとする供給設備の耐震化及び遠隔監視操作システムの機能強化などを図ってまいります。

 加えて、当社グループとして持続的な成長を遂げるため、事業環境の変化に即応しつつ、中長期的な課題に対してグループ一丸となって引き続き取り組み、地域のエネルギー事業者として選択され続ける企業グループを目指してまいります。また、コーポレートガバナンス・コードの趣旨を踏まえ、継続的に企業価値を高めていくこと並びに経営の健全性を維持向上させるためコンプライアンスの徹底を図ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)法令・制度の変更等による競合激化

     当社グループ事業の中心である都市ガス事業においては、小売り事業の全面自由化に伴い、新規参入者との競合が激化し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、電力会社の厨房給湯分野への進出によるオール電化住宅攻勢により、お客さま件数等のシェアの低下を余儀なくされる可能性があります。

(2)天候状況及び経済状況

     天候による気温、水温の変動はガスの需要に大きく影響します。特に給湯・暖房需要が多い当社グループにおいては、天候状況により業績が著しく変動する可能性があります。また、業務用需要においては、天候状況のほか景気動向などの経済状況により影響を受ける可能性があります。

(3)自然災害・事故等

     地震等の大規模な自然災害や事故等により、工場の製造設備や導管等の供給設備に損害が発生し、ガスの供給に支障を及ぼす場合や、ガスの消費機器・設備に関する重大なトラブルが発生した場合、基幹となる情報システムに重大な支障が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原料価格の変動

     ガスの原料価格は為替レートや原油価格等の外的要因の変動により影響を受けます。この影響については、原料費調整により、原料価格の変動をガス販売価格に反映させることができますが、タイムラグにより、決算期をまたがって影響が発生する可能性があります。また、当社が購入するLNG気化ガスの指標となるLNG価格と、ガス料金を決定する際の指標とされるLNG価格の水準に大きな乖離がある場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)資金調達における金利変動

     当社グループはガス導管の更新等に毎年多額の設備投資を実施しておりますが、資金調達の手段として金融機関からの借入れを行っております。資金調達に際しては、借入れ時点での金利水準により経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、固定金利での借入れにより借入時に債務額を確定させておりますので、金利変動による影響は限定的であります。

(6)情報漏洩その他

    お客さま個人情報の外部への流出や、法令・規則違反もしくは企業倫理に反する行為等が発生した場合には、対応に要する直接的な費用にとどまらず、社会的責任の発生等有形無形の損害が発生する可能性があります。
 また、当社の退職給付制度は積立型の確定給付制度を採用しておりますので、退職給付債務及び年金資産は国債利回り、株式の時価により変動します。こうした市場価格の変動に伴って負担や損失が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀の各種政策の効果もあり、企業収益や雇用・所得環境の改善が進むなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、中国や欧州など海外経済の減速や金融資本市場の変動の影響に対する懸念から、依然先行きは不透明な状況にあります。

 エネルギー業界におきましては、2016年4月の電力小売り全面自由化から3年、2017年4月のガス小売り全面自由化から2年が経過いたしました。大都市圏では、エネルギー間の垣根を越えた相互参入や異業種からの新規参入に加え、エネルギー事業者間の提携が進むなど競争は激しさを増しており、業界全体が大きな変革期を迎えております。これまでのところ、当社グループ(当社及び連結子会社)の都市ガス供給区域への新規参入の動きはないものの、他燃料との激しい競合や人口減少など当社グループを取り巻く環境も大きく変化しつつあります。

 こうした情勢下にありまして、当社グループは総力をあげて都市ガスの普及拡大、保安の確保及び将来に向けた事業基盤の強化に取り組んでまいりました。

 

a.経営成績

 当連結会計年度の売上高は、ガス販売量の増加に加え、原料費調整に伴うガス料金単価の引き上げもあり、512億75百万円(前期比12.2%増)となりました。

 営業費用につきましては、経営全般にわたり経費の削減に努めたものの、ガス販売量の増加に加えLNG価格も上昇し原料費が増加したこと、柏崎市のガス事業譲受けに伴い減価償却費などの諸経費が増加したことから、497億57百万円(前期比16.3%増)となりました。

 その結果、営業利益は15億18百万円(前期比47.7%減)、営業外収益及び営業外費用を加えた経常利益は17億54百万円(前期比44.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億46百万円(前期比43.6%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 なお、売上高及びセグメント利益には、セグメント間の内部取引に係る金額を含んでおります。

<都市ガス>

 ガス販売量は、春先や夏場、冬場の気温が前年に比べ高めに推移した影響により、給湯・暖房用需要は減少したものの、新規大口需要家の稼働や柏崎市のガス事業譲受けにより、423,967千㎥(前期比14.7%増)となりました。

 都市ガス事業(付随する受注工事及び器具販売を含む)の売上高は、ガス販売量の増加に加え、原料費調整に伴うガス料金単価の引き上げもあり473億17百万円(前期比14.2%増)、セグメント利益は10億39百万円(前期比56.9%減)となりました。

<その他>

 その他の事業の売上高は76億42百万円(前期比3.6%減)、セグメント利益は4億89百万円(前期比0.2%減)となりました。

(注)1.消費税等については税抜方式を採用しております。

   2.ガス量は本報告では、特に記載のある場合を除き、全て1㎥当たり45メガジュール換算で表示しております。

 

b.財政状態

 当連結会計年度末の資産につきましては、現金及び預金残高が減少したものの、柏崎市のガス事業譲受けを主因とする有形固定資産や無形固定資産の増加などから、前連結会計年度末に比べ28億61百万円増加の608億63百万円となりました。

 負債につきましては、借入金や買掛金の増加から前連結会計年度末に比べ23億37百万円増加の129億74百万円となり、純資産につきましては、当期の利益計上による利益剰余金の増加などから前連結会計年度末に比べ5億23百万円増加の478億89百万円となりました。

 これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.8ポイント減少し73.7%となりました。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については当該会計基準を遡って適用した後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ25億66百万円減少し、30億18百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>
 営業活動におきましては、減価償却費が59億99百万円計上されたこと及び税金等調整前当期純利益が17億54百万円計上されたことなどにより、76億14百万円(前期比10.7%増)の増加となりました。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>
 投資活動におきましては、柏崎市のガス事業譲受けによる支出が65億42百万円あったこと及び有形固定資産の取得による支出が46億34百万円あったことなどにより、113億61百万円(前期比93.5%増)の減少となりました。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>
 財務活動におきましては、柏崎市のガス事業譲受けに伴い長期借入れによる収入が25億円あったことから、11億80百万円の増加(前期は11億18百万円の減少)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、都市ガスを中心とした生産及び販売活動を行っておりますので、都市ガス供給事業に限定して記載しております。

a.生産実績

項目

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前期比(%)

製品ガス

190,609千

93.8

(注)1.1㎥当たり45メガジュールで表示しております。

2.上記表に含まれていない当連結会計年度の「製品ガス仕入」は238,741千㎥(前期比139.9%)であります。

b.受注実績

 当社グループは事業の性質上受注生産は行っておりません。

c.販売実績

 当社グループの主製品である都市ガスは製造工場から導管により直接お客さまに販売しております。

イ ガス販売実績

項目

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

数量(千㎥)

前期比(%)

金額(千円)

前期比(%)

ガス販売量

423,967

114.7

42,274,772

116.1

 (注) 1㎥当たり45メガジュールで表示しております。

ロ ガス普及状況

 当社グループにおける都市ガスお客さま数は、連結財務諸表提出会社がその大半を占めておりますので、以下は連結財務諸表提出会社のガス普及状況について記載しております。

地区別

供給区域内世帯数(世帯)

都市ガスお客さま数(件)

普及率(%)

新潟地区

260,512

256,189

98.3

長岡地区

128,216

119,699

93.4

柏崎地区

33,384

30,400

91.1

422,112

406,288

96.3

前期末計

386,234

374,160

96.9

 (注)1.供給区域内世帯数は各地区内の市町の統計資料から推計した一般世帯数であります。

2.都市ガスお客さま数はガスメーター取付数であります。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら、これらの見積り、予測は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の売上高は、ガス販売量の増加に加え、原料費調整に伴うガス料金単価の引き上げもあり、前連結会計年度に比べて12.2%増加し、512億75百万円となりました。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、天候による気温、水温の変動がガスの需要に影響しますが、当連結会計年度においては、春先や夏場、冬場の気温が前年に比べ高めに推移したことにより、給湯・暖房用需要が減少しました。その一方で、新規大口需要家の稼働や柏崎市のガス事業譲受けによるガス販売量の増加があり、当連結会計年度の都市ガス販売量としては、前連結会計年度に比べ14.7%増加の423,967千㎥となりました。

 売上原価は、ガス販売量の増加に加えLNG価格も上昇し原料費が増加したことにより、前連結会計年度に比べ21.1%増加し、303億63百万円となりました。

 供給販売費及び一般管理費につきましては、柏崎市ガス事業譲受けに伴う減価償却費などの諸経費の増加により、前連結会計年度に比べ9.4%増加し193億94百万円となりました。

 この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ1.4%増加し209億12百万円、営業利益は前連結会計年度に比べ47.7%減少し15億18百万円となりました。

 営業外収益は前連結会計年度に比べ1.5%減少2億51百万円、営業外費用は前連結会計年度に比べ28.4%減少14百万円となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度に比べ44.1%減少し、17億54百万円となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ43.6%減少11億46百万円となりました。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備資金を内部資金または借入れにより資金調達することとしております。このうち、借入れによる資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、ガス導管の更新等の設備資金については固定金利の長期借入金で調達しております。

 当連結会計年度末における有利子負債の残高は、柏崎市のガス事業譲受けに伴い25億円の長期借入れを行ったことなどから、23億50百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は30億18百万円となっております。

 なお、2020年4月に見附市ガス事業譲受けを予定しておりますが、譲受資金の調達につきましては、借入れ及び自己資金により行う予定としております。

 

 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 都市ガス事業(付随する受注工事及び器具販売を含む)の経営成績に重要な影響を与える要因として、天候による気温、水温の変動がガスの需要に影響しますが、当連結会計年度においては、春先や夏場、冬場の気温が前年に比べ高めに推移したことにより、給湯・暖房用需要が減少しました。その一方で、新規大口需要家の稼働や柏崎市のガス事業譲受けによるガス販売量の増加があり、加えて原料費調整に伴うガス料金単価の引き上げもあったことから、売上高は前連結会計年度に比べ14.2%増加の473億17百万円となりました。

 その他の事業の売上高は、前連結会計年度に比べ3.6%減少の76億42百万円となりました。

 なお、上記の金額は部門間の内部取引を含んだものであります。

 当連結会計年度の経営成績等につきましては上記のとおりでありますが、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載してあるとおり、当社は引き続きお客さまサービスの向上と保安の確保を前提とした経営全般にわたる効率化に努め市場対応力のあるガス料金政策を推進するとともに、環境負荷低減につながる都市ガスのメリットをお客さまにPRし、お客さまとのコミュニケーション促進に努めてまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

2019年6月26日に見附市議会においてガス事業譲渡に関する議案が可決され、見附市を譲渡者、当社を譲受者とし、2020年4月1日を譲渡日とするガス事業譲渡に関する契約が成立いたしました。

その詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)(2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象))」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

特記事項はありません。