(1) 業績
当連結会計年度における日本経済は、企業収益や個人消費に持ち直しの動きが見られる等緩やかな回復基調にあったが、海外景気の下振れ懸念等もあり、引き続き先行き不透明な状況で推移した。
エネルギー業界においては、平成28年4月から電力の小売自由化が開始されたことに加え、平成29年からはガスの小売自由化が予定されており、ガス・電力市場への新規・相互参入の動きが高まる等、ガス事業を取り巻く環境は大きく変化しつつある。
このような情勢のもと、当社グループは、地域のエネルギー事業者として、株主の皆さま、お客さま、地域社会の皆さまから信頼され、選択され続ける企業グループを目指し、懸命な努力を重ねてきた。昨年末には、廿日市工場の桟橋機能拡大工事が完成し、これまでの小型LNG船に加え、本年2月には第1船目となる大型の標準LNG船を受け入れる等、ガス事業の基盤強化に向けた取組みを推進している。
当連結会計年度の売上高は、原料費調整制度に基づく販売単価の低下等により、前連結会計年度に比べ14.1%減少の76,303百万円となった。利益については、営業利益は、原油価格の低下に伴う原材料費の大幅な減少等により、前連結会計年度に比べ33.2%増加の5,475百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は、22.9%増加の5,775百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、32.8%増加の3,647百万円となった。
セグメントの業績は、次のとおりである。
① ガス事業
当連結会計年度末におけるお客さま戸数は、積極的な営業活動を展開した結果、減少傾向に一定の歯止めがかかったものの、前連結会計年度末に比べ695戸減少の408,490戸となった。
都市ガス販売量は、前連結会計年度に比べ1.8%減少の483百万m3となった。
都市ガス販売量を用途別に見ると、家庭用は、気温・水温が高めに推移したこと等により、前連結会計年度に比べ3.5%減少の100百万m3となった。
業務用(商業用・公用及び医療用・工業用)は、既存の大口用販売量が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ0.8%減少の322百万m3となった。
また、卸供給等は、卸供給先の既存需要家へのガス販売量の減少等により、前連結会計年度に比べ3.9%減少の60百万m3となった。
以上の結果、ガス事業の売上高は、原料費調整制度に基づく販売単価の低下等により、前連結会計年度に比べ13.6%減少の61,802百万円となったが、セグメント利益(営業利益)は、原油価格の低下に伴う原材料費の大幅な減少等により、21.9%増加の4,341百万円となった。
② LPG事業
LPG事業は、LPガス販売単価の低下等により、売上高は前連結会計年度に比べ15.5%減少の13,810百万円となったが、セグメント利益(営業利益)は、仕入価格の低下に伴う売上原価の減少等により、74.4%増加の609百万円となった。
③ その他
その他は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、建設事業、情報流通事業、高齢者サービス事業等を含んでいる。
売上高は、建設工事の減少等により、前連結会計年度に比べ5.0%減少の3,721百万円、セグメント損失(営業損失)は72百万円となった。
セグメントの売上高及び構成比
セグメントの名称 | 当連結会計年度 | 前年同期比 | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | |||
| ガス事業 | 61,802 | 77.9 | △13.6 |
| LPG事業 | 13,810 | 17.4 | △15.5 |
| その他 | 3,721 | 4.7 | △5.0 |
| 計 | 79,334 | 100.0 | △13.6 |
| 調整額 | (3,031) | ― | ― |
| 連結 | 76,303 | ― | △14.1 |
(注) 1 本報告書ではガス販売量はすべて、1m3当たり45メガジュール換算量で表している。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
3 調整額とは売上高の連結消去等である。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,834百万円増加の9,674百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ3,785百万円増加の13,950百万円となった。これは、主に税金等調整前当期純利益が増加したことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ295百万円増加の△9,735百万円となった。これは、主に長期前払費用の取得による支出が減少したことによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動における資金収支は、ほぼ前連結会計年度並みの△1,788百万円となった。
当社グループ(当社及び連結子会社)においては、「ガス事業」及び「LPG事業」を報告セグメントとしているが、「ガス事業」の主要製品である都市ガスが当社グループの生産、受注及び販売活動の中心となっているため、以下は都市ガスについて記載している。
当連結会計年度のガス生産実績は次のとおりである。
区分 | 数量(千m3) | 前年同期比(%) |
ガス | 504,875 | △2.1 |
都市ガスについては、事業の性格上受注生産は行っていない。
当社は広島県内の広島市、廿日市市、東広島市、呉市、尾道市、三原市を主な供給エリアとして都市ガス事業を行い、導管を通じ直接お客さまに販売している。また、他ガス事業者等への卸供給等を行っている。
① ガス販売実績
当連結会計年度のガス販売実績は次のとおりである。
区分 | 数量(千m3) | 前年同期比(%) | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
ガス販売量 | 家庭用 | 100,244 | △3.5 | 22,363 | △9.6 |
業務用 | 322,320 | △0.8 | 25,801 | △21.0 | |
卸供給等 | 60,456 | △3.9 | 4,465 | △14.8 | |
計 | 483,021 | △1.8 | 52,629 | △16.0 | |
月平均調定件数(件) | 372,385 | △0.0 | |||
調定件数1件当たり | 94.6 | △1.4 | |||
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
マイクロンメモリ | 12,632 | 14.2 | 9,007 | 11.8 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
② 地区別ガス普及状況
平成28年3月末の地区別ガス普及状況は次のとおりである。
地区 | 供給区域内世帯数(世帯) | お客さま戸数(戸) | 普及率(%) |
広島 | 499,782 | 341,735 | 68.4 |
可部 | 3,230 | 1,159 | 35.9 |
呉 | 68,626 | 45,650 | 66.5 |
熊野 | 6,911 | 2,286 | 33.1 |
尾道 | 50,116 | 17,660 | 35.2 |
計 | 628,665 | 408,490 | 65.0 |
(注) 1 お客さま戸数とはガスメーター取付数をいう。なお、供給区域外取付メーター数を含んでいる。
2 供給区域内世帯数は供給区域の住民基本台帳による一般世帯数である。
(4) ガス料金
供給約款料金に対しては、下記の料金表が適用される。なお、供給約款料金以外に、一定の条件を満たすお客さまが選択できる選択約款料金及び大口需要家向けの料金がある。
下記区分によるa基本料金及びb従量料金の合計とし、各月の使用量に応じてA・B・C・Dのいずれかの料金表が適用される。
a 基本料金
基本料金は、1か月につき次のとおりとする。
地区 | 料金表種別 | 1か月の使用量 | 基本料金(円) (税込) |
45メガジュール地区 | A | 0m3から10m3まで | 881.28 |
B | 10m3をこえ25m3まで | 937.44 | |
C | 25m3をこえ102m3まで | 1,317.60 | |
D | 102m3をこえる場合 | 1,576.80 | |
100.4652メガジュール地区 | A | 0m3から4m3まで | 881.28 |
B | 4m3をこえ11m3まで | 937.44 | |
C | 11m3をこえ45m3まで | 1,317.60 | |
D | 45m3をこえる場合 | 1,576.80 |
b 従量料金
従量料金は、使用量に次の単位料金を乗じて算定する。
地区 | 料金表種別 | 1か月の使用量 | 基準単位料金(円) (税込) (1m3につき) |
45メガジュール地区 | A | 0m3から10m3まで | 221.46 |
B | 10m3をこえ25m3まで | 215.97 | |
C | 25m3をこえ102m3まで | 201.11 | |
D | 102m3をこえる場合 | 198.58 | |
100.4652メガジュール地区 | A | 0m3から4m3まで | 472.88 |
B | 4m3をこえ11m3まで | 458.84 | |
C | 11m3をこえ45m3まで | 424.28 | |
D | 45m3をこえる場合 | 418.52 | |
100.4652メガジュール地区 | A | 0m3から4m3まで | 448.04 |
B | 4m3をこえ11m3まで | 434.00 | |
C | 11m3をこえ45m3まで | 399.44 | |
D | 45m3をこえる場合 | 393.68 |
(注) 1 ガス料金の支払いが支払期限日(検針日の翌日から起算して30日目)を経過した後に支払われる場合には、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%の延滞利息が賦課される。
2 上記料金(税込)は、消費税(8%)等相当額を含む。
3 上記の料金は、為替レートや原油価格といった原料費の変動を毎月従量料金に反映させる原料費調整制度を採用しており、原料費調整の必要が生じた場合には、上記従量料金単価(基準単位料金)に替えて調整単位料金が適用される。
なお、平成27年4月から平成28年3月までの検針分の従量料金については、次のとおりの調整を行った調整単位料金が適用されている。
料金適用期間(検針分) | 1m3当たり調整額(円) (税込) | |
45メガジュール地区 | 100.4652メガジュール地区 | |
平成27年4月 | 24.53 | 55.04 |
平成27年5月 | 20.90 | 46.89 |
平成27年6月 | 14.96 | 33.58 |
平成27年7月 | 6.81 | 15.30 |
平成27年8月 | △0.27 | △0.60 |
平成27年9月 | △7.27 | △16.30 |
平成27年10月 | △9.22 | △20.67 |
平成27年11月 | △8.15 | △18.29 |
平成27年12月 | △6.82 | △15.31 |
平成28年1月 | △6.38 | △14.31 |
平成28年2月 | △7.00 | △15.70 |
平成28年3月 | △8.95 | △20.08 |
(1) 経営戦略について
当社グループを取り巻くエネルギー業界は、ガス・電力システム改革の進展により、大変革の時代を迎えようとしている。
平成28年4月からは電力の小売自由化が開始され、様々な業種が新規・相互参入する等既に大きな変化が見られ、さらに平成29年からはガスの小売自由化も開始される予定となっており、ますますエネルギー間競争が激化していくものと考えている。
このような状況のもと、当社グループは、2020年に向けたあるべき姿、ありたい姿を描いたグループ経営ビジョン「Action for Dream 2020」(以下「2020年ビジョン」という。)の具現化を推進することとし、平成22年度からの3ヶ年をビジョン実現に向けたアクションプランを実行する期間、平成25年度から3ヶ年はさらなるステップアップを図る期間と位置付け、諸施策を実行してきた。
平成28年度中期経営計画では、エネルギー市場の自由化等の環境変化を好機ととらえ、2020年ビジョンの実現及び次期ビジョンの策定を見据え、持続的に発展していく企業グループを目指していく。
① ガス体エネルギー(天然ガス・LPガス)の普及拡大、エネルギーの高度利用を通じ、省エネ・省CO2及びエネルギーセキュリティの向上に貢献する
当社グループは、既存エリア・商圏の深耕のみならず、周辺地区を中心とした広域圏の需要開発を推進するとともに、都市ガスとLPガスとが一体となったガス体エネルギーの普及拡大に向けた政策を推進することにより、ガス販売量の維持・増量を図る。
家庭用市場においては、東広島地区における供給エリアの拡大等による新規需要の開発やエネファーム等の重点戦略機器の拡販に加え、賃貸集合住宅のオーナー様向け施策の充実等、既設市場における他燃料転換への対策を講じていく。また、お客さま訪問サービス「ふれあい巡回」によるお客さま接点機会の拡充や「7年間長期保証制度」等による機器メンテナンス体制の充実等により、営業サービス活動を強化し、ガス販売量とお客さま件数の維持・増加を図る。
業務用市場においては、新規物件獲得及び既設ガスコージェネレーションシステムの更新等によりガス販売量の維持・増量を図るとともに、省エネ・省CO2、エネルギーセキュリティ向上に資するガス機器・システムの普及拡大を基軸とした需要開発を推進する。
また、当社グループの発展・基盤強化に資するインフラ整備については、天然ガスの普及拡大及び供給安定性の向上に資する、製造設備の増強、導管整備等を中長期的な視点で推進する。
原料調達については、さらなる低廉・安定かつ柔軟性のある調達を推進する。
② お客さま目線でのサービスのあり方を追求するとともに、環境にやさしく、安心・安全で快適な暮らしを創造し、お客さま価値の向上を図る
当社グループは、電気や熱を含めたマルチエネルギー供給、太陽光等の再生可能エネルギーの普及拡大、エネルギー供給周辺業務を基軸としたサービスの充実、価格競争力のある料金メニューの構築により、お客さま価値、エネルギーシェアを向上する。
また、エネルギーの安定供給、保安レベル・お客さまサービス品質の維持・向上等、エネルギー供給を担う企業グループとしての役割を確実に遂行する。
地震・津波・防災対策については、国・自治体の防災対策との連携も視野に入れた効果的な施策を、優先度を勘案して実施する。
③ エネルギー市場自由化に向け適切な対応を図り、新たな事業展開を検討・実施する
当社グループは、平成29年4月のガス小売自由化を見据えた料金・サービス等の営業施策に加え、既存事業との相乗効果を視野に入れた総合エネルギー企業としての事業展開を検討・実施する。
また、ガスシステム改革の動向を踏まえ、新制度に適応した準備・対応を行う。
④ 公正かつ透明で風通しの良い組織へ変革し、地域の好感度No.1の企業グループとなる
当社グループは、コンプライアンスの推進とリスクマネジメント活動を通じ、公正かつ透明な経営の確保に努め、グループ経営管理やコーポレート・ガバナンスの強化を推進するとともに、健全な企業運営の推進に向け、リスク対応の強化を図る。
また、人権啓発活動の推進とコミュニケーションの強化等により、働きやすい職場環境づくり及び組織の活性化を推進する。
加えて、地域に根差したエネルギー供給を担う企業グループとして、地域の活性化・発展に貢献する活動を推進するとともに、グループが連携して省エネ・省CO2を含めた環境保全活動を推進する。
⑤ 従業員の能力・やりがいを高め、当社グループの成長を担う人材の育成を推進する
当社グループは、地域のエネルギー供給を担う企業グループとして、基礎知識、必要な能力及び必要な感覚・意識を合わせ持ったバランスの取れた人材の育成を目指すとともに、お客さま満足度の向上、エネルギーの安定供給に向け、現場力の強化、技術・技能伝承を推進する。
また、昨年8月にガス管切断作業中における当社従業員の労災死亡事故が発生しており、当社はこの事実を厳粛に受け止め、再発防止策の策定や啓発活動を含めた保安教育等のさらなる充実により、事業活動等における安全確保及び安全意識啓発に継続的に取り組んでいく。
⑥ グループ全体の収益性と健全性を高め、強靭な企業グループを構築するとともに、持続的な発展を目指す
グループ全体の収益性と健全性を高めるため、グループ機能や組織のあり方を検討するとともに、エネルギー市場自由化を踏まえた諸施策実施に向け、経営資源の効率的かつ効果的な活用に取り組んでいく。また、グループ各社の収益事業について、エネルギー供給事業及び既存事業との関連性や相乗効果等を検証しつつ、新たな事業展開を検討するとともに、グループ間の相乗効果を最大限活用することにより、持続的な発展を目指していく。
このような事業展開を通じて、当社グループは、地域のエネルギー事業者として、株主の皆さま、お客さま、地域社会の皆さまから信頼され、選択され続ける企業グループを目指し、全力を挙げて取り組んでいく。
(2) 株式会社の支配に関する基本方針
当社は、株主に関する基本的あり方として、株主は市場での自由な取引によって決まるべきものであり、当社株式に対する公開買付けについても、公開買付けの実施、また同公開買付けに応じるか否かの決定は、原則として株主の皆さまの自由な判断によるべきものと考えている。
他方で、当社の事業は、都市ガス等の安定的かつ安全な供給を実現するため、極めて公共性の高い社会的責任を有しており、お客さまによる当社製品及びサービスの利用を獲得維持するためには、当社に対する信頼が不可欠となる。また、当社事業の公共性等を考慮すると、長期的視点での事業計画が必要であり、短期的利益を追い求めるような経営は許されないと考える。特に都市ガスの安定的かつ安全な供給を目的とする当社の事業を継続するためには、人的・物的資源の維持、発展が不可欠であり、全てのステークホルダーに対する配慮がない限り、当社の企業価値は損なわれることになる。
当社は、当社の経営に対して重大な影響を与えることとなる、株券等の保有割合を20%以上とすることを目的とした当社株券等の買収行為が行われようとする場合には、株主の皆さまに対する十分な情報提供を確保し、買収行為の目的、内容を事前に検証する手続きを定め、併せて買収者と取締役会とが交渉を行う機会を設け、当社の企業価値をより向上させる事業計画を提案する機会を設けることが適切であると考える。
当社は、買収者が当社の定める手続きを遵守しない場合、並びに、当該買収行為が明らかに当社の株主全体の利益に反し、又は都市ガス等の安定的かつ安全な供給を妨げるものである場合には、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適切でないと判断し、後掲の措置をとることとする。
当社グループを取り巻くエネルギー業界は、少子高齢化の進展や新設住宅着工件数の伸び悩みに加え、エネルギー間での競合がいっそう激化する等、厳しい市場環境下にある。
一方、国のエネルギー・環境政策のあり方が議論される中、天然ガスをはじめとするガス体エネルギーの位置付けは、これまで以上に高まっていくものと予想され、省エネ・省CO2に加え、エネルギーの分散化に貢献しうるガス体エネルギーの普及拡大及びエネルギーの高度利用を推進していくことは、当社グループに課せられた使命であると考えている。
このような状況のもと、当社グループは、2020年に向けたグループ経営ビジョン「Action for Dream 2020」(以下「2020年ビジョン」という。)の具現化を推進することとし、平成22年度からの3ヶ年をビジョン実現に向けたアクションプランを実行する期間、平成25年度から3ヶ年はさらなるステップアップを図る期間と位置付け、諸施策を実行してきた。
平成28年度中期経営計画では、エネルギー市場の自由化等の環境変化を好機ととらえ、2020年ビジョンの実現及び次期ビジョンの策定を見据え、持続的に発展していく企業グループを目指していく。
本中期経営計画を着実に推進することにより、厳しい経営環境下においても利益を確保できる経営基盤を確立し、企業価値のさらなる向上に努め、株主の皆さまへの利益還元を行っていく。
株主の皆さまへの利益還元方針は以下のとおりである。
(利益還元方針)
従来、当社は、株主の皆さまへの利益還元を経営上の重要な政策と位置付け、安定配当の継続を基本方針としてきた。今後も経営効率化や積極的な営業活動による成果を、将来を見据えた設備投資や研究開発、財務状態や利益水準等を総合的に勘案しつつ、株主の皆さまに還元していく所存である。
当社は、平成25年6月25日開催の第159回定時株主総会において、株主の皆さまのご承認をいただき、「買収防衛策(停止条件付ライツ・プラン)」(以下「本プラン」という。)の更新を行っている。
本プランは、以下の(ⅰ)又は(ⅱ)に該当する当社株券等の買付けもしくは買付けの提案その他これらに類似する行為(以下「買収行為」という)がなされる場合に、買収者に対して適用される。
(ⅰ) 当社が発行者である株券等について、保有者及びその共同保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付け
(ⅱ) 当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
本プランは、当社のガス事業の安全性及び安定性を確保し、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保、向上させるために、買収行為に先立ち、買収者及び当社取締役会に対して、買収行為に関する必要かつ十分な情報提供を求めるとともに、当社の社外取締役及び中立公正な委員によって構成される独立委員会がこれらの買収行為に関する情報を評価、検討し、あるいは買収者と当社取締役会との協議、代替案等の検討をするために必要な期間を確保することを目的とする。
買収者は、本プランに定める遵守事項及び独立委員会の要請に従い、買収行為に関する必要かつ十分な情報提供を行い、かつ独立委員会による合理的な協議検討のための期間が確保された場合には、当該期間経過後に買収行為を開始することができる。
これに対し、当社取締役会は、買収者が本プランに定める遵守事項又は独立委員会の要請に違反し、又は、買収者による買収行為が当社のガス事業の安全性もしくは安定性を明らかに害し、当社の企業価値及び株主共同の利益を毀損すると認められる場合には、当該買収行為への対抗措置を講ずることができるものとする。
本プランでは、当該買収行為への対抗措置として、当該買収者による権利行使を認めない旨の行使条件を付した新株予約権を新株予約権無償割当ての方法により、全株主に割当てる(以下「本プランの発動」という。)。
本プランの発動又は不発動の判断については、買収者が必要情報を提供せずに買収行為を開始する場合を除き、当社取締役会の恣意的判断を排除するために、独立委員会の判断を経なければならないものとし、当社取締役会は、この独立委員会による勧告を最大限尊重しなければならないものとする。
本プランの有効期間は、平成28年3月期の事業年度に関する定時株主総会の終結時までとするが、本プランの有効期間中であっても、当社株主総会又は当社取締役会において本プランの廃止を決議した場合には、その時点で本プランは廃止される。
当社取締役会は、本プランが以下の理由により上記①の基本方針に沿っており、また、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、かつ、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものとはならないと考えている。
(ⅰ) 株主の総体的意思を反映するものであること
本プランは、株主の皆さまの意思を反映させるべく、平成25年6月25日開催の第159回定時株主総会における承認を得て更新されたものである。また、当社の取締役は、その任期が1年であるため、取締役の選任を通じて株主の皆さまの意思を反映させることができる。加えて、本プランは、株主総会決議により有効期間満了前に本プランを廃止することができる。
(ⅱ) 取締役会の恣意的判断の排除
当社は、本プランの導入にあたり、取締役会の恣意的判断を排除し、当社の企業価値及び株主の皆さまの共同利益を向上、確保するために独立委員会を設置している。独立委員会は、高度な独立性・公平性が確保されており、当社取締役会は本プランの発動にあたり独立委員会の勧告を最大限尊重しなければならないので、これにより、当社取締役会の恣意的判断は排除されることになる。
(ⅲ) 合理的な客観的要件の設定
当社取締役会は、予め定められた合理的かつ客観的な要件が充足されなければ、本プランを発動させることができないので、当社取締役会の恣意的な判断に基づく本プランの発動を防止するための措置が講じられているものといえる。
(ⅳ) デットハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと
本プランは、取締役会決議によっていつでも廃止することができるので、取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できないデットハンド型買収防衛策にはあたらない。また、当社の取締役の任期は1年であり、解任決議要件の加重も実施していないので、取締役の交代を一度に行うことができず、その発動を阻止することが困難なスローハンド型買収防衛策にもあたらない。
(注) 当社は、平成28年5月11日開催の当社取締役会において、有効期間の満了をもって本プランを更新しないことを決定し、本プランは、平成28年6月24日開催の当社定時株主総会終結の時をもって有効期間の満了により廃止された。
当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがある。なお、将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
(1) 気温・水温の変動及び人口・世帯数の減少によるガス需要の変動
ガス事業の性質上、気温・水温の変動によりガスの需要は変動し、業績に影響を及ぼす可能性がある。なお、気温・水温の低い冬期に売上高及び利益が偏る傾向にあり、通期業績に占める第4四半期の比重が高いため、期中での業績傾向により通期業績を推し測れない可能性がある。
人口・世帯数の減少によりガスの需要が減少し、業績に影響を及ぼす可能性がある。
(2) 業務用のお客さまの動向
当社のガス販売量は、業務用のお客さまの占める割合が高く、経済情勢や産業構造の変化等により、業績に影響を及ぼす可能性がある。
(3) 原料価格の変動
原油価格・為替相場の動きによる原料価格の変動については、原料費調整制度の適用により、ガス販売価格に反映して概ね相殺することが可能であるが、価格の高騰が続いた場合、又はガス販売価格への反映までのタイムラグにより、業績に影響を及ぼす可能性がある。
ガスの原料であるLNGは海外から輸入しているため、原料調達先の設備や操業等に関する事故等により、業績に影響を及ぼす可能性がある。
(5) 資金調達に対する金利の変動
資金調達に対する金利の変動により、業績に影響を及ぼす可能性がある。ただし、有利子負債の大部分は固定金利で調達していることから、金利変動による影響は限定的である。
(6) 自然災害・事故等による影響
地震等の自然災害や事故等により、当社グループ及びお客さま設備に被害が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。
(7) ガス消費機器・設備のトラブルによる影響
ガス消費機器・設備に重大なトラブルが発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。
(8) コンプライアンスについて
法令等に反する行為が発生した場合、対応に要する費用の支出や社会的信用力の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性がある。
(9) 情報漏洩
お客さまの個人情報が外部へ漏洩した場合、対応に要する費用の支出や社会的信用力の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性がある。
(10) エネルギー間競争の激化・制度変更等について
① 競争激化
規制緩和による小売全面自由化は、新たなビジネスチャンスである反面、競争によるお客さまの離脱や販売価格低下のリスクも併存する。
② 制度変更等
都市ガス事業及び簡易ガス事業は、ガス事業法上、事業の許可及びガス料金その他の供給条件等についての認可を受けている。ガス事業法においては、同法等に違反した場合で公共の利益を阻害すると認められるとき、事業許可を取り消されることがある旨が定められており、現時点においては取消しとなるような事象は発生していないが、将来、何らかの理由により事業許可が取り消された場合には、事業運営に影響を及ぼす可能性がある。
また、事業遂行について、ガス事業法その他の法令や制度等に従っているため、それら法令・制度の変更が、対応コスト発生等の影響を及ぼす可能性がある。
該当事項はない。
当社グループ(当社及び連結子会社)における研究開発活動は、主に連結財務諸表を作成する当社がガス事業について行っており、当連結会計年度における研究開発費の総額は175百万円である。
当社はガスの製造・供給技術及び新規のガス利用技術の調査・導入に関する研究開発に取り組んでおり、技術研究体制のさらなる強化を目的とし平成13年度に技術研究所を設立した。
技術研究所の主な取組みテーマは、平成21年から販売を開始した家庭用燃料電池を筆頭に省エネ性、環境特性等に優れた小型ガスコージェネレーションシステム及び家庭用・業務用・工業用ガス消費機器に係る調査や試験研究を行う「ガス利用技術」と、温室効果ガス発生抑制や環境浄化等の「環境技術」の2分野を柱に進めている。
ガス利用分野では、応用的な研究開発を主体として新技術の蓄積・開発を図るとともに、営業部門と連携し、生活環境に係るエネルギー利用実態調査や新型機器を中心とした評価研究、ガス消費機器の効率的利用方法の検証、試験データをベースとした家庭用ガスコージェネレーションシステム等の導入効果シミュレーションソフトの開発及び省エネ・低コスト型の業工用ガス機器開発等に取り組んでいる。これらガスの普及拡大やさらなる安全・安心に貢献する新技術や協調領域における課題については、同業他社や社外の研究機関とも連携しながら効率的に進めるとともに、お客さまにより快適で経済的な暮らしをご提案する等クリーンエネルギー天然ガスの普及展開に活用されている。
環境分野では、平成24年12月に技術研究所内へスマートエネルギーハウス実験棟を設置し、エネファーム、太陽電池、蓄電池の3電池試験やHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)の導入、太陽熱や地中熱といった再生可能エネルギーとの最適な組合せによるネット・ゼロ・エネルギーハウスを目指す研究や土壌浄化試験等のグループ企業との共同検討についても進めている。また、小型で安価な遠隔計測システム開発や特定小電力無線内蔵デマンド計の開発等の業務効率化研究とともに、実際の都市ガス供給幹線で減圧時の圧力エネルギーを回収利用する小規模発電システムの開発等、未利用エネルギーの活用にも取り組んでいる。
さらに、地域の産学官を中心とした連携も重要と考えており、共同研究及び各種研究会への積極的な参画に努めている。広島大学・広島市・中国経済産業局等と共同立上げした「水素・次世代エネルギー研究会」や、学識経験者と企業間連携からなる「メタン・水素二段発酵実用化研究」「小型高効率バーナ開発研究」「感性イノベーションの実用化研究」の他、素材メーカーと連携した「天然ガス直接改質によるカーボンナノチューブ製造試験」等、地場の技術シーズや経営資源を集結し共同研究に発展している。次世代教育支援についても同様に、平成19年の経済産業省・文部科学省の社会人講師(研究員)による理科実験教室プロジェクト参画に始まり、広島県発明協会、広島市・県教育委員会と連携した出張授業を継続しガスファンの開拓を行うとともに、当連結会計年度にはJST日本・アジア青少年サイエンス交流事業「さくらサイエンスプラン」でフィリピンより来日した高校生への理科実験授業に発展する等幅広く活動を行っている。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、原料費調整制度に基づく販売単価の低下等により、前連結会計年度に比べ14.1%減少の76,303百万円となった。利益については、営業利益は、原油価格の低下に伴う原材料費の大幅な減少等により、前連結会計年度に比べ33.2%増加の5,475百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は、22.9%増加の5,775百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、32.8%増加の3,647百万円となった。
なお、セグメント別の売上高及びセグメント利益の概況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載している。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因
為替や原油価格の変動は、原料価格に大きく影響する。この原料価格については、原油価格に関するスワップ等の活用により、そのリスクをヘッジしている。
デリバティブ取引については、実需に基づくリスクヘッジを目的としており、投機目的でのデリバティブ取引は行っていない。また、当社グループでは、デリバティブ取引の市場価値について定期的な評価を行い、市場リスクを継続的に監視している。これらのデリバティブ取引については、内部規程に定めた要件に従い、信用力があると判断できる金融機関等とのみ取引を行うこととしており、取引先に係る信用リスクは僅少であると考えている。
(3) 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、設備投資による固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ2,598百万円増加の102,357百万円となった。
負債は、有利子負債の減少等により、前連結会計年度末に比べ155百万円減少の60,366百万円となった。
純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ2,754百万円増加の41,991百万円となった。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.6ポイント上昇し、39.0%となった。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,834百万円増加の9,674百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ3,785百万円増加の13,950百万円となった。これは、主に税金等調整前当期純利益が増加したことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ295百万円増加の△9,735百万円となった。これは、主に長期前払費用の取得による支出が減少したことによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動における資金収支は、ほぼ前連結会計年度並みの△1,788百万円となった。
キャッシュ・フロー指標は次のとおりである。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
自己資本比率(%) | 37.4 | 39.0 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 27.3 | 25.4 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 3.9 | 2.7 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 24.6 | 42.7 |
(注) 1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により、以下の方法で計算している。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算している。キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用している。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としている。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
日本経済は、経済政策及び金融政策の効果もあり、緩やかな回復基調が続いてきたが、中国発の同時株安等の影響により、我が国の景気が下押しされるリスクが顕在化している。
エネルギー業界においては、少子高齢化の進展や新設住宅着工件数の伸び悩みに加え、エネルギー間競合が一層激化する等、厳しい事業環境が継続している。また、ガス・電力市場の自由化に伴って、ガス・電力市場への新規・相互参入の動きが高まる等、我が国のエネルギー市場は、大変革の時代を迎えようとしている。
一方で、現在のエネルギー基本計画(平成26年4月閣議決定)において、天然ガスは「その役割を拡大していく重要なエネルギー源」と位置付けられており、ガス体エネルギーの普及拡大やエネルギーの高度利用を通じて、省エネ・省CO2及びエネルギーの分散化に貢献していくことは、当社グループに課せられた使命であると考えている。
このような状況の中、平成21年10月末に策定した2020年に向けたグループ経営ビジョン「Action for Dream 2020」(以下「2020年ビジョン」という。) の具現化を推進することとし、平成22年度からの3ヶ年を2020年ビジョン実現に向けたアクションプランを実行する期間、平成25年度から3ヶ年はさらなるステップアップを図る期間と位置付け、諸施策を実行してきた。
平成28年度中期経営計画では、エネルギー市場の自由化等の環境変化を好機ととらえ、ガス体エネルギーの普及拡大を図り、事業効率を高めるとともに、事業環境の変化を活かした新たな事業展開の検討を推進し、持続的に発展していく企業グループを目指していく。