文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 会社の経営の基本方針、経営環境及び基本戦略
超高齢化社会の進展やAI、IoTをはじめとする技術進化の加速等により産業構造が大きく変化していく中、当社グループを取り巻くエネルギー業界は、ガス・電力市場の小売全面自由化に伴う地域や業種を越えた新規・相互参入の動きが強まるなど、歴史的な転換点を迎えている。
このような状況のもと、当社グループは、2018年10月に「広島ガスグループ2030年ビジョン」(以下「2030年ビジョン」という。)を策定し、当社グループの将来に向けた方向性と、そこに至る道筋を示した。
2019年度中期経営計画では、エネルギー市場自由化等の環境変化を好機と捉え、エネルギー基本計画を踏まえたグループ戦略を推進するとともに、当社グループ経営に共感していただける感動を追求・発信することで、地域社会と共に発展する企業グループを目指していく。
(2030年ビジョン基本方針)
① 経営施策を通じた感動追求
・経営理念に基づいた事業活動の展開
・企業の社会的責任(CSR)
② エネルギーサービスを通じた感動追求
・お客さまニーズの多様化によるサービス競争への対応
・エネルギーサービスの追求
③ 安心を通じた感動追求
・地域社会の皆さまが日頃から安心して生活頂ける環境整備
・提供するエネルギーやサービスに対しての安心
④ 人とのつながりを通じた感動追求
・広島ガスグループの強みを生かした事業展開
・人材育成と従業員価値の向上
(2030年ビジョン基本戦略)
チャレンジ1:総合エネルギー事業の更なる拡大
チャレンジ2:環境への貢献につながる事業展開と次世代エネルギーの研究
チャレンジ3:デジタル技術の活用による高付加価値の創造
チャレンジ4:グループ組織力の強化
チャレンジ5:安心安全の更なる追求
チャレンジ6:社会貢献活動の推進
(2) 目標とする経営指標
当社は、他燃料との競合力を高め収益力向上と企業価値の増大を図るため、経営指標として「ROE」(自己資本当期純利益率)を設定している。経営効率化を推進し、収益性を高めることによりROEの向上、あわせて、財務体質を強化することにより、自己資本比率の向上及び有利子負債残高の低減に努めてきた。
また、2009年10月に策定した経営ビジョン「Action for Dream 2020」(以下「2020年ビジョン」という。)において、都市ガス販売量目標を6億m3としている。
2019年度以降については、2030年ビジョンの経営目標として「広島ガスグループは連結経常利益70億円規模の企業グループに成長する」ことを掲げ、ROA 3.5%以上、ROE 8.0%以上、EBITDA(営業利益+減価償却) 160億円以上、自己資本比率 50%程度、連結配当性向30%以上を2030年度に向けて目指していく。
(3) 会社の対処すべき課題
① 総合エネルギー事業の更なる普及拡大を通じた、省エネ・省CO2への貢献とエネルギーサービス周辺事業の強化による事業拡大を図る
当社グループは、環境性に優れたガス体エネルギーや再生可能エネルギーの普及拡大を通じて省エネ・省CO2に貢献するとともに、エネルギーサービス周辺事業の強化により、更なる事業拡大を図る。
家庭用市場においては、余剰電力買取サービスの活用も含めたエネファームの提案強化及びお客さまニーズを反映した料金・サービスの検討・実施等により新規顧客の獲得に努めるとともに、会員制Webサービス、ポイント連携、生活関連サービス等を組み合わせた施策を展開していくことでお客さま件数の維持・増加を図る。
業務用市場においては、新規物件獲得、ガスコージェネレーションシステム及びガス空調の新規・リニューアル提案の強化に加え、スマートコミュニティ事業への参画等によりガス販売量の維持・拡大を図るとともに、グループ一体となった営業体制の構築を推進する。
また、当社グループの発展・基盤強化に資するインフラ整備については、製造設備や供給ネットワークを計画的に整備・増強する等、天然ガスの普及拡大及び供給安定性の向上に資する取組みを中長期的な視点で推進する。
原料調達については、更なる低廉・安定かつ柔軟性のある調達を推進する。また、シンガポール事務所を活用し、引き続きエネルギー関連市場の情報収集・調査を行うほか、新たな海外事業展開の可能性について検討する。
② 環境への貢献につながる事業展開と次世代エネルギーの研究を通じた、環境負荷低減に資する施策を推進する
当社グループは、再生可能エネルギーや分散型エネルギーシステムの普及拡大を図るとともに、ゼロエミッション実現に向けたエネルギーミックスを検討する等、環境への貢献につながる事業展開を推進する。
また、脱化石燃料の流れに対応した事業基盤の構築に向けて、先端技術の導入についても調査・検討を進める等、環境負荷低減に資する施策を推進する。
③ デジタル技術の活用による高付加価値の創造を図ることによって、新たな価値創造と業務効率化を推進する
当社グループは、ICTやスマートデバイスを活用し、生産性の向上及び業務効率化を図ることで、競争力あるエネルギーサービスの提供を推進する。
また、スマートメーターの普及、AIやIoT等最先端のデジタル技術を活用したサービスの提供等、新たな価値創造に取り組むことでお客さまサービスの充実を図る。
④ グループ組織力の強化につながる創造性豊かな人材の育成と活用により、グループ総合力の向上を図る
当社グループは、地域のエネルギー供給を担う企業グループとして、お客さまの期待を上回るサービスの提供に向けた創造性豊かな人材を育成するとともに、グループ全体での要員管理や人材交流の推進による機動的な要員配置、リスク管理及び連携強化を図ることでグループ総合力の向上に努める。
また、多様で柔軟な働き方が実現できる環境の整備や、やりがいや働きがいが持てる魅力ある職場作りを推進する。
⑤ 安心安全の更なる追求により、エネルギーセキュリティの向上を図る
当社グループは、お客さまの安心安全を向上させるための取組みとして、地震や津波等の災害発生時に備え、早期復旧に向けた継続的な設備形成や中国・四国地方のガス事業者間での体制構築を推進する。
また、経年導管の取替え促進、広域保安体制の拡充及び保安周知の強化を図ることで保安レベルの向上に努める。さらには、広島湾岸幹線等の導管インフラ整備の実施やLPガス事業における物流体制の強化等、安心安全の更なる追求により、エネルギーセキュリティの向上を図る。
⑥ 社会貢献活動の推進を通じ、地域社会と共に発展する企業グループを目指す
当社グループは、地域に根差した企業グループとして、地域の活性化・発展に貢献する活動を推進するとともに、環境基本理念及び環境行動指針に則った環境保全活動を推進する。
また、「ひと思い活動(次世代教育・スポーツ振興等)」、「くらし思い活動(まちづくり・芸術文化の発展及び地域価値向上等)」、「環境思い活動(CO2排出削減・省エネ等)」を推進することで、地域社会と共に発展する企業グループを目指す。
⑦ グループ経営基盤の強化を図り、強靭な企業グループの構築と持続的な発展を目指す
当社グループは、グループ経営基盤の強化を図り、持続的な発展を目指すため、グループ機能の再構築を図るとともに、収益力及び資本効率の向上に資する事業ポートフォリオの見直しや経営資源の効率的かつ効果的な活用に向けた取組みを推進する。
⑧ 地域社会からの信頼につながる経営を推進する
当社グループは、コンプライアンスの推進、内部統制システムの運用・見直しや適時・適切な情報開示等を通じて、公正かつ透明な事業運営に努めるとともに、グループ経営管理やコーポレート・ガバナンスの強化に向けた継続的な取組みを行うことで、地域社会からの信頼につながる経営を推進する。
このような事業展開を通じて、当社グループは、地域のエネルギー事業者として、株主の皆さま、お客さま、地域社会の皆さまから信頼され、選択され続ける企業グループを目指し、全力を挙げて取り組んでいく。
(4) 株式会社の支配に関する基本方針
当社は、株主に関する基本的あり方として、株主は市場での自由な取引によって決まるべきものであり、当社株式に対する公開買付けについても、公開買付けの実施、また同公開買付けに応じるか否かの決定は、原則として株主の皆さまの自由な判断によるべきものと考えている。
他方で、当社の事業は、都市ガス等の安定的かつ安全な供給を実現するため、極めて公共性の高い社会的責任を有しており、お客さまによる当社製品及びサービスの利用を獲得維持するためには、当社に対する信頼が不可欠となる。また、当社事業の公共性等を考慮すると、長期的視点での事業計画が必要であり、短期的利益を追い求めるような経営は許されないと考える。特に都市ガスの安定的かつ安全な供給を目的とする当社の事業を継続するためには、人的・物的資源の維持、発展が不可欠であり、全てのステークホルダーに対する配慮がない限り、当社の企業価値は損なわれることになる。
株式の大規模買付行為の中には、その目的等からして企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、当社取締役会や株主の皆さまに対して当該買付行為に係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を提供しないもの等、当社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも想定される。
当社は、このように当社株式の大規模買付行為を行う者が明らかに当社の株主全体の利益に反し、又は都市ガス等の安定的かつ安全な供給を妨げるものである場合には、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適切でないと判断し、必要かつ相当な措置をとることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考える。
当社グループは、2018年10月に「2030年ビジョン」を策定し、当社グループの将来に向けた方向性と、そこに至る道筋を示した。
2019年度中期経営計画では、エネルギー市場自由化等の環境変化を好機と捉え、エネルギー基本計画を踏まえたグループ戦略を推進するとともに、当社グループ経営に共感していただける感動を追求・発信することで、地域社会と共に発展する企業グループを目指していく。
本中期経営計画を着実に推進することにより、厳しい経営環境下においても利益を確保できる経営基盤を確立し、企業価値の更なる向上に努め、株主の皆さまへの利益還元を行っていく。
株主の皆さまへの利益還元方針は以下のとおりである。
(利益還元方針)
当社は、財務体質と経営基盤の強化を図りつつ、株主の皆さまに対する利益還元を重要な政策と位置付け、安定配当を継続してきた。今後とも、徹底した経営効率化と積極的な営業活動の展開により、安定配当を継続することを基本方針としつつ、将来を見据えた設備投資や財務状態、中長期の利益水準等を総合的に勘案し、成長に合わせた配当を実施していく。
配当の実施にあたっては、安定的・継続的に配当を行う基本方針のもと、短期的な利益変動要因を除き、連結配当性向30%以上を目指すことにより株主の皆さまに還元していく所存である。
当社は、大規模買付行為を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主の皆さまが適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆さまの検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令が許容する範囲内において、適切な措置を講じていく。
上記②及び③の取組みは、上記①の基本方針に沿っており、また、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、かつ、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものとはならないと考えている。
当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがある。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 気温・水温の変動及び人口・世帯数の減少によるガス需要の変動
ガス事業の性質上、気温・水温の変動によりガスの需要は変動し、業績に影響を及ぼす可能性がある。なお、気温・水温の低い冬期に売上高及び利益が偏る傾向にあり、通期業績に占める第4四半期の比重が高いため、期中での業績傾向により通期業績を推し測れない可能性がある。
人口・世帯数の減少によりガスの需要が減少し、業績に影響を及ぼす可能性がある。
(2) 業務用のお客さまの動向
当社のガス販売量は、業務用のお客さまの占める割合が高く、経済情勢や産業構造の変化等により、業績に影響を及ぼす可能性がある。
(3) 原料価格の変動
原油価格・為替相場の動きによる原料価格の変動については、原料費調整により、ガス販売価格に反映して概ね相殺することが可能であるが、価格の高騰が続いた場合、又はガス販売価格への反映までのタイムラグにより、業績に影響を及ぼす可能性がある。
ガスの原料であるLNGの大半は海外から輸入しているため、原料調達先の設備や操業等に関する事故等により、業績に影響を及ぼす可能性がある。
(5) 資金調達に対する金利の変動
資金調達に対する金利の変動により、業績に影響を及ぼす可能性がある。ただし、有利子負債の大部分は固定金利で調達していることから、金利変動による影響は限定的である。
(6) 自然災害・事故等による影響
地震等の自然災害や事故等により、当社グループ及びお客さま設備に被害が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。
(7) ガス消費機器・設備のトラブルによる影響
ガス消費機器・設備に重大なトラブルが発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。
(8) コンプライアンスについて
法令等に反する行為が発生した場合、対応に要する費用の支出や社会的信用力の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性がある。
(9) 情報漏洩
お客さまの個人情報が外部へ漏洩した場合、対応に要する費用の支出や社会的信用力の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性がある。
(10) エネルギー間競争の激化・制度変更等について
① 競争激化
エネルギー間競争の激化によるお客さまの離脱と販売価格低下のリスクが併存する。
② 制度変更等
ガス事業は、ガス事業法上、事業の許可等を受けている。ガス事業法においては、同法等に違反した場合で公共の利益を阻害すると認められるとき、事業許可を取り消されることがある旨が定められており、現時点においては取消しとなるような事象は発生していないが、将来、何らかの理由により事業許可が取り消された場合には、事業運営に影響を及ぼす可能性がある。
また、事業遂行について、ガス事業法その他の法令や制度等に従っているため、それら法令・制度の変更が、対応コスト発生等の影響を及ぼす可能性がある。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っている。
当連結会計年度の日本経済は、雇用・所得環境の改善や設備投資の増加等を背景に、緩やかな回復基調にあったが、米中における通商問題の動向が世界経済に与える影響や金融資本市場の変動による影響が懸念される等、先行き不透明な状況で推移した。
エネルギー業界においては、ガス・電力市場の小売全面自由化に伴う事業者間競争の進展により、事業環境は一層厳しさを増している。
このような情勢のもと、当社グループは、地域のエネルギー事業者として、株主の皆さま、お客さま、地域社会の皆さまから信頼され、選択され続ける企業グループを目指し、懸命な努力を重ねてきた。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりである。
当連結会計年度末における総資産は、原材料及び貯蔵品の増加等により、前連結会計年度末に比べ2,278百万円増加の104,935百万円となった。
負債は、社債の発行による有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ2,526百万円増加の54,223百万円となった。
純資産は、その他有価証券評価差額金の減少等により、前連結会計年度末に比べ247百万円減少の50,712百万円となった。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.3ポイント低下し、45.8%となった。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ11.0%増加の81,842百万円となった。
利益については、営業利益は前連結会計年度に比べ34.0%減少の1,926百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は28.4%減少の2,509百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は21.1%減少の1,971百万円となった。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
ガス事業
当連結会計年度末におけるお客さま戸数は、積極的な営業活動を展開した結果、前連結会計年度末に比べ1,494戸増加の412,574戸となった。
都市ガス販売量は、前連結会計年度に比べ12.3%増加の583百万m3となった。
都市ガス販売量を用途別に見ると、家庭用は、気温が高めに推移したこと等により、前連結会計年度に比べ5.2%減少の98百万m3となった。
業務用(商業用・公用及び医療用・工業用)は、大口用販売量の増加等により、前連結会計年度に比べ14.3%増加の407百万m3となった。
また、卸供給等は、卸供給先の既存需要家へのガス販売量の増加等により、前連結会計年度に比べ30.9%増加の77百万m3となった。
以上の結果、ガス事業の売上高は、ガス販売量の増加や原料費調整による販売単価の上昇等により、前連結会計年度に比べ13.2%増加の65,408百万円となったが、セグメント利益(営業利益)は、原油価格の上昇に伴う原材料費の増加等により、37.8%減少の1,358百万円となった。
(注) 本報告書ではガス販売量はすべて、1m3当たり45メガジュール換算量で表している。
LPG事業
LPG事業は、LPガス販売単価の上昇等により、売上高は前連結会計年度に比べ2.7%増加の15,108百万円となったが、セグメント利益(営業利益)は、売上原価の増加等により54.8%減少の139百万円となった。
その他
その他は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、建設事業、情報流通事業、高齢者サービス事業等を含んでいる。
売上高は、前連結会計年度並みの3,969百万円、セグメント利益(営業利益)は134.1%増加の195百万円となった。
セグメントの売上高及び構成比
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
2 調整額とは売上高の連結消去等である。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ356百万円減少の8,449百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ6,618百万円減少の4,897百万円となった。これは、主にたな卸資産が増加したことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ1,001百万円増加の△6,466百万円となった。これは、主に投資有価証券の売却による収入が増加したことによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ3,861百万円増加の1,231百万円となった。これは、主に社債の発行によるものである。
当社グループ(当社及び連結子会社)においては、「ガス事業」及び「LPG事業」を報告セグメントとしているが、「ガス事業」の主要製品である都市ガスが当社グループの生産、受注及び販売活動の中心となっているため、以下は都市ガスについて記載している。
当連結会計年度のガス生産実績は次のとおりである。
都市ガスについては、事業の性格上受注生産は行っていない。
当社は広島県内の広島市、廿日市市、東広島市、呉市、尾道市、三原市、福山市を主な供給エリアとして都市ガス事業を行い、導管を通じ直接お客さまに販売している。また、他ガス事業者等への卸供給等を行っている。
(ア) ガス販売実績
当連結会計年度のガス販売実績は次のとおりである。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
3 マイクロンメモリジャパン合同会社は、2018年8月22日付で、マイクロンメモリジャパン株式会社から組織変更している。
(イ) 地区別ガス普及状況
当連結会計年度末の地区別ガス普及状況は次のとおりである。
(注) 1 お客さま戸数とはガスメーター取付数をいう。なお、供給区域外取付メーター数を含んでいる。
2 供給区域内世帯数は供給区域の住民基本台帳による一般世帯数である。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債や収益及び費用等の額に不確実性がある場合には、合理的な金額を算出するために会計上の見積りを必要とする。当社グループは、過年度の実績や経営計画及びその他の仮定を踏まえ、入手可能な情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づき、継続的に見積りを行っている。ただし、これらには見積り特有の不確実性を伴うため、実際の結果は様々な要因により異なる場合がある。
当連結会計年度の売上高は、ガス販売量の増加や原料費調整による販売単価の上昇等により、前連結会計年度に比べ11.0%増加の81,842百万円となった。利益については、営業利益は原油価格の上昇に伴う原材料費の増加等により、前連結会計年度に比べ34.0%減少の1,926百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は28.4%減少の2,509百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は21.1%減少の1,971百万円となった。
セグメントごとの経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している。
経営成績に重要な影響を与える要因として、為替や原油価格の変動があげられる。これらは、主にガス事業における原料価格に大きく影響するが、この原料価格については、原油価格に関するスワップ等の活用により、そのリスクをヘッジしている。
デリバティブ取引については、実需に基づくリスクヘッジを目的としており、投機目的でのデリバティブ取引は行っていない。また、当社グループでは、デリバティブ取引の市場価値について定期的な評価を行い、市場リスクを継続的に監視している。これらのデリバティブ取引については、内部規程に定めた要件に従い、信用力があると判断できる金融機関等とのみ取引を行うこととしており、取引先に係る信用リスクは僅少であると考えている。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりである。
当社グループの主な資金需要は、原料の購入の他、製造費、供給販売費、一般管理費等の営業費及び製造設備、供給設備等への設備投資である。
これらに対応するための必要な資金を社債及び金融機関からの借入金により調達し、短期的な運転資金は、短期社債(コマーシャル・ペーパー)及び金融機関からの借入金により調達している。一時的な余資の運用については短期的な預金等に限定している。
なお、当連結会計年度末における有利子負債は社債の発行等により、前連結会計年度末に比べ5.3%増加の36,293百万円となった。
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載している。
キャッシュ・フロー指標は次のとおりである。
(注) 1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により、以下の方法で計算している。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算している。キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用している。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としている。
当連結会計年度は、2020年ビジョンの第3フェーズ(次期ビジョン・将来への架け橋)の3年目であり、ROE 4.1%、自己資本比率45.8%、有利子負債36,293百万円となった。また、都市ガス販売量は、前期比12.3%増加の583百万m3となった。販売量目標である6億m3については、2019年度に達成できる見込みであり、これまでの地道な取組みの成果が着実に実を結んでいると認識している。
2019年度以降については、2030年ビジョンの経営目標である「広島ガスグループは連結経常利益70億円規模の企業グループに成長する」の実現に向け、エネルギー基本計画を踏まえたグループ戦略を推進するとともに、当社グループ経営に共感していただける感動を追求・発信することで、地域社会と共に発展する企業グループを目指していく。
当社グループが、2030年ビジョンにおいて目指す姿は次のとおりである。
該当事項はない。
当社グループ(当社及び連結子会社)における研究開発活動は、主に連結財務諸表を作成する当社がガス事業について行っており、当連結会計年度における研究開発費の総額は
当社はガスの製造・供給技術及び新たなガス利用技術の調査・導入に関する研究開発に取り組んでおり、技術研究体制の更なる強化を目的とし2001年度に技術研究所を設立した。
当研究所は、2009年から販売を開始した家庭用燃料電池を筆頭に省エネ性・環境特性等に優れた小型ガスコージェネレーションシステム及び家庭用・業務用・工業用ガス消費機器に係る調査・試験研究を行う「ガス利用技術」と温室効果ガス発生抑制や環境浄化等を検討する「環境技術」の2分野を柱に取組みを進めている。
ガス利用技術分野では、営業部門と連携し、生活環境に係るエネルギー利用実態調査や新型機器を中心とした評価研究、ガス消費機器の効率的利用方法の検証、試験データをベースとした家庭用光熱費シミュレーションソフトの開発及び省エネ・低コスト型の業工用ガス機器開発等に取り組んでいる。また、応用的な研究開発を主体として、以下のような新技術の蓄積・開発を図っている。
・都市ガス利用による管状火炎を用いた小型液加熱ヒーターの開発
・都市ガス供給幹線での減圧時に圧力エネルギーを回収利用して発電する小規模発電システムの開発
・当研究所で開発したLPWA(省電力広域無線通信)による遠隔計測システムと、露点センサーを用いた差水位置の早期発見につながる取組み
これらの新技術や協調領域における課題等については、同業他社や社外の研究機関とも連携しながら効率的に検証を進め、研究結果やデータ解析結果をもとにハウスメーカーやお客さまにより快適で経済的な暮らしをご提案する等、クリーンエネルギーである天然ガスの普及拡大や更なる安全・安心なガス利用に貢献している。
環境技術分野では、2012年12月に当研究所内にスマートエネルギーハウス実験棟を設置し、エネファーム、太陽電池、蓄電池の3電池試験や再生可能エネルギーとの最適な組合せによるネット・ゼロ・エネルギーハウスを目指す研究や、住居間で効率的に電気と熱を融通するスマートコミュニティ研究、及び土壌浄化試験等のグループ企業との共同検討についても進めている。
さらに、地域の産学官を中心とした連携も重要と考えており、広島大学、広島市、中国経済産業局等と共同立上げした「水素・次世代エネルギー研究会」や、学識経験者と企業間連携からなる「小型高効率バーナー開発研究」(上記の都市ガス利用による管状火炎を用いた小型液加熱ヒーターの開発へ発展)、「感性イノベーションの実用化研究」等の共同研究への積極的な参画に努めている。
こうした技術研究における成果を国内外の研究発表会で公表するほか、ガスの燃焼や燃料電池実験等、業務内容に関連した次世代教育支援についても取り組んでおり、企業見学会のほか、広島県発明協会、広島市・県教育委員会と連携した出張授業を継続実施している。
このように様々な世代を対象に、技術分野の情報発信基地としてガスファンの開拓に努める等、幅広く活動を行っている。