文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 会社の経営の基本方針、経営環境及び基本戦略
2018年7月に閣議決定された第5次エネルギー基本計画に2030年エネルギーミックスの実現に向けた取組みが掲げられ、再生可能エネルギーの普及促進をはじめとした、次世代エネルギーの研究や事業展開の可能性の検討等、環境貢献に寄与する事業展開を推進することが、エネルギー事業者の使命と考えている。
経営課題の一つに、少子高齢化による急速な人口減少や省エネ意識の定着によるエネルギー供給量の減少が挙げられるが、当社グループとしては、都市ガス・LPガスといったガス体エネルギーの普及拡大に加え、付加価値を持つ新たなエネルギーの供給についても検討していく必要がある。
このような状況のもと、当社グループは、2018年10月に「広島ガスグループ2030年ビジョン」(以下「2030年ビジョン」という。)を策定し、当社グループの将来に向けた方向性と、そこに至る道筋を示した。

(2030年ビジョン基本戦略)
チャレンジ1:総合エネルギー事業の更なる拡大
チャレンジ2:環境への貢献につながる事業展開と次世代エネルギーの研究
チャレンジ3:デジタル技術の活用による高付加価値の創造
チャレンジ4:グループ組織力の強化
チャレンジ5:安心安全の更なる追求
チャレンジ6:社会貢献活動の推進
ガス体エネルギーの普及拡大としては、産業用・業務用市場における営業力強化及びグループ一体となった推進体制の構築を図り、当社グループのノウハウを活かした省エネ提案等により、広範囲での需要開拓につなげていく。
環境への貢献につながる事業展開としては、本業である都市ガス事業、LPG事業との相乗効果につながる再生可能エネルギーや発電事業等、事業化に向けた検討を推進していく。
近年、日本各地において大規模な自然災害が頻発しており、中国地方においても集中豪雨による甚大な被害が発生した。また、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、経済活動や国民生活へ大きな影響をもたらしている。当社グループはこれからもエネルギー事業を担う企業として、各地域にお住いのお客さまが安心安全に生活していただけるよう、引き続き、災害対策の強化並びに安定供給の確保に努めていく。
永続的な成長を築いていくため、「2030年ビジョン」で掲げている経営施策を通じ、お客さまロイヤルティとお客さま生涯価値の向上を図ることによって、揺るぎない経営基盤の強化につなげていく。
(2021年度中期経営計画方針)
エネルギー業界においては、ガス・電力市場の小売全面自由化に伴う事業者間競争の進展に加え、2050年までに脱炭素社会の実現を目指す政府方針が示される等、事業環境は大きく変化している。
当社グループは、2021年度中期経営計画において、「2050年カーボンニュートラル」へ向け、徹底した天然ガスシフト・天然ガスの高度利用により「累積CO2の低減」に取り組み、更にはその先を見据えた「脱炭素社会の実現」に貢献する事業展開への挑戦を通じて、地域社会と共に発展する企業グループを目指していく。
2021年度中期経営計画の基本方針と方策は次のとおりである。
①ガス体エネルギーの普及拡大
・ガス販売量の拡大、グループ・他事業者との連携・拡大
・お客さまニーズを反映した料金・サービスの検討・実施
・低廉・安定かつフレキシビリティのある原料調達の継続と更なる推進
・ガス小売全面自由化への対応 等
②第5次エネルギー基本計画を踏まえた次世代エネルギー技術への対応
・再生可能エネルギーの普及拡大
・分散型エネルギーシステムの普及拡大 等
③生産性向上・業務効率化
・ICTを活用した生産性の向上
・スマートデバイスを活用した業務効率化の推進
・IoT・AI技術の導入によるお客さまサービスの充実 等
④人材育成・組織の活性化・働きやすい環境づくり
・多様で柔軟な働き方が実現できる環境の整備
・教育・キャリア形成支援の強化 等
⑤安心安全への対応
・保安レベルの向上、災害対策の強化、安定供給の強化
⑥社会貢献活動の更なる推進
・地域に根差したエネルギー供給を担う企業として、地域の活性化・発展に資する活動の推進 等
⑦経営の健全性の確保
・収益力、資本効率の向上に資する事業ポートフォリオの見直しや経営資源の適切な配分
・グループ機能再構築の推進 等
⑧経営の透明性の確保
・社内外への適時・適切な情報開示
・内部統制への継続的な取組み、グループ経営管理、コーポレート・ガバナンスへの継続的な取組み
当社は、他燃料との競合力を高め収益力向上と企業価値の増大を図るため、経営指標として「ROE」(自己資本当期純利益率)を設定している。経営効率化を推進し、収益性を高めることによりROEの向上、あわせて、財務体質を強化することにより、自己資本比率の向上及び有利子負債残高の低減に努めてきた。
また、「2030年ビジョン」の経営目標として「広島ガスグループは連結経常利益70億円規模の企業グループに成長する」を掲げている。参考指標として、ROA(総資産利益率) 3.5%以上、ROE 8.0%以上、EBITDA(営業利益+減価償却) 160億円以上、自己資本比率 50%程度、連結配当性向 30%以上(短期的な利益変動要因を除く)を目指している。
当該指標の各数値については、有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではない。
エネルギー間競争の激化に加え、デジタル化の進展、新型コロナウイルス感染症の影響による生活様式の変化、脱炭素社会の実現に向けた動き等、当社グループを取り巻く事業環境は、新たな転換期を迎えている。
このような状況のもと、当社グループは、「地域社会から信頼される会社をめざす」という経営理念に基づき、「2030年ビジョン」を達成する過程において、国連が2030年までの目標として定めているSDGsを「共通の目標」と捉え、2020年10月「広島ガスグループ このまち思い SDGs実行宣言 ~笑顔あふれる未来へのAction~」(以下「このまち思い SDGs実行宣言」という。)を策定し、その実現に向け「2030年ビジョン」及び2021年度中期経営計画に掲げる戦略や方策を実行していく。その上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりである。
① 総合エネルギー事業の更なる普及拡大を通じた、省エネ・省CO2への貢献とエネルギーサービス周辺事業の強化による事業拡大を図る
当社グループは、将来の脱炭素化を踏まえ、ガス体エネルギーや再生可能エネルギーの普及拡大を通じて、省エネ・省CO2による低炭素化の実現に貢献するとともに、エネルギーサービス周辺事業の強化・充実により、更なる事業拡大を図る。
家庭用市場においては、環境性・省エネ性に優れたエネファームの普及促進に取り組むとともに、給湯暖房システム・暖房器等の拡販や、ご使用のガス機器に適応した家庭用料金メニューの活用を通じて、ガスによる快適な暮らしの提案に取り組む。また、都市ガスとLPガスの協働営業による効率的な営業活動の展開や、未普及地区・低普及率地区への営業強化等により、ガス販売量とお客さま件数の維持・増加に努める。
業務用市場においては、環境性に優れ、電源の分散化を可能にし、エネルギーセキュリティの向上に寄与できる天然ガスの更なる普及拡大に向け、新たな業務用料金メニューの導入や省エネ・省CO2の提案等、お客さまニーズに沿った営業活動の推進により、新規物件の獲得を進めるとともに、既存物件の計画的なリニューアル営業に取り組む。また、未普及地区や供給区域外も含めた広域圏での新規需要開拓についても、グループ一体となって推進する。
当社グループの発展・基盤強化に資するインフラ整備においては、製造設備や供給ネットワークを計画的に整備・増強する等、天然ガスの普及拡大及び供給安定性の向上に資する取組みを中長期的な視点で推進する。
原料調達については、更なる低廉・安定かつ柔軟性のある調達を推進するとともに、シンガポール事務所の活用により、新たな海外事業展開の可能性について調査・推進する。
② 環境への貢献につながる事業展開と次世代エネルギーの研究を通じた、環境負荷低減に資する施策を推進する
当社グループは、コージェネレーションシステムやスマートコミュニティ等のガス体エネルギーの有効利用による低炭素化の取組みを推進するとともに、2021年4月に操業を開始した海田バイオマス発電事業等による再生可能エネルギーの普及拡大にも取り組む等、将来の脱炭素化に向けた施策を着実に推進する。
③ デジタル技術の活用による高付加価値の創造を図ることによって、新たな価値創造と業務効率化を推進する
当社グループは、IoT、AI技術の導入により、お客さまサービスの充実につながる高付加価値の創造を図る。また、ICTを活用した生産性の向上やデジタルワークスペースの整備による新しい働き方の実現、スマートデバイスを活用した業務効率化の推進、デジタル技術の活用による人材育成と技能伝承の充実強化に取り組む。
④ グループ組織力の強化につながる創造性豊かな人材の育成と活用により、グループ総合力の向上を図る
当社グループは、多様で柔軟な働き方が実現できる環境の整備や、やりがいや働きがいが持てる魅力ある職場作りに取り組むことで、お客さまの期待を超えるサービスの提供に向けた創造性豊かな人材の育成と活用に努める。
また、グループ全体での要員管理や人材交流の推進による機動的な要員配置、コンプライアンス活動等を通じてグループ総合力の向上を図る。
⑤ グループ経営基盤の強化を図り、強靭な企業グループの構築と持続的な発展を目指す
当社グループは、グループ機能の再構築を図るとともに、収益力及び資本効率の向上に資する事業ポートフォリオの見直しや経営資源の効率的かつ効果的な活用に向けた取組みを推進することにより、グループ経営基盤の強化を図り、強靭な企業グループの構築と持続的な発展を目指す。
⑥ 安心安全の更なる追求により、エネルギーセキュリティの向上を図る
当社グループは、地震や津波、近年多発する豪雨等の自然災害に加え、新型コロナウイルス等の感染症の警戒レベルに応じた社内体制を整備することにより、お客さまの安心安全の更なる向上に取り組む。
また、広域保安体制の拡充、経年導管の取替え促進及び保安周知の強化を図ることで保安レベルの向上、災害時の早期復旧手法の検討等による災害対策の強化、導管インフラの整備等による安定供給の強化を通じた、安心安全の更なる追求により、エネルギーセキュリティの向上を図る。
⑦ 社会貢献活動の推進を通じ、地域社会と共に発展する企業グループを目指す
当社グループは、地域に根差したエネルギー事業者として、SDGsを念頭に、「ひと思い活動(次世代教育・スポーツ振興等)」、「くらし思い活動(まちづくり・芸術文化の発展および地域価値向上等)」、「環境思い活動(CO2排出削減・省エネ、環境・地域保全活動等)」を展開し、地域の活性化・発展に貢献していくとともに、環境基本理念及び環境行動指針に則った環境保全活動を推進し、地域社会と共に発展する企業グループを目指す。
⑧ 地域社会からの信頼につながる経営を推進する
当社グループは、グループ経営管理やグループ全体での内部統制・コンプライアンスの更なる強化に取り組むとともに、適時・適切な情報開示への取組み等を通じて、地域社会からの信頼につながる経営を推進する。
このような事業展開を通じて、当社グループは、地域のエネルギー事業者として、株主の皆さま、お客さま、地域社会の皆さまから信頼され、選択され続ける企業グループを目指し、全力を挙げて取り組んでいく。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続するなか、個人消費等に一部持ち直しの動きが見られたものの、年度を通じて厳しい状況で推移した。
エネルギー業界においては、ガス・電力市場の小売全面自由化に伴う事業者間競争の進展に加え、2050年までに脱炭素社会の実現を目指す政府方針が示される等、当社を取り巻く事業環境は大きく変化している。
このような情勢のもと、当社グループは、地域のエネルギー事業者として、株主の皆さま、お客さま、地域社会の皆さまから信頼され、選択され続ける企業グループを目指し、懸命な努力を重ねてきた。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりである。
当連結会計年度末における総資産は、投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ8,337百万円増加の115,477百万円となった。
負債は、有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ668百万円増加の55,671百万円となった。
純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ7,668百万円増加の59,805百万円となった。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.2ポイント上昇し、49.2%となった。
当連結会計年度の売上高は、ガス販売単価の低下や業務用及び卸供給等の販売量の減少等により、前連結会計年度に比べ11.0%減少の73,250百万円となった。
利益については、営業利益は原油価格の下落に伴う原材料費の減少等により、前連結会計年度に比べ10.9%増加の3,293百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は0.4%増加の3,467百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益の計上等により144.9%増加の5,272百万円となった。
翌連結会計年度については、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響が長期化した場合、原料価格を左右する原油価格の変動や、当社グループの供給区域等の経済・社会活動が制限されることによる需要の減退や工場等の稼働率低下等の影響を受ける可能性がある。
現時点において、業績等に及ぼす影響を合理的に算定することは困難であるが、当社グループは、今後の状況を注視しながら経営課題等に全力で取り組んでいく。
なお、当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
ガス事業
当連結会計年度末におけるお客さま戸数は、積極的な営業活動を展開した結果、前連結会計年度末に比べ1,104戸増加の415,500戸となった。
都市ガス販売量は、前連結会計年度に比べ4.4%減少の569百万m3となった。
都市ガス販売量を用途別に見ると、家庭用は、水温・気温が低めに推移したこと等により、前連結会計年度に比べ6.9%増加の103百万m3となった。
業務用(商業用・公用及び医療用・工業用)は、大口用販売量の減少等により、前連結会計年度に比べ4.3%減少の375百万m3となった。
卸供給等は、卸供給先の既存需要家へのガス販売量の減少等により、前連結会計年度に比べ15.3%減少の90百万m3となった。
以上のような都市ガス販売量の減少と、ガス販売単価の低下等により、ガス事業の売上高は、前連結会計年度に比べ11.0%減少の58,694百万円、セグメント利益(営業利益)は、原油価格の下落に伴う原材料費の減少等により、19.5%増加の2,532百万円となった。
(注) 本報告書ではガス販売量は全て、1m3当たり45メガジュール換算量で表している。
LPG事業
LPG事業は、販売量の減少や販売単価の低下等により、売上高は前連結会計年度に比べ4.3%減少の13,747百万円となったが、セグメント利益(営業利益)は、売上原価の減少等により31.9%増加の453百万円となった。
その他
その他は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、建設事業、高齢者サービス事業等を含んでいる。
売上高は、建設工事の減少等により前連結会計年度に比べ30.8%減少の3,112百万円、セグメント損失(営業損失)は9百万円となった。
セグメントの売上高及び構成比
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
2 調整額とは売上高の連結消去等である。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,348百万円増加の13,439百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ5,380百万円増加の13,967百万円となった。これは、主に税金等調整前当期純利益の増加によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ6,594百万円減少の△13,316百万円となった。これは、主に投資有価証券の取得による支出が増加したことによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ1,071百万円減少の715百万円となった。これは、主に有利子負債の減少によるものである。
当社グループにおいては、「ガス事業」及び「LPG事業」を報告セグメントとしているが、「ガス事業」の主要製品である都市ガスが当社グループの生産、受注及び販売活動の中心となっているため、以下は都市ガスについて記載している。
当連結会計年度のガス生産実績は次のとおりである。
都市ガスについては、事業の性格上受注生産は行っていない。
当社は広島県内の広島市、廿日市市、東広島市、呉市、尾道市、三原市、福山市を主な供給エリアとして都市ガス事業を行い、導管を通じ直接お客さまに販売している。また、他ガス事業者等への卸供給等を行っている。
(ア) ガス販売実績
当連結会計年度のガス販売実績は次のとおりである。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
(イ) 地区別ガス普及状況
当連結会計年度末の地区別ガス普及状況は次のとおりである。
(注) 1 お客さま戸数とはガスメーター取付数をいう。なお、供給区域外取付メーター数を含んでいる。
2 供給区域内世帯数は供給区域の住民基本台帳による一般世帯数である。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
当連結会計年度の売上高は、ガス販売単価の低下や業務用及び卸供給等の販売量の減少等により、前連結会計年度に比べ11.0%減少の73,250百万円となった。利益については、営業利益は原油価格の下落に伴う原材料費のの減少等により、前連結会計年度に比べ10.9%増加の3,293百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は0.4%増加の3,467百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益の計上等により144.9%増加の5,272百万円となった。
セグメントごとの経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している。
経営成績に重要な影響を与える要因として、為替や原油価格の変動が挙げられる。これらは、主にガス事業における原料価格に大きく影響するが、この原料価格については、原油価格に関するスワップ等の活用により、そのリスクをヘッジしている。
デリバティブ取引については、実需に基づくリスクヘッジを目的としており、投機目的でのデリバティブ取引は行っていない。また、当社グループでは、デリバティブ取引の市場価値について定期的な評価を行い、市場リスクを継続的に監視している。これらのデリバティブ取引については、内部規程に定めた要件に従い、信用力があると判断できる金融機関等とのみ取引を行うこととしており、取引先に係る信用リスクは僅少であると考えている。
デリバティブ取引へのヘッジ会計の適用において、ヘッジ手段(デリバティブ)に対応するヘッジ対象(LNG原料仕入の予定取引)が発生しない、または不足する、ないし、ヘッジの有効性が保たれない状況となった場合には、ヘッジの終了及び中止により、時価の変動を損益に反映するリスクを伴うため、経営者は、ヘッジ会計の適用の判断、運用状況の把握、内部統制の整備等について慎重に分析・検討を行っている。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりである。
当社グループの主な資金需要は、原料の購入の他、製造費、供給販売費、一般管理費等の営業費及び製造設備、供給設備等への設備投資である。
これらに対応するための必要な資金を社債及び金融機関からの借入金により調達し、短期的な運転資金は、短期社債(コマーシャル・ペーパー)及び金融機関からの借入金により調達している。一時的な余資の運用については短期的な預金等に限定している。
なお、連結会計年度末における有利子負債は、前連結会計年度末に比べ3.8%増加の40,074百万円となった。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が一定期間続くとの仮定のもと、売上債権等の回収長期化のリスクに備え、手許流動性の確保に努めている。
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載している。
キャッシュ・フロー指標は次のとおりである。
(注) 1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により、以下の方法で計算している。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算している。キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用している。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としている。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大等により、製造業の一時操業停止や飲食店・ホテル等の稼働減少に伴い業務用ガス販売量が減少する等、厳しい事業環境の中、一方で家庭用ガス販売量が増加し、更にはお客さま件数が5年連続で増加する等、これまでの地道な営業活動や諸施策を着実に実行してきた成果であると評価している。
今後の当社グループにおける中長期的な経営の方向性は「2030年ビジョン」で示しており、更に2020年10月には、国連が2030年までの目標として定めているSDGsを「共通の目標」と捉えた「このまち思い SDGs実行宣言」を策定した。
現時点は、「2030年ビジョン」に掲げた収益性指標等の目指す姿に向けた成長過程の第1フェーズであり、基本戦略であるガス体エネルギーの普及拡大や環境貢献につながる事業展開である再生可能エネルギーや発電事業等を通じて「2030年ビジョン」の経営目標に向けて邁進していく。また、「2050年カーボンニュートラル」へ向けては、徹底した天然ガスシフト・天然ガスの高度利用により「累積CO2の低減」に取り組み、その先の脱炭素社会の実現に貢献する事業展開に挑戦していく。
このような事業展開を通じて、当社グループは、地域のエネルギー事業者として、株主の皆さま、お客さま、地域社会の皆さまから信頼され、選択され続ける企業グループを目指し、全力を挙げて取り組んでいく。
(注) 1 EBITDAは営業利益+減価償却費として算出している。
2 目標とする連結配当性向は短期的な利益変動要因を除いている。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債や収益及び費用等の額に不確実性がある場合には、合理的な金額を算出するために会計上の見積りを必要とする。当社グループは、過年度の実績や経営計画及びその他の仮定を踏まえ、入手可能な情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づき、継続的に見積りを行っている。ただし、これらには見積り特有の不確実性を伴うため、実際の結果は様々な要因により異なる場合がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載している。
該当事項はない。
当社グループにおける研究開発活動は、主に連結財務諸表を作成する当社がガス事業について行っており、当連結会計年度における研究開発費の総額は
当社はガスの製造・供給技術及び新たなガス利用技術の調査・導入に関する研究開発に取り組んでおり、技術研究体制の更なる強化を目的とし2001年度に技術研究所を設立した。
当研究所は、2009年から販売を開始した家庭用燃料電池を筆頭に省エネ性・環境特性等に優れた小型ガスコージェネレーションシステム及び家庭用・業務用・工業用ガス消費機器に係る調査・試験研究を行う「ガス利用技術」と温室効果ガス発生抑制や環境浄化等を検討する「環境技術」の2分野を柱に取組みを進めてきた。
ガス利用技術分野では、営業部門と連携し、生活環境に係るエネルギー利用実態調査や新型機器を中心とした評価研究、ガス消費機器の効率的利用方法の検証、試験データをベースとした家庭用光熱費シミュレーションソフトの開発及び省エネ・低コスト型の業工用ガス機器開発等に取り組んでいる。また、応用的な研究開発として、以下のような開発を行っている。
・都市ガス供給幹線での減圧時に圧力エネルギーを回収利用して発電する小規模発電システムの開発
・当研究所で開発したLPWA(省電力広域無線通信)による遠隔計測システムと、露点センサーを用いた差水位置の早期発見につながる取組み
・床暖房利用による人の感性への影響等の基礎研究
これらの新技術や協調領域における課題等については、同業他社や社外の研究機関とも連携しながら効率的に検証を進め、研究結果やデータ解析結果をもとにハウスメーカーやお客さまにより快適で経済的な暮らしをご提案する等、クリーンエネルギーである天然ガスの普及拡大や更なる安全・安心なガス利用に貢献している。
環境技術分野では、2012年12月に当研究所内にスマートエネルギーハウス実験棟を設置し、エネファーム、太陽電池、蓄電池の3電池試験や再生可能エネルギーとの最適な組合せによるネット・ゼロ・エネルギーハウスを目指す研究、住居間で効率的に電気と熱を融通するスマートコミュニティ研究等を同業事業者や大学と共同検討してきた。
さらに、地域の産学官を中心とした連携も重要と考えており、地場の大学等との共同研究も積極的に参画している。
こうした技術研究における成果を社内外の研究発表会で公表するほか、地域貢献活動として、ガスの燃焼や燃料電池実験等、業務内容に関連した次世代教育支援についても取り組んでおり、一般社団法人 広島県発明協会、広島市・県教育委員会と連携した出張授業を継続実施している。
このように様々な世代を対象に、技術分野の情報発信基地としてガスファンの開拓に努める等、幅広く活動を行っている。