第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1) 会社の経営の基本方針、経営環境及び基本戦略

当社グループは、「このまち」に暮らす皆さまの生活に欠かすことのできないエネルギーを供給する事業者として、安心安全なエネルギーを安定供給し続けることを何よりも重要な使命であると考えている。

昨今、LNGの調達においては、過去に類を見ない地政学的危機に直面し、グループ一丸となって不測の事態が生じた場合の様々な対策を検討・実施してきた。引き続き、エネルギーを安定して供給するという使命を果たすため、原料調達先の多様化も含め、中長期的な原料調達の安定化に努めていく。

2018年10月に将来のエネルギー事業の方向性を示す「広島ガスグループ2030年ビジョン」(以下、「2030年ビジョン」という。)を策定、2020年10月には環境負荷低減や社会貢献、ガバナンス強化に向けた様々な「ESG関連の取り組み」や「省エネ・省CO2に資する取り組み」を進めるため、「広島ガスグループ このまち思い SDGs実行宣言 ~笑顔あふれる未来へのAction~」を策定し、これまで展開してきた活動とSDGsの取り組みを一本化して推進している。

更に、2050年に向けて、急速な脱炭素化の潮流に乗り、環境保全に貢献していくことが企業価値として求められており、この脱炭素化を成長の機会と捉え、経営戦略上の重要な位置付けとして、2021年11月に「2050年カーボンニュートラルへの取り組み」を公表している。

当社グループは、「2030年ビジョンの実現」と「2050年脱炭素社会の実現」に向けて、「2023年度広島ガスグループ中期経営計画」を策定し、ガス体エネルギーの積極的・効率的利用による累積CO2の低減に邁進するとともに、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた事業基盤の改革・強化を通じて、地域社会と共に発展する企業グループを目指していく。

 

<2030年ビジョンの方向性>            <2030年ビジョンスローガン>

(使  命)                 (スローガンに込めた3つの思い)



 


 

(2) 目標とする経営指標

当社は、他燃料との競合力を高め収益力向上と企業価値の増大を図るため、経営指標として「ROE」(自己資本当期純利益率)を設定している。経営効率化を推進し、収益性を高めることによりROEの向上、あわせて、財務体質を強化することにより、自己資本比率の向上及び有利子負債残高の低減に努めてきた。

また、「2030年ビジョン」の経営目標として「広島ガスグループは連結経常利益70億円規模の企業グループに成長する」を掲げている。参考指標として、ROA(総資産利益率) 3.5%以上、ROE 8.0%以上、EBITDA(営業利益+減価償却費) 160億円以上、自己資本比率 50%程度、連結配当性向 30%以上(短期的な利益変動要因を除く)を目指している。

当該指標の各数値については、有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではない。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

<2023年度広島ガスグループ中期経営計画方針>

2023年度広島ガスグループ中期経営計画を策定し、「都市ガス・LPG事業の深化」、「イノベーションの創出」、「経営基盤の強化」という3つのポイントにグループの力を結集し取り組んでいる。


 


「都市ガス・LPG事業の深化」

2050年までのトランジション期において、これまで進めてきたガス「天然ガス・LPガス」の積極的・効率的利用により「CO2削減」に貢献する。

 

「イノベーションの創出」

脱炭素社会の実現に向けて、「再生可能エネルギー電源の開発」や「グリーン電力の供給」、森林保全活動等を通じた「CO2排出量の低減と吸収」に貢献する事業展開を着実に実行する。

 

「経営基盤の強化」

デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みを推進し、グループ全体での「組織機能の最適化」と「業務の高度化・効率化」を確実に進め、価値創造の源泉である人的資本の確保に向けて、業務改革を実行する。

 

以上の優先的に対処すべき課題の解決に向けて、以下の基本戦略をもとに取り組んでいく。

・総合エネルギー事業の更なる拡大を通じた、省エネ・省CO2への貢献とエネルギーサービス周辺事業の強化に

よる事業拡大を図る

・環境への貢献につながる事業展開と次世代エネルギーの研究を通じた、脱炭素化、累積CO2低減に資する施策

を推進する

・デジタル技術の活用による高付加価値の創造を図ることによって、新たな価値創造と業務効率化を推進する

・グループ組織力の強化につながる創造性豊かな人材の育成と活用により、グループ総合力の向上を図る

・安心安全の更なる追求・スマート保安の推進により、災害対策・レジリエンスの強化を図る

・社会貢献活動の推進を通じ、地域社会と共に発展する企業グループを目指す

・グループ経営基盤の強化を図り、強靭な企業グループの構築と持続的な発展を目指す

・地域社会からの信頼につながる経営を推進する

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

当社グループは、2020年10月30日に「広島ガスグループ このまち思い SDGs実行宣言 ~笑顔あふれる未来へのAction~」を策定した。「広島ガスグループ2030年ビジョン」達成につながる事業活動と、国連で2030年までの目標として採択されたSDGsを共通の目標と捉え、これまでのCSR活動と世界的な潮流であるESG経営・SDGsの取り組みを一本化して推し進めていく。

当社グループがこれまで展開してきたESGを意識した取り組みを強化し続けるとともに、取り組み領域の拡大を目指し、新たな事業を積極的に展開していくことで、グループ一丸となってSDGsの達成に貢献し、更なる企業成長につなげていく。

また、当社グループは、リスク管理規程に基づき、各部門における業務上想定される各種リスク及び気候関連リスクを適切に管理し、リスク管理統括部門においてリスクの一元的な管理を行っている。

経営に重要な影響を与える業務上及び気候関連のリスクについては、年7回程度開催される中期経営計画委員会(委員長:代表取締役社長 社長執行役員)にて重要度や内容の過不足について議論している。その中で、リスクの抽出・評価及び対応策の策定を行い、経営会議(議長:代表取締役社長 社長執行役員)に年2回の付議及び取締役会(議長:代表取締役会長)に年1回付議、年1回報告している。

 

 

広島ガスグループ このまち思い SDGs実行宣言 ~笑顔あふれる未来へのAction~

 

広島ガスグループは、「地域社会から信頼される会社をめざす」という経営理念に基づき、実効性のあるコーポレート・ガバナンスに取り組み、国連が提唱する「持続可能な開発目標」に賛同し、「このまち思いエネルギー。」という企業スローガンのもと、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

 

 


 

 

2030年ビジョン

2030年ビジョンに共通する

SDGs実行宣言の

重点取組み項目

実現に向けた主な取組み

 

<基本方針1>

経営施策を通じた感動追求

①経営理念に基づいた事業活動の

展開

②企業の社会的責任(CSR)

 

[地域社会への貢献]

[環境保全]

 

 

[地域社会への貢献]

・地域の文化・芸術、スポーツ振興へ

の貢献

・防災教育・次世代教育・子ども食堂

等の取組みの推進

・国際平和都市広島への貢献

[環境保全]

・再生可能エネルギーの普及拡大

・地域環境保全活動の推進

・森林保全活動の推進

 

<基本方針2>

エネルギーサービスを通じた感動

追求

①お客さまニーズの多様化による

サービス競争への対応

②エネルギーサービスの追求

 

[エネルギーの普及拡大・

安定供給]

 

[エネルギーの普及拡大・安定供給]

・ガス体エネルギー(天然ガス、LP

ガス)の普及拡大と高効率利用の推

・デジタル技術を活用したお客さまサ

ービスの充実

・新規事業の展開

 

<基本方針3>

安心を通じた感動追求

①地域社会の皆さまが日頃から安

心して生活頂ける環境整備

②提供するエネルギーやサービス

に対しての安心

 

[エネルギーの普及拡大・

安定供給]

 

[エネルギーの普及拡大・安定供給]

・ライフラインであるガス導管を通じ

ての安定供給の強化

・保安レベルの向上、災害対策及びレ

ジリエンス機能の強化

 

<基本方針4>

人とのつながりを通じた感動追求

①広島ガスグループの強みを生か

した事業展開

②人材育成と従業員価値の向上

 

[働きやすい社会のために]

 

[働きやすい社会のために]

・働き方改革の推進

・労働安全衛生体制の充実

・人材育成への取り組み

 

 

また、当社グループは、2021年11月に策定した「2050年カーボンニュートラルへの取り組み」を掲げており、今後もこれまでの取り組みを一層加速させ、グループ一丸となってSDGsの達成、更にその先の2050年カーボンニュートラルの実現に向けて挑戦していく。

 


 

 

(2) 重要なサステナビリティ項目

上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりである。

① 気候変動

② 人的資本

それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりである。

 

① 気候変動

(ⅰ) ガバナンス

当社グループは、気候変動等の事業におけるリスク対応を経営の最重要課題の一つであると認識している。リスク管理規程に基づき想定されたリスクへの対応状況を、定期的に経営会議(議長:代表取締役社長 社長執行役員)及び取締役会(議長:代表取締役会長)へ上程している。また、中期経営計画の見直しは毎年行っており、年7回程度開催される中期経営計画委員会(委員長:代表取締役社長 社長執行役員)においてリスク・対策について、議論している。

2021年4月に「環境・社会性」と「経済性」を両立させたサステナブルなESG関連事業の推進を目的として、経営企画部の環境関連事業と総務部の環境・社会貢献事業を統合し、ESG関連事業を推進する「環境・社会貢献部」を新設した。環境活動推進体制については、関連部門長等を委員とする「環境委員会」を設置している。

 

[環境を含むサステナブル活動推進体制]

カーボンニュートラルへの対応を含む環境貢献活動の推進、環境方針等に関する事項の協議、持続可能な社会実現に向けた活動の推進、環境諸課題の協議対応を行う機関として、「環境委員会」を年2回程度開催し、審議内容については必要に応じて取締役会及び経営会議へ報告する体制としている。

 

◎環境活動推進体制

 

 

(ⅱ) 戦略

気候変動の顕在化はガス事業を行う当社グループにとって大きなリスクになるものの、これまで進めてきたESG関連の取り組みを拡大することで、省エネ・省CO2に貢献する機会にもなる。

下記は、当社グループにおける気候変動に関わるリスク、機会とその対応策の一例である。

分類

影響 (リスク/機会)

対応策

炭素税の導入

リスク:ガス体エネルギーへの炭素税負担

機 会:ガス体エネルギー需要の増加

・重油、石炭等と比較し、相対的に低炭素な天然ガス、LPガスシフトの推進

カーボンニュートラル・再生可能エネルギー導入政策の推進

リスク:電化シフトによるガス販売量の減少

機 会:再生可能エネルギーの導入、需要拡大

・再生可能エネルギー電源の導入推進(バイオマス発電、太陽光発電、小水力発電等)

・グリーン電力の使用

・森林保全によるCO2削減貢献

AI/IoTの進展

機 会:AI/IoTを用いたエネルギーサービス拡大

・スマートエネルギーシステムの普及構築

・仮想発電所の構築

脱炭素化技術のイノベーション

リスク:技術への投資額増加

機 会:新規技術を活用した新たな事業展開

・次世代エネルギー(メタネーション・水素)技

術の可能性調査

既存製品の低炭素技術への入れ替え

機 会:低炭素設備・機器の需要増加、導入拡大

・エネファーム、ガスコージェネレーションシ

ステムをはじめとした高効率機器の普及

市場

非化石エネルギーへの転換

リスク:ガス販売量の減少、化石燃料の使用の制限・禁

止が制度化

機 会:非化石エネルギーの導入、活用

・カーボンニュートラルメタンの導入・拡大

・カーボンフリー電源導入及び電力調達

天然ガス需要の増加

リスク:LNG調達コスト上昇

機 会:国内外におけるLNG取扱量の増加

レジリエンス強化、エネルギー分散化に資する天然ガスの普及拡大

・調達先の多様化

・天然ガスの普及拡大

エネルギー間競争の激化

リスク:お客さまの離脱やガス販売価格低下

機 会:お客さま獲得やグループシェア拡大

・天然ガス、LPガスの普及拡大

評判

投資基準の変化(低・脱炭素事業重視)

リスク:ガス関連事業における資金調達力減少

機 会:再生可能エネルギー事業における資金調達力増

・収益力、財務体質の一層の向上

・IR活動の実施(投資家への説明、情報公開)

急性

気象の激甚化

リスク:製造・供給設備への被害

設備修繕費の増加

・防災対策専門組織の新設(2021.4)

・災害対策拠点(防災センタービル)の整備

・設備の耐震化、被害低減化の推進

慢性

気温上昇

リスク:ガス販売量(給湯・暖房需要)減少

機 会:ガス販売量(空調)増加

・需要増加が見込まれる分野の拡大

 

(注) 1 参照シナリオ:「NZE2050」(IEA WEO2020)、2℃シナリオ「SDS」(IEA WEO2020)、

4℃シナリオ「STEPS」(IEA WEO2020)、IPCCが選択するRCPシナリオ

2 2℃シナリオにおける物理リスクとその影響は、4℃シナリオに比べて小さく推移する見通し

 

これらの気候変動のリスクと機会は、事業活動そのもののリスクや機会であるため、その他のリスクとともに中期経営計画に組み込まれている。

 

(ⅲ) リスク管理

ガス供給の安定性・安全性を阻害するような地震等(台風、洪水、高潮、津波、火災、停電時等を含む)の大規模な自然災害によるリスクに対しては、「設備対策」、「緊急対策」、「復旧対策」の3段階の対策に取り組んでいる。

一例としては、地震に強いガス管の導入による被害の軽減、二次災害防止のための遠隔操作によるブロック停止、移動式ガス発生設備による臨時供給体制の構築等を行っている。

特に、保安レベルや現場力の向上といった観点では、あらかじめ保安に関する規程を定め、毎年、大規模地震等を想定した訓練を実施している。

 

(ⅳ) 指標及び目標

当社グループは、「2050年カーボンニュートラルに向けた取り組み」においてCO2排出削減貢献量等の2030年度目標を公表している。

 

「2050年カーボンニュートラルに向けた取り組み」における2030年度目標

項目

2030年度目標

CO2排出削減貢献量

30万t/年

(注)1

再生可能エネルギー電源の導入

6万kW

(注)

広島ガス事業所・製造所におけるCO2排出量

2013年度比50%減

(注)

 

(注) 1 当社及びお客さま先における2030年度時点でのCO2排出削減貢献量(2021年度~)

2 太陽光、風力、バイオマス等固定価格買取(FIT)制度の適用電源を含む

3 CO2排出削減貢献量30万t/年に含む

 

目標の進捗管理については、法規制、重要度を勘案して管理指標(KPI)を設定し、目標に対する実績、管理指標は、環境委員会、環境活動推進者会議等で確認の上、今後CSR報告書等において公表することを予定している。

分類

2030年度目標

目標値

2022年度

実績値

目標達成に向けた主な取組み

お客さま先での環境負荷の低減

(1)CO2排出削減貢献量

30万t/年

1.0万t

天然ガス、LPガスシフトの推進

天然ガス、LPガスの高度利用

カーボンニュートラルメタンの導入

グリーン電力の供給

(2)再生可能エネルギー導入量

6万kW

4.6万kW

バイオマス発電の普及拡大

太陽光発電の普及拡大

小水力発電の普及拡大

事業活動における環境負荷の低減

(3)事業所・製造所における

CO2排出量

 50%削減

(2013年度比)

35%削減

熱融通事業

冷熱供給事業

コージェネレーションシステム

グリーン電力の供給

森林保全の推進

(4)産業廃棄物(製造部門)最

処分量

1t以下

0.5t

産業廃棄物の再資源化

(5)ポリエチレン管の有効活

用率

100%

100%

ポリエチレン管廃材の再資源化

(6)ガス導管工事の掘削土再

源化率

95%以上

99.9%

ガス導管工事における排出量削減と再資源化

地域環境保

への貢献

(7)環境、社会貢献に関する

発、PR推進

着実な推進

地域環境団体・環境啓発事業への参画

地域清掃活動

環境イベントへの出展

(8)SDGs定着化への貢献

着実な定着

安定供給に資する技能訓練

障がい者福祉事業所販売会

リサイクル品回収による収益寄付

健康増進プロジェクト

 

 

 

また、サプライチェーンのCO2排出量については、スコープ別に算出しており、「2050年カーボンニュートラルに向けた取り組み」における2030年目標に織り込み、諸活動をしている。

 

[2022年度広島ガススコープ別温室効果ガス排出量]

② 人的資本
(ⅰ) 戦略

人的資本に関する基本的方針については、「広島ガスグループ2030年ビジョン」における基本戦略の一つとして「グループ組織力の強化」を掲げ、本戦略を基に人間力・現場力の育成を進めている。

「コーポレート・ガバナンスに関する基本方針」に、性別、年齢、学歴、信条等によりなんら不当な不利益をこうむることはなく、すべての役職員が多様な価値観を尊重しつつ、誰もが働きやすく能力発揮できる職場環境づくりを目指すことを定めている。

更に、ワーク・ライフ・バランスへの取り組みや女性活躍推進等、多様な人材の活躍推進につながる取り組みを軸とする「働き方改革」を推進している。

社内環境の整備については、育児・介護休業制度、フレックスタイム制度、テレワーク勤務制度等を導入しており、働きやすい職場環境づくりを推進している。

人材育成については、役割遂行・業務課題の達成度を公平・公正に評価し適正に処遇に反映させる人事処遇制度や、研修や自己啓発支援等の人材育成制度を構築・運用している。

 

上記の詳細については、当社ホームページ内の以下の箇所で公表している。

広島ガスグループ2030年ビジョン

(https://www.hiroshima-gas.co.jp/com/ir/management/management_06.html)

コーポレート・ガバナンスに関する基本方針

(https://www.hiroshima-gas.co.jp/com/ir/upload_file/m005-m005_07/cg_basic_policy.pdf)

広島ガスグループ このまち思い SDGs実行宣言(「働き方改革」)

(https://www.hiroshima-gas.co.jp/sdgs/)

CSR報告書(人材育成及び社内環境整備について、39ページから40ページにかけて記載)

(https://www.hiroshima-gas.co.jp/com/ir/library/library_05.html)

 

(ⅱ) 指標及び目標

上記(ⅰ)において記載した戦略に関する指標及び目標について、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、当社グループに属する全ての会社では行われてはいないため、当社グループにおける記載が困難である。このため、次の指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載している。

「採用人数に占める女性比率」や「有給休暇取得率」の目標値については、当社ホームページ内の「広島ガス株式会社行動計画」で公表しており、計画期間(2022年4月1日~2025年3月31日)での目標達成を目指すものとする。

 

指標の項目

目標値

2022年度

実績値

目標達成に向けた主な施策

大分類

小分類

多様性の確保

採用人数に占める

女性比率

30%以上

(注)1

41.2%

・座談会等採用活動における若手社員の

動員を男女同様にする

・合同企業説明会等にて女性社員の活躍

について広報活動を行う

・ホームページへ女性活躍について掲載

する

障がい者雇用率

(注)2

2.7%

2.3%

・外部機関との連携を通じた障がい者雇

用に関する情報収集

社内環境整備

有給休暇取得率

(注)3

70%以上

(注)1

76.5%

・有給休暇取得キャンペーンの実施

・GW、夏季、年末における部門単位で

の休暇取得の促進

 

(注) 1 当事業年度の実績が目標を達成している場合、維持目標とする。

2 障がい者雇用率の目標値については、法定雇用率が2023年度から2026年度にかけて2.7%まで段階的に引き上げられる予定であり、2026年度までに達成を目指す目標値としている。

3 「有給休暇取得率」については、付与日数に対する取得率とする。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

リスク項目

リスクの説明

主要な取組み

該当セグメント

ガス事業

LPG

事業

その他

(1)原料調達支障による影響

都市ガスの原料である天然ガスの大半は海外から輸入しているため、原料調達先の設備や操業、輸送等に関する事故等により、供給途絶等が発生した場合、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

当社はロシアからもLNGを輸入しているが、今後、ロシアからのLNGの安定的な調達が困難になる可能性がある。その場合においても、安定供給を確保する事が我々の責務である。

長期調達先の多様化や短期取引等による様々な調達方法、自社LNG船に加え、他社LNG船を利用した輸送等により、安定的かつ柔軟な調達を行っている。

万が一ロシアからのLNGの入荷が滞った場合には、当社が持つ他の契約による補填、他社からの融通、スポット市場からの調達等により、都市ガスの安定供給に努める。

 

 

 

(2)脱炭素化への対応

国連気候変動枠組条約(COP21)において「パリ協定」が採択され、各国で批准されたことを機に、温室効果ガス削減のための取組みが世界的に進められている。

国内においても、2020年10月に、政府が「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言し、脱炭素化の議論が活発化している。

当社グループが主として展開するガス事業・LPG事業においては、石炭等と比較すると CO2等の温室効果ガスの排出の少ない天然ガス・LPガスを使用しているが、その排出がゼロではないため、化石燃料自体の使用が制限・禁止された場合には業績等に影響を及ぼす可能性がある。

カーボンニュートラルLNGを輸入し、2022年4月より、お客さまに販売している。

また、メタネーションをはじめ、技術開発に向けた調査等にも取り組んでいる。

再生可能エネルギーの普及拡大に資する、新たな発電事業を検討・実施している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(3)気温・水温の変動及び

人口・世帯数の減少に

よるガス需要の変動

①気温・水温の変動

事業の性質上、気温・水温の変動によりガス需要は変動し、業績等に影響を及ぼす可能性がある。なお、気温・水温の低い冬期に売上高及び利益が偏る傾向にあり、通期業績に占める第4四半期の比重が高い。そのため、期中での業績傾向により通期業績を推し測れない可能性がある。

 

②人口・世帯数の減少

人口・世帯数の減少によりガスの需要が減少し、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

季節によるガス需要の変動を緩和するために、ガス空調による夏期の販売量の増大、年間を通して需要の変動が少ない工業用需要の開拓、コージェネレーションシステムの普及拡大に努めている。

 

 

 

 

 

供給エリアの拡大等によるお客さまの新規獲得及びガス器具の拡販による一戸当たりのガス販売量拡大に努めている。

 

(4)業務用のお客さまの動向

当社グループのガス販売量は、業務用のお客さまの占める割合が高く、経済情勢や産業構造の変化等により、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

業務用のなかでも商業用、工業用及び公用等、幅広い業種のお客さまを獲得し、リスク分散を図っている。

 

 

 

 

リスク項目

リスクの説明

主要な取組み

該当セグメント

ガス事業

LPG

事業

その他

(5)原料価格の変動

原油価格・為替相場の動きによる原料価格の変動については、販売価格へ反映するまでのタイムラグにより、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

原料購入代金固定化に伴うLNGスワップへのヘッジ会計適用において、ヘッジ手段(デリバティブ)に対応するヘッジ対象(LNG原料仕入の予定取引)が発生しない、又は不足する、ないし、ヘッジの有効性が保たれない状況となった場合には、ヘッジの終了及び中止により、時価の変動を損益に反映するため、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

原料費調整により、原料価格を販売価格に反映して概ね相殺することが可能である。

また、一部の原料購入代金に対しては、原油価格に関するスワップ、外貨建金銭債権債務に対して為替予約を採用し、原油価格変動リスクと為替変動リスクをヘッジしている。

原料価格変動リスクをヘッジする際には、ヘッジ会計の適用の判断、運用状況の把握、内部統制の整備等について慎重に分析・検討を行っている。

 

 

 

 

(6)自然災害・事故等による

影響

地震等の自然災害や事故等により、お客さま設備、当社グループの製造・供給設備や役職員等に対する被害が発生した場合、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

特に、広島県沿岸部の当社供給区域内で自然災害が発生した場合は影響が大きい。

 

 

 

 

 

災害対策強化を図るため2021年4月より防災対策専門組織を新設し、自然災害等に備えた対策、災害発生時の早期復旧に向けた取組みの強化を図っている。

また、影響を最小化するため導管網のブロック化、PE管への入れ替え促進、災害対策マニュアルの策定、災害対応拠点(防災センタービル)の整備、社員安否確認システムの構築及び防災訓練の実施等の対策を講じている。

 ○

(7)ガス消費機器・設備の

トラブルによる影響

ガス消費機器・設備に重大なトラブルが発生した場合、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

不具合発生時に迅速かつ適切な対応を図れるよう十分なメンテナンス体制を構築している。

 

 

(8)コンプライアンス違反

法令等に反する行為が発生した場合、対応に要する費用の支出や社会的信用力の低下等により、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

 

監査部門による定期的な監査の実施、内部通報制度による自浄機能の強化、定期的なコンプライアンス教育及び意識調査を実施することにより、従業員にコンプライアンス意識を根付かせ、法令違反等を許さない企業風土を醸成している。

(9)情報漏洩

高度なサイバー攻撃等により、お客さまの個人情報が外部へ漏洩した場合、対応に要する費用の支出や社会的信用力の低下等により、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

情報セキュリティ委員会を中心とした体制を構築し、個人情報の取り扱いに関する教育活動をはじめ、情報漏洩事故の防止に努めるとともに、発生時における情報開示等の指針を整備し、機動的な対応を図っていく。

 

 

リスク項目

リスクの説明

主要な取組み

該当セグメント

ガス事業

LPG

事業

その他

(10)エネルギー間競争の

激化・制度変更等

①競争激化

エネルギー間競争の激化によるお客さまの離脱や販売価格低下のリスクが併存する。

 

②制度変更等

ガス事業はガス事業法の許認可等を受けている。ガス事業法においては、同法等に違反した場合で公共の利益を阻害すると認められる時、事業許可を取り消されることがある旨が定められており、現時点においては取消しとなるような事象は発生していないが、将来、何らかの理由により事業許可が取り消された場合には、事業運営に影響を及ぼす可能性がある。

また、事業遂行において、ガス事業法、その他の法令や制度等に従っているため、それら法令・制度等の変更等による、対応コスト発生等が業績等に影響を及ぼす可能性がある。

お客さま獲得の好機と捉え、グループシェア及びエネルギー供給量拡大の実現に向け、積極的に営業活動を行っていく。

 

ガス事業遂行に際しては、コンプライアンスの観点からも、社内外において、法令や制度等を遵守することを周知・徹底している。

法令・制度等の変更等が発生する場合には、関連する情報を収集し速やかに対応していくとともに、対応コストを最小化するよう努めていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(11)投資・出資の未回収

当社グループは事業拡大のため、買収・出資・提携等を行っている。当該株式やのれん等の時価低下により減損損失が発生し、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

当社グループは当該株式やのれん等について、取得時点における事業価値や収益性を適切に反映したものと考えているが、将来の事業環境や競合環境の変化、外国為替の影響等により、期待する収益が得られないと判断される可能性がある。

投資・出資判断を行うに際しては、事業性や税制等の様々な観点からデューデリジェンスやリスク評価を行っている。加えて、期中における評価見直し、投資・出資・提携先の経営状況及びリスク分析を行い、それらに応じた対応策を検討・実施している。

 

 

 

 

 

(12)感染症の流行

新型コロナウイルス等の感染症が大規模に流行した場合は、感染拡大による経済活動の停滞や従業員の感染による事業所の一時的な閉鎖等により、事業運営に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

 

通常の防疫対応に加え、BCPの観点から災害対応拠点(防災センタービル)や製造施設への役職員を含む関係者以外の立ち入りを制限するとともに、可能な職場においては、テレワーク・フレックス勤務等の推奨や出張(国内外問わず)の制限等、状況に応じた対策を講じ、実施を徹底している。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が比較的落ち着きを見せ、設備投資等に一部持ち直しの動きが見られたものの、エネルギー価格の高騰や急激な円安の進行による物価の上昇等、引き続き先行き不透明な状況で推移した。

エネルギー業界においては、ガス・電力市場の小売全面自由化に伴う事業者間競争の進展、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた脱炭素化の加速、ロシアのウクライナ侵攻等によるエネルギー価格高騰等、ガス事業を取り巻く環境は大きく変化している。

このような情勢のもと、当社グループは、地域のエネルギー事業者として、株主の皆さま、お客さま、地域社会の皆さまから信頼され、選択され続ける企業グループを目指し、懸命な努力を重ねてきた。

当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりである。

 

(ⅰ) 財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べ18,193百万円増加141,996百万円となった。

負債は、有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ15,400百万円増加74,135百万円となった。

純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ2,793百万円増加67,860百万円となった。

この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ4.5ポイント低下し、45.5%となった。

 

(ⅱ) 経営成績の状況

当連結会計年度の売上高は、ガス販売単価の上昇等により、前連結会計年度に比べ24.0%増加95,219百万円となった。

利益については、営業利益は、円安や原油価格の上昇に伴う原材料費の増加はあったものの、売上原価を上回る売上高の増加等により、前連結会計年度に比べ118.9%増加7,021百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は60.6%増加7,412百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益の減少等はあったが42.4%増加5,216百万円となった。

当社を取り巻く経営環境として、ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする地政学的リスク、円安の進行、それらに伴う世界的なエネルギー需給環境の変化や価格の上昇といった課題があるなか、現時点において、業績等に及ぼす影響を合理的に算定することは困難であるが、当社グループは、今後の状況を注視しながら経営課題等に全力で取り組んでいく。

なお、当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりである。

 

ガス事業

当連結会計年度末におけるお客さま戸数は、積極的な営業活動を展開した結果、前連結会計年度末に比べ464戸増加の417,252戸となった。

都市ガス販売量は、前連結会計年度に比べ11.7%減少500百万3となった。

都市ガス販売量を用途別に見ると、家庭用は、水温が高めに推移したこと等により、前連結会計年度に比べ7.6%減少95百万3となった。

業務用(商業用・公用及び医療用・工業用)は、大口用販売量の減少等により、前連結会計年度に比べ11.3%減少328百万3となった。

卸供給等は、卸供給先の既存需要家へのガス販売量の減少等により、前連結会計年度に比べ17.5%減少76百万3となった。

 

以上のように都市ガス販売量は減少となったものの、ガス販売単価の上昇等により、ガス事業の売上高は、前連結会計年度に比べ27.6%増加76,546百万円、セグメント利益(営業利益)は、売上高の増加等により、141.6%増加6,899百万円となった。

(注) 本報告書では、ガス販売量はすべて、毎月の検針による使用量の計量に基づいたものを45MJ(メガジュール)/m3で換算して表している。

 

LPG事業

LPG事業は、販売単価の上昇等により、売上高は前連結会計年度に比べ9.3%増加17,390百万円となったが、売上原価の増加等により118百万円のセグメント損失(営業損失)となった。

 

その他

その他は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、建設事業、高齢者サービス事業等を含んでいる。

売上高は、建設工事売上の増加等により、前連結会計年度に比べ14.7%増加3,861百万円、セグメント利益(営業利益)は90百万円となった。

 

セグメントの売上高及び構成比

セグメントの名称

当連結会計年度

前年同期比
(%)

金額(百万円)

構成比(%)

 

ガス事業

76,546

78.3

27.6

 

LPG事業

17,390

17.8

9.3

 

その他

3,861

3.9

14.7

97,798

100.0

23.4

 

調整額

(2,578)

 

 

連結

95,219

 

24.0

 

(注) 調整額とは売上高の連結消去等である。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15,504百万円増加33,535百万円となった。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ1,037百万円増加8,947百万円となった。これは、主に税金等調整前当期純利益の増加によるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ83百万円増加△7,062百万円となった。これは、主に投資有価証券の有償減資による収入によるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動における資金収支は、前連結会計年度に比べ9,804百万円増加13,608百万円となった。これは、主に長期借入れによる収入の増加によるものである。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループにおいては、「ガス事業」及び「LPG事業」を報告セグメントとしているが、「ガス事業」の主要製品である都市ガスが当社グループの生産、受注及び販売活動の中心となっているため、以下は都市ガスについて記載している。

(ⅰ) 生産実績

当連結会計年度のガス生産実績は次のとおりである。

区分

数量(千m3)

前年同期比(%)

ガス

514,109

△11.6

 

 

(ⅱ) 受注実績

都市ガスについては、事業の性格上受注生産は行っていない。

 

(ⅲ) 販売実績

当社は広島県内の広島市、廿日市市、東広島市、呉市、尾道市、三原市、福山市を主な供給エリアとして都市ガス事業を行い、導管を通じ直接お客さまに販売している。また、他ガス事業者等への卸供給等を行っている。

(ア) ガス販売実績

当連結会計年度のガス販売実績は次のとおりである。

 

区分

数量(千m3)

前年同期比(%)

金額(百万円)

前年同期比(%)

ガス販売量

家庭用

95,681

△7.6

25,272

16.7

業務用

328,381

△11.3

33,179

33.9

卸供給等

76,162

△17.5

7,232

25.9

500,225

△11.7

65,683

25.9

月平均調定件数(件)

376,275

△0.0

調定件数1件当たり
月平均販売量(m3)

93.9

△10.5

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略している。

 

(イ) 地区別ガス普及状況

当連結会計年度末の地区別ガス普及状況は次のとおりである。

 

地区

供給区域内世帯数(世帯)

お客さま戸数(戸)

普及率(%)

広島

546,445

353,755

64.7

可部

3,932

1,112

28.3

65,740

43,146

65.6

熊野

7,058

1,991

28.2

尾道

51,541

17,248

33.5

674,716

417,252

61.8

 

(注) 1 お客さま戸数とはガスメーター取付数をいう。なお、供給区域外取付メーター数を含んでいる。

2 供給区域内世帯数は供給区域の住民基本台帳による一般世帯数である。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

当連結会計年度の売上高は、ガス販売単価の上昇等により、前連結会計年度に比べ24.0%増加95,219百万円となった。利益については、営業利益は、円安や原油価格の上昇に伴う原材料費の増加はあったものの、売上原価を上回る売上高の増加等により、前連結会計年度に比べ118.9%増加7,021百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は60.6%増加7,412百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益の減少等はあったが42.4%増加5,216百万円となった。

セグメントごとの経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している。

経営成績に重要な影響を与える要因として、為替や原油価格の変動が挙げられる。これらは、主にガス事業における原料価格に大きく影響するが、この原料価格については、原油価格に関するスワップ等の活用により、そのリスクをヘッジしている。

デリバティブ取引については、実需に基づくリスクヘッジを目的としており、投機目的でのデリバティブ取引は行っていない。また、当社グループでは、デリバティブ取引の市場価値について定期的な評価を行い、市場リスクを継続的に監視している。これらのデリバティブ取引については、内部規程に定めた要件に従い、信用力があると判断できる金融機関等とのみ取引を行うこととしており、取引先に係る信用リスクは僅少であると考えている。

デリバティブ取引へのヘッジ会計の適用において、ヘッジ手段(デリバティブ)に対応するヘッジ対象(LNG原料仕入の予定取引)が発生しない、又は不足する、ないし、ヘッジの有効性が保たれない状況となった場合には、ヘッジの終了及び中止により、時価の変動を損益に反映するリスクを伴うため、経営者は、ヘッジ会計の適用の判断、運用状況の把握、内部統制の整備等について慎重に分析・検討を行っている。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりである。

当社グループの主な資金需要は、原料の購入の他、製造費、供給販売費、一般管理費等の営業費及び製造設備、供給設備等への設備投資である。

これらに対応するための必要な資金を社債及び金融機関からの借入金により調達し、短期的な運転資金は、短期社債(コマーシャル・ペーパー)及び金融機関からの借入金により調達している。一時的な余資の運用については短期的な預金等に限定している。

なお、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを目的に、取引金融機関11行とシンジケーション方式による総額30,000百万円のコミットメントライン契約を締結している。

連結会計年度末における有利子負債は、前連結会計年度末に比べ31.7%増加の59,772百万円となった。

キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載している。

キャッシュ・フロー指標は次のとおりである。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

自己資本比率(%)

50.0

45.5

時価ベースの自己資本比率(%)

18.5

17.0

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

5.7

6.7

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

48.2

46.3

 

(注) 1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により、以下の方法で計算している。

     自己資本比率:自己資本/総資産

     時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

     キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

     インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算している。キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用している。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としている。

 

 

当連結会計年度は、ガス販売単価の上昇等による売上高の増加等により、2期連続の増収となった。都市ガス販売量については、前連結会計年度に比べ11.7%減少となった。用途別にみると、家庭用においては水温が高めに推移したこと等により需要が減少し、業務用においても大口用販売量等が減少している。一方で、お客さま件数が7年連続で増加しており、これまでの地道な営業活動や諸施策を着実に実行してきた成果であると評価している

今後の当社グループにおける中長期的な経営の方向性は「2030年ビジョン」で示しており、更に国連が2030年までの目標として定めているSDGsを「共通の目標」と捉え、2020年10月に「広島ガスグループ このまち思い SDGs実行宣言 ~笑顔あふれる未来へのAction~」を策定、2021年11月に「2050年カーボンニュートラルへの取り組み」を策定している。

現時点は「2030年ビジョン」に掲げた収益性指標等の目指す姿に向けた成長過程の第2フェーズであり、基本戦略であるガス体エネルギーの普及拡大、環境貢献につながる再生可能エネルギーや発電事業等の展開を通じて「2030年ビジョン」の経営目標に向けて邁進していく。これまでの取組みを一層深化・加速させ、グループ一丸となってSDGsの達成、更にその先の2050年カーボンニュートラルの実現に向けて挑戦していく。

このような事業展開を通じて、当社グループは、地域のエネルギー事業者として、株主の皆さま、お客さま、地域社会の皆さまから信頼され、選択され続ける企業グループを目指し、全力を挙げて取り組んでいく。

 

 

2030年度

2022年度(実績)

収益性指標

ROA

3.5%以上

3.9%

ROE

8.0%以上

8.3%

EBITDA (注)1

160億円以上

143億円

安全性指標

自己資本比率

50%程度

45.5%

株主還元

連結配当性向 (注)2

30%以上

15.9%

 

(注) 1 EBITDAは営業利益+減価償却費として算出している。

2 目標とする連結配当性向は短期的な利益変動要因を除いている。

 

(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債や収益及び費用等の額に不確実性がある場合には、合理的な金額を算出するために会計上の見積りを必要とする。当社グループは、過年度の実績や経営計画及びその他の仮定を踏まえ、入手可能な情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づき、継続的に見積りを行っている。ただし、これらには見積り特有の不確実性を伴うため、実際の結果は様々な要因により異なる場合がある。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載している。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はない。

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、主に連結財務諸表を作成する当社がガス事業について行っており、当連結会計年度における研究開発費の総額は126百万円である。

当社はガスの製造・供給技術及び新たなガス利用技術の調査・導入に関する研究開発に取り組み、技術研究体制の更なる強化を目的とし2001年度に技術研究所を設立した。

当研究所は、2009年から販売を開始した家庭用燃料電池を筆頭に省エネ性・環境特性等に優れた小型ガスコージェネレーションシステム及び家庭用・業務用・工業用ガス消費機器に係る調査・試験研究を行う「ガス利用技術」と温室効果ガス発生抑制や環境浄化等を検討する「環境技術」の2分野を柱に取組みを進めてきた。

ガス利用技術分野では、営業部門と連携し、生活環境に係るエネルギー利用実態調査や新型機器を中心とした評価研究、ガス消費機器の効率的利用方法の検証、試験データを活用した家庭用光熱費シミュレーションプログラムの高度化等に取り組んでいる。また、応用的な研究開発として、以下のような開発を行っている。

・都市ガス供給幹線での減圧時に圧力エネルギーを回収利用して発電する小規模発電システムの開発

・当研究所で開発したLPWA(省電力広域無線通信)による遠隔計測システムと、露点センサーを用いた差水位置の早期発見につながる取組み等、IoTによるDXの推進

・床暖房利用による人の感性への影響等の基礎研究

・バイオマス発電の焼却灰の利活用に関する研究等、SDGs達成に向けた研究

これらの新技術や協調領域における課題等については、同業他社や社外の研究機関とも連携しながら効率的に検証を進め、研究結果やデータ解析結果をもとにハウスメーカーやお客さまにより快適で経済的な暮らしをご提案する等、クリーンエネルギーである天然ガスの普及拡大や更なる安全・安心なガス利用に貢献している。

環境技術分野では、2012年12月に当研究所内にスマートエネルギーハウス実験棟を設置し、エネファーム、太陽電池、蓄電池の3電池試験や再生可能エネルギーとの最適な組合せによるネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを目指す研究に加え、2022年からは、ガス自体の脱炭素化に資する調査・研究(アンモニア又は水素から低発熱でe-メタンの製造が可能な触媒とプロセスの研究)、自社CO2の削減に寄与する研究開発等を産学官と連携し取り組んでいる。

こうした技術研究における成果を社内外の研究発表会で公表するほか、地域貢献活動として、ガスの燃焼や燃料電池実験等、業務内容に関連した次世代教育支援についても取り組んでおり、一般社団法人 広島県発明協会、広島市・県教育委員会と連携した出張授業を継続実施している。

このように様々な世代を対象に、技術分野の情報発信基地としてガスファンの開拓に努める等、幅広く活動を行っている。