(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境が改善する中で、景気は緩やかな回復基調にあったものの、新興国経済の景気減速の影響等もあり、先行きは依然として不透明な状況の中で推移した。
このような状況の中、当社グループは、天然ガスの一層の需要拡大を中心に懸命な営業活動を展開した。また、平成28年熊本地震の発生により被害を受けた熊本地区の都市ガス復旧作業に全力で取り組み、当初の計画より早期に復旧を果たした。
当連結会計年度の売上高は、原料費調整制度に基づくガス料金単価の下方調整の影響等によりガス売上が減少したことから、168,083百万円(前期比22,295百万円 11.7%減)となった。
経常利益は、原油価格下落等による都市ガス原材料費の減少はあったものの、ガス売上が減少したことから、9,275百万円(前期比2,890百万円 23.8%減)となった。
親会社株主に帰属する当期純利益は、熊本地震による都市ガス復旧費用3,636百万円を特別損失に計上したものの、前期特別損失に計上していた原料購入契約変更精算損がなくなったこと等から、3,445百万円(前期比1,203百万円 53.7%増)となった。
セグメントの業績は、次のとおりである。
なお、下記のセグメント別売上高及びセグメント利益には、セグメント間の内部取引に係る金額を含んでいる。
① ガス
当連結会計年度末の都市ガス事業におけるお客さま数は114万1千戸であり、都市ガス販売量は前期に比べ0.1%減の885,331千㎥となった。このうち家庭用ガス販売量は、前年に比べて気温が高めに推移したこと等から、3.2%減の257,107千㎥となった。また、業務用ガス販売量は、業務用空調需要等の増加により1.2%増の575,057千㎥となり、他のガス事業者への卸供給については、前期に比べ0.8%増の53,167千㎥となった。
以上のような都市ガス販売量の結果と原料費調整制度に基づくガス料金単価の下方調整の影響等により、売上高は113,329百万円(前期比24,517百万円 17.8%減)となり、セグメント利益は6,066百万円(前期比2,785百万円 31.5%減)となった。
② LPG
販売単価下落等の影響により、売上高は18,440百万円(前期比1,394百万円 7.0%減)、セグメント利益は517百万円(前期比128百万円 19.8%減)となった。
③ 不動産
戸建住宅販売戸数の増加等により、売上高は9,342百万円(前期比738百万円 8.6%増)、セグメント利益は2,287百万円(前期比41百万円 1.8%増)となった。
④ その他
当社グループでは、上記事業以外に食品販売事業、情報処理事業、飲食店事業、熱供給事業、太陽光発電事業等を行っており、新規連結会社の影響等により売上高は40,799百万円(前期比2,986百万円 7.9%増)、セグメント利益は1,648百万円(前期比174百万円 11.8%増)となった。
(注)1.消費税等については税抜方式を採用している。
2.本報告書では、ガス量はすべて45MJ(メガジュール)/㎥で表記している。
なお、参考のためセグメント別の売上高及びその構成比を示す。
|
|
区分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
|
ガス |
137,846 |
67.6 |
113,329 |
62.3 |
|
|
LPG |
19,834 |
9.7 |
18,440 |
10.2 |
|
|
不動産 |
8,604 |
4.2 |
9,342 |
5.1 |
|
|
その他 |
37,813 |
18.5 |
40,799 |
22.4 |
|
|
計 |
204,098 |
100.0 |
181,912 |
100.0 |
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,638百万円増の13,328百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、原料費調整制度の影響等によりガス売上収入が減少したことに加え、熊本地震による都市ガス復旧費用を支払ったことから、前連結会計年度末に比べ11,051百万円減の23,544百万円となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、新規連結会社の取得による収入が発生したことから、前連結会計年度末に比べ836百万円減の14,106百万円となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、社債の償還による支出があったものの、借入金の調達が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ9,102百万円減の8,218百万円となった。
当社グループにおいては、ガスセグメントが生産及び販売活動の中心となっており、外部顧客に対する売上高及び営業費用の大半を占めている。また、当該セグメント以外のセグメントが生産及び販売する製品・サービスは広範囲かつ多種多様であり、受注形態をとらないものも多い。
このため、以下は、ガスセグメントにおける生産、受注及び販売の状況について記載している。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりである。
|
品名 |
数量(千m3) |
|
|
前期比(%) |
||
|
ガス |
903,263 |
0.2 |
(2) 受注状況
ガスについては、その性質上受注生産は行っていない。
(3) 販売実績
① ガス販売実績
当連結会計年度におけるガスの販売実績は次のとおりである。
|
項目 |
数量(千m3) |
|
金額(百万円) |
|
|
前期比(%) |
前期比(%) |
|||
|
家庭用 |
257,107 |
△3.2 |
53,390 |
△12.0 |
|
業務用 |
575,057 |
1.2 |
39,378 |
△26.2 |
|
卸供給 |
53,167 |
0.8 |
2,939 |
△31.8 |
|
計 |
885,331 |
△0.1 |
95,708 |
△19.1 |
|
期末ガスお客さま数(千戸) |
1,141.2 |
△0.6 |
|
|
② ガス料金(当社)
平成28年6月17日、経済産業大臣に対し、地球温暖化対策税の影響分を反映したガス料金を平成28年8月1日から適用することを主な内容とする一般ガス供給約款および選択約款の変更の届出を行った。
なお、供給約款料金に対しては、下記の料金表が適用される。また、供給約款料金以外の料金として選択約款料金及び個別の交渉に基づく大口需要家向けの料金がある。
供給約款料金は、(イ)基本料金及び(ロ)従量料金の合計とし、各月の使用量に応じてA・B・C・Dのいずれかの料金表が適用される。
a. 平成28年7月までの検針分に適用
(イ)基本料金
基本料金は1ヶ月につき次のとおりとする。
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|
地区 |
料金表種別 |
1ヶ月の使用量 |
基本料金(税込) |
|
|
ガスメーター1個につき |
|||
|
|
福岡・北九州地区 (45MJ) |
料金表A |
0m3から 15m3までの場合 |
896.40円 |
|
|
料金表B |
15m3を超え 30m3までの場合 |
1,112.40 |
|
|
|
料金表C |
30m3を超え 100m3までの場合 |
1,533.60 |
|
|
|
料金表D |
100m3を超える場合 |
2,127.60 |
|
|
|
熊本・長崎・佐世保・島原地区 (46MJ) |
料金表A |
0m3から 14m3までの場合 |
896.40円 |
|
|
料金表B |
14m3を超え 29m3までの場合 |
1,112.40 |
|
|
|
料金表C |
29m3を超え 97m3までの場合 |
1,533.60 |
|
|
|
料金表D |
97m3を超える場合 |
2,127.60 |
(ロ)従量料金
従量料金は、使用量に次の単位料金(税込)を乗じて算定する。
|
|
地区 |
料金表種別 |
1ヶ月の使用量 |
基準単位料金(税込) |
|
|
1m3につき |
|||
|
|
福岡・北九州地区 (45MJ) |
料金表A |
0m3から 15m3までの場合 |
242.06円 |
|
|
料金表B |
15m3を超え 30m3までの場合 |
227.66 |
|
|
|
料金表C |
30m3を超え 100m3までの場合 |
213.62 |
|
|
|
料金表D |
100m3を超える場合 |
207.68 |
|
|
|
熊本・長崎・佐世保・島原地区 (46MJ) |
料金表A |
0m3から 14m3までの場合 |
247.43円 |
|
|
料金表B |
14m3を超え 29m3までの場合 |
232.71 |
|
|
|
料金表C |
29m3を超え 97m3までの場合 |
218.36 |
|
|
|
料金表D |
97m3を超える場合 |
212.29 |
当社は原料費調整制度を導入しているため、調整の必要が生じた場合は、上記基準単位料金(税込)に替えて調整単位料金(税込)を適用する。平成28年4月から平成28年7月までの検針分については、前掲の基準単位料金に、1m3当たり次のとおりの調整を行った調整単位料金が適用されている。
|
|
検針月 |
1m3当たり調整額(税込) |
|
|
|
45MJ地区 |
46MJ地区 |
|
|
|
平成28年4月 |
△28.09円/m3 |
△28.78円/m3 |
|
|
5月 |
△30.62円/m3 |
△31.38円/m3 |
|
|
6月 |
△34.30円/m3 |
△35.14円/m3 |
|
|
7月 |
△37.45円/m3 |
△38.37円/m3 |
(注) ガス料金の支払いが支払期限日(検針日の翌日から起算して30日目)を経過した場合に、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%の率で算定した延滞利息が発生する。
b. 平成28年8月からの検針分に適用(平成28年8月1日実施)
(イ)基本料金
基本料金は1ヶ月につき次のとおりとする。
|
|
地区 |
料金表種別 |
1ヶ月の使用量 |
基本料金(税込) |
|
|
ガスメーター1個につき |
|||
|
|
福岡・北九州地区 (45MJ) |
料金表A |
0m3から 15m3までの場合 |
896.40円 |
|
|
料金表B |
15m3を超え 30m3までの場合 |
1,112.40 |
|
|
|
料金表C |
30m3を超え 100m3までの場合 |
1,533.60 |
|
|
|
料金表D |
100m3を超える場合 |
2,127.60 |
|
|
|
熊本・長崎・佐世保・島原地区 (46MJ) |
料金表A |
0m3から 14m3までの場合 |
896.40円 |
|
|
料金表B |
14m3を超え 29m3までの場合 |
1,112.40 |
|
|
|
料金表C |
29m3を超え 97m3までの場合 |
1,533.60 |
|
|
|
料金表D |
97m3を超える場合 |
2,127.60 |
(ロ)従量料金
従量料金は、使用量に次の単位料金(税込)を乗じて算定する。
|
|
地区 |
料金表種別 |
1ヶ月の使用量 |
基準単位料金(税込) |
|
|
1m3につき |
|||
|
|
福岡・北九州地区 (45MJ) |
料金表A |
0m3から 15m3までの場合 |
242.28円 |
|
|
料金表B |
15m3を超え 30m3までの場合 |
227.88 |
|
|
|
料金表C |
30m3を超え 100m3までの場合 |
213.84 |
|
|
|
料金表D |
100m3を超える場合 |
207.90 |
|
|
|
熊本・長崎・佐世保・島原地区 (46MJ) |
料金表A |
0m3から 14m3までの場合 |
247.66円 |
|
|
料金表B |
14m3を超え 29m3までの場合 |
232.94 |
|
|
|
料金表C |
29m3を超え 97m3までの場合 |
218.59 |
|
|
|
料金表D |
97m3を超える場合 |
212.52 |
当社は原料費調整制度を導入しているため、調整の必要が生じた場合は、上記基準単位料金(税込)に替えて調整単位料金(税込)を適用する。平成28年8月から平成29年3月までの検針分については、前掲の基準単位料金に、1m3当たり次のとおりの調整を行った調整単位料金が適用されている。
|
|
検針月 |
1m3当たり調整額(税込) |
|
|
|
45MJ地区 |
46MJ地区 |
|
|
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平成28年8月 |
△41.21円/m3 |
△42.23円/m3 |
|
|
9月 |
△44.27円/m3 |
△45.36円/m3 |
|
|
10月 |
△44.97円/m3 |
△46.08円/m3 |
|
|
11月 |
△44.44円/m3 |
△45.54円/m3 |
|
|
12月 |
△43.40円/m3 |
△44.47円/m3 |
|
|
平成29年1月 |
△42.26円/m3 |
△43.30円/m3 |
|
|
2月 |
△40.68円/m3 |
△41.69円/m3 |
|
|
3月 |
△38.93円/m3 |
△39.89円/m3 |
(注) ガス料金の支払いが支払期限日(検針日の翌日から起算して30日目)を経過した場合に、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%の率で算定した延滞利息が発生する。
本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1) 会社の経営の基本方針及び中長期的な経営戦略
当社グループは、電力・ガス小売全面自由化による競争の激化など、取り巻く事業環境が一層厳しさを増す中、昨年11月にグループ中期経営計画「スクラム2019」を策定し、当社グループが将来に向かって目指す姿や今後注力していく課題を明らかにした。
同計画において、当社グループは「お客さまから圧倒的な信頼をいただくエネルギーとくらしの総合サービス企業グループ」を目指す姿と位置付け、都市ガス事業を中心とするガスエネルギー事業を引き続き推進するとともに、同事業と並ぶ事業の創出・育成を見据え、ガスエネルギー以外の事業拡大にも注力していくことで事業構造の多様化・強靭化を進めていくこととしている。
当社グループは、大きく変化する事業環境においても、引き続きお客さまからの信頼創造を最優先に高品質なサービスの提供に努め、グループ中期経営計画の達成、及びグループの持続的な成長に向けて尽力していく。
(2) 目標とする経営指標
グループ中期経営計画「スクラム2019」における目標は次のとおりである。
|
項 目 |
目 標(平成31年度) |
|
経常利益(3年合計) |
320億円 (※) |
|
ROA |
2% |
|
ROE |
8% |
|
自己資本比率 |
24% |
|
有利子負債残高 |
2,200億円 |
(※)平成29年度~31年度 計画合計
(3) 対処すべき課題
① エネルギーシェアの拡大
都市ガス、LPガス、LNG、電気など、お客さまの快適なくらしや社会に不可欠なエネルギーをお客さまのニーズに応じて最適に組み合わせて提供し、お客さまが使用されるエネルギーのトータルシェア拡大を図っていく。
また、競争環境が厳しさを増す中、これまで以上にお客さまとのつながりを強め、更なる関係の深化を図るため、従来のエネルギー供給に加え、お客さまのニーズを汲み取った魅力ある付加価値サービスの充実に努めていく。
特に、引き続き当社グループ事業の中核をなす都市ガス事業に関しては、家庭用分野において、本年4月から開始した新料金プラン「ヒナタメリット契約」や、当社グループの電気もセットでご使用いただくことでさらにお得となる「ヒナタメリット契約(でんき割)」など、柔軟かつ低廉な料金プランによる価格面での訴求力向上に加え、ガス機器の故障や、すまいのトラブルに対して24時間365日対応する「ヒナタかけつけサービス」など、地域に根差す当社グループだからこそできる便利で安心なサービスの提供に努めていく。
業務用分野においては、産業用需要を中心として、重油などの燃料を使用されているお客さまに対して省エネ性、環境性、経済性などに優れた都市ガス、LPガス、LNGなどを総合的に提案していくとともに、お客さまの事業内容やエネルギーニーズにマッチしたソリューション提案を推進していく。また、お客さまのエネルギー使用状況や設備の運転状態を基にエネルギー消費量や光熱費の削減を提案する省エネ診断や設備のメンテナンスなど、独自のノウハウを活かした多様なサービスの提供に努めていく。
② お客さまの安全・安心と安定供給体制の更なる強化
エネルギー事業者として最大の責務であるお客さまの安全・安心の確保については、ガス生産設備及び供給設備の災害対策やセキュリティの向上はもとより、お客さま設備の安全対策の確実な実施に加え、当社が提供する各種エネルギーをお客さまが安心してご利用いただくための取組みを一層強化していく。
また、現在建設中の九州北部幹線をはじめ、ひびきLNG基地を中核とした強固なガス生産供給基盤の整備を継続し、安定供給体制の更なる強化を図っていく。
③ グループ事業の拡大
ガスエネルギー事業を引き続き推進しつつ、不動産やリノベーション事業、健康・レジャー事業、電力事業など、ガスエネルギー以外のグループ事業拡大にも注力し、将来に亘る安定的なグループ収益の確保に向けた取組みを強化していく。
これらの取組みにあたっては、ガスエネルギー事業とのシナジーを最大化するビジネスモデルの検討を進め、お客さまの豊かなくらしやビジネスの成長を支えるより多様なサービスの提供に努めていく。また、ガスエネルギー分野と関連性が薄い事業についても、グループの強みと経営資源を最大限活用しながら既存事業の収益向上を図るとともに、グループ収益を支える柱の一つとして新たな事業への参入も視野に幅広く事業拡大の検討を進めていく。
④ グループ経営基盤の強化
事業環境の変化に適切かつ迅速に対応し、エネルギー自由化時代に適応した強靭なグループ経営基盤を構築するため、経営資源の選択と集中による最適化を図るなど、グループ全体の競争力向上に資する取組みを強化していく。
具体的には、グループ経営を一層高度化させていくため、グループ経営戦略機能の強化を図り、事業の収益性、成長性、競争力の有無など多面的な観点から各事業のあり方について必要な見直しを進めるとともに、強化すべき事業領域への経営資源の重点配置やグループ会社間における共通機能の一元化など、限られた経営資源を最大限に活用できる体制の構築を図っていく。
また、グループ内における人事交流や、情報共有の推進など業務連携を加速させ、グループ全体としての生産性の向上や組織の活性化に取り組んでいく。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、主に以下のようなものがある。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1) ガス事故の発生
製造・供給・消費の各段階において、漏えいや爆発などのガス事故が発生した場合、直接的な損害に止まらず、社会的責任の発生等、当社グループの事業運営に支障をきたす可能性がある。
(2) 自然災害
地震、台風等の大規模な自然災害が発生した場合、ガス製造・供給設備をはじめ当社グループ設備に損害が生じ、当社グループの事業運営に支障をきたす可能性がある。
(3) 原料価格の変動
都市ガス原料のLNGを海外より調達しているため、為替や原油価格の変動により、当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。
(4) 原料調達支障
原料輸入元のLNG液化基地の事故やLNG船の運航途上の事故が発生するなどし、原料供給が一時的に滞る場合には、都市ガスの供給に支障をきたす恐れがある。
(5) ガス需要の変動
競合の激化や天候の変動等によって、ガス販売量が変動し、当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。
(6) 金利変動
市場金利の動向により調達金利が変動することによって、当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。
(7) 資産の時価の下落・収益性の低下
有形・無形固定資産、投資有価証券及びたな卸資産等について、時価が著しく下落した場合や収益性が低下した場合などは減損損失や評価損の計上等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。
(8) 投資未回収
M&A等を行った後の経済情勢の変化などにより、投資時に見込んだ将来の収支予測を達成できない場合、減損損失や評価損の計上等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。
(9) 制度・法令等の変更
エネルギー政策やガス事業法等の各種法令、ガス事業制度等の変更によって、当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。
(10) 情報システム障害
当社の基幹情報システムの機能に障害が発生した場合は、お客さま受付をはじめとした各種業務が滞り、有形無形の損害が発生する可能性がある。
(11) 情報漏洩
公益事業としての業務を遂行するために、取得・管理しているお客さまの個人情報等が漏洩した場合は、有形無形の損害が発生する可能性がある。
(12) コンプライアンスリスク
法令等に照らして不適切な行為等が発生した場合には、有形無形の損害が発生する可能性がある。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はない。
当社グループの研究開発は、都市ガス事業の基盤技術強化や都市ガスの高度利用に係わる研究開発、水素や電力等の新たなエネルギー分野に関連する技術の調査研究を進めており、他ガス事業者や大学等との共同研究にも積極的に取り組んでいる。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は352百万円であり、「ガス」セグメントに関する研究開発がその大半を占めている。今年度は、総合研究所では以下の4つを基本方針とし、研究開発を推進している。
1.研究開発の基本方針
(1) 天然ガスの普及拡大を進めるための各種技術の調査研究・開発
天然ガスの普及拡大を進めるためには、経済性・環境性・省エネ性や利便性の追求など、多様化するお客さまのニーズに応えることが重要である。家庭用分野においては、ガス消費機器の利便性追求を軸とした調査・試験研究を行い、業務用・産業用分野においては、燃焼設備等の技術開発・調査研究を行う。また、両分野における次世代エネルギーシステムに関する技術調査を行う。
(2) 保安対策の強化を支える各種技術の調査研究・開発
保安の確保は、社会的責務であり、エネルギー供給事業の基盤である。当社の保安水準のさらなる向上を目指し、供給・設備・生産技術分野における新技術の開発を行うとともに、導入を視野に入れた新規技術の調査・評価を行う。
(3) 経営効率化に資する解析技術の調査研究
経営効率化を推進する上では、研究開発分野においても新しい技術を取り入れた取組みを進めていくことが重要である。近年、発達が目覚ましいコンピューターによる解析技術を研究開発の技術的な課題の解決や、市場調査等の手段として積極的に活用し、経営資源の効率的投下をサポートする。
(4) 新たなエネルギー事業の展開を見据えた調査研究
事業環境が大きく変化する中、研究開発分野においても、当社の総合エネルギー事業への展開等中長期的に将来を見据えた取組みが必要である。将来へ向け、水素や電力等の新たなエネルギー分野に関連する技術の調査研究を行う。
2.平成28年度の具体的な取組み
(1) 天然ガスの普及拡大を進めるための各種技術の調査研究・開発に関しては、平成29年度の市場導入が期待される3kW級業務用燃料電池(SOFC型)について、メーカー及び他ガス事業者と共同で研究開発を行ったほか、家庭用燃料電池と蓄電池の連携に関する調査研究や、最新の各種ガス機器の性能評価等を実施した。
(2) 保安対策の強化を支える各種技術の調査研究・開発に関しては、近年敷設が進む中圧PE管に対する施工工法の拡充として、中圧PE管の活管遮断工法の開発や、PE管損傷時の補修技術に関する技術調査を実施した。
(3) 経営効率化に資する解析技術の調査研究に関しては、研究開発や現場での技術課題の解決をサポートする各種分析を行ったほか、室内の温熱環境を可視化するシミュレーション技術の構築に取り組んだ。
(4) 新たなエネルギー事業の展開を見据えた調査研究に関しては、水素導管供給システムに関して、実際の運用を想定した際の維持管理上の課題や、安全性の評価について、日本ガス協会の受託事業に参画して実施した。
平成29年度は、今般策定した西部ガスグループ中期経営計画を踏まえ、「研究開発を通した、お客さまをはじめとするステークホルダーへの価値あるソリューションの提供」を研究開発の基本方針とし、研究開発を推進する。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されており、当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりである。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1) 財政状態の分析
① 固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は289,837百万円であり、前連結会計年度末に比べ3,152百万円増加した。これは、既存の固定資産の減価償却が進んだものの、新規連結会社の影響により有形固定資産が増加したことに加え、株価の上昇に伴い投資有価証券が増加したこと等によるものである。
② 流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は61,705百万円であり、前連結会計年度末に比べ7,160百万円増加した。これは、新規連結会社の影響により仕掛品等が増加したこと等によるものである。
③ 固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は199,623百万円であり、前連結会計年度末に比べ10,704百万円増加した。これは、長期借入金が増加したことに加え、社債を発行したこと等によるものである。
④ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は76,883百万円であり、前連結会計年度末に比べ6,503百万円減少した。これは、社債を償還したことにより1年以内に期限到来の固定負債が減少したこと等によるものである。
⑤ 純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は75,035百万円であり、前連結会計年度末に比べ6,110百万円増加した。これは、連結会社の増加に伴う非支配株主持分の増加や、株価の上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加等によるものである。
(2)経営成績の分析
① 売上高
売上高は、原料費調整制度に基づくガス料金単価の下方調整の影響等によりガス売上が減少したことによって、前連結会計年度に比べ22,295百万円減少の168,083百万円となった。
売上高の大半を占める都市ガスの販売面においては、家庭用ガス販売量は前年に比べて気温が高めに推移したこと等から減少したが、業務用ガス販売量については、業務用空調需要等の影響により増加し、他のガス事業者への卸供給についても、卸供給先の需要増により増加した。以上により、連結子会社を含めた都市ガス販売量は、前連結会計年度に比べ0.1%減の885,331千㎥となった。
② 営業利益
営業利益は、原油価格下落等による都市ガス原材料費の減少はあったものの、ガス売上が減少したことから、前連結会計年度に比べ2,981百万円減少の9,624百万円となった。
③ 経常利益
経常利益は、営業利益の減少等により、前連結会計年度に比べ2,890百万円減少の9,275百万円となった。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、熊本地震による都市ガス復旧費用3,636百万円を特別損失に計上したものの、前期特別損失に計上していた原料購入契約精算損がなくなったこと等から、前連結会計年度に比べ1,203百万円増加の3,445百万円となった。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の主要な原材料であるLNGは、海外から輸入しているため為替や原油価格の変動により大きな影響を受ける。そのリスクをヘッジする手段として為替予約や原料価格に関するスワップ等を検討している。また、都市ガス事業においては、原料価格の変動は原料費調整制度が適用されるため、タイムラグは生じるもののガス販売価格に反映して対応することが可能である。
また、当社グループの売上高の大半を占めているガスによる売上高は、気温・水温等の変動により、大きな影響を受ける。このため、当社は、金融機関等との天候デリバティブ契約の締結等、そのリスクの軽減を検討している。
さらに、都市ガス事業は、需要拡大や安定供給のためにガス導管の敷設等の多大な設備投資が必要であるため、社債や借入金等の残高が多く、金利変動の影響が大きい。このため、金利の固定化及び金利スワップ等の活用により、そのリスクをヘッジしている。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度に営業活動により得られた資金は、23,544百万円となり、前連結会計年度に比べ11,051百万円の減少となった。これは、都市ガス原材料の支払支出が減少したものの、原料費調整制度の影響等によりガス売上収入が減少したことに加え、熊本地震による都市ガス復旧費用を支払ったこと等によるものである。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度に投資活動により使用した資金は、14,106百万円となり、前連結会計年度に比べ836百万円の減少となった。これは、有形及び無形固定資産の売却による収入が減少したものの、新規連結会社の取得による収入が発生したこと等によるものである。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度に財務活動により支出した資金は、8,218百万円となり、前連結会計年度に比べ9,102百万円の減少となった。これは、社債の償還による支出の増加があったものの、借入金の調達が増加したこと等によるものである。
以上の結果、当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,638百万円増加の13,328百万円となった。