第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。なお、新型コロナウイルス感染症拡大が当社グループのガス事業や食関連事業等に及ぼす影響については、引き続き注視していく。

 

(1) 会社の経営の基本方針及び中長期的な経営戦略

当社グループを取り巻く事業環境は、人口減少・少子高齢化や電力・ガス小売全面自由化の進展はもとより、カーボンニュートラルの実現に向けた潮流やサステナビリティ意識の高まり、新型コロナウイルス感染症による社会変容など、急速に変化している。これらの環境変化に迅速かつ適切に対応するため、当社グループは、創業100周年を迎える2030年に向けた「西部ガスグループビジョン2030」を2021年11月に公表し、これを具現化する新たな中期経営計画として「Next2024」を2022年4月よりスタートした。

 

 ■新中期経営計画「Next2024」の概要

「Next2024」では、中核であるガスエネルギー事業の競争力強化を図るとともに、電力その他エネルギー事業や不動産事業を成長させていく。引き続き事業構造の変革に取り組み、ガスエネルギーとそれ以外の事業構成比を2030年度において同程度とすることを目指す。また、このために必要な経営資源をグループとして最適に配分し、利益の最大化を図っていく。

 

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(2) 目標とする経営指標

グループ中期経営計画「Next2024」の目標とする経営指標は次のとおりである。

項 目

経営指標(2024年度)

売上高

   2,300億円

経常利益

       250億円(※)

ROA

     1.5%

ROE

     7.5%

自己資本比率

     21.5%

   (※)2022年度~2024年度 計画合計

 

(3) 優先的に対処すべき課題

①  天然ガスシフトの推進

カーボンニュートラルの実現に向けて、徹底した天然ガスシフトを進めていく。

ⅰエネルギーの低炭素化と最適利用

 

ⅱ新たな取り組みへのチャレンジ

・石油,石炭を熱源とするお客さまに対して、低炭素化に貢献する天然ガスやLPガスへの燃料転換を推進。

・エネルギーサービスの充実を図り、お客さまに最適なエネルギーをワンストップで提供。

 

・お客さまの低炭素化に貢献するため、カーボンニュートラルLNGなどの環境に優しいエネルギーを提供。

・船舶向けLNG燃料供給など、天然ガスの新たな用途への活用を推進。

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熱源の燃料転換

 

カーボンニュートラルLNG

 

②  ひびきLNG基地の戦略的活用

ひびきLNG基地を最大限活用し、天然ガス取扱量の拡大を図ることで、ガスエネルギー事業と電力小売事業の競争力を強化していく。

ⅰ国際エネルギー事業の強化

 

ⅱ天然ガス発電所の建設

・これまで進めてきたひびきLNG基地を活用した連携ビジネスを加速させ、アジア向けのLNG取扱量を増大。

 

・ひびき発電所の事業化を九州電力株式会社と共同で推進。

・同発電所の稼働を見据え、電力小売事業を強化。

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海外向けLNG取扱量

 

ひびき発電所 竣工イメージ

 

③  お客さまの安全・安心と安定供給体制の強化

エネルギー事業者として最大の責務であるお客さまの安全・安心を確保するため、引き続き安定供給体制と災害時の対応力の強化に取り組んでいく。

ⅰレジリエンスの強化

 

ⅱ保安の高度化の推進

・迅速かつ的確な緊急保安対応により、安全・安心を提供。

・実践的な防災訓練やグループ会社間の連携強化により災害対応力を向上。

 

・技術,技能の確実な継承を行うとともに、保安人財の早期育成を推進。

・デジタル技術の積極的な導入やデジタル人財の活用などによるスマート保安を推進。

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防災訓練

 

スマート保安の推進

 

④  再生可能エネルギー事業の強化

エネルギー源の多様化や電源の低炭素化に向け、再生可能エネルギー事業の強化に取り組んでいく。

ⅰ発電容量の拡大

 

ⅱ再エネを活用した新たなサービスの提供

・太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの電源開発を進め、発電容量を拡大。

 

・PPAやVPPなどの新たなサービスの創出やビジネスモデルの構築を推進。

・自治体や地元企業と連携しながら地域のエネルギー課題の解決を推進。

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再生可能エネルギー発電容量

 

PPAサービス

※PPAはPower Purchase Agreement(電力販売契約)の略

※VPPはVirtual Power Plant(仮想発電所)の略

 

⑤  不動産事業の拡大

暮らしの重要な基盤となる不動産事業の拡大に取り組んでいく。引き続き住宅分譲事業を推進するとともに、賃貸住宅やオフィス・商業施設の開発など賃貸事業を強化していく。

ⅰ住宅分譲(マンション・戸建)

 

ⅱ賃貸住宅

 

ⅲオフィス・商業施設などの開発

北部九州、山口を中心にお客さまのニーズに沿った住まいを提供。

 

福岡都市圏を中心に、街並みと調和した都市型賃貸住宅を開発。

 

オフィス、倉庫、商業施設などを企画・開発し地域の発展に貢献。

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ⅳリフォーム・リノベーション

 

ⅴ不動産サービス

 

ⅵ海外不動産

時代やライフスタイルに合わせ「快適」で「安心」なリフォーム・リノベーションを提供。

 

土地及び建物の売買、仲介、マンション管理など、不動産に関する総合的なサービスを提供。

 

タイ、フィリピンにおいて分譲事業などを展開。

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⑥  地域社会を支える価値の共創

エネルギーとくらしの総合サービス企業グループとして、社会や暮らしの多様なニーズに寄り添ったサービスの拡充、創出に向けて、既存事業の進化やスタートアップなどとの共創に取り組んでいく。

ⅰエネルギーと暮らしのサービスの提供

 

ⅱ地域活性化への貢献

・環境にやさしいエネルギーを中心に、食・レジャー・介護など、お客さまの日々の生活やビジネスを支える多様なサービスを提供。

・コーポレートベンチャーキャピタルの出資先との連携などを通じ、新たなサービスを共創。

 

・コミュニティの活性化など、地域が抱える課題解決に向けた取り組みを推進。

・行政、地元企業などとの連携を通じて地域独自の事業やサービスを共創。

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エネルギーと周辺サービス

 

団地再生支援(宗像市日の里)

 

⑦  カーボンニュートラルの実現に向けた挑戦

天然ガスシフトの取り組みに加え、様々なステークホルダーと連携しながら未来を見据えた技術開発に取り組むなど、グループ大でカーボンニュートラルの実現に向けて挑戦する。

ⅰエネルギー分野での取り組み

 

ⅱエネルギー分野以外での取り組み

・メタネーション技術の開発に向けて、行政や業界団体などとの連携を強化。

・学術機関などと連携し、CO回収技術などに関する技術の導入を推進。

 

・環境性能が高い住宅やオフィスなどを提供。

・フードロス削減に寄与するサービスの提供など、循環型社会に向けた取り組みを推進。

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ひびきLNG基地でのメタネーション実証構想

 

フードロス削減ECサイト

 

⑧  経営基盤の強化

安定的な事業運営と競争力の向上に向けて、経営基盤の強化を図っていく。

DXの推進

お客さま価値の最大化と業務効率化に向けたデジタル活用

人財の育成

働きがいと生産性向上を両立する取り組みの強化

コスト改革の実行

エネルギー事業の競争力強化に向けた業務や取引の見直し

事業ポートフォリオ

経営の強化

グループ全体最適での資源配分の強化

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1) 当社グループの事業全体に係るリスク

① 社会情勢や景気の変動などの社会環境の変化

国内外における経済、金融、社会情勢の変化や景気変動、大規模な感染症の流行等により、売上高の減少や取引先の倒産などの事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性がある。当社グループは、環境変化に迅速かつ適切に対応するため、来るべき社会におけるありたい姿を描き、その実現に向けた戦略を「西部ガスグループビジョン2030」として策定した。また、ビジョンの実現に向けて注力する取り組みをグループ中期経営計画「Next2024」にまとめ、ガスエネルギー事業を中核としながら、ガスエネルギー事業以外の構成比を拡大する事業構造の変革を推進し、グループの競争力を高めていく。

 

② 経営計画達成のためのリスク

当社グループは、事業構造の変革を推進し、グループの競争力を高めるためグループ中期経営計画「Next2024」を策定し、複数の事業戦略に取り組んでいる。事業戦略策定にあたっては様々なリスク事象を考慮しているが、想定外の経済環境、社会環境の変化等により、当初想定した成果をもたらさない可能性がある。また事業戦略達成にあたってはグループ会社への経営支援や経営基盤の強化が重要な役割を果たすが、その実行の遅れは事業計画の達成に大きな影響を与える可能性がある。

経営支援や経営基盤強化については、経営戦略部がグループ会社に対する管理・統制の中心となって、グループ内における人事交流やグループ事業発展のための専門的な知識・経験を有する人財の積極的な採用など、グループ事業の連携及び統制の強化を図る。

 

③ 企業の社会的責任の変化や、法令・制度等の変更リスク

企業を取り巻く環境の変化により、サステナビリティ課題への取り組み不足や取り組み内容の開示不足は、当社グループの持続的成長やステークホルダーからの信頼を勝ち取ることを阻害する恐れがある。また、エネルギー政策や国内外の法令等の変更によっても、当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。

当社グループはガスエネルギー事業を中核としており、カーボンニュートラルの実現は最優先課題の一つである。そのため「西部ガスグループカーボンニュートラル2050」に掲げた、石油・石炭からの天然ガスシフトによる低炭素化の推進や、メタネーション技術の導入などによりガス自体の脱炭素化にチャレンジし、再生可能エネルギーの普及拡大などにより電源の脱炭素化を推進する。

また、TCFDへ賛同し、情報開示に向け関連情報を収集すると同時に気候変動に係るリスク及び収益機会が当社グループの事業活動や収益等に与える影響などを検討している。

 

④ 大規模な災害、テロ、感染症等の発生

地震、台風等の大規模な自然災害やテロが発生した場合、LNG基地等のガス製造設備や導管等の供給設備に損害が生じ、当社グループの事業運営に支障をきたす恐れがある。さらに、復旧に時間がかかる場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があるほか、社会活動に影響を及ぼす可能性がある。そのため、設備の一元的な管理及び計画的な改善による耐震性の向上、災害保険等の各種保険への加入、大規模災害や事故発生時の事業継続計画(BCP)の策定や見直し等の取り組みを進めている。

また、感染症の蔓延により、都市ガスを含む当社グループ事業の継続が困難になることで、重大な損害が発生するリスクがある。そのため、新型インフルエンザ等対策に関する業務計画に基づき、感染症が国内外に蔓延した場合においても、都市ガスの供給や当社グループ事業を維持するよう対策を講じている。

 

⑤ 為替、金利変動リスク

為替や市場金利の動向により、調達コストが変動することによって、当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。

為替の変動に対しては、為替予約による外貨調達を通じリスク低減に取り組んでいる。金利リスクについては、固定金利のウエイトを高くする、金利スワップを導入するなどし、金利変動リスクを抑制している。

 

⑥ 投資未回収もしくは損失の計上

当社グループは、事業構造の多様化・強靭化に向けたグループ変革に継続的に取り組んでおり、国内外の不動産事業や国際エネルギー事業等へ成長投資を行っている。大規模な投資を行った後の国内外の経済情勢の変化などにより、適切な回収がされず投資時に見込んだ将来の収支予測を達成できない場合、減損損失や評価損の計上等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。

当社グループは、このようなリスクを低減するため、投資を行うにあたっては、事前にリスクや事業性、リスク低減策の効果などを検証した上で経営会議・取締役会に諮る等、慎重な経営判断の下に投資を決定している。また、投資後は、定期的に検証を実施し、必要に応じて事業等の見直しや協業及び支援などの対策を実施している。

 

⑦ 基幹ITシステムの停止、誤作動、情報漏洩

当社グループは、社会経済活動を支える重要なインフラを担う会社であり、基幹システムの機能維持や情報セキュリティの確保は社会的責任であり、真摯に取り組むべき重要なテーマと考えている。

ガス供給システムやお客さま情報システム等の基幹システムの機能に重大な障害が発生した場合、ガスの製造と供給やガス料金計算及びお客さま受付をはじめとした各種業務が滞ることになり、お客さまや社会に多大なご迷惑をおかけし、当社にとって有形無形の損害が発生する可能性がある。そのため、不測の事態でも業務への影響を最小限にとどめるよう、情報関連子会社と緊密な連携を図っている。

また、当社グループは、様々な経営及び事業に関する重要情報や多数の顧客情報等の個人情報を保有している。万一これらの情報がサイバー攻撃やITシステムの不備及び情報の持ち出し等で外部に漏洩した場合は、当社の事業に重大な影響を与え、あるいは社会的信用を低下させる可能性がある。そのため、個人情報保護規程、情報セキュリティガイド等を制定し、全従業員に対して情報セキュリティ教育を実施する等、情報漏洩の対策を推進している。

さらに、サイバー攻撃に対する各種セキュリティ対策を行うとともに、関係機関などとの情報共有・分析、事案発生時の対応訓練などを継続的に実施している。

 

⑧ コンプライアンスリスク

法令・定款及び企業倫理・社会規範に反する行為が発生した場合には、その対応に直接的に要する費用のみならず、社会的信用の失墜など有形無形の損害が発生する可能性がある。そのため、グループガバナンス委員会で策定されたコンプライアンス基本方針に基づき、様々な意識啓発・教育を行い、当社グループ全体のコンプライアンスの統制を強化し、社内監査を定期的に実施している。

 

(2)主要事業に係るリスク

(a)エネルギー事業

⑨ 気候や経済環境の変動によるエネルギー需要への影響

猛暑や暖冬等の気候変動により、給湯・暖房用を中心にガス需要量が減少し、ガスエネルギー事業の売上に影響を及ぼす可能性がある。また、中長期的には「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」のため、天然ガスやLPGは化石燃料の中でCO2排出量が少ないとはいえ競争力低下により、既存のガス需要が減少する可能性がある。

そのため短期的には、気候変動の影響が少ない産業用やコージェネレーション向けのガス販売を強化するとともに、業務用や産業用のお客さまからのご要望が急増しているカーボンニュートラルLNG(LPG含む)の販売強化を図っている。また、「西部ガスグループカーボンニュートラル2050」に則り、トランジション(移行期)においては、「石油・石炭からの天然ガスへの転換、船舶燃料のLNG転換、省エネ・高効率機器への転換などにより、天然ガスシフトによる低炭素化を加速」し、「メタネーション技術の導入及び水素・バイオガスの活用などにより、ガス自体の脱炭素化にチャレンジ」し、「再生可能エネルギーの普及拡大や新たな事業の展開により電源の脱炭素化を推進」する。

 

⑩ 競争激化

ガスエネルギー事業は、2016年度の電力小売全面自由化、2017年度のガス小売全面自由化等以降、他エネルギー事業者や新規参入事業者等との競争が厳しさを増している。競争が今後もさらに激化した場合、当社グループの経営成績や財務状況に影響を与える可能性がある。

そのため、当社グループは、お客さまのニーズを汲み取った魅力ある付加価値サービスの充実や、最適エネルギーシステムの導入及び運転・保守管理などのエネルギーソリューションサービスを提供することで、トータルエネルギーシェアの拡大を図っている。

 

⑪ 原料価格高騰リスク

LNGは海外より調達しているので為替や原油価格の変動によってはコストの増加に繋がる可能性があるため、LNGの調達元との契約更改や価格見直しにより、調達コストの低減に努めている。

 

⑫ 原燃料調達に関するトラブル

調達元のLNG基地のトラブルやLNG船の運航途上の事故が発生する等によりLNG調達が滞る場合には、都市ガスの供給に支障をきたす恐れがあるため、迅速にスポット調達ができる体制の構築やLNG調達先の多様化を進めている。

 

⑬ ガスの製造及び供給に関するトラブル

当社グループは、「お客さまの安全・安心の確保と安定供給は、エネルギー事業者にとっての最大の責務」と考え、保安対策や防災機能の充実・強化に取り組んでいる。しかし、製造・供給・消費の各段階において、ガス漏えいや爆発などのガス事故やトラブルが発生した場合、直接的な損害に止まらず、社会的責任の発生等、重大な影響を及ぼし、当社グループの事業運営に支障をきたす可能性がある。そのため、重大な事故やトラブルを想定した実践的な訓練などによる対応力の強化や、ガス導管網の整備など、保安の確保と安定供給に向けた対策を行っている。

また、当社グループが取り扱う商品・サービスをお客さまに安全・安心にご利用いただくために、社内における品質管理の徹底等に取り組んでいる。さらにお客さまに対しても、安全型ガス機器の普及促進及び点検・周知等の取り組みを進め、ガス事故等のトラブル撲滅を目指している。しかし万が一、品質上のトラブル等が発生した場合、社会的信用の低下や対応する費用の支出等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

⑭ 電力調達価格変動リスク

電力調達は発電事業者や卸電力取引市場からの調達であるが、日本卸電力取引所からの電力調達価格は、寒波到来等による電力需要の逼迫及び自然災害や発電所トラブルなどによる供給減少等により、需給バランスが悪化し高騰する可能性がある。このような事態が生じると当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

そのため、当社グループは、発電事業者との相対契約の追加や常時バックアップの増量により発電事業者からの調達割合を増やすことで調達コストの低減と固定化を図っている。また、電力先物取引市場利用による価格ヘッジを行うことも視野に入れている。なお、中長期的には、再生エネルギー事業の拡大や「ひびき天然ガス発電所」の事業化などにより、自社電源のウエイト拡大を図る。

 

⑮ 海外事業展開

当社グループでは、電力その他エネルギー分野における成長拡大の一手法として、海外事業展開は有効な手段と考えている。そこで、海外エネルギー事業会社への投資のほか、アジアの玄関口に位置するひびきLNG基地を活用したLNG出荷事業の拡大を推進している。

海外事業においては、当該国における政治的又は経済的要因、社会情勢の悪化等により当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。そのため、外部コンサルタントやファイナンシャルアドバイザーの活用、取引先調査の徹底等、早期に情報収集をすることで様々なリスクの低減を図っている。

 

(b)不動産事業

⑯ 住宅の品質管理及び保証

物件の品質管理には万全を期しているが、販売した物件に重大な瑕疵があるとされた場合には、直接的な原因が当社以外の責任によるものであったとしても、売主として瑕疵担保責任を負う可能性がある。その結果、保証工事費の増加や、当社の信用の毀損等により、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。

 

⑰ 海外事業展開

不動産事業においては、2019年に現地デベロッパーとの合弁により開始したタイ国における戸建分譲販売事業を皮切りに、海外における事業展開を進めている。海外事業は、当該国の社会や経済環境の変動、法規制及び税制の変更、人権問題や内乱又は紛争等のカントリーリスク等の影響を受ける恐れがあり、その結果、プロジェクトの中止、遅延、採算の悪化が生じる可能性がある。

このようなリスクを低減するため、プロジェクト開始にあたっては、外部コンサルタントやファイナンシャルアドバイザーの活用、早期の情報収集のほか、現地の市場や法規制等に精通した現地企業を提携先として選定することを実施している。提携先の選定に当たっても、当該提携先の財務状態や提携関係等により、現地での事業展開に影響を受ける恐れがあることから、調査の徹底を図っている。

さらに、プロジェクトの進行過程においても、当社グループは、提携先からを含め随時必要な情報収集に努め、リスクの変化等を把握し、必要に応じて事業計画の見直しを行っている。

 

⑱ 事業環境の変化等による採算の悪化

当社グループは、不動産事業をガスエネルギー事業に次ぐ収益の柱として成長分野と位置付け事業の拡大に取り組んでいる。

不動産事業は、戸建分譲事業、マンション分譲事業ともに順調に推移しており、2019年度からは海外不動産事業を開始し、順調に成長している。引き続き分譲事業の拡大を進めるとともに賃貸事業を強化し、不動産事業全体の収益拡大と事業の安定性向上を図っている。

しかし、不動産業界は、景気動向、金利動向、不動産市況、新規供給物件動向、不動産販売価格動向、不動産税制等の影響を受けやすい。景気見通しの悪化や、大幅な金利の上昇、供給過剰による販売価格の下落発生等、諸情勢に変化があった場合には、消費者購買心理の悪化、地価の下落、賃貸価格の下落が生じ、業績等に悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、その場合には、当社グループが保有する不動産の評価額の引き下げが必要となる可能性がある。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されている。経営者の視点による当連結会計年度の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に関する分析等は次のとおりである。

本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

 

1.経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が通期にわたり継続するなか、政府による各種政策の効果や海外経済の改善もあって、企業収益や設備投資が徐々に改善するなど、景気の一部に弱さがみられるなかでも、おおむね持ち直しの動きが見られた。一方、足元では、感染対策に万全を期し経済社会活動が正常化に向かいつつも、ウクライナ情勢等による原材料価格の上昇や供給面での制約等による下振れリスク、また、変異株をはじめ感染症による内外経済への影響などにより、先行きは依然として不透明な状況のなかで推移した。

このような状況において、当社グループは、2021年4月から始動したホールディングス体制のもと、ガスエネルギー事業を中核に据えながら、国内外での不動産事業や国際エネルギー事業等、事業の多角化・強靭化に向けた懸命な営業活動を展開した。

 

特に西部ガスグループの中核をなす都市ガス、LPG、LNGのガスエネルギー事業においては、地域に根差した事業体制のもと、他燃料を使用されているお客さまに対して環境性、省エネ性に優れたガスエネルギーを総合的にご提案する、お客さまのご要望に対応したソリューション提案営業を引き続き推進した。

 

第2の収益の柱と位置付ける不動産事業においては、まちづくり・再開発・建物建築などの計画段階から、ディベロッパーさま・ハウスメーカーさまなどに西部ガスグループのソリューション力を活かした提案を行い、西部ガスグループを真のパートナーとして選んでいただき、ガスエネルギー事業とのシナジー効果を生み出せるように取り組んだ。また、海外においては戸建分譲等を展開した。

 

国際エネルギー事業においては、ひびきLNG基地の立地条件の優位性や拡張性を活かし、ISOタンクコンテナ(国際基準(ISO規格)に基づいて製造された安全性の高いコンテナ)による海外へのLNG出荷事業を拡大した。

 

その他の分野では、ベンチャー企業をはじめとする成長企業への出資等を行うファンドを運営するなど、当社グループの強みと経営資源を最大限活用しながら、ガスエネルギー以外の事業拡大による事業構造の多様化・強靭化に向けたグループ変革を推進した。

 

このような事業活動の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高215,273百万円(前期比23,280百万円 12.1%増)、営業利益は前期に比べ4,400百万円減の451百万円、経常利益は前期に比べ3,987百万円減の571百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ1,299百万円減の495百万円となった。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、主に工業用分野において新型コロナウイルス感染症の影響からの回復によりガス・LPG事業の販売量が増加した。

その他の事業においても、新型コロナウイルス感染症の影響からの一部回復により時短営業の実施等営業機会が回復傾向にあったことから売上高が増加した。

新型コロナウイルス感染症の影響がさらに長期に及ぶ場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性がある。

 

 

セグメント別の状況は次のとおりである。

(1) ガス

当連結会計年度末の都市ガス事業におけるお客さま戸数は113万2千戸であり、都市ガス販売量は前期に比べ4.7%増の903,997千㎥となった。このうち業務用ガス販売量については、主に工業用分野において新型コロナウイルス感染症の影響からの回復により7.7%増の552,965千㎥となった。一方、家庭用ガス販売量は、巣ごもり需要の縮小等により使用量が減少したことから3.4%減の231,168千㎥となった。また、他の事業者への卸供給ガス販売量については、卸供給先の需要増等によって8.0%増の119,864千㎥となった。

以上のような都市ガス販売量の結果と、原料費調整によるガス料金単価の上方調整の影響等により、売上高は前期に比べ7.2%増の120,449百万円となったものの、セグメント損益は、原料LNGを価格が高騰しているスポット市場から調達したことに加え、2020年12月に供用を開始した九州北部幹線の減価償却費の影響等により、5,331百万円の損失(前期セグメント利益4,080百万円)となった。

 

(2) LPG

LPG販売単価が上昇したこと等により、売上高は前期に比べ24.3%増の24,204百万円となり、セグメント利益は前期に比べ61.4%増の810百万円となった。

 

(3) 電力・その他エネルギー

国際エネルギー事業として海外向けのLNG出荷が拡大したことに加え、電力販売件数が増加したこと等から、売上高は前期に比べ66.0%増の21,009百万円となり、セグメント利益は前期の電力市場価格の高騰による影響改善により1,284百万円(前期セグメント損失1,811百万円)となった。

 

(4) 不動産

分譲、賃貸事業の拡大に加え、海外不動産事業の展開により、売上高は前期に比べ6.2%増の38,814百万円となり、セグメント利益は前期に比べ34.3%増の4,550百万円となった。

 

(5) その他

その他の事業には、食関連事業(食品販売事業、飲食店事業)、情報処理事業等が含まれているが、食関連事業における新型コロナウイルス感染症の影響からの一部回復等により、売上高は前期に比べ3.5%増の26,913百万円となったものの、新型コロナウイルス感染症による営業自粛等の影響から、セグメント損益は110百万円の損失(前期セグメント損失386百万円)となった。

 

(注)1.セグメント別売上高及びセグメント利益には、セグメント間の内部取引に係る金額を含んでいる。

2.本報告書では、ガス販売量は、毎月の検針による使用量の計量に基づいたものを45MJ(メガジュール)/㎥で表記している。

3.お客さま戸数は、年度末の都市ガスメーター取付個数である。

 

セグメント別の売上高及びその構成比は次のとおりである。

 

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

 

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

 

ガス

112,396

54.3

120,449

52.0

 

LPG

19,476

9.4

24,204

10.5

 

電力・その他エネルギー

12,656

6.1

21,009

9.1

 

不動産

36,540

17.6

38,814

16.8

 

その他

26,013

12.6

26,913

11.6

 

207,083

100.0

231,391

100.0

 

2.財政状態の状況

(1) 資産

当連結会計年度末における資産の残高は395,664百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,735百万円増加した。

固定資産の残高は291,415百万円であり、前連結会計年度末に比べ13,012百万円減少した。これは、投資有価証券が株価の下落により減少したものである。

流動資産の残高は104,248百万円であり、前連結会計年度末に比べ18,747百万円増加した。これは、LNG価格の上昇に伴いガス等の売掛金が増加したことに加え、不動産事業において販売用不動産の建設工事が進捗したことに伴い仕掛品が増加したこと等によるものである。

 

セグメント別の状況は次のとおりである。

①  ガス

主に、固定資産の減価償却が進んだこと等により、資産合計は144,293百万円(前期比8,004百万円 5.3%減)となった。

 

②  LPG

LPG供給設備やソフトウェアの更新等により、資産合計は20,408百万円(前期比468百万円 2.3%増)となった。

 

③  電力・その他エネルギー

太陽光発電設備の取得やガス発電事業への出資等により、資産合計は20,440百万円(前期比2,238百万円 12.3%増)となった。

 

④  不動産

販売用不動産の建設工事が進捗したことに伴い仕掛品等の棚卸不動産が増加したことから、資産合計は109,105百万円(前期比1,765百万円 1.6%減)となった。

 

⑤  その他

固定資産の減価償却が進んだこと等により、資産合計は30,233百万円(前期比1,680百万円 5.3%減)となった。

 

(注)セグメント別資産には、セグメント間の内部取引に係る金額を含んでいる。

 

(2) 負債

当連結会計年度末における負債の残高は315,024百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,216百万円増加した。

固定負債の残高は211,677百万円であり、前連結会計年度末に比べ15,085百万円増加した。これは、社債、長期借入金が増加したこと等によるものである。

流動負債の残高は103,347百万円であり、前連結会計年度末に比べ3,868百万円減少した。これは、1年以内に期限到来の固定負債が減少したこと等によるものである。

なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は275,124百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,794百万円増加した。

 

(3) 純資産

当連結会計年度末における純資産の残高は80,639百万円であり、前連結会計年度末に比べ5,482百万円減少した。これは、株価の下落に伴いその他有価証券評価差額金が減少したこと等によるものである。

なお、当連結会計年度末における自己資本比率は、18.8%(前連結会計年度末は20.5%)となった。

 

3.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,928百万円増の24,411百万円となった。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。

 

(1) 営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度に営業活動により増加した資金は、10,542百万円となり、前連結会計年度に比べ10,206百万円の収入の減少となった。これは、都市ガス事業においてガス料金単価の上方調整により売上債権が増加したことや、原料取引による債権が発生したこと等によるものである。

 

(2) 投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度に投資活動により減少した資金は、14,125百万円となり、前連結会計年度に比べ11,403百万円の支出の減少となった。これは、有形固定資産の取得による支出が減少したこと等によるものである。

 

(3) 財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度に財務活動により調達した資金は、7,634百万円となり、前連結会計年度に比べ2,780百万円の収入の増加となった。これは、短期借入金による収入が増加したこと等によるものである。

 

4.生産、受注及び販売の実績

当社グループにおいては、ガスセグメントが生産及び販売活動の中心となっており、外部顧客に対する売上高及び営業費用の大半を占めている。また、当該セグメント以外のセグメントが生産及び販売する製品・サービスは広範囲かつ多種多様であり、受注形態をとらないものも多い。

このため、以下は、ガスセグメントにおける生産、受注及び販売の実績について記載している。

 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績は次のとおりである。

  品名

  数量(千m3

 

  前期比(%)

 ガス

916,241

4.6

 

(2) 受注実績

ガスについては、その性質上受注生産は行っていない。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度におけるガスの販売実績は次のとおりである。

項目

数量(千m3

 

金額(百万円)

 

前期比(%)

前期比(%)

 家庭用

231,168

△3.4

49,258

2.3

 業務用

552,965

7.7

40,116

17.0

 卸供給

119,864

8.0

7,239

23.0

 計

903,997

4.7

96,614

9.4

 期末ガスお客さま戸数(千戸)

1,132.0

△0.4

 

 

(注)「期末ガスお客さま戸数」は、年度末の都市ガスメーター取付個数である。

 

5.経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの主要な原材料であるLNGは、海外から輸入しているため為替や原油価格の変動により大きな影響を受ける。そのリスクをヘッジする手段として為替予約や原料価格に関するスワップ等を検討している。また、都市ガス事業においては、原料価格の変動は原料費調整により、タイムラグは生じるもののガス販売価格に反映して対応することが可能である。

また、当社グループの売上高の大半を占めているガスによる売上高は、気温・水温等の変動により、大きな影響を受ける。このため、当社グループは、金融機関等との天候デリバティブ契約の締結等、そのリスクの軽減を検討している。

さらに、都市ガス事業は、需要拡大や安定供給のためにガス導管の敷設等の多大な設備投資が必要であるため、社債や借入金等の残高が多く、金利変動の影響が大きい。このため、金利の固定化及び金利スワップ等の活用により、そのリスクをヘッジしている。

 

6.資本の財源及び資金の流動性

(1) 資金需要

当社グループの運転資金需要の主なものは、ガス事業における原料LNG購入費用のほか、製造費、供給販売費及び一般管理費等の営業費用である。また、投資を目的とした資金需要は、ガス事業における供給設備(導管等)投資及び電力その他エネルギー事業や不動産事業など成長を見込める分野への投資等によるものである。

なお、新型コロナウイルス感染症の予防対策等の影響により、当社グループ内で運転資金が不足する子会社については、融資等による支援を行っている。

 

(2) 財務政策

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資及びグループ事業拡大に向けた投資資金については、金融機関からの長期借入と社債の発行による調達を基本としている。

また、当社は、当社グループ内でキャッシュ・マネジメント・サービスを実施しており、資金調達の一元化、余剰資金の活用等により、当社グループ全体の有利子負債の削減に努めている。

なお、金融機関には十分な借入枠を有しているため、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、設備投資資金の調達は、今後も可能であると考えている。

 

7.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載している。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づき見積り及び判断を行っているが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合がある。

また、当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載している。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、翌連結会計年度以降において緩やかに収束に向かい、当社グループを取り巻く経済環境が徐々に回復へ向かうとの見通しを前提に、入手可能な情報に基づいて会計上の見積りを行っている。

 

8.目標とする経営指標の実績

当社グループは、2023年3月期を最終年度とするグループ中期経営計画「スクラム2022」において、「経常利益」、「ROA」、「ROE」、「自己資本比率」を、目標とする経営指標と定めた。

当連結会計年度における当該指標は次のとおりである。

「経常利益」は571百万円(前期4,558百万円)となった。

「ROA」は0.1%(前期0.5%)となった。

「ROE」は0.6%(前期2.3%)となった。

「自己資本比率」は18.8%(前期20.5%)となった。

なお、グループ中期経営計画「スクラム2022」における目標は次のとおりである。

項 目

目 標(2022年度)

経常利益(3年合計)

   320億円 (※)

ROA

 1.8%

ROE

 8.3%

自己資本比率

 21.8%

  (※)2020年度~2022年度 計画合計

 

4【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はない。

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、都市ガス事業の基盤技術強化や都市ガスの高度利用に係わる研究開発、水素や電力等の新たなエネルギー分野に関連する技術の調査研究を進めており、他ガス事業者や大学等との共同研究にも積極的に取り組んでいる。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は226百万円であり、ガスセグメントに関する研究開発がその大半を占めている。今年度は、「研究開発を通した、お客さまをはじめとするステークホルダーへの価値あるソリューションの提供」という基本方針のもと、以下の4つを重点課題とし、研究開発を推進した。

 

1.研究開発の重点課題

(1) エネルギーシェアの拡大に資する技術開発と調査研究の推進

お客さまの快適で豊かな暮らしの実現や、環境負荷低減による企業ブランド価値の向上に繋がる各種技術に関する技術開発や調査研究を推進する。エネファーム等を活用した天然ガスの高度利用や、ガス消費機器の利便性・快適性の追求、電気・熱の融通によるエネルギーマネジメントなど、総合エネルギーサービス企業としてお客さまとの関係維持、強化に繋がる技術開発、調査研究に取り組んでいる。

 

(2) 保安対策の高度化、安定供給の維持に資する技術開発と調査研究の推進

お客さまに安心してガスエネルギーをご使用いただくため、当社の保安水準の更なる高度化に繋がる、供給・設備・生産技術分野における技術開発や調査研究の実施、及び新技術等の情報収集に取り組んでいる。

 

(3) 強靭な事業基盤構築に資する技術の確立と展開

エネルギー自由化時代に対応するため、近年発達が目覚ましいICTとIOT関連技術や、省エネ・省CO2診断など解析・分析技術に関する技術者の育成、技術の拡充に取り組む。また、これらのリソースを積極的に活用し、業務の効率化や接点機会における提案力強化をサポートし、事業基盤の強化や経営効率化を図る。

 

(4) 新たなエネルギー利用技術に関する調査研究の推進

将来的なエネルギーの低炭素化に対する社会からの要望の高まりに備え、水素や再生可能エネルギーなど、新たなエネルギーの利用技術に関する調査や情報収集を推進し、将来の事業展開に活用する。

 

2.2021年度の具体的な取組み

(1) エネルギーシェアの拡大に向け、家庭用では分散型電源の付加価値向上に資する調査研究、業務用では分析・解析技術に基づいた営業支援や業務用SOFC(固体酸化物形燃料電池)のモニター試験を実施した。

 

(2) 保安水準の高度化や安定供給の維持に向け、中圧PE管の工法拡充に向けた取り組みを推進し、ものづくりを通した現場作業の更なる効率化、また、施工における不具合の原因究明などに取り組んだ。

 

(3) 近年発達の目覚ましいICT関連技術に関する取り組みとして、スマートメーター利活用実証試験や、技能継承や業務効率化を視野に、VR技術やIOTの導入に向けた開発・調査を実施した。

 

(4) 新たなエネルギー利用技術に関する調査研究については、西部ガス供給エリア内における市場動向の調査等を実施した。

 

2022年度は、今年度に策定した西部ガスグループ中期経営計画「Next2024」の基本方針の下、研究開発を推進する。