第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、円安効果に加え原油安のメリットもあり、企業収益・雇用環境の改善が続いてきました。しかしながら、年度後半に入り中国経済の減速を主因として、輸出が前年比減少に転じ、企業も投資に慎重姿勢を強める等、景気の先行きに注意を要する状況となっております。
 このような状況のもと、建替えのため本舘休館中の当社は、本舘および同時に閉館した東商営業所のお客様を、既存の営業所へ最大限誘致するとともに、ケータリングの拡充や東京交通会館ビル屋上ビアガーデン出店など、本舘休館中の収益源となる営業所の営業力・集客力の強化に取り組んでまいりました。

その結果、当事業年度の売上高は、上述の取り組みにより既存営業所で前期比12.4%増加したものの、本舘休館による売上減少が大きく(前期本舘売上4,314百万円 社内売上比率44.4%)、前期比38.3%減の5,995百万円となりました。

これを部門別にみますと
  宴会部門につきましては、一般宴会は、本舘宴会のお客様を各営業所へ積極的に誘致するとともに新規開拓を重点に企業や各団体、個人に対するセールス活動を強化いたしました。特に、本舘のお客様を担当していた営業マンを各営業所に配属し、集客と売上の増進に鋭意努力いたしました。

一方、婚礼については、ブライダルフェアを頻繁に開催するとともに、婚礼情報誌への掲載広告ならびにホームページを刷新充実するなど宣伝活動の充実を図り、婚礼組数の獲得に積極的に取り組みました。

以上の結果、一般宴会、婚礼合計の宴会部門売上高は、2,803百万円(既存営業所前期比19.3%増)となりました。

食堂部門につきましては、平成27年6月に東京交通会館屋上にビアガーデンを新規開業したほか、各営業所のレストランの特性を活かしたメニューラインナップの企画や各種フェアを実施するとともに、WEBセールスにも注力し、売上の拡大に努めました。その結果、食堂部門の売上高は2,582百万円(既存営業所前期比8.7%増)となりました。

売店・その他の営業につきましては、食品部門で、季節ごとの新商品の販売と、宴会関連のギフト商品の売上獲得および百貨店における催事への出店に積極的に努めました。その結果、売店の売上高は既存営業所比20.6%の増加となりましたが、クッキングスクールが本舘建替えに伴い縮小したことにより、合計では608百万円(既存店前期同額)となりました。

一方、経費面では、社員の同業他社への出向による人件費の圧縮、原価管理の徹底、一般経費の切り詰め等によりきめ細かくコスト削減に努めましたが、本舘休館による売上減少が大きく影響し営業損失928百万円、経常損失884百万円となりました。しかしながら建替え事業の資金に充当するため、本舘敷地一部売却により1,160百万円等を特別利益に計上した結果、当期純利益は159百万円となりました。

新本舘ビル建設工事につきましては、平成27年11月、地下解体工事、躯体新築工事に関し事業者三者(東京商工会議所、三菱地所株式会社、当社)と施工業者である大成建設株式会社との間で最終決着がつき、契約を締結いたしました。当社負担分は6,324百万円であります。なお、新ビルの延べ床面積は52,416坪、当社取得面積は6,962坪となります。当社専有部分の内装工事につきましては平成28年2月、当社と施工業者である大成建設株式会社はじめ数社との間で、工事金額を6,946百万円で合意しました。新本舘建設にかかる所要資金は、上記の躯体新築工事、内装工事に加え各種調度品・機器類を含め約200億円を要しますが、これにつきましては、自己資金に加え、土地の一部売却、借入、リースにより賄う予定です。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ668百万円増加し、当事業年度末は1,398百万円となりました。
 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、減少した資金は1,223百万円となりました。
 これは主に税引前当期純利益301百万円に対して、減価償却費169百万円等の増加要因があったものの、有形固定資産売却益1,160百万円や退職給付引当金の減少額312百万円等の減少要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、増加した資金は1,976百万円となりました。
 これは主に有形固定資産の売却による収入1,257百万円や定期預金の払戻による収入1,030百万円、有形固定資産の取得による支出573百万円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は84百万円(前事業年度比0.1%減)となりました。
 これは主に配当金の支払額83百万円等によるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 仕入実績

当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。

 

仕入高(千円)

前年同期比(%)

料理飲料材料

1,147,870

△29.1

洋菓子等製造材料

82,220

△2.3

1,230,090

△27.8

 

(注) 1 当社の提供する食品及びサービスは、各売上部門間に複雑に関連し、売上部門単位で生産実績を記載することができないので、基礎的な材料の仕入額を記載しております。

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当事業年度における受注実績は、次のとおりであります。

 

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

宴会

2,857,611

△33.1

1,157,058

4.9

(一般宴会)

(2,282,840)

(△31.7)

(908,562)

(10.2)

(婚礼)

(574,771)

(△38.1)

(248,496)

(△10.8)

(展示会)

(0)

(△100.0)

(0)

(0.0)

売店他

605,842

△23.9

9,932

△23.6

3,463,453

△31.7

1,166,990

4.5

 

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

前事業年度、当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

前事業年度

当事業年度

 

販売高(千円)

前年同期比(%)

販売高(千円)

前年同期比(%)

宴会

5,541,860

△5.8

2,803,813

△49.4

食堂

3,368,106

△2.0

2,582,783

△23.3

売店他

812,284

0.4

608,912

△25.0

9,722,251

△4.1

5,995,508

△38.3

 

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後の経済見通しにつきましては、政府・日銀による脱デフレ政策と成長戦略の推進により、景気下振れの回避が図られるものと思われますが、低調な個人消費、熊本地震の影響に加え、中国・新興国経済の減速、中東・欧州の政情不安定化の影響が懸念される状況にあります。
 このような経済環境にあって、当社におきましては、昨年2月以降建替えのため本舘を休館したことにより、平成30年度に予定しております営業再開までは、売上の大幅減少が避けられない状況が続きます。さらに、平成28年度は年央に銀行協会ビル建替に伴い銀行倶楽部が閉鎖となるため、売上高減少要因が加わることとなります。当面の営業収入源は営業所に限られるため、引き続き営業所の営業力強化に全社をあげて取り組み、併せて新規の受託業務獲得にも力を注いでまいります。こうした営業面での取り組みとともに、更なる経費削減、業務効率化を進め、本舘休館に伴う営業損失の圧縮に全力を尽くしてまいります。

本舘建替え工事の進捗状況につきましては、予定どおり地上解体工事が終了し、昨年11月11日に地鎮祭を終え、地下解体工事と並行して新しい建物の新築工事に入り、竣工は平成30年10月中旬を予定しております。建替えにより装いを一新するとともに、車寄せ・エスカレーターなど設備の充実を図り、より快適で利便性の高い本舘に生まれ変わる予定です。新本舘において、お客様に従来以上のご満足をいただけますよう全役職員一丸となって新本舘の開業準備を進めてまいります。
  当社は、今後とも引き続きコーポレートガバナンスならびにコンプライアンス体制の充実を図るとともに、リスク管理体制の更なる強化など企業としての社会的責任(CSR)を果たす施策を積極的に推進してまいる所存でございます。

 

4 【事業等のリスク】

以下に記載する事項は、当社の事業に関してリスク要因と考えられる事項であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 食品衛生および食品安全に関するリスク

飲食業界におきましては、狂牛病や鳥インフルエンザの発生などにより食材の安全性が問われ、またノロウイルスによる感染やO157など食中毒事故も重要な関心事項となっております。万一、食材の安全性が疑われる問題が生じた場合、需給関係の変動等により食材の市況が大幅に変動した場合や、食材を安定的に確保するのに支障が生じる状況になった場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 防火・防災および事故に関するリスク

当社におきましては、店舗による事業展開を行っているため、大規模地震・火災など自然災害・事故等により店舗の営業継続に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 退職給付に関する債務におけるリスク

当社における退職年金資産運用の結果が前提条件と異なる場合、その影響額(数理計算上の差異)はその発生の翌事業年度に1年間で費用処理することとしております。年金資産の運用利回りの悪化や超低金利政策の長期化による割引率の低下等が、当社の翌事業年度の業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

(4) 顧客個人情報に関するリスク

当社におきましては、東京會舘友の会会員をはじめ多くの個人情報を保有しております。この個人情報の管理は社内管理体制を整備して、厳重に行っておりますが、犯罪行為などによる情報漏洩が発生する可能性があり、その場合、当社の社会的信用の失墜による売上高の減少や、損害賠償の発生など業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 東京會舘本舘建替計画に関するリスク

当社は東京會舘本舘の建替えを計画しております。
 当社の主たる営業所である東京會舘本舘の建替えにつきましては、今後の経済・金融情勢、建築環境等の変動により計画どおりに進捗しない場合には、当社の経営成績および財政状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 当社は、平成24年11月15日に当社と三菱地所株式会社および東京商工会議所の三者間で、本舘建替え計画を含む

三者が共同して行う不動産開発事業に関する基本的な合意事項を取り決めた基本協定を締結しております。
 また、平成26年12月26日に当該事業を互いに協調・協力して推進することを目的として、事業協定を締結しております。
 

(2) 当社は、新本舘ビル建設に伴う、地下解体工事・新築工事(東京會舘内装工事を除く)の内、全体共用工事(躯体工

事)に関する「工事請負契約」を、当社と三菱地所株式会社・東京商工会議所の三社と施工業者の間で、平成27年11月に締結しております。
 

(3) 当社は、平成28年2月24日開催の取締役会において、次のとおり固定資産の譲渡を決議し、平成28年2月29日付

で契約を締結し、同日引き渡しを完了しております。

① 譲渡の理由

 本舘建替え事業資金の一部に充当するため。
 

② 譲渡資産の内容

資産の内容及び所在地

譲渡価格(百万円)

帳簿価格(百万円)

東京都千代田区丸の内三丁目 土地56.14㎡

1,257

103

 

 

③ 譲渡の相手先

 名 称 三菱地所株式会社
  所在地 東京都千代田区大手町一丁目6番1号
      当該会社は当社株式を1,311千株(3.79%)所有する株主であります。
      なお、当該会社と当社との間には、記載すべき人的関係・取引関係および関連当事者として特記すべ
      き事項はありません。
 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

当事業年度の売上高は5,995百万円(前事業年度比3,726百万円、38.3%減)となりました。
 本舘休館による売上減少が大きく影響し、宴会、食堂、売店その他の各部門で前事業年度に比べ減収となりました。

営業費用(売上原価、販売費及び一般管理費)は、本舘の売上減少に伴う売上原価の減少に加え、継続的な原価管理の徹底と業務全般の効率化による諸経費削減の効果もあり、6,923百万円(前事業年度比2,471百万円減)となりました。

この結果、営業損失は928百万円、経常損失は884百万円となりました。
 特別利益については旧東京會舘ビル敷地の一部売却による固定資産売却益1,160百万円、投資有価証券売却益32百万円を、特別損失については固定資産除却損6百万円を、それぞれ計上しました。
 これらの結果、当期純利益は159百万円(同55百万円増加)となりました。
 

 

(2) 財政状態の分析

当事業年度末の総資産は、802百万円(7.2%)減少して、10,411百万円となりました。流動資産は602百万円(15.4%)減少の3,313百万円、固定資産は199百万円(2.7%)減少の7,098百万円となりました。

流動資産減少の主な要因は、現金及び預金361百万円、有価証券が199百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。

固定資産のうち有形固定資産は、162百万円増加の4,233百万円となり、その主な要因は本舘建替設計監理業務及び工事、銀座営業所屋上ビアガーデン開設などで455百万円増加し、旧東京會舘ビル敷地の一部売却や減価償却の実施や除却により292百万円減少したことなどによるものであります。

投資その他の資産は、362百万円減少の2,862百万円となり、その主な要因は投資有価証券が259百万円、繰延税金資産が69百万円減少したことなどによるものであります。

当事業年度末の負債の合計は、697百万円(16.8%)減少の3,461百万円となりました。流動負債は335百万円(23.7%)減少の1,080百万円、固定負債は362百万円(13.2%)減少の2,380百万円となりました。

流動負債減少の主な要因は、未払金が180百万円、未払消費税等が124百万円減少したことなどによるものであります。

固定負債減少の主な要因は、退職給付引当金が312百万円減少したことなどによるものであります。

当事業年度末の純資産合計は、104百万円(1.5%)減少して6,950百万円となりました。その主な要因は当期純利益159百万円、剰余金の配当83百万円などによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

「第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。