第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
 なお、文中における将来に関する事項については、当事業年度末現在において、入手しうる情報に基づいて当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、1922年創業以来、永い歴史と伝統により培われた、わが国を代表する国際社交場として、確かな味とサービス、格調高い施設を提供し、お客様のご要望にお応えするとともに、わが国の食文化の発展に貢献することを企業理念としております。このような企業理念のもと、営業力を一層強化するとともに、財務体質の改善、原価管理の徹底と諸経費の削減、組織、業務内容の効率化、合理化を図り、いかなる環境の変化にも対応できる経営体質を構築し、適正な利益を確保することを経営の基本方針としております。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題等

今後の経済見通しにつきましては、内需を中心とした底堅い成長が続くと予測され、引き続き緩やかな景気回復が期待されます。しかしながら、世界各地で地政学的に不安定な状態が継続しており、米国新政権の政策如何によっては世界的な貿易摩擦を含め不確実性が高まる可能性があります。

このような状況の下、当社は「中期経営計画(2023~2025年度)」の最終年にあたる2025年度におきましては、「持続的成長のための経営基盤の強化」を重点テーマの一つとした経営計画を引き続き推進してまいります。企業価値の核を守りつつも、日々変化する市場環境に柔軟に対応し、当社ブランド価値の訴求と事業ミックスの最適化の継続により旺盛な需要の取り込みを推し進めることで増収増益を図り、中期経営計画の集大成とすべく邁進いたします。加えて、当社の将来の成長を支える優秀な人材の確保を推し進めるとともに、待遇改善による従業員満足度の向上を図り、人的資本経営にもより一層力を入れてまいります。

当社は、今後も引き続きコーポレートガバナンスやコンプライアンス体制の充実とリスク管理体制の更なる強化を図るとともに、企業としての社会的責任を果たすべくサステナブルな社会を実現するための経営課題にも積極的に取り組んでまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方

当社は、「確かな味とサービス、格調高い施設を提供することで、わが国の食文化の発展に貢献すること」を企業理念とし、それを具現化すべく「期待を超える上質な食と接客を提供すること」を長期ビジョンと定めております。当該ビジョンを実現するには、地域社会との共生や事業価値のさらなる向上、また、継続的なサプライチェーンの刷新など多様な観点でサステナビリティを向上させていくことが極めて重要であると考えております。当社は、すべてのステークホルダーの皆様との共存共栄を図り、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

 (2)サステナビリティに関する取組み

 ①ガバナンス

当社は、「サステナビリティ委員会」を設置して持続可能な社会の実現に向けた諸活動を推進する体制を整備しております。「サステナビリティ委員会」は、調理・接客・管理の各部門から選出された委員によって構成され、「サステナビリティ」の基本方針・活動原則・指針・目標に則り、当社の執行機関である常務会の監督の下で施策を企画・立案し、当該施策を各部門が実行することとしております。その実施状況は定期的に常務会に報告され、進捗状況がモニターされるとともに、必要に応じて方向修正がなされる仕組みを構築しております。また、重要施策については取締役会に報告・審議されるという統治体制を採用しております。

 

 ②戦略

当社は当事業年度において、サステナビリティ経営の長期ビジョン実現に向けて、重要取組課題(マテリアリティ)の見直しを行い、重要取組課題を踏まえた新たな活動指針を策定しました。見直しにおいては、社会課題が当社事業に与える影響度と、当社が社会課題に与える影響度を二方向で分析し、当社が特に重視すべき社会課題を抽出した上で、それらの重要な社会課題に対応した、当社が今後取り組むべき重要課題を特定しています。

 


 

(人材の育成及び社内環境整備に関する方針)

 当社では、上質な食と接客を提供するために、従業員一人ひとりがプロフェッショナルとしての技術を磨き続けることが求められます。そのため、従業員が自立的に成長できるよう、従業員同士が「指導者」「学習者」の両方の役割を果たす育成体制を提供し、社員のスキルアップを促進し、お客様に最高のサービスを提供できる人材を育成することとしております。また、従業員満足度が顧客満足度と密接に連関するサービス業の特性を重視し、従業員の衛生要因と動機づけ要因に作用する社内環境整備を実施しております。更に、従業員持株会の魅力向上等、従業員の福利厚生支援を通じ、従業員のモチベーションやエンゲージメントを高め、経営参画意識向上を図っています。こうした複合的なアプローチによる人的資本への継続的投資を通じて、持続的な企業価値向上の実現に取り組んでおります。

 

 ③リスク管理

当社は、当社の事業内容に特有のリスクおよび事業活動に関する一般的なリスクについて、各委員会を組成しリスク及び機会の識別と評価を行っております。また、脆弱性が認められる事象については修正が施され、発現可能性のコントロールに努めております。また、重大インシデントが発生した場合には、リスク管理規程の定めにより社長を本部長とする対策本部を設置して事業継続計画(BCP)に従った迅速な対応を行うなど、損失を最小限に止める体制を整えております。なお、これらの活動は内部監査部門において監査され、必要に応じて取締役会および監査役会に報告されるなど、継続的にモニタリングされる体制を構築しております。

 

 ④指標及び目標

当社は、サステナビリティ経営の実効性を確かなものにするため、これまで多岐にわたって取り組んできている施策を着実に継続し、当事業年度末において133の施策に取り組んでおります。今後、上記②の「戦略」に記した重要取組課題(マテリアリティ)とそれを踏まえた活動指針に基づいて、施策の進捗によっては新たなフェーズへの引き上げも検討して参ります。

人材育成および社内環境整備につきましては、衛生要因としては、最大手検査機関によるストレスチェックを毎年実施しており、当社は目標とする平均値を凡そ継続維持しております。また、動機づけ要因としては、サービス技能やソムリエ資格などの21の認定資格取得を促進し、現在延べ102名が認定資格を取得しております。今後においても逓増するよう、社内整備に取り組んでまいります。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した業績の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社ではリスク種類に応じ、各種委員会活動等を通じて平時から予防対策を講じると共に、不測の事態が発生した場合には事業継続計画(BCP)に従って社長を本部長とする対策本部を設置して損害を最小限に留め、事業が中断した場合にも速やかに再開に向けた活動に移行できるよう、体制を整備しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 食品衛生および食品安全に関するリスク

当社では「食品衛生対策委員会」を設置し、万全の食品衛生管理体制をとっておりますが、ノロウイルス等の食中毒の発生が大きなリスクとなっております。万一、食の安全性が問われる問題が発生した場合、お客様の信頼を損ね、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社では、食品衛生対策委員会を組織し、当該委員会による講習会の適宜実施や各営業所及び食材購入先への衛生指導に加え、外部機関による衛生検査の実施等、更なる衛生管理の徹底を図っております。また、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を導入して食品衛生の見える化にも取り組んでおります。

 

(2) 防火・防災および事故に関するリスク

当社におきましては、店舗による事業展開を行っているため、大規模地震・火災など自然災害・事故等により店舗の営業継続に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社では、防火・防災対策委員会を組織し、平時では、当該委員会の指導のもと、各営業所において直下型地震等防災訓練にも積極的に参加するとともに、東京消防庁主催の「普通救命(応急手当)講習会」にも多くの従業員が参加し救命技能認定を受け、「応急手当奨励事業所」に認定されるなど、緊急時におけるお客様への対応に備えております。

 

(3) 退職給付に関する債務におけるリスク

当社における退職年金資産運用の結果が前提条件と異なる場合、その影響額(数理計算上の差異)はその発生の翌事業年度に1年間で費用処理することとしております。年金資産の運用利回りの悪化や超低金利政策の長期化による割引率の低下等が、当社の翌事業年度の業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

このため、当社では、企業年金基金に対して適切な代議員を選出・配置するとともに運営報告を定期的に受けるなど、基金の運営状態をモニターしております。

 

(4) 顧客個人情報に関するリスク

当社におきましては、多くの顧客の個人情報を保有しております。この個人情報の管理は社内管理体制を整備して、厳重に行っておりますが、犯罪行為などによる情報漏洩が発生する可能性があり、その場合、当社の社会的信用の失墜による売上高の減少や、損害賠償の発生など業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社では、情報管理委員会の活動として、平時より顧客情報の取扱いに関し社員研修会での説明や社内イントラネットに注意事項を掲載するなど、従業員への周知・徹底を図っております。

 

(5) 感染症発生に関するリスク

新型コロナウイルス感染症を含む感染症の発生および拡大に際しては、顧客・従業員の安全を最優先とした対応をとった上で営業継続を行うことを原則としますが、当社または商圏内全般において当局による規制や自粛要請が行われた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社では、感染症対策委員会の活動として、平時より感染症に係る情報収集・対策立案・全社各部門への指示を迅速に行う体制を整えております。また、消毒液の設置・CO2センサーの設置・在宅勤務体制の整備など、お客様と従業員の健康と安全を第一に考えた防疫体制を整備しております。

 

(6) 資金調達に関するリスク

「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載しております資金の借入には、各種コベナンツ(財務制限条項など) が付されています。いずれかのコベナンツに抵触した場合、当該債務について期限の利益を喪失し、その結果、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善、インバウンド需要の増加などを背景に緩やかな回復基調が続いた一方、中東を含む不安定な世界情勢や円安環境下での資源価格上昇と慢性的な人材不足による賃金上昇など、供給サイドに起因する価格高騰といった企業収益圧迫要因が存在し、先行き不透明な状況が継続するなかで推移しました。

このような状況の下、当社は、「確かなサービスと格調高い施設を提供することで、我が国の食文化の発展に貢献する」という創業以来の企業理念のもと、その具現化に向けて「期待を超える上質な味とサービスをお客様に継続的に提供すること」をビジョンに掲げて各種施策を実施してまいりました。当事業年度は中期経営計画の2年目にあたり、その重点テーマである「現有資産の収益力最大化」と「経営基盤の強化」の諸施策を着実に推し進めてまいりました。現有資産の収益力強化の観点では、コロナ禍終息以降の好業績と旺盛な需要を裏付けとして投資効率の確度が高まったことから、本格稼働から間もない新本舘の絨毯や調度品の入れ替えを早々に行うなど、施設空間の上質感をさらに高める内装への投資を本格的に着手いたしました。また、経営基盤強化の観点では、事業の持続的成長実現に向けた人的資本への投資にも注力し、従業員の報酬・福利厚生の改善や、多様な人材活用を意識した雇用環境整備等を積極的に実施いたしました。

当事業年度の売上高は、宴会・食堂部門が大幅な増収となり、コロナ禍以前の売上高を更新した前期を389百万円上回る15,273百万円となりました。経費面では、適正価格での原材料の計画的調達によるコストコントロールや厳格な経費管理を実施し、人的資本への投資に伴う諸費用増の吸収に努めた結果、営業利益は1,275百万円(前期比227百万円増加)、経常利益は1,246百万円(前期比259百万円増加)となりました。また、当期純利益は、繰延税金資産評価見直しによる法人税等調整額△835百万円を計上した前年同期から645百万円減少し、889百万円となりました。

 

これを部門別にみますと

宴会部門につきましては、大型宴会の獲得が順調に進んだことに加え、効率的なブッキングコントロールが奏功し、一般宴会の売上高が大きく伸長しました。婚礼は、施行件数はわずかに減少したものの、1組あたりの施行単価が向上したことにより、好調であった前事業年度の売上高を上回りました。これらの結果、一般宴会、婚礼合計の宴会部門全体の売上高は10,783百万円(前期比2.0%増)となりました。

食堂部門につきましては、各店舗の特色を活かしたメニューを展開しながら、顧客のニーズに寄り添った、より付加価値の高い商品の開発やサービスの充実を図り、高い評価を得ました。平日の法人需要は前事業年度からの回復基調を一層強め、週末の慶事利用も引き続き盛況でした。また、開業2年目を迎えた東宝日比谷プロムナードビル内のレストラン「Drape」において、幅広い世代への認知度が高まり、連日の賑わいを見せました。これらの結果、食堂部門全体の売上高は3,361百万円(前期比6.2%増)となりました。

売店・その他の営業につきましては、舘内販売では、季節に合わせた彩り豊かな新商品を継続的に投入するとともに、環境に配慮したアイディア商品の展開が好評を博し、堅調に推移しました。食品部門では、伝統の焼菓子や半生菓子が百貨店などで安定した販売実績を維持したものの、企業向けの大口引き菓子の受注減少や催事出店の縮小が影響し、売上高は1,128百万円(前期比1.3%減)となりました。

 

②財政状態の状況

総資産は、前事業年度末に比べて1,067百万円増加し27,497百万円となりました。その主な要因は有価証券が1,800百万円、投資有価証券が1,078百万円それぞれ増加し、現金及び預金が1,102百万円、有形固定資産が691百万円それぞれ減少したことであります。

負債は、前事業年度末に比べて291百万円減少し16,540百万円となりました。その主な要因は繰延税金負債が519百万円増加し、未払金が48百万円、未払法人税等が26百万円、長期借入金が240百万円、リース債務が235百万円、退職給付引当金が182百万円それぞれ減少したことであります。

純資産は、当期純利益の計上などにより、前事業年度末に比べ純額で1,359百万円増加し10,957百万円となりました。

これらの結果、自己資本比率は前事業年度末に比べて3.5ポイント増加して39.8%となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ1,102百万円減少し、4,410百万円となりました。

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,573百万円の純収入(前事業年度は1,936百万円の純収入)となりました。これは主に税引前当期純利益1,246百万円に、減価償却費773百万円の非資金取引による増加、売上債権の増加108百万円等による運転資本の増減によるものであります。

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,879百万円の純支出(前事業年度は624百万円の純支出)となりました。これは主に有価証券の取得による支出3,800百万円、保険積立金の積立による支出160百万円、有価証券の償還による収入2,000百万円、保険積立金の払戻による収入137百万円によるものであります。

当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、796百万円の純支出(前事業年度は517百万円の純支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出240百万円、リース債務の返済による支出216百万円によるものであります。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

 当社は、主としてレストラン・宴会サービスを提供しているため、生産及び受注に替えて仕入実績を記載しております。

イ 仕入実績

当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。

 

仕入高(千円)

前期比(%)

料理飲料材料

1,765,590

3.50

洋菓子等製造材料

108,750

△3.09

サービス仕入

3,015,274

4.51

4,889,616

3.96

 

(注) 当社の提供する製商品及びサービスは、各売上部門間に複雑に関連し、売上部門単位で生産実績を記載

  することができないので、基礎的な材料およびサービスの仕入額を記載しております。

 

ロ 販売実績

前事業年度、当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

前事業年度

当事業年度

 

販売高(千円)

前期比(%)

販売高(千円)

前期比(%)

宴会

10,576,297

15.9

10,783,583

2.0

食堂

3,164,331

19.1

3,361,562

6.2

売店他

1,143,151

3.3

1,128,239

△1.3

14,883,779

15.5

15,273,384

2.6

 

 

 

(2)経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①当事業年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度の売上高は、雇用や所得環境の改善、インバウンド需要の増加などによる社会経済の活性化により、個人消費や企業収益の改善が加速するなかで宴会・食堂の各部門において前事業年度に比べて増加し15,273百万円(前期比2.6%増)となりました。営業利益は、売上高の増加と原材料の計画的調達によるコストコントロールや厳格な経費管理を実施した結果1,275百万円(前期比21.7%増)となり、経常利益は1,246百万円(前期比26.3%増)となりました。また、当期純利益は、繰延税金資産評価見直しによる法人税等調整額△835百万円を計上した前年同期から645百万円減少し、889百万円(前期比42.1%減)となりました。

総資産は、有価証券の購入や投資有価証券の時価評価による増加などの増加要因及び有形固定資産の減価償却などの減少要因により、前事業年度末に比べて1,067百万円増加し27,497百万円となりました。負債は、長期借入金、リース債務の約定返済や昨年度発生した数理差異の認識による退職給付引当金の減少などにより、前事業年度末に比べて291百万円減少し16,540百万円となりました。これらの結果、流動比率は256.9%、固定長期適合率は80.6%、自己資本比率は39.8%となり、前事業年度に引き続き、高い安全性指標となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益に非資金取引の減価償却費や運転資本の増減などにより、1,573百万円の純収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券や有形固定資産の取得などにより、1,879百万円の純支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金およびリース債務の約定返済や役員報酬BIP信託での自己株式取得などにより、796百万円の純支出となりました。これらの結果、当事業年度末の現金及び現金同等物は、前事業年度末から1,102百万円減少して4,410百万円となりました。

当社は営業活動から生じるキャッシュ・フローを主たる資金の源泉としており、この内部生成資金が通常の事業活動、設備投資、法人税や配当の支払いなどをまかなうに足りると考えております。加えて、金融機関との間にコミットメントライン等を設定することで、急な資金需要や不測の事態にも備えております。コミットメントライン等の状況については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (貸借対照表関係)」に記載のとおりです。 

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【重要な契約等】

(資金の借入)

当社は、受託者との間で東京會舘本舘ビル等の一部を信託財産とした信託契約を締結しております。受託者は、以下のとおり金融機関(「貸付人」)との間で(責任財産限定特約付) 金銭消費貸借契約を締結した上で融資を受けております。受益者である当社は、借入当日において、信託元本の一部交付請求を行い、受託者が借り入れた融資金を受託者から受領し、当該金額は財務諸表上において借入金として掲記しております。

貸付人

借入金額

(当事業年度末残高)

利率

借入日

借入方法

借入期間

返済条件

担保

三菱UFJ銀行

100億円

(94.0億円)

市場金利に約定スプレッドを加算した利率

2022年

3月31日

左記借入先を貸付人とし、三菱UFJ信託銀行株式会社を借入人とする2022年3月29日付の金銭消費貸借契約に基づく借入れ

7年間
 (延長オプションあり)

一部約定返済条件付期日

一括返済

有担保

無保証

三井住友銀行

20億円

(18.8億円)

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。