第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 私たちの日常生活は、2019年以降新型コロナウイルスによって大きな影響を受けました。しかし、この半年間の間で事態が安定し、世界が徐々に通常の状態に戻っていることを目にするようになったことは、非常に勇気づけられます。日本は昨年10月から再び海外からのお客様をお迎えし始めました。これにより、すべてのお客様に「A Collection of Beautiful Japan」体験を提供するというビジョンを実現するための機会が与えられ、当社の全員が興奮とエネルギーに満ちています。2019年以降、市場でのブランド認知度を高め、ビジョンをさらに促進することを目的として、2019年のTSUKI(東京都中央区)とアゴーラ金沢(石川県金沢市)のオープンを含む、新しいアーバン ブティック ホテルのポートフォリオを拡大する戦略を発表してきました。それ以来、この戦略とビジョンをさらに発展させるべく、コロナ禍ではありましたが、アゴーラ東京銀座(東京都中央区)、アゴーラ京都烏丸(京都市下京区)、アゴーラ京都四条(京都市下京区)の3つの新しい施設を開業することに成功しました。さらに昨年11月には、世界的に有名な建築家、隈研吾氏が監修したONE@Tokyo(東京都墨田区)を開業しました。

 新しいホテルのオープンによって成長を遂げている一方で、この状況は私たちの社内運営の質と効率をさらに高めるための良いチャンスであると信じています。ホテルは、人材こそが成功にとっての最重要課題です。アゴーラ ホテル アライアンスでは、「おもてなし」のコンセプトを、「他人の気持ちになって物事を考えられる人」として再定義しています。世界を迎える大きな視野と知識を持ちながらも、根底には、温かい心を持ち家庭的なホテルサービスを高いクオリティで提供できる人財の育成に注力してまいります。スキルアップのトレーニングを提供するために、アゴーラ ホテル アライアンス ベースアップ アカデミーを開始する予定です。これらは、アライアンスを通じてゼネラルマネージャーから新卒者までの、すべてのスタッフが利用できるようにして参ります。また、メンターが中途採用を含むすべての新入社員に心理的・技術的ケアをおこない、職場教育マネージャーを兼務する「セクショントレーナー」の確立を目指しています。このように、次世代の宿泊事業を担う人材を育成していくとともに、長時間労働の抑制を図り運営業務の集約・効率化に努めてまいります。また、コミュニケーションの改善により、従業員の声を経営層に効果的に伝えることができるようにします。これらの従業員に向けた取り組みは、昨今取り沙汰されているSDGs活動に通じるところもあり、公平な教育機会を提供することは、会社が取り組むべき重要なテーマであり、積極的に取り組んでまいります。

 その他投資事業においては、引き続き想定されるリスクをコントロールしたうえで業績向上に寄与するよう努めてまいります。マレーシアの霊園事業につきましても現地と密接なコミュニケーションをとり、リスクをコントロールするとともに契約の獲得をすすめてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクについては、主に以下のようなものがあります。

① 経営環境の変化に係るリスクについて

 当社グループの国内における主たる事業はホテル・旅館等の宿泊施設の運営を中核とする宿泊事業であります。当社グループの宿泊事業については、訪日外国人旅行者の増加による顧客ニーズの多様化に的確に応えることにより収益の向上に努めております。国内外の政治・経済の情勢の変化による訪日外国人旅行者への影響、民泊事業者による宿泊市場への新規参入、近年の雇用・労働法制の変化により宿泊施設の運営に影響を及ぼす可能性があります。また、その他投資事業においては、市場の需給バランス等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 災害・事故におけるリスクについて

 当社グループの宿泊事業については、大規模地震・火災など自然災害・事故等により国内事業所の営業継続に影響を及ぼす可能性があります。

③ 資産価値の変動に係るリスクについて

 当社グループは、事業上必要な不動産(事業用及び販売用)を保有しているため、地価の動向および対象となる不動産の収益状況により、資産価値が低下し評価減が必要となった場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

④ 株価変動に係るリスクについて

 当社グループは、その他投資事業を営んでいるため、当社グループに悪影響を及ぼす市場動向や急激な変動がみられた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 海外投資に係るリスクについて

 当社グループは、海外での事業を現地通貨建で取引しているため、大幅な為替相場の変動があった場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 東南アジア他成長が見込める一部の海外市場で事業展開を行っておりますが、海外各国において予期しえない政治・経済・法制度等の変化や社会的混乱、自然災害等といった事態が発生した場合、投下資本を回収できないおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 法的規制に関するリスクについて

 当社グループの宿泊事業は、「旅館業法」「個人情報保護法」等による法規制をうけており、今後、これら規制・基準等の変更ならびにそれらによって発生する事態が当社グループの業績及び風評等に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 新型コロナウイルス感染症の拡大

 世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、わが国の経済環境は激変するとともに、多くの企業の事業運営に少なからず影響を与えております。当社グループにおきましても、今後の事業運営上、業績に一定の影響を与える可能性があります。

⑧ 継続企業の前提に関する重要事象等

 当社グループは、当連結会計年度において、世界的な新型コロナウイルスの影響により、訪日観光客数が減少したことを主要因として、営業損失1,401百万円、経常損失1,106百万円、親会社株主に帰属する当期純損失1,298百万円を計上しました。また、世界的な新型コロナウイルスの終息及び宿泊需要の回復には一定の期間を要するものと考えられることから、当社グループの資金繰りに懸念が生じており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

 当社は、当該状況を解消すべく、2020年6月30日に当社グループが保有する賃貸不動産を売却する契約を締結し、2020年7月31日に売却いたしました。また、金融機関より運転資金を調達する等、当面の運転資金を確保しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における連結売上高は前期を大幅に上回る4,951百万円(前期比47.5%増)となりました。

宿泊事業におきましては主に客室部門を中心に新型コロナウイルス感染症からの回復が認められ、その結果、宿泊事業の売上高は4,053百万円(前期比52.7%増)となりました。その他投資事業におきましては、当連結会計年度の売上高は194百万円増加して897百万円(前期比27.6%増)となりました。これは主に、マレーシアの霊園事業の売上高の増加によるものです。

次に、営業費用につきましては、当社グループは全面的なコスト削減の取り組みとして、水道、ガス、石油などの使用料を適切に管理してまいりましたが、円安、資源高の影響を受けたこと、事業の回復に伴い雇用調整助成金の申請額が減少したこと等により、営業損失は1,401百万円(前年同期は営業損失1,367百万円)と悪化いたしました。営業外収益として、休業等に対する助成金223百万円、持分法による投資利益117百万円、為替差益92百万円等を計上しましたが、営業外費用として支払利息90百万円等を計上したこと等により、経常損失は1,106百万円(前年同期は経常損失1,351百万円)となりました。さらに、特別損失としてアゴーラ金沢の運営終了に伴う事業撤退損失127百万円を計上したこと、法人税等調整額の計上等により、親会社株主に帰属する当期純損失は1,298百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,683百万円)となりました。

 

・資産、負債、純資産の状況

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ373百万円増加し、17,035百万円となりました。これは主に、建設仮勘定が776百万円増加したこと等によるものです。

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ1,319百万円増加し、11,889百万円となりました。これは主に、未払金が742百万円増加したこと等によるものです。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ945百万円減少し5,145百万円となり、自己資本比率は、20.7%となりました。

 

セグメント別の経営成績は以下のとおりです。

・宿泊事業

 宿泊事業部門におきましては、前年同期間において休業していた宿泊施設も営業を再開いたしました。そのような中、レストラン、宴会部門では回復の遅れも認められるものの、ビジネス利用を中心とした宿泊需要の回復、全国旅行支援(全国旅行割)、そして、2022年10月11日以降の新型コロナウイルス感染症に関する水際対策緩和措置により、宿泊部門を中心に回復してまいりました。しかし、依然としてレストラン、宴会部門では新型コロナウイルス感染症の蔓延による影響を受けております。それらの結果、当連結会計年度における宿泊事業部門の売上高は4,053百万円(前期比52.7%増)となりました。次に、運営コストの全面的な見直しとして、主にホテル アゴーラ リージェンシー 大阪堺およびアゴーラ ホテル大阪守口においてガス、電気などのエネルギー効率が適切になるよう管理してまいりましたが、円安、資源高の影響を受けております。また、前年度までは宿泊施設の休業に基づく雇用調整助成金を人件費と相殺しておりましたが、事業の回復にともない申請額が減少した結果、営業費用に計上すべき金額が増加したこと等により、当連結会計年度における宿泊事業部門の営業損失は悪化し、1,208百万円(前年同期は営業損失1,130百万円)となりました。

 

・その他投資事業

 マレーシアにおける霊園事業におきましては、霊園区画の引き渡しが好調に推移した結果、売上高が867百万円(前期比28.2%増)と増加し、その営業利益は180百万円(前期比59.4%増)と大幅に増加しました。霊園事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、新規受注高は順調に推移しており、引き渡しも増加しました。なお、証券事業は営業損失74百万円(前年同期は営業損失54百万円)となりましたが、その他の不動産の賃貸収入等により、その他投資事業部門における売上高は897百万円(前期比27.6%増)、営業利益129百万円(前期比107.5%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ184百万円増加し、当連結会計年度末には1,994百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

(イ)営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果獲得した資金は240百万円(前連結会計年度は使用した資金が373百万円)となりました。

 これは、主として未払金の増加額691百万円が計上されたこと等によるものであります。

(ロ)投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は763百万円(前連結会計年度は使用した資金が4百万円)となりました。

 これは、主に有形固定資産の取得による支出758百万円等によるものであります。

(ハ)財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果獲得した資金は647百万円(前連結会計年度は使用した資金が21百万円)となりました。

 これは、主に長期借入れによる収入387百万円等によるものであります。

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金のほか主力事業である宿泊事業における新規ホテル等の設備投資に係る資金であります。これらの財源につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入金等による資金調達を基本としております。また、資金調達に際しては、財務の健全性や安全性の確保を目指しております。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)が営んでいる事業はいずれも生産、受注の概念には該当しないため、「生産及び受注の実績」は記載しておりません。

 

販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額

(千円)

前年同期比

(%)

宿泊事業

4,053,897

52.7

その他投資事業

897,271

27.6

合計

4,951,169

47.5

(注)1 総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。

2 総販売実績に輸出高はありません。

3 本表の金額には消費税等は含まれておりません。

4 本表の金額については「外部顧客に対する売上高」について記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度における連結売上高は前期を大幅に上回る4,951百万円(前期比47.5%増)となりました。

宿泊事業におきましては主に客室部門を中心に新型コロナウイルス感染症からの回復が認められ、その結果、宿泊事業の売上高は4,053百万円(前期比52.7%増)となりました。その他投資事業におきましては、当連結会計年度の売上高は194百万円増加して897百万円(前期比27.6%増)となりました。これは主に、マレーシアの霊園事業の売上高の増加によるものです。

次に、営業費用につきましては、当社グループは全面的なコスト削減の取り組みとして、水道、ガス、石油などの使用料を適切に管理してまいりましたが、円安、資源高の影響を受けたこと、事業の回復に伴い雇用調整助成金の申請額が減少したこと等により、営業損失は1,401百万円(前年同期は営業損失1,367百万円)と悪化いたしました。営業外収益として、休業等に対する助成金223百万円、持分法による投資利益117百万円、為替差益92百万円等を計上しましたが、営業外費用として支払利息90百万円を計上したこと等により、経常損失は1,106百万円(前年同期は経常損失1,351百万円)となりました。さらに、特別損失としてアゴーラ金沢の運営終了に伴う事業撤退損失127百万円を計上したこと、法人税等調整額の計上等により、親会社株主に帰属する当期純損失は1,298百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,683百万円)となりました。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

・キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑤経営者の問題認識と今後の方針について

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(匿名組合契約による出資受入)

 2022年9月15日に当社の連結子会社であるアゴーラ大浜合同会社は、プレシャス・ストーン・プロパティーズ社との間で匿名組合契約を締結し匿名組合出資を受けております。

 

(匿名組合契約による出資)

 2022年9月15日に当社は、連結子会社であるアゴーラ大浜合同会社と匿名組合契約を締結し、匿名組合出資をしております。

 

(ホテル建設工事契約)

契約会社名

相手先の名称

契約締結日

契約内容

請負代金の額

完成予定

アゴーラ大浜合同会社

非開示(注)

2022年9月15日

ホテル新築工事請負契約

非開示(注)

2024年12月

(注)相手先名および請負代金の額については、相手先の要請により非開示とさせていただきます。

 

 

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。