当中間連結会計期間において新たに発生した事業等のリスクは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、当中間連結会計期間において、世界的な新型コロナウイルスの影響からの回復が鮮明となり、営業利益508百万円、経常利益445百万円、親会社株主に帰属する中間純利益275百万円を計上しました。その一方で、新型コロナウイルスが蔓延し休業するなどした時期において生じた負債がいまだ残存しております。その負債の解消には一定の期間を要するものと考えられることから、当社グループの資金繰りに懸念が生じており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社は、当該状況を解消すべく、2020年7月に当社グループが保有する賃貸不動産、2023年3月に当社が保有する固定資産を売却したほか、徹底した固定費の削減並びに金融機関からの運転資金の調達等により、当面の運転資金を確保しております。
なお、後述の重要な後発事象に記載のとおり、当社は2025年8月1日付けで当社の連結子会社である難波・ホテル・オペレーションズ株式会社において生じた未払い債務の最終清算に関する書面締結をしております。
以上より、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、中間連結財務諸表への注記は記載しておりません。
また、本契約の締結により、2025年12月期第3四半期において、継続企業の前提に関する重要事象等の記載が解消される見込みです。
(1)経営成績の状況
2025年上半期に訪日外国人客数が21,518,100人(前年同期比21.0%増)と過去最速で2,000万人を突破するなど、訪日旅行市場の記録的な好調に支えられ、前年同期を大きく上回りました。特に、5月は3,693,300人(前年同月比21.5%増)、6月は3,377,800人(前年同月比7.6%増)と、それぞれ単月で過去最高を記録しました。一部市場において、日本のゴールデンウィーク期間の訪日を避ける動きや、津波発生の噂がSNS等で拡散された香港からの訪日客数が減少(6月前年同月比33.4%減)したといった影響、さらには前年と比較したスクールホリデー時期の変動による影響が見られたものの、米国で単月過去最高を更新、韓国や台湾、シンガポールなど15市場で6月として過去最高を記録するなど、他の国・地域からの堅調な訪日需要が全体を押し上げました。
継続する円安傾向や航空路線の回復・増強(新規就航、増便、復便)も訪日客増加に大きく貢献し、ホテル事業を中核とする当社グループの売上高も好調に推移しました。結果として、売上高は前年同期の4,036百万円から959百万円増加し、4,996百万円(前年同期比23.8%増)と大きく増加しました。売上総利益は1,665百万円(前年同期比26.9%増)となり、前年同期の1,312百万円から353百万円増加しました。これは主に、宿泊事業における売上総利益の増加によります。次に、営業利益は508百万円(前年同期比310.8%増)となり、前年同期の123百万円から大幅に増加しました。これは、売上高が959百万円増加したこと、販管費のコントロールにより31百万円減少させたことに加え、売上原価の増加を抑制したことが主な要因です。また、経常利益は445百万円(前年同期比71.8%増)となり、前年同期の259百万円から186百万円の増加となりました。これは、営業利益が384百万円増加し、営業外収益としてホテルの運営受託の早期解約に伴う違約金収入59百万円等を計上した一方で、支払利息、為替差損等により営業外費用155百万円発生したことによります。
法人税等合計は130百万円となったことにより、中間純利益は336百万円となりました。非支配株主に帰属する中間純利益は60百万円となり、親会社株主に帰属する中間純利益は275百万円となりました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりです。
① 宿泊事業
宿泊事業における売上高は4,518百万円(前年同期比29.9%増)となり、前年同期の3,479百万円から1,038百万円と大きく増加しました。この売上増加には、3月にオープンしたDorsett by Agora大阪堺において、売上高300百万円、営業利益64百万円となったことが寄与しています。その他、ホテルアゴーラリージェンシー大阪において売上高が1,580百万円(前年同期比20.1%増)、営業利益が38百万円から140百万円増加し178百万円(前年同期比365.2%増)と大きく寄与しました。これは宿泊部門において客室単価が大きく増加したことに加え、稼働率も高稼働を維持したほか、料飲部門においても売上高が増加したことなどによります。このほか、アゴーラプレイス大阪難波の売上高は571百万円から724百万円(前年対比26.9%増)へ153百万円増加しました。アゴーラプレイス東京浅草及びアゴーラ東京銀座を運営しているアゴーラホテルマネジメント東京は売上高703百万円から823百万円(前年同期比17.0%増)と大きな増加がありました。また、アゴーラプレイス大阪守口も同様に売上高727百万円から810百万円(前年同期比11.3%増)増加しました。いずれの大阪地区にある施設も大阪万博開催に伴いADRが前年に比べ約20%増加しました。また、一方で東京の施設においても、浅草のADRも26.4%増加したほか、銀座も底堅く増加しております。
② その他投資事業
その他投資事業においては、売上高は478百万円(前年同期比14.2%減)と557百万円から79百万円の減少となりました。これは、マレーシアにおける霊園事業の売上が461百万円(前年同期比3.8%増)となったものの、証券投資事業において、前年同期は主に香港証券市場に上場する株式・社債の為替による評価損益などにより売上が100百万円であった一方で、当中間連結会計期間における売上高が4百万円に減少したことによります。
(2)財政状態の分析
(資産)
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて0.8%増加し、20,825百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて6.3%増加し、5,721百万円となりました。これは現金及び預金が323百万円増加したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて2.2%減少し14,908百万円となりました。これは有形固定資産が277百万円減少したことなどによります。
繰延資産は、前連結会計年度末に比べて610.0%増加し195百万円となりました。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて4.3%減少し、13,398百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて13.1%減少し、4,993百万円となりました。これは、未払金が630百万円減少したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて1.8%増加し、8,405百万円となりました。これは、長期借入金が162百万円増加したことなどによります。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて11.7%増加し、7,426百万円となりました。これは、利益剰余金が275百万円、非支配株主持分が108百万円増加し、自己株式が483百万円減少したことにより純資産が増加した一方、新株予約権が97百万円減少したことなどによります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ332百万円増加し、3,126百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は248百万円(前年同期は68百万円の支出)となりました。
これは主に税金等調整前中間純利益474百万円並びに非現金支出費用である減価償却費、のれん償却額及び開業費償却額を合計304百万円計上したものの、未払金の減少額655百万円、法人税等の支払額86百万円などを計上したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は575百万円(前年同期は1,840百万円の支出)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出375百万円及び繰延資産の取得による支出189百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は697百万円(前年同期は1,824百万円の獲得)となりました。
これは主に長期借入れによる収入を223百万円、自己株式の売却収入を458百万円計上したことなどによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金のほか主力事業である宿泊事業における新規ホテル等の設備投資に係る資金であります。これらの財源につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入金等による資金調達を基本としております。また、資金調達に際しては、財務の健全性や安全性の確保を目指しております。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
当社は2025年8月1日付けで、当社子会社である難波・ホテル・オペレーションズ株式会社が運営するアゴーラプレイス大阪難波において生じた未払い債務の最終清算に関する書面の締結をしました。詳細につきましては(重要な後発事象)(子会社における債務免除益の計上)をご参照ください。