当連結会計年度におけるわが国経済は、中国を始めとする新興国経済の減速や個人消費の伸び悩みなどにより、景気の停滞感が高まりましたが、経済・金融政策の効果等により雇用環境が改善するなど、景気は総じて緩やかな回復を続けてまいりました。
ホテル業界におきましては、政府の観光立国推進に向けた各種施策などによる訪日外国人客数の増加に支えられ、客室販売を中心に概ね良好な経営環境が継続いたしました。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、改修が終了した本社タワー客室を中心に、より高品質なサービスの提供に努めるとともに、市場の動向を見据えた販売施策と的確な価格政策を実行し、売上げの増進に注力してまいりました。
また、10年目を迎えた「ジ・インペリアル オペラ」や好評を博した「帝国ホテル芸術祭」など伝統的、文化的価値を発信する各種イベントに加え、海外有名ホテルや各国大使館と共同で新たな趣向を凝らした外国催事を開催し、海外メディアに向けた広報活動を強力に推進するなど、集客増とブランド力の向上にグループ一丸となって邁進してまいりました。さらに、当社において挙式されたご夫婦を対象とする会員組織「インペリアルクラブ グレース」が10周年を迎え、各種記念商品やイベントを積極的に展開するなど、顧客基盤の強化に全力を注いでまいりました。
設備面におきましても、本館のスイートルームやエグゼクティブサービスフロアの改修など、競争力の強化と顧客満足のさらなる向上を目指し、諸施設の改善に取り組んでまいりました。
一方、経費面におきましては、業務全般の効率化による諸経費の削減に努め、利益の向上にグループ一丸となって鋭意努力してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、前期比0.4%増の56,031百万円となり、経常利益は、前期比20.0%増の5,165百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比16.6%増の3,689百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①ホテル事業
宿泊は、外国人客や法人利用が好調に推移しました。国内の個人客の伸び悩みなどもあり稼働率は前年を若干下回りましたが、積極的な高単価販売に努めた結果、一室単価、売上高ともに前年を上回る結果となりました。
食堂は、各種販売促進に取り組みましたが、来客数が伸び悩み、売上高は前年を下回りました。
宴会は、一般宴会は、大型宴会の受注が好調であったものの、中小の宴会利用が伸び悩み、婚礼も販売強化に努めたものの獲得競争激化の影響などがあり、売上減となりました。
以上のことなどから、売上高は、前期比0.3%増の52,262百万円となり、営業利益は前期比22.8%増の5,078百万円となりました。
②不動産賃貸事業
好調なオフィス需要に支えられ、売上高は前期比2.1%増の3,789百万円となり、営業利益は前期比6.4%増の2,096百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、26,283百万円となり、前年同期と比べ374百万円(1.4%)増加いたしました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費などにより増加し、法人税等の支払いなどにより減少したことにより、前年同期と比べ2,229百万円(31.0%)減少し、4,959百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が前期に比べて減少したことなどにより、前年同期と比べ2,753百万円(43.1%)減少し、3,635百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いが前期に比べて増加したことなどにより、前年同期と比べ177百万円(23.0%)増加し、949百万円の支出となりました。
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
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金額(百万円) |
金額(百万円) |
|
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ホテル事業 |
52,122 |
52,262 |
|
帝国ホテル本社 |
39,088 |
39,433 |
|
帝国ホテル大阪 |
11,236 |
10,994 |
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その他 |
1,798 |
1,834 |
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不動産賃貸事業 |
3,691 |
3,768 |
|
合計 |
55,813 |
56,031 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。
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項目 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
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|
収容能力 |
収容実績 |
利用率 |
一日平均 |
収容能力 |
収容実績 |
利用率 |
一日平均 |
|
|
客室 |
340,746室 |
261,761室 |
76.8% |
715室 |
339,815室 |
260,421室 |
76.6% |
713室 |
|
食堂 |
435,906名 |
1,414,065名 |
3.2回転 |
3,864名 |
434,715名 |
1,387,988名 |
3.2回転 |
3,803名 |
|
宴会 |
1,390,800名 |
689,919名 |
0.5回転 |
1,885名 |
1,387,000名 |
674,437名 |
0.5回転 |
1,848名 |
|
委託食堂 |
199,470名 |
223,585名 |
1.1回転 |
611名 |
198,925名 |
212,982名 |
1.1回転 |
584名 |
(注) 1 客室の収容能力は客室数により算出しております。
2 食堂及び宴会の収容能力は着席数により算出しております(宴会についてはディナー形式の着席数として
おります)。
当連結会計年度及び前連結会計年度の宿泊客、食事客及び宴会客の利用割合は次のとおりであります。
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項目 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
比率(%) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
比率(%) |
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|
利用客数(名) |
宿泊 |
計 |
利用客数(名) |
宿泊 |
計 |
|
|
宿泊客 |
|
|
|
|
|
|
|
外人客 |
171,043 |
42.9 |
|
187,108 |
48.3 |
|
|
邦人客 |
228,036 |
57.1 |
|
200,176 |
51.7 |
|
|
小計 |
399,079 |
100.0 |
15.9 |
387,284 |
100.0 |
15.8 |
|
食事客 |
1,414,065 |
|
56.5 |
1,387,988 |
|
56.7 |
|
宴会客 |
689,919 |
|
27.6 |
674,437 |
|
27.5 |
|
合計 |
2,503,063 |
― |
100.0 |
2,449,709 |
― |
100.0 |
|
項目 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||||||
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収容能力 |
収容実績 |
利用率 |
一日平均 |
収容能力 |
収容実績 |
利用率 |
一日平均 |
|
|
客室 |
139,446室 |
118,090室 |
84.7% |
323室 |
139,065室 |
114,789室 |
82.5% |
314室 |
|
食堂 |
213,744名 |
375,606名 |
1.8回転 |
1,026名 |
213,160名 |
348,024名 |
1.6回転 |
953名 |
|
宴会 |
966,240名 |
364,306名 |
0.4回転 |
995名 |
963,600名 |
359,823名 |
0.4回転 |
986名 |
|
委託食堂 |
38,430名 |
58,794名 |
1.5回転 |
161名 |
38,325名 |
51,484名 |
1.3回転 |
141名 |
(注) 1 客室の収容能力は客室数により算出しております。
2 食堂及び宴会の収容能力は着席数により算出しております(宴会についてはディナー形式の着席数として
おります)。
当連結会計年度及び前連結会計年度の宿泊客、食事客及び宴会客の利用割合は次のとおりであります。
|
項目 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
比率(%) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
比率(%) |
||
|
利用客数(名) |
宿泊 |
計 |
利用客数(名) |
宿泊 |
計 |
|
|
宿泊客 |
|
|
|
|
|
|
|
外人客 |
87,801 |
47.5 |
|
88,579 |
49.3 |
|
|
邦人客 |
97,124 |
52.5 |
|
91,153 |
50.7 |
|
|
小計 |
184,925 |
100.0 |
20.0 |
179,732 |
100.0 |
20.3 |
|
食事客 |
375,606 |
|
40.6 |
348,024 |
|
39.2 |
|
宴会客 |
364,306 |
|
39.4 |
359,823 |
|
40.5 |
|
合計 |
924,837 |
― |
100.0 |
887,579 |
― |
100.0 |
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
帝国ホテルグループは、最も優れたサービスと商品の提供をもって、お客様のゆとりある生活と文化の向上に貢献することを基本理念とし、グループ各社とともに『顧客第一主義』、『現場第一主義』及び『成果第一主義』を行動の統一指針として経営の諸活動に取組んでおります。環境の変化に対して的確に対応し、お客様からの高い評価と厚い信頼を得ることによって、企業価値を高め、継続的な成長と収益を実現できる経営体質の確立を目指します。
(2)経営環境及び対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、政府の各種経済政策に支えられ、雇用・所得環境の改善等により国内景気は緩やかな回復基調が続くことが期待されますが、不安定な国際情勢などもあり、先行き不透明感が強まることも予想されます。
ホテル業界におきましては、訪日外国人客数のさらなる増加やオリンピックイヤーに向けた機運の高まりを受け、客室販売を中心に良好な経営環境の継続が期待されますが、一方で、国内需要の伸び悩みや販売競争の一層の激化など、厳しい状況も予想されます。
このような環境のもと、当社グループといたしましては、引き続き積極的な販売活動と的確な価格政策に注力するとともに、訪日外国人客、特に外国人富裕層の利用拡大に向けた販促活動をより強力に推進するなど、売上げの増進に努めてまいります。さらに、「フランク・ロイド・ライト生誕150周年」など話題性のある企画や海外関連催事、日本の文化的価値を発信する各種イベントを継続的に展開し、集客増とブランド力向上に全力を注いでまいります。
また、「中期経営計画2016-2018」の2年目として、4つの重点課題である「安全性の追求」、「帝国ホテルブランドの向上」、「顧客満足の追求」、「イノベーションへの挑戦」への取り組みをさらに進め、常に変化する顧客や社会のニーズを的確に捉えた新たな商品・サービス・社会的価値の創造へグループ一丸となって邁進してまいります。
一方、経費面におきましては、業務全般の効率化による諸経費の削減に鋭意取り組み、利益の向上に一層の経営努力を続けてまいります。
さらに、ダイバーシティへの取り組みを積極的に推進するとともに、全社的なリスク管理体制の強化とコーポレートガバナンスならびにコンプライアンス体制の充実を図り、企業としての社会的責任(CSR)を積極的に果たしてまいる所存でございます。
当社グループは事業等のリスクに関し、組織的・体系的に対処することとしておりますが、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。
大規模な地震や台風等の自然災害の発生は、当社グループの所有する建物、施設等に損害を及ぼし、一時的な営業停止による売上減や修復のための費用負担が発生する可能性があります。また、新型インフルエンザ等新たな感染症の発生や蔓延及びテロ行為や戦争の勃発等の世界情勢の変化は、海外渡航の自粛による訪日外国人利用客の減少、レジャーや祝事に対する消費マインドの減退が予想され、当社グループの業績に影響する可能性があります。
当社グループは、食に関わる全社横断的な組織として「食の安全と信頼委員会」を設置し、食中毒対策、食品衛生、食品表示、防除等に取り組むなど、食の安全管理には磐石な体制を構築しておりますが、ノロウイルスによる食中毒やBSEの発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、当社グループの業績に影響する可能性があります。
顧客の個人情報や営業上の秘密情報の管理は、社内の情報管理、監視部門が中心になり、外部への流出防止を行っておりますが、情報の漏洩が発生した場合、当社グループ全体への信用の失墜とブランドの低下ならびに損害賠償等の費用負担により、当社グループの業績に影響する可能性があります。
① 帝国ホテル本社の土地のうち12,807㎡は国有地であり、賃借期間は平成9年12月1日から平成39年11月30日までの30年間であります。
② 財団法人東京国際交流財団(現 ㈱東京国際フォーラム)が運営する東京国際フォーラムのケータリングサービス事業を受託しております。契約期間は平成28年4月1日から平成34年3月31日までの6年間であります。
③ 帝国ホテル大阪の建物を所有者(三菱マテリアル㈱・三菱地所㈱)から賃借しております。賃借期間は平成28年2月1日から平成38年1月31日までの10年間であります。
④ ザ・クレストホテル柏の建物を所有者(三菱UFJ信託銀行㈱)から賃借し、その運営を㈱帝国ホテルエンタープライズに委託しております。いずれも契約期間は平成12年10月1日から平成32年9月30日までの20年間であります。
特記事項はありません。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産の合計は74,667百万円(前連結会計年度末73,460百万円)となり、1,206百万円増加いたしました。
うち流動資産は36,869百万円(同36,554百万円)と、315百万円増加いたしました。これは有価証券などが減少し、一方で、現金及び預金などが増加したことによるものであります。
固定資産は37,797百万円(同36,906百万円)と、891百万円増加いたしました。これは投資有価証券が増加したことなどによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債の合計は20,940百万円(同22,671百万円)となり、1,730百万円減少いたしました。
うち流動負債は、7,895百万円(同9,905百万円)と、2,010百万円減少いたしました。これは未払法人税等の減少などによるものであります。
固定負債は13,044百万円(同12,765百万円)と、279百万円増加いたしました。これは長期預り金などが増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の合計は53,727百万円(同50,789百万円)と、2,937百万円増加いたしました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上などによるものであります。この結果、自己資本比率は72.0%となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は、前年同期と比べ2,229百万円(31.0%)減少し、4,959百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益5,160百万円、減価償却費2,742百万円などにより増加し、法人税等の支払額2,263百万円などにより減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は、前年同期と比べ2,753百万円(43.1%)減少し、3,635百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,799百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は、前年同期と比べ177百万円(23.0%)増加し、949百万円となりました。これは主に、配当金の支払額949百万円によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は26,283百万円となり、前連結会計年度末より374百万円増加いたしました。
当連結会計年度における売上高は56,031百万円(前年同期比0.4%増)、販売費及び一般管理費の合計額は51,096百万円(同1.2%減)、営業利益は4,934百万円(同21.2%増)、経常利益は5,165百万円(同20.0%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は3,689百万円(同16.6%増)となりました。
売上高の主な増加要因は、宿泊が好調に推移したことなどによるものであります。販売費及び一般管理費の主な減少要因は、業務全般の効率化による諸経費の削減などによるものであります。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の増加要因は、上記要因によるものであります。