第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)企業理念

帝国ホテルは、創業の精神を継ぐ日本の代表ホテルであり、国際的ベストホテルを目指す企業として、最も優れたサービスと商品を提供することにより、国際社会の発展と人々の豊かでゆとりのある生活と文化の向上に貢献する。

 

(2)経営方針・経営戦略

マーケットや競合環境が大きく変化していくなか、理念をしっかり維持しつつ進歩を遂げていくために、「中期経営計画2020」を策定いたしました。経営環境の変化に対し迅速な対応をすすめ、長期に亘る安定的な経営基盤を確保してまいります。

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルスの感染拡大による政府の緊急事態宣言に伴う経済活動の停滞や雇用・所得環境の悪化などにより景気は大きく後退することが予想されます。
 ホテル業界におきましても、訪日外国人客数の激減や東京オリンピック・パラリンピックの延期による宿泊需要の低迷、政府の外出やイベントの自粛要請、さらに企業の収益悪化に伴う宴会利用の減少など、極めて厳しい経営環境が継続するものと予想されます。

このような未曾有の状況において、当社グループは全事業所において営業活動縮小の継続を余儀なくされ、業績は大幅な悪化が予測されますが、全社的なコストを抜本的に見直すことはもとより政府が行う様々な経済対策や支援策も活用しながら経費執行を必要最小限に止めることを徹底し、収益の確保にグループ一丸となって注力してまいります。
 さらに、従業員の社会生活の基盤となる安定した雇用の継続と就労へのモチベーションの維持に努めるとともに、顧客と従業員の安全、安心の確保を最優先課題と捉え、手洗いなど感染症予防や「3密」の回避等、行政と緊密に連携しながら対策を徹底し、感染症のまん延防止に向け全力を注いでまいります。
 最終年度となる「中期経営計画2020」につきましては、4つの重点課題である「安全性の追求」、「帝国ホテルブランドの向上」、「顧客満足の追求」、「イノベーションへの挑戦」に鋭意取り組み、常に変化する顧客や社会のニーズを的確に捉えた新たな商品・サービス・社会的価値の創造へグループ一丸となって邁進してまいります。
 しかしながら、定量目標(2021年3月期の連結業績予想)に関しましては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行拡大に伴う訪日外国人客・国内利用客の減少、感染拡大防止に向けた営業縮小等の影響により、足元においては、客室・宴会場ともに極めて低い稼働率となり、食堂などその他多くの営業施設も一部で営業を再開したものの営業時間を短縮しており、現時点で合理的な算出が困難なため、未定とすることといたしました。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループは事業等のリスクに関し、諸規程を整備し、各種リスクに対する予防および発生時の対処等について研修、訓練を実施し、リスク管理の実効性を向上させております。また定期的に「リスク管理委員会」を開催し、事業運営に伴う各種リスクの適正な分析・評価、リスクの予防措置、発生時の対応等を検討し、総合的なリスク管理体制を整備しております。
 これらの体制を踏まえ、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。

 

①自然災害の発生

大規模な地震や台風等の自然災害の発生は、当社グループの所有する建物、施設等に損害を及ぼし、一時的な営業停止による売上減や修復のための費用負担が発生する可能性があります。
 また、特に近年頻発する台風・集中豪雨の規模・範囲によっては、当社グループに直接的な損害が無い場合でも、消費マインドの減退や、国内交通機関への影響による来客数の減少等が予想され、当社グループの収益確保に影響する可能性があります。

これらのリスクに対し、事業継続計画(BCP)、各種災害対策マニュアルに基づき、備蓄資材・食料等の管理、全事業所での年間約80回の総合・部分訓練等により、対応力を強化するとともに、定期的なマニュアル見直しによりその実効性を高め、災害時のお客様・従業員の安全を守り、速やかに事業再開に向けた活動に移行できるよう、体制を整備しております。

 

②感染症の発生、まん延

新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症の発生やまん延は、海外からの入国規制や渡航自粛による訪日外国人利用客の減少、国内での不要不急の外出自粛要請や消費マインドの減退などによる経済活動の減速、停滞が予想されます。
 当社グループにおいては、全事業所の宿泊需要の低下に伴う売上げの減少に加え、会食や宴会利用が低調となり、当社グループの収益確保に影響する可能性があります。
 これらのリスクに対し、感染症対策マニュアルを整備、更新するとともに、マスク、消毒液の備蓄やサーマルカメラを常備し、お客様・従業員の安全・安心を守るべく防疫体制を整備しております。

 

③テロ、戦争の勃発

テロ行為や戦争、紛争等の勃発による世界情勢の変化は、海外渡航制限や自粛による外国人利用客の減少、観光、レジャーや慶事に対する消費マインドの減退が予想されます。
 当社グループにおいては、宿泊客の外国人比率が約5割の東京本社、大阪事業所の売上げ減に加え、自粛要請等による各種会議・宴会の取り消しなど当社グループの収益確保に影響する可能性があります。
 これらのリスクに対し、テロ対策マニュアルを整備し、行政の指導に基づく訓練等による対応力と実行性を高め、お客様・従業員の安全を確保する取り組みを推進しております。
 また、宿泊者構成の多様性にも留意し、国内外の均衡のとれた営業活動を展開し、業績への影響を最小限に留めるよう努めております。 

 

④食の安全に関わる問題

当社グループは、食に関わる全社横断的な組織として「食の安全と信頼委員会」を設置し、食中毒対策、食品衛生、食品表示、アレルギー対策、防除等に取り組むなど、食の安全管理には細心の注意を払っておりますが、ノロウイルス等による食中毒やアレルギー事故の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、当社グループ全体への信用の失墜とブランドの低下ならびに損害賠償等の費用負担に加え、各種宴会の取消しならびに受注減、レストランの来客数減等により、当社グループの収益確保に影響する可能性があります。
 これらのリスクに対し、食品安全管理運用書を整備し、全事業所の飲食関連施設・従業者に対する定期的な衛生管理点検、腸内検査、アレルギー対応シミュレーション、メニュー表示チェック等を実施し、定期的な運用書の見直しによりその実効性を高め、食に対するお客様の安心・安全の確保に努めております。

 

 ⑤個人情報や営業上の秘密情報の漏洩

顧客の個人情報や営業上の秘密情報の管理は、社内の情報管理、監視部門が中心になり、外部への流出防止を行っておりますが、情報の漏洩が発生した場合、当社グループ全体への信用の失墜とブランドの低下ならびに損害賠償等の費用負担により、当社グループの収益確保に影響する可能性があります。

これらのリスクに対し、各種規程に基づき、定期的な個人情報保護状況の確認、サイバー攻撃対策、SNSモニタリング等を実施し、漏洩の防止に努めております。

 

⑥労務関連

当社グループは、接客業を主としており、人材育成の強化を通じてさらなるサービスの向上に努めるとともに、人材の確保ならびに従業員満足の向上にも努めております。
 今後、関係法令・社会保険や労働条件・処遇等の労務環境の変化に対応する場合、人件費や業務委託費の増加となり、また人手不足の深刻化により商品提供が滞る場合、当社グループの収益確保に影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対し、ハラスメント対策、メンタル疾患防止および時間外就労の管理の徹底等、従業員のケアに重点を置いた取り組みを進め、また雇用においては、正社員の計画的な採用、中途採用の通年実施に加え、非正規雇用市場の動向も注視し、適正な要員確保に努めております。

 

⑦その他の包括的なリスク

当社グループの売上高の約8割が東京本社であり、特に上記事項が東京本社にて発生した場合、当社グループ全体の収益確保に大きく影響する可能性があります。
 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、国際間の貿易摩擦問題により企業の生産活動が鈍化し、消費税率の引き上げに伴う消費マインドの低下や相次ぐ自然災害などにより景気の停滞感が見られましたが、特に第4四半期以降は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により経済環境が激変し、これまでに経験がない危機的な状況に直面することになりました。
 ホテル・観光業界も直接その影響を受けることとなり、渡航制限による訪日外国人客数の激減や政府のイベント自粛要請に伴う宴会利用の取り消し等、営業活動の大幅な縮小を余儀なくされました。
 当社グループにおきましては、昨年開催されたG20首脳会議、即位の礼やラグビーワールドカップにおいて万全な態勢で臨み、グループの総力を挙げ高品質なサービスの提供に努めた結果、大きな成果を挙げその社会的責務を全うすることができました。また、11月からは本年の開業130周年に向け、「歴史にふさわしく 未来にふさわしく(More Imperial than ever)」をスローガンに掲げ、周年を記念した各種商品の販売やイベントを開催するなど、集客増とブランド力のさらなる向上に邁進してまいりました。
 しかしながら第4四半期に入り、特に2月以降は感染症拡大による甚大な影響を受け、3月の客室販売数は前年比8割減少し、ほとんどの宴会が取り消しとなるなど、大幅な売上げの減少となりました。当社グループといたしましては政府の方針に則り、ホテル主催イベントの自粛、レストランにおける店舗休業や営業時間短縮、ブフェ形式のサービス方法の見直しなど感染症拡大の防止に全面的に協力するとともに、全従業員に対してはマスクの着用や手洗い消毒の徹底に加え、罹患リスクを避けるべく営業縮小に併せた出勤体制を執るなど、顧客および従業員の安全と安心の確保に全力を注いでまいりました。
 以上の結果、当期における当社グループの売上高は、前期比6.6%減の54,558百万円、営業利益は、前期比37.3%減の3,160百万円、経常利益は、前期比34.2%減の3,495百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比34.8%減の2,404百万円となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

①ホテル事業

イ 帝国ホテル本社

宿泊は、即位の礼やラグビーワールドカップに伴う各国賓客の受け入れや販売政策等により一室単価は10.5%増の39,823円と過去最高となりましたが、特に2月以降は国内外ともに需要が急激に低下し、稼働率は前期比11.2ポイント減の70.9%となり、売上高は前期比4.3%減の9,624百万円となりました。
 食堂は、新たに就任した東京料理長による趣向を凝らした各種企画商品が好調でしたが第4四半期の営業時間の短縮や外出自粛等の影響により来客数が激減したことから、売上高は前期比4.9%減の6,456百万円となりました。
 宴会は、一般宴会は、総じて大型の法人宴会の受注が低調だったことに加え、2月以降の政府のイベント自粛要請に伴い取り消し等が相次いだことから大幅な売上減となりました。婚礼も単価は増加したものの、競合施設の改装等による販売競争の激化から、件数、人数ともに減少し、売上減となりました。その結果、売上高は前期比12.0%減の12,202百万円となりました。

 

ロ 帝国ホテル大阪

宿泊は、G20首脳会議参加国の受け入れがあり個人団体ともに価格政策が奏功し、一室単価は6.2%増の20,207円となりましたが、2月以降は訪日外国人客数が減少し、稼働率は前期比10.2ポイント減の73.5%となり、売上高は前期比6.5%減の2,070百万円となりました。

食堂は、「スイーツブフェ」等の企画商品が好調でしたが、一部店舗の営業を縮小したことから、売上高は前期比3.5%減の1,516百万円となりました。

宴会は、一般宴会は、大型宴会が伸び悩み、また、第4四半期後半に入り自粛要請による取り消しや延期が相次ぎ売上減となりました。婚礼は、各種販売促進活動による集客増に努めたものの、婚礼市場が縮小するなか、件数、人数、単価ともに減少し、売上減となりました。その結果、売上高は11.6%減の4,655百万円となりました。

以上のことなどから、ホテル事業の売上高は前期比7.3%減の50,649百万円となり、営業利益は前期比35.3%減の3,561百万円となりました。

 

 

②不動産賃貸事業

新規テナントの入居が好調であったことなどから、売上高は前期比3.5%増の3,929百万円となり、営業利益は前期比7.4%増の2,120百万円となりました。

 

  財政状態の概要は、次のとおりであります。

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1,494百万円減少し79,572百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べて2,785百万円減少し18,945百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末と比べて1,291百万円増加し60,627百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、37,231百万円となり、前期と比べ4,462百万円(13.6%)増加いたしました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や未払費用などが前期に比べて減少したことなどにより、前期と比べ1,325百万円(21.8%)減少し、4,748百万円の収入となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得が前期に比べて減少したことなどにより、前期と比べ1,568百万円増加し、723百万円の収入となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いなどにより、1,008百万円の支出となりました。

 

(生産、受注及び販売の実績)

(1) セグメント売上高

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(百万円)

金額(百万円)

ホテル事業

54,650

50,649

帝国ホテル本社

41,813

38,710

帝国ホテル大阪

11,045

10,110

その他

 1,791

1,828

不動産賃貸事業

 3,775

3,909

合計

58,426

54,558

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。

 

(2) 主要な事業所の収容能力及び収容実績

① 帝国ホテル本社

項目

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

収容能力

収容実績

利用率

一日平均

収容能力

収容実績

利用率

一日平均

客室

339,815室

279,045室

82.1%

765室

340,746室

241,691室

70.9%

660室

食堂

431,795名

1,444,514名

3.3回転

3,958名

432,978名

1,306,453名

3.0回転

3,570名

宴会

1,387,000名

683,749名

0.5回転

1,873名

1,390,800名

588,126名

0.4回転

1,607名

委託食堂

198,925名

221,693名

1.1回転

607名

199,104名

191,166名

1.0回転

522名

 

(注) 1 客室の収容能力は客室数により算出しております。

2 食堂及び宴会の収容能力は着席数により算出しております(宴会についてはディナー形式の着席数として
おります)。

 

 

当連結会計年度及び前連結会計年度の宿泊客、食事客及び宴会客の利用割合は次のとおりであります。

項目

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

比率(%)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

比率(%)

利用客数(名)

宿泊

利用客数(名)

宿泊

宿泊客

 

 

 

 

 

 

外国人客

 202,146

 47.0

 

182,809

48.7

 

邦人客

 227,629

 53.0

 

192,365

51.3

 

小計

 429,775

100.0

16.8

375,174

100.0

16.5

食事客

1,444,514

 

56.5

1,306,453

 

57.6

宴会客

 683,749

 

26.7

588,126

 

25.9

合計

2,558,038

100.0

2,269,753

100.0

 

 

② 帝国ホテル大阪

項目

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

収容能力

収容実績

利用率

一日平均

収容能力

収容実績

利用率

一日平均

客室

139,065室

116,414室

83.7%

319室

139,446室

102,479室

73.5%

280室

食堂

213,160名

342,208名

1.6回転

938名

208,986名

318,668名

1.5回転

871名

宴会

963,600名

347,993名

0.4回転

953名

966,240名

310,637名

0.3回転

849名

委託食堂

38,325名

48,413名

1.3回転

133名

38,430名

44,543名

1.2回転

122名

 

(注) 1 客室の収容能力は客室数により算出しております。

2 食堂及び宴会の収容能力は着席数により算出しております(宴会についてはディナー形式の着席数として
おります)。

 

当連結会計年度及び前連結会計年度の宿泊客、食事客及び宴会客の利用割合は次のとおりであります。

項目

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

比率(%)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

比率(%)

利用客数(名)

宿泊

利用客数(名)

宿泊

宿泊客

 

 

 

 

 

 

外国人客

 85,061

 47.4

 

76,062

49.1

 

邦人客

 94,558

52.6

 

78,853

50.9

 

小計

 179,619

100.0

20.7

154,915

100.0

19.8

食事客

 342,208

 

39.3

318,668

 

40.6

宴会客

 347,993

 

40.0

310,637

 

39.6

合計

869,820

100.0

784,220

100.0

 

 

 

(経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。

(1) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における資産の合計は79,572百万円(前連結会計年度末81,067百万円)となり、1,494百万円減少いたしました。うち流動資産は43,926百万円(同42,788百万円)と、1,138百万円増加いたしました。これは現金及び預金が増加したことなどによるものであります。固定資産は35,645百万円(同38,278百万円)と、2,632百万円減少いたしました。これは有形固定資産が減少したことなどによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債の合計は18,945百万円(同21,731百万円)となり、2,785百万円減少いたしました。うち流動負債は、6,429百万円(同9,029百万円)と、2,600百万円減少いたしました。これは未払費用の減少などによるものであります。固定負債は12,516百万円(同12,701百万円)と、185百万円減少いたしました。これは退職給付に係る負債の減少などによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の合計は60,627百万円(同59,335百万円)と、1,291百万円増加いたしました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上などによるものであります。この結果、自己資本比率は76.2%となりました。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度における売上高は54,558百万円(前年同期比6.6%減)、材料費・販売費及び一般管理費の合計額は51,398百万円(同3.7%減)、営業利益は3,160百万円(同37.3%減)、経常利益は3,495百万円(同34.2%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2,404百万円(同34.8%減)となりました。

売上高の主な減少要因は、宿泊、食堂、宴会が2月以降の感染症拡大による影響を受けたことなどであります。販売費及び一般管理費の主な減少要因は、売上連動に加えて、業務全般の効率化による諸経費の削減に努めたことなどであります。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の減少は、上記要因によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は、前年同期と比べ1,325百万円(21.8%)減少し、4,748百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,492百万円、減価償却費2,658百万円などの計上、法人税等の支払額1,600百万円などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、得られた資金は、723百万円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入2,000百万円、有形固定資産の取得による支出1,344百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は、1,008百万円となりました。これは主に、配当金の支払いなどによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は37,231百万円となり、前連結会計年度末より4,462百万円増加いたしました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの資金需要のうち主なものは、材料費、販売費及び一般管理費などの運転資金及び設備投資資金であり、全て自己資金を充当しております。なお、資金調達につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(金融商品関係)1.金融商品の状況に関する事項 (1)金融商品に対する取組方針」に記載の通り、必要に応じて金融機関からの借入をする方針であります。

 

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果となる場合があります。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(追加情報)及び(退職給付関係)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

① 退職給付関係

 退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、退職給付の支払額、利息費用、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

② 繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴う、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

提出会社

① 帝国ホテル本社の土地のうち12,807㎡は国有地であり、賃借期間は1997年12月1日から2027年11月30日までの30年間であります。

② 財団法人東京国際交流財団(現 ㈱東京国際フォーラム)が運営する東京国際フォーラムのケータリングサービス事業を受託しております。契約期間は2016年4月1日から2022年3月31日までの6年間であります。

③ 帝国ホテル大阪の建物を所有者(三菱マテリアル㈱・三菱地所㈱)から賃借しております。賃借期間は2016年2月1日から2026年1月31日までの10年間であります。

④ ザ・クレストホテル柏の建物を所有者(三菱UFJ信託銀行㈱)から賃借し、その運営を㈱帝国ホテルエンタープライズに委託しております。いずれも契約期間は2000年10月1日から2022年9月30日までの22年間であります。

 

5 【研究開発活動】

特記事項はありません。