第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)企業理念

帝国ホテルは、創業の精神を継ぐ日本の代表ホテルであり国際的ベストホテルを目指す企業として、最も優れたサービスと商品を提供することにより、国際社会の発展と人々の豊かでゆとりのある生活と文化の向上に貢献する。

 

(2)経営方針・経営戦略

新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴いホテル事業部門売上が急激に悪化し、全社的なコスト削減に最大限努めるも大幅な業績悪化が避けられない状況であり、また、未だ収束が見えないことから、現時点において中期経営計画の公表を一旦延期としておりますが、2019年4月から2021年3月までを対象期間とした「中期経営計画2020」において取り組んできた4つの重点課題(①安全性の追求、②帝国ホテルブランドの向上、③顧客満足の追求、④イノベーションへの挑戦)を今後も継続し、企業価値を向上させてまいります。

将来を見据えた帝国ホテル東京の建て替え計画については、地域一帯のエリア再開発と併せ街区地権者とともに検討を重ねており、また、京都における新規ホテル計画につきましては本年5月に実施を決定し、実務的な協議を継続的に実施しております。

マーケットや競合環境が大きく変化していくなか、理念をしっかり維持しつつ、経営環境の変化に対し迅速に対応し、長期に亘る安定的な経営基盤を確保してまいります。

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、政府による各種経済対策やワクチン接種に期待感があるものの、新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明であり、企業収益の改善や個人消費の持ち直しには時間がかかるものと予想されます。 

ホテル・観光業界におきましても、訪日外国人客や国内宿泊需要の回復には未だ時間を要するほか、企業収益の悪化や会合自粛による宴会利用の減少など、厳しい経営環境が続くものと予想されます。

このような状況のもと、当社グループにおきましては、引き続き顧客と従業員の安全と安心を最優先に感染防止を徹底するほか、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて体制を整えてまいります。 

営業面につきましても、巣ごもり需要の拡大に対応した通信販売のさらなる拡充や、国内顧客の利用回復に向けた販売促進を積極的に展開するとともに、経費面におきましても、引き続き全社的なコストの抜本的な見直しや、政府の各種支援策を最大限活用し、収益の確保と雇用の維持にグループ一丸となって注力してまいります。 

また、環境への配慮、社会貢献、コンプライアンスなどのESG(環境・社会・ガバナンス)活動を推進してまいりましたが、昨年4月に従来の「環境委員会」を改め、新たに「サステナビリティ推進委員会」を発足させました。同委員会を中心にSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、フードロスの削減、客室などのバリアフリー化、女性活躍の推進などに積極的に取り組み、今後も社会的責任を果たしてまいります。

当社は本年3月に「帝国ホテル東京建て替え計画の実施方針」を、5月には「京都での新規ホテル計画の実施」を発表いたしました。現在、ホテル・観光業界は厳しい状況下にありますが、コロナ収束後の将来を見据え、さらなる企業価値向上に全力で取り組み、今後も日本の迎賓館としての使命を全うしてまいります。
 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループは事業等のリスクに関し、諸規程を整備し、各種リスクに対する予防および発生時の対処等について研修、訓練を実施し、リスク管理の実効性を向上させております。また定期的に「リスク管理委員会」を開催し、事業運営に伴う各種リスクの適正な分析・評価、リスクの予防措置、発生時の対応等を検討し、総合的なリスク管理体制を整備しております。
 これらの体制を踏まえ、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。

 

(1)自然災害の発生

大規模な地震や台風等の自然災害の発生は、当社グループの所有する建物、施設等に損害を及ぼし、一時的な営業停止による売上減や修復のための費用負担が発生する可能性があります。
 また、特に近年頻発する台風・集中豪雨の規模・範囲によっては、当社グループに直接的な損害が無い場合でも、消費マインドの減退や、国内交通機関への影響による来客数の減少等が予想され、当社グループの収益確保に影響する可能性があります。

これらのリスクに対し、事業継続計画(BCP)、各種災害対策マニュアルに基づき、備蓄資材・食料等の管理、全事業所での年間約80回の総合・部分訓練等により、対応力を強化するとともに、定期的なマニュアル見直しによりその実効性を高め、災害時のお客様・従業員の安全を守り、速やかに事業再開に向けた活動に移行できるよう、体制を整備しております。

 

(2)感染症の発生、まん延

新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症の発生やまん延は、海外からの入国規制や渡航自粛による訪日外国人利用客の減少、国内での不要不急の外出自粛要請や消費マインドの減退などによる経済活動の減速、停滞が引続き予想されます。
 当社グループにおいては、全事業所の宿泊需要の低下に伴う売上げの減少に加え、会食や宴会利用が低調となり、当社グループの収益確保に大きく影響する可能性があります。
 これらのリスクに対し、感染症対策マニュアルを整備、更新するとともに、マスク、消毒液の備蓄やサーマルカメラを常備し、お客様・従業員の安全・安心を守るべく防疫体制を整備しております。

 

(3)テロ、戦争の勃発

テロ行為や戦争、紛争等の勃発による世界情勢の変化は、海外渡航制限や自粛による外国人利用客の減少、観光、レジャーや慶事に対する消費マインドの減退が予想されます。
 当社グループにおいては、宿泊客の外国人比率が約5割の東京本社、大阪事業所の売上げ減に加え、自粛要請等による各種会議・宴会の取り消しなど当社グループの収益確保に影響する可能性があります。
 これらのリスクに対し、テロ対策マニュアルを整備し、行政の指導に基づく訓練等による対応力と実効性を高め、お客様・従業員の安全を確保する取り組みを推進しております。
 また、宿泊者構成の多様性にも留意し、国内外の均衡のとれた営業活動を展開し、業績への影響を最小限に留めるよう努めております。 

 

(4)食の安全に関わる問題

当社グループは、食に関わる全社横断的な組織として「食の安全と信頼委員会」を設置し、食中毒対策、食品衛生、食品表示、アレルギー対策、防除等に取り組むなど、食の安全管理には細心の注意を払っておりますが、ノロウイルス等による食中毒やアレルギー事故の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、当社グループ全体への信用の失墜とブランドの低下ならびに損害賠償等の費用負担に加え、各種宴会の取消しならびに受注減、レストランの来客数減等により、当社グループの収益確保に影響する可能性があります。
 これらのリスクに対し、食品安全管理運用書を整備し、全事業所の飲食関連施設・従業者に対する定期的な衛生管理点検、腸内検査、アレルギー対応シミュレーション、メニュー表示チェック等を実施し、定期的な運用書の見直しによりその実効性を高め、食に対するお客様の安心・安全の確保に努めております。

 

 (5)個人情報や営業上の秘密情報の漏洩

顧客の個人情報や営業上の秘密情報の管理は、社内の情報管理、監視部門が中心になり、外部への流出防止を行っておりますが、情報の漏洩が発生した場合、当社グループ全体への信用の失墜とブランドの低下ならびに損害賠償等の費用負担により、当社グループの収益確保に影響する可能性があります。

これらのリスクに対し、各種規程に基づき、定期的な個人情報保護状況の確認、サイバー攻撃対策、SNSモニタリング等を実施し、漏洩の防止に努めております。

 

(6)労務関連

当社グループは、接客業を主としており、人材育成の強化を通じてさらなるサービスの向上に努めるとともに、人材の確保ならびに従業員満足の向上にも努めております。
 今後、関係法令・社会保険や労働条件・処遇等の労務環境の変化に対応する場合、人件費や業務委託費の増加となり、また人手不足の深刻化により商品提供が滞る場合、当社グループの収益確保に影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対し、ハラスメント対策、メンタル疾患防止および時間外就労の管理の徹底等、従業員のケアに重点を置いた取り組みを進め、また雇用においては、正社員の計画的な採用、中途採用の通年実施に加え、非正規雇用市場の動向も注視し、適正な要員確保に努めております。

 

(7)その他の包括的なリスク

当社グループの売上高の約8割が東京本社であり、特に上記事項が東京本社にて発生した場合、当社グループ全体の収益確保に大きく影響する可能性があります。
 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延や緊急事態宣言に伴う経済活動の停滞により企業収益が急激に悪化し、期後半は製造業などを中心に一部持ち直しの兆しもありましたが、総じて極めて厳しい状況となりました。 

ホテル・観光業界は特に深刻な打撃を受け、「Go To キャンペーン」などの観光支援策による一時的な浮揚効果もありましたが、渡航制限によるインバウンド需要の消失や、外出・イベントの自粛、飲食店への営業時間短縮要請など過去に例を見ない経営環境となりました。 

このような未曾有の状況のもと、当社グループにおきましては、顧客と従業員の安全と安心の確保を最優先課題と捉え、ホテル主催イベントの自粛やレストラン店舗の休業ならびに営業時間短縮など、政府の方針に則った感染防止策を講じるとともに、全従業員に対してマスク着用や手洗い消毒の徹底、罹患リスクを避けるべく在宅勤務や営業縮小に合わせた最小限の出勤体制をとるなど、感染拡大防止に全力で取り組んでまいりました。 

また、昨年4月の緊急事態宣言下では、社長を委員長とした「運営再開準備委員会」を設置し、感染防止策やコロナ禍におけるサービス方法を全従業員から募った結果、5,500件近いアイデアが寄せられ、『インペリアルバイキング サール』における新しいオーダーバイキングスタイルの導入などに繋がりました。この他にも、昨年の11月に迎えた開業130周年を記念した各種商品の販売に加え、コロナ禍での「新しい生活様式」に対応した通信販売の積極的な展開や、「新たなホテルの価値」を提供する『サービスアパートメント事業』を本年3月に開始するなど、この難局を乗り越えるべく全社一丸となって努めてまいりました。

しかしながら新型コロナウイルスの影響は甚大であり、当連結会計年度における当社グループの売上高は、前期比59.6%減の22,051百万円、営業損失は11,710百万円、経常損失は7,901百万円となり、特別損失や法人税等調整額の計上などもあったことから、親会社株主に帰属する当期純損失は14,363百万円となりました。
 

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

①ホテル事業

イ 帝国ホテル本社

宿泊は、渡航制限や都道府県をまたぐ移動の自粛要請などにより需要が激減、「Go To トラベル」による一時的な回復はありましたが、稼働率は前期比56.0ポイント減の14.9%となり、一室単価は43,486円と前年を上回ったものの、売上高は前期比77.2%減の2,195百万円となりました。
 食堂は、東京料理長による趣向を凝らした商品を展開するなど各種販売促進活動に努めましたが、緊急事態宣言に伴う外出自粛や営業時間短縮要請により来客数が大きく減少したことから、売上高は前期比62.9%減の2,397百万円となりました。
 宴会は、一般宴会は会合やイベントの自粛要請などから取り消しや延期となり、感染防止策を徹底した新しい宴会形式を提案するなど利用促進に努めましたが、大幅な売上減となりました。婚礼も取り消しや延期が相次ぎ、期後半には少人数婚礼を中心に件数は回復傾向に転じたものの全体として売上減となりました。その結果、売上高は前期比73.4%減の3,249百万円となりました。

 

ロ 帝国ホテル大阪

宿泊は、高単価販売に努めたことに加え、「Go To トラベル」などの効果もあったことから一室単価は23.6%増の24,973円となりましたが、その効果は一時的なものに留まり、稼働率は前期比57.6ポイント減の15.9%となり、売上高は前期比73.3%減の553百万円となりました。

食堂は、感染防止策として座席数を減らしたことや営業時間短縮の影響などにより来客数が減少し、売上高は前期比54.0%減の697百万円となりました。

宴会は、一般宴会はイベント自粛要請や企業収益の悪化に伴う取り消しや延期により件数が激減し、婚礼も取り消しや延期のほか少人数化が進んだことから売上減となりました。その結果、売上高は前期比75.2%減の1,152百万円となりました。

以上のことなどから、ホテル事業の売上高は前期比63.8%減の18,323百万円となり、営業損失は11,844百万円となりました。

 

 

②不動産賃貸事業

コロナ禍によるテナント退去により空室率が増加したことなどから、売上高は前期比4.6%減の3,748百万円となり、営業利益は前期比0.7%増の2,136百万円となりました。

 

  財政状態の概要は、次のとおりであります。

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて14,152百万円減少し65,420百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べて401百万円増加し19,347百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末と比べて14,554百万円減少し46,073百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、28,651百万円となり、前期と比べ8,579百万円(23.0%)減少いたしました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失を計上していることなどから、使用した資金は、前期と比べ13,069百万円増加し、8,321百万円の支出となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入が前期に比べて減少したことなどにより、得られた資金は、前期と比べ506百万円減少し、217百万円の収入となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いによる支出が前期に比べて減少したことなどにより、使用した資金は、前期と比べ534百万円減少し、474百万円の支出となりました。

 

(生産、受注及び販売の実績)

(1) セグメント売上高

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

金額(百万円)

金額(百万円)

ホテル事業

50,649

18,323

帝国ホテル本社

38,710

13,799

帝国ホテル大阪

10,110

3,586

その他

1,828

937

不動産賃貸事業

3,909

3,727

合計

54,558

22,051

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。

 

(2) 主要な事業所の収容能力及び収容実績

① 帝国ホテル本社

項目

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

収容能力

収容実績

利用率

一日平均

収容能力

収容実績

利用率

一日平均

客室

340,746室

241,691室

70.9%

660室

339,815室

50,167室

14.8%

137室

食堂

432,978名

1,306,453名

3.0回転

3,570名

431,795名

464,590名

1.1回転

1,273名

宴会

1,390,800名

588,126名

0.4回転

1,607名

1,387,000名

75,964名

0.1回転

208名

委託食堂

199,104名

191,166名

1.0回転

522名

198,560名

84,666名

0.4回転

232名

 

(注) 1 客室の収容能力は客室数により算出しております。

2 食堂及び宴会の収容能力は着席数により算出しております(宴会についてはディナー形式の着席数としております)。

3 当連結会計年度における食堂、宴会、委託食堂は、緊急事態宣言等に応じた休業ならびに営業時間短縮など感染拡大防止の為の席数削減等を行っており、収容実績はその影響を大きく受けております。

 

 

当連結会計年度及び前連結会計年度の宿泊客、食事客及び宴会客の利用割合は次のとおりであります。

項目

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

比率(%)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

比率(%)

利用客数(名)

宿泊

利用客数(名)

宿泊

宿泊客

 

 

 

 

 

 

外国人客

182,809

48.7

 

1,935

2.2

 

邦人客

192,365

51.3

 

84,847

97.8

 

小計

375,174

100.0

16.5

86,782

100.0

13.8

食事客

1,306,453

 

57.6

464,590

 

74.1

宴会客

588,126

 

25.9

75,964

 

12.1

合計

2,269,753

100.0

627,336

100.0

 

 

② 帝国ホテル大阪

項目

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

収容能力

収容実績

利用率

一日平均

収容能力

収容実績

利用率

一日平均

客室

139,446室

102,479室

73.5%

280室

139,065室

22,165室

15.9%

61室

食堂

208,986名

318,668名

1.5回転

871名

208,415名

120,299名

0.6回転

330名

宴会

966,240名

310,637名

0.3回転

849名

963,600名

34,985名

0.0回転

96名

委託食堂

38,430名

44,543名

1.2回転

122名

38,325名

21,921名

0.6回転

60名

 

(注) 1 客室の収容能力は客室数により算出しております。

2 食堂及び宴会の収容能力は着席数により算出しております(宴会についてはディナー形式の着席数としております)。

3 当連結会計年度における食堂、宴会、委託食堂は、緊急事態宣言等に応じた休業ならびに営業時間短縮など感染拡大防止の為の席数削減等を行っており、収容実績はその影響を大きく受けております。

 

当連結会計年度及び前連結会計年度の宿泊客、食事客及び宴会客の利用割合は次のとおりであります。

項目

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

比率(%)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

比率(%)

利用客数(名)

宿泊

利用客数(名)

宿泊

宿泊客

 

 

 

 

 

 

外国人客

76,062

49.1

 

29

0.1

 

邦人客

78,853

50.9

 

33,633

99.9

 

小計

154,915

100.0

19.8

33,662

100.0

17.8

食事客

318,668

 

40.6

120,299

 

63.7

宴会客

310,637

 

39.6

34,985

 

18.5

合計

784,220

100.0

188,946

100.0

 

 

 

(経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。

(1) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における資産の合計は65,420百万円(前連結会計年度末79,572百万円)となり、14,152百万円減少いたしました。うち流動資産は36,304百万円(同43,926百万円)と、7,622百万円減少いたしました。これは現金及び預金が減少したことなどによるものであります。固定資産は29,116百万円(同35,645百万円)と、6,529百万円減少いたしました。これは減損損失の計上などにより有形固定資産が減少したことなどによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債の合計は19,347百万円(同18,945百万円)となり、401百万円増加いたしました。うち流動負債は、4,706百万円(同6,429百万円)と、1,723百万円減少いたしました。これは賞与引当金の減少などによるものであります。固定負債は14,641百万円(同12,516百万円)と、2,125百万円増加いたしました。これは建替関連損失引当金の計上などによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の合計は46,073百万円(同60,627百万円)と、14,554百万円減少いたしました。これは親会社株主に帰属する当期純損失の計上などによるものであります。この結果、自己資本比率は70.4%となりました。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度における売上高は22,051百万円(前年同期比59.6%減)、材料費・販売費及び一般管理費の合計額は33,762百万円(同34.3%減)、営業損失は11,710百万円、経常損失は7,901百万円となり、親会社株主に帰属する当期純損失は14,363百万円となりました。

売上高の主な減少要因は、緊急事態宣言に伴う外出自粛や休業によりホテル事業における来客数が激減したこと、不動産賃貸事業においてテナントの退去により空室率が増加したことなどであります。一方で、業務全般の効率化による諸経費の削減に努めたものの、人件費や賃借料、減価償却費などの固定費の負担は大きく、雇用調整助成金などの各種経済対策も最大限利用しましたが、営業損失を補うには至らず経常損失となりました。

また、特別損失として、帝国ホテル大阪の今後の経営環境を中長期的に見通した結果、収益性の低下により、帳簿価額を将来に亘り回収する可能性がないという判断のもと減損損失を1,096百万円、帝国ホテル東京の建て替え計画の実施方針の決定に伴い発生する損失に備えるため、明け渡し費用や弁護士報酬等の損失発生見込額を建替関連損失を2,007百万円計上しました。

加えて、新型コロナウイルス感染症の影響は、今後、2022年3月期の一定期間に亘り継続するとの仮定のもと、税効果会計の会計上の見積りを行った結果、帝国ホテル単体の繰延税金資産全額を取崩し、法人税等調整額3,339百万円計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は14,363百万円となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの分析

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、使用した資金は、前年同期と比べ13,069百万円増加し、8,321百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失11,006百万円、減価償却費2,591百万円、建替関連損失引当金2,007百万円、減損損失1,096百万円の計上などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、得られた資金は、217百万円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入1,000百万円、投資有価証券の償還による収入704百万円、有形固定資産の取得による支出1,280百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は、474百万円となりました。これは主に、配当金の支払いによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は28,651百万円となり、前連結会計年度末より8,579百万円減少いたしました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要のうち主なものは、材料費、販売費及び一般管理費などの運転資金及び設備投資資金であり、全て自己資金を充当しております。なお、資金調達につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(金融商品関係)1.金融商品の状況に関する事項 (1)金融商品に対する取組方針」に記載の通り、必要に応じて金融機関からの借入をする方針であります。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

提出会社

① 帝国ホテル本社の土地のうち12,807㎡は国有地であり、賃借期間は1997年12月1日から2027年11月30日までの30年間であります。

② 財団法人東京国際交流財団(現 ㈱東京国際フォーラム)が運営する東京国際フォーラムのケータリングサービス事業を受託しております。契約期間は2016年4月1日から2022年3月31日までの6年間であります。

③ 帝国ホテル大阪の建物を所有者(三菱マテリアル㈱・三菱地所㈱)から賃借しております。賃借期間は2016年2月1日から2026年1月31日までの10年間であります。

④ ザ・クレストホテル柏の建物を所有者(三菱UFJ信託銀行㈱)から賃借し、その運営を㈱帝国ホテルエンタープライズに委託しております。いずれも契約期間は2000年10月1日から2022年9月30日までの22年間であります。

⑤ 京都での新規ホテル計画実施にあたり、計画地の所有者である学校法人八坂女紅場学園と一般定期借地権設定契約及び事業協定書等を締結しております。計画地の賃貸借期間は2022年4月(予定)からホテル開業日(2026年春開業予定)の50年後の応当日までであります。

 

5 【研究開発活動】

特記事項はありません。