当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀による政策を背景に企業収益や雇用環境に改善が見られ、緩やかな回復基調となりました。一方で、中国の景気の下振れや為替の急激な変動、英国のEU離脱問題や米大統領選挙により、海外経済の不確実性が高まり、先行きは不透明な状況となっております。
観光業界においては、訪日外国人が前年から引き続き増加し、日本政府観光局(JNTO)によると、平成28年度の外国人旅行者数は対前年21.8%増の2,403万人、旅行消費額は7.8%増の3兆7千億円といずれも過去最高となりました。一方で、訪日外国人1人当たりの旅行支出は対前年で11.5%減となり、旅行目的が一頃の「爆買い」などにみられた「消費」から、自然や文化を楽しむ「体験」型に移ったことに加えて、宿泊地もこれまでの大都市圏から地方に分散するなど、訪日外国人の消費動向に変化が見られました。
このような事業環境の中、当社グループでは、5ヵ年の中期経営計画「FUJITA PREMIUM VALUE CREATION 2015」が2年目を迎え、既存事業の品質強化を進めるとともに、国内外への新規出店や投資を積極的に行なってまいりました。
当連結会計年度は、3月に東京新宿駅西口の新宿ワシントンホテル本館で、1年間をかけて全客室を更新する大規模改修工事が予定どおり終了し、4月1日にリニューアルオープンしました。これにより、平成27年4月に開業した新宿駅東口のホテルグレイスリー新宿とあわせて、新宿エリアで約2,600室が稼働する体制が整いました。
新規出店では、4月にホテルグレイスリー那覇(198室)、7月にはホテルグレイスリー京都三条 北館(97室)を開業しました。
また、神奈川県箱根エリアの再開発の一環として、箱根ホテル小涌園の近接地に宿泊特化型旅館「箱根小涌園 美山楓林(みやまふうりん)」を開業するなど、箱根エリアの魅力を引き上げ、平成29年4月を予定する新たな旗艦宿泊施設「箱根小涌園 天悠(てんゆう)」の開業に向けた準備を進めております。
海外拠点の展開では、1月に台北(台湾)においてホテル椿山荘東京プロデュースによる日本料理レストラン「錦水 TAIPEI by HOTEL CHINZANSO TOKYO」を開業し、12月には同じく台北市内に「割烹日本料理 光琳 大安店」も出店するなど、海外での当社施設の認知度向上を図るべく、レストラン出店を進めてまいりました。
当連結会計年度の売上高は、新宿ワシントンホテル本館の改修工事の終了、ホテルグレイスリー新宿の通期稼働に加え、その他の宿泊施設も客室単価が好調に推移したことが寄与し、当社グループ全体では、売上高は前期比4,807百万円増収の68,789百万円となりました。
これらの増収を主因として、営業利益は前期比1,673百万円増益の1,712百万円、経常利益は前期比1,871百万円増益の1,698百万円となりました。また、当社が保有する投資有価証券の売却、損害賠償金の受領などにより特別利益2,165百万円を計上する一方で、ホテル鳥羽小涌園(三重県)の営業終了に伴う損失などの特別損失1,712百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益では、前期比825百万円増益の858百万円となりました。なお、当社グループが重要指標と位置づけている減価償却費等負担前営業利益においては、前期比2,077百万円増益の7,219百万円となりました。
当連結会計年度の業績の概要およびセグメント別の概況は以下のとおりであります。
当連結会計年度の業績の概要 (金額単位:百万円)
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|
当連結会計年度 |
前期比 |
増減率 |
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売上高 |
68,789 |
4,807 |
7.5% |
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営業利益 |
1,712 |
1,673 |
4280.0% |
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経常利益 |
1,698 |
1,871 |
― |
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親会社株主に帰属 |
858 |
825 |
2519.0% |
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|
||
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減価償却費等 負担前営業利益 |
7,219 |
2,077 |
40.4% |
セグメント別売上高・営業利益 (金額単位:百万円)
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|
売上高 |
営業利益 |
||
|
実績 |
前期比 |
実績 |
前期比 |
|
|
WHG事業 |
32,954 |
4,975 |
2,044 |
1,344 |
|
リゾート事業 |
6,757 |
263 |
△394 |
△63 |
|
ラグジュアリー&バンケット事業 |
26,215 |
△26 |
913 |
467 |
|
その他(調整額含む) |
2,861 |
△404 |
△850 |
△75 |
|
合計 |
68,789 |
4,807 |
1,712 |
1,673 |
※1 調整額は、セグメント間取引消去および各セグメントに配分していない全社費用であります。
※2 当連結会計年度よりセグメントの業績をより適切に評価するために本社費用の配賦方法を変更しております。
このため前連結会計年度の各セグメントの営業利益については変更後の算定方法により組替えて比較しており
ます。
WHG事業
平成28年度に日本を訪れた外国人観光客数は、3月までは対前年30%超の高い伸び率が続きましたが、4月以降は10%台に鈍化しました。前年に比べて円高傾向が続いたことや、宿泊地の地方分散化傾向が現れてきたこともあり、当社グループの宿泊施設においても首都圏を中心に客室単価の上昇率に鈍化がみられました。このような変化を受けて、WHG事業の各宿泊施設においては、客室の価格と稼働の両面を踏まえた販売施策を行うとともに、従来から取り組んでいる国内のリピーター獲得策やお客さま満足度の向上にも注力することで、売上の最大化を図ってまいりました。
その結果、首都圏のホテルにおいては、新宿ワシントンホテル本館のリニューアルに伴う販売価格の変更、開業以降計画を上回る水準で推移するホテルグレイスリー新宿が大きく寄与し、客室単価は前期比19%上昇となりました。
また、4月に開業したホテルグレイスリー那覇、7月に開業したホテルグレイスリー京都三条 北館についても、予想を上回る客室単価で推移し、順調な滑り出しとなりました。この結果、地方のホテルにおいても、客室単価は前期比11%上昇となりました。
宿泊部門は、利用人員は前期比334千名増の3,536千名、売上高は前期比4,807百万円増収の27,151百万円となりました。
これらの結果、当セグメントの売上高は前期比4,975百万円増収の32,954百万円となり、セグメント利益(営業利益)は同1,344百万円増益の2,044百万円となりました。
リゾート事業
宿泊部門は、平成27年に発生した箱根大涌谷の火山性地震の影響から回復したため、個人旅行者の集客が好調に推移し、客室単価も前年を上回る水準となりました。また、当社の箱根エリアでの再開発の一環として、宿泊特化型旅館「箱根小涌園 美山楓林」を3月に開業し、当社が保有する2つの国の登録有形文化財建造物を活用したレストラン「蕎麦 貴賓館」、「鉄板焼 迎賓館」を続けてオープンするなど、平成29年4月20日に予定する全室露天風呂付の宿泊施設「箱根小涌園 天悠」の開業に向けて準備を進めてまいりました。部門全体では、利用人員は前期比37千名増の783千名、売上高は前期比111百万円増収の4,699百万円となりました。
レジャー部門は、箱根の主要観光ルートである箱根ロープウェイが7月に全面運行再開し、大涌谷付近の通行止めなど規制の一部解除もあり、温泉テーマパークの箱根小涌園ユネッサンでは利用人員が前年を上回りました。部門全体では、利用人員は前期比6千名増加の659千名、売上高は前期比90百万円増収の1,704百万円となりました。
これらの結果、当セグメントの売上高は前期比263百万円増収の6,757百万円となりましたが、箱根エリアの再開発に伴う先行費用が発生したことにより、セグメント損失(営業損失)は同63百万円悪化の394百万円となりました。
ラグジュアリー&バンケット事業
婚礼部門は、太閤園(大阪府)において、平成27年に改装した神前式場「豊生殿(ほうせいでん)」の受客が好調に推移し、増収となった一方で、ホテル椿山荘東京においては、利用件数および人員が減少したことにより、既存施設では、売上高は前期比278百万円の減収となりました。部門全体では、平成27年12月に営業を終了した東京南青山コンヴィヴィオンの影響もあり、利用人員は前期比18千名減の209千名、売上高は前期比544百万円減収の11,840百万円となりました。
宴会部門は、ホテル椿山荘東京において、法人のお客さまの宴会需要を着実に取り込み、国内外企業の会議やセミナーといった宿泊を伴うMICE利用を獲得し、売上高は前期比394百万円増収の5,569百万円となり、婚礼部門の減収を補う結果となりました。
宿泊部門は、ホテル椿山荘東京において、平成26年から進めている客室改装の第3期工事が完了し、和室スイートの改装やスイートゲスト用のラウンジを新設しました。訪日外国人やMICE利用に伴う宿泊利用の増加や客室単価の上昇もあり、部門全体の売上高は前期比66百万円増収の2,506百万円となりました。
これらの結果、ゴルフ部門などを含めた当セグメントの売上高は前期比26百万円減収の26,215百万円となりましたが、宿泊部門での客室単価の上昇に加え、婚礼部門における費用構造の見直しなどの効果もあり、セグメント利益(営業利益)は同467百万円増益の913百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、4,704百万円(前連結会計年度末比640百万円の増加)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、6,246百万円のキャッシュ・インとなりました。営業利益が1,673百万円改善したほか、法人税等の支払額が1,528百万円減少するなど、前期比では6,662百万円の収入増となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、6,004百万円のキャッシュ・アウトとなりました。「箱根小涌園 天悠」や「ホテルグレイスリー京都三条 南館」の建設など有形および無形固定資産の取得による支出が9,500百万円あった一方で、投資有価証券の売却1,954百万円や差入保証金の回収1,807百万円などにより、前期比では2,180百万円の支出減となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、414百万円のキャッシュ・インとなりました。主に借入金の収入943百万円、配当金の支払いによる支出487百万円により、前期比では6,333百万円の収入減となりました。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社グループは、WHG事業、リゾート事業およびラグジュアリー&バンケット事業の各事業を主な内容とし、更に各事業に関連するサービス等の事業活動を展開しています。
セグメントごとの販売実績は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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WHG事業 |
32,954 |
17.8 |
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リゾート事業 |
6,757 |
4.1 |
|
ラグジュアリー&バンケット事業 |
26,215 |
△0.1 |
|
その他(調整額含む) |
2,861 |
△12.4 |
|
合計 |
68,789 |
7.5 |
(注) 1 調整額は、セグメント間取引消去によるものであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、国内外からのお客さまに、より質の高いサービス・料理・施設を提供していくことが重要課題であるとの認識のもと、今後も各種施策を推進してまいります。
平成29年度の事業環境は、引き続き訪日外国人による宿泊需要の増加が期待される一方、昨年の英国のEU離脱や米大統領選挙に象徴されるように先行きは不透明、かつ不確実な状況となっております。当社グループは、こういう変化の時代こそ「健全な憩いの場と温かいサービスを提供することによって、潤いのある豊かな社会の実現に貢献する」という社是の精神を大切にし、経営基盤を強化していくことが重要であると認識しております。一昨年からスタートした5ヵ年にわたる中期経営計画「FUJITA PREMIUM VALUE CREATION 2015」に掲げている施策を引き続き力強く推進してまいります。
なお、中期経営計画に掲げる全体戦略は以下のとおりであります。
Ⅰ.多様な顧客ニーズを捉えた既存事業の付加価値向上と拡大
Ⅱ.増加する訪日外国人の誘客強化と海外展開
Ⅲ.多様な人材の育成と働きがいのある職場作り
中期経営計画の進捗状況
平成29年度は中期経営計画の3年目を迎えます。前2年は投資を積極的に前倒しで行う先行投資期という位置づけでしたが、本年以降、収益の安定化と拡大を図る回収期に入ってまいります。
以下にその取り組み状況をセグメント別にご紹介いたします。
1)WHG事業
昨年開業したホテルグレイスリー那覇、ホテルグレイスリー京都三条 北館に加えて、1年間の大規模改修工事を終えた新宿ワシントンホテルが、本年より通期営業となることで、収益へ本格的に寄与いたします。また、本年5月には「ホテルグレイスリー京都三条 南館」が北館の隣接地に増床開業するほか、11月にはフランチャイズとして「木更津ワシントンホテル」の開業を予定しております。
今後の展開として、平成30年開業予定のソウル(韓国)に続き、平成31年の開業予定で台北(台湾)へのホテル出店を決定いたしました。中期経営計画では、期間中10ホテル、3,000室の増加目標を掲げており、現在その約7割を達成しておりますが、まだ複数の検討中案件もあり、今後も当社グループの成長ドライバーとして国内外のネットワークを拡充してまいります。
一方、サービス面においては、コンシェルジュスタッフ育成のための教育研修を行うほか、客室や朝食の品質をさらに向上させるための各種取り組みも行なってまいります。また、昨年12月から当社グループの共通カードである「藤田観光グループ・メンバーズカードWAON」とスマートフォンで使える「WHGホテルズアプリ」を連動させ、ウェブ予約とチェックイン手続きを簡素化し、お客さまの利便性のさらなる向上を図っております。今後も国内外のお客さまから支持され続けるホテルチェーンを目指してまいります。
2)リゾート事業
箱根小涌園ユネッサンイン跡地に建設中の新宿泊施設「箱根小涌園 天悠」が、平成29年4月20日、いよいよ開業いたします。「自然と和のおもてなし」をコンセプトにした同施設は、全室露天風呂付和洋室150室のほか、箱根外輪山や渓谷の眺望が魅力の2つの露天風呂付大浴場を備え、箱根エリアの新たな旗艦宿泊施設として、一人ひとりのお客さまに応じたおもてなしの実現を目指してまいります。今後は、同施設を中心として、箱根の自然を活かした多様な楽しみ方を発信していくとともに、隣接する蓬莱園などを含む箱根エリア一体のさらなる活用や再開発も検討してまいります。
また、伊東(静岡県)、由布院(大分県)で展開している高級旅館「緑涌(りょくゆう)」は、小規模ながらリゾート事業の品質を牽引する位置づけとして、料理・空間・おもてなし・滞在中の過ごし方など、お客さまにとって価値ある趣向を凝らした商品・サービスの提案・提供を行なうことで「緑涌」ブランドの価値を高めていくと同時に、事業拠点拡大も図ってまいります。
3)ラグジュアリー&バンケット事業
ホテル椿山荘東京は、婚礼ブランドからホテルブランドへの転換に向けて世界基準での品質向上を図っており、「ミシュランガイド2017」においては最高位であるファイブレッドパビリオンを10年連続で獲得しました。また、昨年は「フォーブス・トラベルガイド」においても「ホテル部門」および「スパ部門」で4つ星を獲得しております。
本年は、日本の和と伝統を重んじる姿勢を反映させた客室改装の第4期工事を実施するとともに、需要が増す海外からのMICE案件の獲得に向け、同ホテル最大の宴会場「オリオン」の改装を行ないます。
また、海外においては昨年1月に台北(台湾)で開業した日本料理レストラン「錦水TAIPEI by HOTEL CHINZANSO TOKYO」に続き、12月には台北で2店舗目となる「割烹日本料理 光琳 大安店」を出店しており、今後も海外での認知度を向上させてまいります。
これらの各事業を支えるのは人材であり、「増加する訪日外国人の誘客強化と海外展開」を図っていく上でも、「多様な人材の育成と働きがいのある職場作り」が必要不可欠であると認識しております。当社グループでは、国内外のお客さまの多様なニーズに対応するため、サービス・調理技術向上のための教育はもとより海外の駐在員事務所を活用した外国語教育やマネジメント教育にも力を注いでまいります。
また、お客さま満足度をさらに高めていくためには、働く従業員が「仕事」と「生活・家庭」を両立して心身ともに充実して働ける職場環境作りが何よりも大切であるとの認識から、ワークライフバランスの推進と、国籍・性別・年齢などにとらわれず個人の多様性を企業の力に変えていくダイバーシティ&インクルージョンの推進を引き続き強化し、「働き方改革」にも取り組んでまいります。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を下記のとおり記載いたします。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合はその対応に最大限の努力をする所存であります。
下記事項には、将来に関するものが含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(平成28年12月31日)現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。
1 株価の変動
当社グループは、取引先や関連会社を中心に市場性のある株式を183億円保有しており、株価変動のリスクを負っております。当連結会計年度末で市場価格により評価すると含み益となっておりますが、今後の株価の動向次第で業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2 減損損失の計上
当社グループは、ホテル建物等の有形固定資産を当連結会計年度末で627億円保有しておりますが、今後一定規模を上回る不動産価額の下落や事業収支の悪化が発生した場合、有形固定資産の一部について減損損失が発生する可能性があります。
3 賃借した不動産の継続利用もしくは中途解約
ワシントンホテル等ホテル事業においては、ホテル不動産を長期に賃借しているものがあり、不動産の所有者が破綻等の状態に陥り、継続利用が困難となった場合には業績に悪影響が生じる可能性があります。また、長期賃貸借契約の途中で、何らかの事情に基づき当社グループの意図により契約を中途解約することがあった場合、残存期間分の未経過賃料667億円のうちの一部について、賃料の支払もしくは補填の義務が生じる可能性があります。
4 自然災害および流行性疾患の発生
大地震、噴火、台風、異常気象等の自然災害や、新型インフルエンザ等の流行性疾患が発生した場合は、営業の一時停止や旅行の取りやめ等が予想され、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
5 不動産周辺事業からの撤退損失
当社グループでは従前、不動産分譲事業を活発に行っていた時期があり、現在でも道路、水道等インフラや不動産管理等の周辺事業を引き続き行っていますが、これらの多くのものは低採算もしくは不採算であり、これらの事業からの撤退を決めた場合、相応の額の損失が一時的に発生する可能性があります。
6 繰延税金資産
当社グループは将来減算一時差異等に対し、19億円の繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産は、将来の課税所得等に関する予測に基づき回収可能性を検討し計上していますが、実際の課税所得が予測を大幅に下回った場合等には回収可能性の見直しを行い、回収可能額まで繰延税金資産を取崩すことにより、当社グループの業績および財務状況に悪影響を与える可能性があります。
7 食中毒等の事故
安全衛生には十分注意を払っておりますが、万が一食中毒等が発生した場合は、お客さまの信認を損ね、また営業の一時停止等が生じる可能性があります。
8 円金利の変動
当連結会計年度末における借入金457億円のうち、74億円は変動金利による借入となっており、今後国内景気の回復により円金利が上昇すると、金利負担の増大を招く可能性があります。
9 為替の変動
当社グループは、海外事業の営業活動により生ずる収益・費用および債権・債務が外貨建てであり、海外連結対象会社の財務諸表を日本円に換算する際、為替変動により影響を受ける可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っております。
①売上高
当連結会計年度の売上高は68,789百万円(前連結会計年度63,981百万円)となり、4,807百万円(7.5%)の増収となりました。新宿ワシントンホテル本館の改修工事の終了、ホテルグレイスリー新宿の通期稼働に加え、その他の宿泊施設も客室単価が好調に推移したことが増収に寄与しました。
②売上原価および売上総利益
当連結会計年度の売上原価は62,593百万円(前連結会計年度59,534百万円)となり、3,058百万円(5.1%)の増加となりました。主に新宿ワシントンホテル本館の改修工事の終了、ホテルグレイスリー新宿の通期稼働などによる地代家賃の増加や、中期経営計画に基づく積極的な投資活動による減価償却費の増加がありましたが、前述の売上高増収により当連結会計年度の売上総利益は6,195百万円(前連結会計年度4,446百万円)となり、1,749百万円(39.3%)の増益となりました。
③販売費及び一般管理費ならびに営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は4,483百万円(前連結会計年度4,407百万円)となり、75百万円(1.7%)増加しました。法人事業税にかかる外形標準課税が、税率引き上げに伴い増加したことなどによるもので、これらの結果、当連結会計年度の営業利益は1,712百万円(前連結会計年度39百万円)となり、1,673百万円(4280.0%)の増益となりました。
④営業外損益および経常損益
当連結会計年度の営業外損益は14百万円の損失(前連結会計年度211百万円の損失)となりました。前期はシンジケートローン手数料の発生があったことにより、前期比では損失額が減少しています。この結果、当連結会計年度の経常利益は1,698百万円(前連結会計年度は172百万円の損失)と、1,871百万円の増益となりました
⑤特別損益
当連結会計年度の特別利益は2,165百万円(前連結会計年度919百万円)となり、1,246百万円増加しました。特別利益の内訳は主に、投資有価証券の売却や損害賠償金の受領によるものです。
また、特別損失は1,712百万円(前連結会計年度237百万円)となり、1,475百万円増加しました。主に、ホテル鳥羽小涌園(三重県)の営業終了に伴う損失の発生などによるものです。
⑥法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益および親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の法人税等は1,271百万円(前連結会計年度450百万円)となりました。これに非支配株主に帰属する当期純利益21百万円を減じた結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は858百万円(前連結会計年度32百万円)となり、825百万円(2519.0%)の増益となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は12,235百万円(前連結会計年度末11,722百万円)となり、513百万円(4.4%)増加しました。主に増収により売掛債権が増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は93,599百万円(前連結会計年度末93,010百万円)となり、588百万円(0.6%)増加しました。「箱根小涌園 天悠」をはじめとした新規開業に伴う設備投資などにより有形固定資産が3,969百万円増加した一方で、投資有価証券の売却、差入保証金の返還などにより投資その他の資産は3,215百万円減少しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は19,429百万円(前連結会計年度末21,356百万円)となり、1,926百万円(9.0%)減少しました。短期借入金が2,400百万円減少したことが主な要因となっております。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は59,878百万円(前連結会計年度末56,363百万円)となり、3,515百万円(6.2%)増加しました。長期借入金が3,766百万円増加したことが主な要因となっております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は26,526百万円(前連結会計年度末27,012百万円)となり、486百万円(1.8%)減少しました。その他有価証券評価差額金が857百万円減少し、利益剰余金は379百万円増加しました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の4,063百万円から640百万円増加し、4,704百万円となりました。各活動区分別の状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より6,662百万円の収入増となる、6,246百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は415百万円のキャッシュ・アウト)となりました。営業利益が1,673百万円改善したほか、法人税等の支払額が1,528百万円減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より2,180百万円の支出減となる、6,004百万円のキャッシュ・アウト(前連結会計年度は8,184百万円のキャッシュ・アウト)となりました。「箱根小涌園 天悠」や「ホテルグレイスリー京都三条 南館」の建設など有形および無形固定資産の取得による支出が9,500百万円あった一方で、投資有価証券の売却1,954百万円や差入保証金の回収1,807百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、414百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は6,748百万円のキャッシュ・イン)となりました。主に借入金の収入943百万円、配当金の支払による支出487百万円によるものです。
②資金調達と流動性
当社グループは、事業活動のための資金確保、流動性の維持ならびに健全な財政状態を常に目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの確保に努めております。その施策の一つとして、キャッシュマネジメントシステムの導入によるグループ各社の余剰資金の一元管理を行い、資金効率の向上を図っております。また、複数の金融機関と総額で219億円の当座貸越契約およびコミットメントライン契約を締結することにより、資金調達リスクに対する補完措置がなされております。
また安定的な資金調達の一環として長期借入金の比率を高めており、当連結会計年度末の有利子負債残高は45,757百万円、その内訳として、短期借入金の残高は2,325百万円、長期借入金(一年以内に返済期限の到来する長期借入金を含む)の残高は43,432百万円となっております。
平成29年度は中期経営計画の3年目を迎えます。前2年は投資を積極的に前倒しで行う先行投資期という位置づけでしたが、本年以降、収益の安定化と拡大を図る回収期に入ってまいります。
WHG事業は、平成28年に開業したホテルグレイスリー那覇、ホテルグレイスリー京都三条 北館に加え、1年間の大規模改修工事を終えた新宿ワシントンホテルが、本年より通期稼働となることで、収益へ本格的に寄与いたします。さらに5月には「ホテルグレイスリー京都三条 南館」(128室)が北館の隣接地に増床開業するほか、11月にはフランチャイズとして「木更津ワシントンホテル」(146室)の開業を予定しております。また、既存施設の客室改装等を継続的に実施するとともに、お客様の利便性のさらなる向上に取り組み、国内外からのお客様の集客、売上の最大化を図ってまいります。
リゾート事業は、箱根エリアの新たな旗艦宿泊施設「箱根小涌園 天悠」(150室)が本年4月20日に開業し、箱根ホテル小涌園隣接地の蓬莱園など箱根エリア一体のさらなる活用や再開発も検討してまいります。
ラグジュアリー&バンケット事業は、ホテル椿山荘東京において、客室改装の第4期工事を実施するとともに、同ホテル最大の宴会場「オリオン」の改装を実施し、需要が増す海外からのMICE案件を獲得してまいります。
以上のことから、当社グループの次期の見通しは、売上高は前期比32億円増収の720億円を見込んでおり、営業利益および経常利益はともに前期比6億円増益の23億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比2億円増益の11億円を見込んでおります。
連結およびセグメント別の業績予想は以下のとおりであります。
(金額単位:百万円)
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第2四半期(累計) |
通期 |
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売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属する四半期純利益 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
|
連結合計 |
33,500 |
△400 |
△400 |
△1,100 |
72,000 |
2,300 |
2,300 |
1,100 |
||
|
|
WHG事業 |
16,800 |
600 |
― |
― |
35,500 |
2,500 |
― |
― |
|
|
|
リゾート事業 |
3,100 |
△700 |
― |
― |
8,100 |
△100 |
― |
― |
|
|
|
ラグジュアリー& |
12,300 |
100 |
― |
― |
25,700 |
700 |
― |
― |
|
|
|
計 |
|
32,200 |
0 |
― |
― |
69,300 |
3,100 |
― |
― |
|
|
その他 |
|
2,700 |
△350 |
― |
― |
5,500 |
△700 |
― |
― |
|
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調整額(※) |
△1,400 |
△50 |
― |
― |
△2,800 |
△100 |
― |
― |
|
※ 調整額…セグメント間取引消去および各報告セグメントに配分しない全社費用であります。