文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
藤田観光グループでは、「健全な憩いの場と温かいサービスを提供することによって、潤いのある豊かな社会の実現に貢献したいと願っております」を社是とし、これに基づいて具体的な指針となる経営指針および行動指針を定めております。
当社グループを取り巻く事業環境においては、訪日外客数が堅調な増加を続ける一方で、大規模な自然災害や国際政治問題による経済面への影響などの懸念に加え、日本国内における労働力不足の深刻化が進んでおります。当社グループではこのような外部環境要因による業績への影響を最小限に抑えることができるよう、強い経営体質の実現が求められていると認識しております。
2015年から推進している5ヵ年の中期経営計画「FUJITA PREMIUM VALUE CREATION 2015」においては、3年目となる2017年に計画の振り返りを行い、全体戦略については以下の3点から大きな変更はないものの、施策の進捗状況や環境変化に合わせてセグメントごとに施策を見直し、計画数値を修正いたしました。
<全体戦略>
Ⅰ.多様な顧客ニーズを捉えた既存事業の付加価値向上と拡大
Ⅱ.増加するインバウンドの誘客強化と海外展開
Ⅲ.働きがいがあり多様な人材が活躍できる職場作り
これまでの施策や取り組みは将来的に当社の成長に繋がるものと確信しておりますが、2018年度の業績はセグメントによって明暗が分かれ、結果として当社グループ全体で掲げた数値計画に対して大幅な未達となりました。諸施策の実行段階での徹底とスピードが不十分であったことが数値計画から大幅に乖離した主な原因と考えており、その課題認識も踏まえた各セグメントの重点的な取り組みは次のとおりです。
WHG事業
当社グループにおいて収益力の中核と位置づけているWHG事業は、2019年7月に「ホテルグレイスリー大阪なんば」の開業を控えるなど、国内外での展開を順調に拡大させており、既存・新規の各施設とも増加する宿泊需要を着実に捉え、堅調に推移しております。
さらにWHG事業の新たな試みとして、2019年より“TAVINOS”(タビノス)と“ISORAS”(イソラス)の2つの新ブランドを加えたマルチブランド展開を推進してまいります。
“TAVINOS”は、「Active & Relax」をコンセプトに、ローコストオペレーションの実現により、お手頃な価格でアクティブに旅を楽しみたい若い世代のインバウンドの取り込みを目指しております。2019年8月に浜松町、2020年5月に浅草(ともに東京都)の開業を予定しており、今後も東京都内や外国人宿泊者が多い都市への展開を検討しております。
一方、海外サービス・アパートメント事業“ISORAS”は、「見上げる空は変わっても、いつもと同じ暮らし」をコンセプトに、駐在員や出張者の方々に、言葉も文化も違う慣れない環境の中でも、日本の暮らしと変わらない心から安らげる場所を提供することを目指しており、2019年秋にチカラン(インドネシア・ジャカルタ近郊)での開業を予定しております。
WHG事業では、これら2つを加えたマルチブランド展開を着実に成功させ、お客さま満足度の向上とともに生産性の向上を図り、収益力を一層強化してまいります。
リゾート事業
リゾート事業の新たな旗艦施設である「箱根小涌園 天悠」では、運営の安定に伴い客室稼働率も安定して確保できるようになり、利益面においても、当社グループが重要指標と位置づけている減価償却費等負担前の営業利益段階では、2018年1月に営業を終了した「箱根ホテル小涌園」を上回る水準で推移しております。
一方で、温泉供給等のインフラ維持などリゾート地特有の固定費もあり、これらを吸収するためにも、収益面の強化を図る必要があります。そのため「箱根小涌園 天悠」では、お客さまに施設へ直接ご予約いただけるよう、リピーターの確保に注力するほか、高単価でも人気の高い特別客室の積極販売やスパ・エステ等の附帯部門を強化してまいります。また安定化した運営の次のステップとして、スタッフのマルチタスク化等による生産性の向上を図ってまいります。
「箱根小涌園ユネッサン」では、集客の基軸となるイベント・企画のマンネリ化から脱却できず、「箱根ホテル小涌園」の営業終了に備えた施策についても、十分かつ迅速に対応することができませんでした。今後は新規企画の打ち出しに注力して情報発信を活発化させ、近隣宿泊施設等との提携を拡大するとともに、日帰り休憩団体を取り込む営業活動の強化を行い、利用人員を回復させてまいります。
なお、現在検討している「箱根ホテル小涌園」跡地および隣接する「蓬莱園」用地などを含めた箱根地区の再開発計画につきましては、次期中期経営計画の重要課題に掲げ、推進してまいります。
ラグジュアリー&バンケット事業
ラグジュアリー&バンケット事業の旗艦施設である「ホテル椿山荘東京」では、2017年に加盟したプリファードホテルズ&リゾーツのネットワーク等の活用により宿泊部門での高単価客層の獲得に向けた取り組みが奏功しつつありますが、婚礼部門における収益の減少を補うまでには至っておりません。そのため、婚礼以外の宿泊・宴会・料飲各部門における営業体制の強化が必要と認識しており、組織の見直しやスタッフ数を増強し、セールススキルを向上させるべく取り組んでおります。現状は費用が先行している段階であり、大きな成果に結びつくには時間を要しております。今後、「ホテル椿山荘東京」の収益力の回復のためには婚礼依存型の事業構造からの転換が必須であり、歴史的文化価値や自然を有する施設の独自性を発信して、引き続き国内外における営業強化に取り組んでまいります。
2019年4月に開業60周年を迎える「太閤園」では、強みである和婚に加え、同じ大阪市内の「オペラ・ドメーヌ高麗橋」との連携を図り、洋婚についての提案力も強化してまいります。また、2018年3月には国際博覧会(万博)の開催審査を行う国際事務局(BIE調査団)の夕食会場に同施設の「料亭淀川邸」が選ばれたこともあり、今後も2025年の大阪国際博覧会(万博)に向け、世界的に注目の高い和食文化の発信に努めるとともに、本件を契機としたMICEの獲得にも注力してまいります。
これらの主要事業に加え、新規事業としては2018年に開業したグランピング型宿泊施設やハラール食対応レストランに続き、2019年7月に「旅館と宿坊の中間に位置する施設」をコンセプトとして永平寺門前にて「永平寺 親禅の宿 柏樹關(はくじゅかん)」(福井県)を開業いたします。
また、各事業の収益性をあげていくためにも営業力の強化が重要かつ喫緊の課題であると認識しており、事業間の垣根を越え、横断的に営業を支援していく組織を新たに設置いたします。
■2019年度以降の新規開業施設(2018年12月31日現在)
当社グループでは、国籍・性別・年齢などの違いにとらわれない職場づくりや長く働ける仕組みの構築を行うことで、多様な人材が能力を発揮できるよう「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」および「働き方改革」を進めてまいりました。また、こうした取組みは近年、重要性が高まってきている「持続的成長を目標とする新しい社会課題(ESG)」の要請に適合するものであると考えております。さらには、ESGの目指すところが、当社の社是である「健全な憩いの場と温かいサービスを提供することによって、潤いのある豊かな社会の実現に貢献する」という精神の具現化であると考え、強い経営基盤を築き、変化する外部環境に対応しながら、事業を通じて社会的責任を果たしてまいります。
また、当社グループではすでに社外取締役が複数名おりますが、経営経験の豊富な社外有識者をさらに当社に迎え入れるなど、経営体制およびガバナンスの強化も併せて進めてまいります。
なお、前述の箱根地区の再開発計画に加え、「ホテル椿山荘東京」の事業構造改革を含めた中長期的な課題への対応と、持続的な成長軌道の確立に向けた2020年からの新たな中期経営計画を策定し、2019年度決算発表に合わせ公表いたします。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を下記のとおり記載いたします。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合はその対応に最大限の努力をする所存であります。
下記事項には、将来に関するものが含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2018年12月31日)現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。
(1)株価の変動
当社グループは、取引先や関連会社を中心に市場性のある株式を152億円保有しており、株価変動のリスクを負っております。当連結会計年度末で市場価格により評価すると含み益となっておりますが、今後の株価の動向次第で業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)減損損失の計上
当社グループは、ホテル建物等の有形固定資産を当連結会計年度末で628億円保有しておりますが、今後一定規模を上回る不動産価額の下落や事業収支の悪化が発生した場合、有形固定資産の一部について減損損失が発生する可能性があります。
(3)賃借した不動産の継続利用もしくは中途解約
ワシントンホテル等ホテル事業においては、ホテル不動産を長期に賃借しているものがあり、不動産の所有者が破綻等の状態に陥り、継続利用が困難となった場合には業績に悪影響が生じる可能性があります。また、長期賃貸借契約の途中で、何らかの事情に基づき当社グループの意図により契約を中途解約することがあった場合、残存期間分の未経過賃料645億円のうちの一部について、賃料の支払もしくは補填の義務が生じる可能性があります。
(4)自然災害および流行性疾患の発生
大地震、噴火、台風、異常気象等の自然災害や、新型インフルエンザ等の流行性疾患が発生した場合は、営業の一時停止や旅行の取りやめ等が予想され、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(5)不動産周辺事業からの撤退損失
当社グループでは従前、不動産分譲事業を活発に行なっていた時期があり、現在でも道路、水道等インフラや不動産管理等の周辺事業を引き続き行なっていますが、これらの多くのものは低採算または不採算であり、これらの事業からの撤退を決めた場合、相応の額の損失が一時的に発生する可能性があります。
(6)繰延税金資産
当社グループは将来減算一時差異等に対し、23億円の繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産は、将来の課税所得等に関する予測に基づき回収可能性を検討し計上していますが、実際の課税所得が予測を大幅に下回った場合などには回収可能性の見直しを行い、回収可能額まで繰延税金資産を取崩すことにより、当社グループの業績および財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(7)食中毒等の事故
安全衛生には十分注意を払っておりますが、万が一食中毒等が発生した場合は、お客さまの信認を損ね、また営業の一時停止などが生じる可能性があります。
(8)円金利の変動
当連結会計年度末における借入金453億円のうち、89億円は変動金利による借入となっており、今後国内景気の回復により円金利が上昇すると、金利負担の増大を招く可能性があります。
(9)為替の変動
当社グループは、海外事業の営業活動により生ずる収益・費用および債権・債務が外貨建てであり、海外連結対象会社の財務諸表を日本円に換算する際、為替変動により影響を受ける可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善等により、緩やかな回復基調が続きましたが、米中貿易摩擦や金融資本市場の変動による影響にも留意する必要があり、先行きが不透明な状況が続きました。
日本政府観光局(JNTO)によると、2018年度の訪日外客数は、自然災害による影響により下期は伸びが鈍ったものの、前期比8.7%増の3,119万人と過去最高となり、2020年の政府目標4,000万人の達成も視野に当面は順調に推移することが見込まれております。
当社グループでは、事業環境の変化や各セグメントにおける施策の進捗状況を見直しながら、2015年を初年度とする5ヵ年の中期経営計画を推進してまいりました。
当社事業の概況におきましては、旺盛な宿泊需要を取り込むべく、WHGホテルズのさらなる事業展開を行う一方で、団体に比べ滞在日数が長く、客室単価の高いFIT(*1)の誘客に注力した結果、自然災害による一時的な影響は受けたものの、インバウンドの宿泊人員は前期比7.7%増の約187万人となりました。さらに、国内外からのリピーターを獲得するため、当社グループ顧客会員組織「藤田観光グループ・メンバーズカードWAON」の強化もあわせて進めてまいりました。
また、グランピング(*2)型の宿泊施設「藤乃煌(ふじのきらめき)富士御殿場」(静岡県)、「Nordisk Village Goto Islands」(長崎県)を開業したほか、ムスリム(*3)のお客さまをメインターゲットとしたハラール(*4)食対応のレストラン「和食 折紙 浅草」(東京都)を出店するなど多様化するインバウンドへの対応も進めてまいりました。
(*1)「FIT」・・・「Foreign Individual Travelers」の略でツアーや団体旅行を使用せずに個人で旅行する人の意味
(*2)「グランピング」・・・「グラマラス(Glamorous)」と「キャンピング(Camping)」を掛け合わせた造語。ホテル並みの設備やサービスを利用しながら、自然の中で快適・贅沢に過ごすキャンプの意味
(*3)「ムスリム」・・・イスラム教徒の意味
(*4)「ハラール」・・・イスラム法上で許されている項目(食材や料理を含む)の意味
■2017年度から2018年度までの新規開業施設・運営開始施設・営業終了施設および主な施設改装
当連結会計年度においては、2017年4月に開業した「箱根小涌園 天悠」や同年5月に開業した「ホテルグレイスリー京都三条 南館」が通期稼働したことにより業績に寄与いたしました。
しかしながら、2017年3月に運営受託契約が終了した「アジュール竹芝」や2018年1月に営業を終了した「箱根ホテル小涌園」の影響に加え、自然災害の発生により、一時的ではあるものの宿泊人員が大幅に減少し、婚礼部門やレジャー部門の減収を補うことができず、期中に当初の連結業績予想についての下方修正を行いました。その結果、当連結会計年度の業績については、下方修正後の数値計画は上回ったものの、当社グループ全体の売上高は前期比1,339百万円減収の69,285百万円となりました。
また、既存施設の改装に伴う費用に加え、新規ホテルの開業や新規事業に伴う費用などが発生したこともあり、営業利益は前期比895百万円減益の1,099百万円、経常利益は前期比942百万円減益の1,105百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比1,115百万円減益の556百万円となりました。なお、当社グループが重要指標と位置づけている減価償却費等負担前の営業利益は、前期比913百万円減益の6,763百万円となりました。
当連結会計年度の業績の概要およびセグメント別の営業概況は以下のとおりです。
当連結会計年度の業績の概要 (単位:百万円)
セグメント別売上高・営業利益
注. 調整額は、セグメント間取引消去および各セグメントに配分していない全社費用です。
WHG事業では、東アジアや東南アジアに加え欧米豪からの集客にも注力し、FITの利用増加に繋げるとともに、国内外のリピーター獲得を推進し、売上の最大化を図ってまいりました。2018年8月には、WHG事業として初めての海外直営ホテルとなる「ホテルグレイスリーソウル」(韓国)を開業し、チェーンホテルのメリットを活かして国内外からのお客さまを取り込むとともに、韓国内での「ホテルグレイスリーブランド」の認知度向上も図ってまいりました。また10月には、観光地として国内外で高い人気を誇る浅草に「ホテルグレイスリー浅草」(東京都)を開業いたしました。
宿泊部門は、相次ぐ自然災害により一時的に宿泊人員が減少するなどの影響を受けたものの、2017年5月に開業した「ホテルグレイスリー京都三条 南館」の通期稼働に加え、WHG事業における旗艦施設である新宿ワシントンホテルとホテルグレイスリー新宿が堅調に推移し業績を牽引いたしました。また、WHG事業全体の客室単価についても、前期比2.0%増(うち、首都圏のホテルでは同1.4%増、地方のホテルでは同3.1%増)と堅調に推移いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は前期比1,334百万円増収の36,936百万円となりましたが、ホテルグレイスリーソウルの開業に伴う費用や既存ホテルの改装に伴う費用などが発生したことにより、営業利益(セグメント利益)は前期比35百万円減益の2,842百万円となりました。
リゾート事業では、「箱根小涌園 天悠」において開業よりオペレーションの確立を優先するため客室稼働を抑制してまいりましたが、オペレーションの確立に伴い、2018年はお客さま満足度とともに客室稼働率を向上させることができました。
宿泊部門全体の売上高は2018年1月に営業を終了した「箱根ホテル小涌園」の影響で、前期比1,646百万円減収の3,947百万円となりましたが、減価償却費等負担前の営業利益においては、「箱根ホテル小涌園」の営業終了に伴う減益を「箱根小涌園 天悠」が補い、前年並みの水準で推移いたしました。
レジャー部門は、日帰り温浴施設「箱根小涌園ユネッサン」における営業施策の遅れやイベントの告知不足に加え、隣接する「箱根ホテル小涌園」の営業終了もあり入場人員が大幅に減少し、売上高は前期比197百万円減収の1,442百万円となりました。
これらの結果、当セグメントの売上高は前期比1,836百万円減収の5,728百万円となり、営業損失(セグメント損失)は、前期比207百万円悪化の896百万円となりました。
(ラグジュアリー&バンケット事業)
ラグジュアリー&バンケット事業では、婚礼部門において、2017年11月に「ホテル椿山荘東京」に新設した「庭園内神殿 杜乃宮」を中心に和婚需要の取り込みを図ったほか、料理メニューの見直しなど商品の品質強化を進めてまいりました。その結果、一人当たりの利用単価は向上したものの、婚礼件数および人員の減少トレンドを抑制するまでには至りませんでした。また、2017年5月より運営を開始したゲストハウス「マリコレ ウェディングリゾート」、「鞘ヶ谷ガーデン アグラス」(ともに福岡県)では、広島県で成功している婚礼プロデュース力を活用し、戦略転換および業績改善に向けた取り組みを進めてまいりました。さらに2018年4月からは、100年を超える歴史的建造物である「オペラ・ドメーヌ高麗橋」(大阪府)の事業譲渡による婚礼事業も開始いたしましたが、共に業績への寄与には時間を要しております。以上の結果、婚礼部門の売上高は前期比438百万円減収の11,003百万円となりました。
宴会部門は、「ホテル椿山荘東京」において、2017年8月に改装した大型宴会場「グランドホール 椿」(旧:オリオン)の活用などにより主にMICEの獲得を図ってまいりましたが、現状では業績の寄与には至っておらず、売上高は前期比97百万円減収の5,081百万円となりました。
これらの結果、ゴルフ部門などを含めた当セグメントでは、2017年3月で運営受託契約が終了した「アジュール竹芝」の影響もあり、売上高は前期比761百万円減収の23,982百万円、営業利益(セグメント利益)は前期比391百万円減益の54百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度末と比較して5,316百万円減少の102,045百万円となりました。現金及び預金が917百万円減少するなど流動資産が586百万円減少、固定資産は、投資有価証券の時価の下落による投資その他の資産の減少があり4,729百万円減少いたしました。
また負債は、前連結会計年度末と比較して2,403百万円減少の77,321百万円となりました。これは主に未払法人税等が839百万円減少したことや借入金が1,324百万円減少したことが要因であります。なお、当連結会計年度末の借入金残高は45,374百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末と比較して2,912百万円減少の24,724百万円となりました。その他有価証券評価差額金が2,790百万円減少いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金および現金同等物は3,388百万円(前連結会計年度末比915百万円減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、5,428百万円のキャッシュ・インとなりました。消費税還付があったものの、営業利益は895百万円減少し、前期比では109百万円の収入減となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,324百万円のキャッシュ・アウトとなりました。「ホテルグレイスリーソウル」などの新規ホテルの開業、「藤乃煌 富士御殿場」などの新規事業に伴う投資のほか、既存施設の客室や宴会場の改装などの品質向上を目的とした投資を行った結果、有形および無形固定資産の取得による支出が4,391百万円ありましたが、前期比では2,343百万円の支出減となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,880百万円のキャッシュ・アウトとなりました。主に借入金の返済1,324百万円、配当金の支払いによる支出484百万円によるもので、前期比では2,616百万円の支出増となりました。
④生産、受注及び販売実績
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社グループは、WHG事業、リゾート事業およびラグジュアリー&バンケット事業の各事業を主な内容とし、更に各事業に関連するサービス等の事業活動を展開しています。
セグメントごとの販売実績は次のとおりであります。
(注) 1 調整額は、セグメント間取引消去および各セグメントに配分していない全社費用であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っております。
②経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は69,285百万円(前連結会計年度70,624百万円)となり、1,339百万円(1.9%)の減収となりました。「箱根小涌園 天悠」、「ホテルグレイスリー京都三条 南館」の通年稼働があった一方、「アジュール竹芝」、「箱根ホテル小涌園」の営業終了や自然災害の発生などを主因に減収となりました。
(売上原価および売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は63,540百万円(前連結会計年度63,973百万円)となり、433百万円(0.7%)の減少となりました。主に前述の減収に加え、新規ホテル開業や新規事業に伴う費用が発生した結果、当連結会計年度の売上総利益は5,744百万円(前連結会計年度6,651百万円)となり、906百万円(13.6%)の減益となりました。
(販売費及び一般管理費ならびに営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は4,645百万円(前連結会計年度4,655百万円)となり、10百万円(0.2%)の減少と前年並みとなりましたが、当連結会計年度の営業利益は1,099百万円(前連結会計年度1,995百万円)と前期比895百万円(44.9%)の減益となりました。
(営業外損益および経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は6百万円の利益(前連結会計年度52百万円の利益)となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は1,105百万円(前連結会計年度2,048百万円)と、942百万円(46.0%)の減益となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別利益は418百万円(前連結会計年度2,531百万円)となり、2,113百万円減少しました。前連結会計年度は固定資産売却益などが一時的に発生したことによるものです。
また、特別損失は231百万円(前連結会計年度1,408百万円)となり、1,176百万円減少しました。前連結会計年度は「箱根ホテル小涌園」(神奈川県)の営業終了決定に伴う損失が一時的に発生したことによるものです。
(法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益および親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等は725百万円(前連結会計年度1,483百万円)となりました。これに非支配株主に帰属する当期純利益10百万円を減じた結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は556百万円(前連結会計年度1,672百万円)となり、1,115百万円(66.7%)の減益となりました。
③財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は12,091百万円(前連結会計年度末12,678百万円)となり、586百万円(4.6%)減少しました。主に現金及び預金が減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は89,954百万円(前連結会計年度末94,684百万円)となり、4,729百万円(5.0%)減少しました。投資有価証券の時価下落による投資その他の資産が3,421百万円減少したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は22,326百万円(前連結会計年度末21,988百万円)となり、337百万円(1.5%)増加しました。借入金が1,223百万円、未払消費税が956百万円増加した一方で、未払法人税等が839百万円減少したことが主な要因となっております。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は54,995百万円(前連結会計年度末57,736百万円)となり、2,741百万円(4.7%)減少しました。長期借入金が2,548百万円減少したことが主な要因となっております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は24,724百万円(前連結会計年度末27,637百万円)となり、2,912百万円(10.5%)減少しました。その他有価証券評価差額金が2,790百万円減少したことによるものです。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
(ア)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の概況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(イ)資金調達と流動性
当社グループは、事業活動のための資金確保、流動性の維持ならびに健全な財政状態を常に目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの確保に努めております。その施策の一つとして、キャッシュマネジメントシステムの導入によるグループ各社の余剰資金の一元管理を行い、資金効率の向上を図っております。また、複数の金融機関と総額で222億円の当座貸越契約およびコミットメントライン契約を締結することにより、資金調達リスクに対する補完措置がなされております。
また安定的な資金調達の一環として長期借入金の比率を高めており、当連結会計年度末の借入金残高は45,374百万円、その内訳として、短期借入金の残高は4,440百万円、長期借入金(一年以内に返済期限の到来する長期借入金を含む)の残高は40,933百万円となっております。
⑤戦略的現状と見通し
WHG事業は、2018年に開業した「ホテルグレイスリーソウル」や「ホテルグレイスリー浅草」が2019年より通期稼働いたします。2019年7月に「ホテルグレイスリー大阪なんば(170室)」の開業を控えるほか、WHG事業の新たな試みとして、2019年は“TAVINOS”(タビノス)と“ISORAS”(イソラス)の2つの新ブランドを加えたマルチブランド展開を推進してまいります。“TAVINOS(タビノス)”は、若い世代のインバウンドの取り込みを目指し、8月には「HOTEL TAVINOS浜松町(188室)」の開業を予定しております。一方、“ISORAS(イソラス)”は、海外サービス・アパートメント事業として、現地駐在員や出張者の方々の取り込みを目指し、今秋にはチカラン(インドネシア・ジャカルタ近郊)での開業を予定しております。今後も国内外での展開を拡大させ、既存および新規の各施設とも増加する宿泊需要を着実に捉えてまいります。当セグメントでは、新規ホテルの開業および通期稼動となる一方で、新規開業や新ブランド展開に伴う費用の発生などにより、前期比増収減益を見込んでおります。
リゾート事業は、新たな旗艦施設である「箱根小涌園 天悠」では、運営の安定化に伴い客室稼働が見込めることから、高付加価値商品の提供に注力し顧客を獲得してまいります。さらには、スタッフのマルチタスク化等による生産性向上も図ってまいります。「箱根小涌園ユネッサン」では、集客の基軸となるイベントや新規企画の打ち出しに注力して情報発信を活発化させ、近隣宿泊施設等との提携を拡大するとともに、日帰り休憩団体を取り込む営業活動の強化を行い、利用人員を回復させてまいります。
ラグジュアリー&バンケット事業は、旗艦施設である「ホテル椿山荘東京」では、宿泊部門の高単価客層の獲得に向けた取り組みが奏功しつつありますが、婚礼部門における減収を補うには至っておりません。そのため、婚礼以外の各部門における営業体制の強化が必要と認識しており、組織の見直しやスタッフ数の増強など取り組みを進めております。現状は費用が先行している段階ではありますが、今後、「ホテル椿山荘東京」の収益力を回復すべく、婚礼依存型の事業構造からの転換に向け、引き続き国内外における営業強化に取り組んでまいります。当セグメントでは、婚礼部門の減少を補うための営業強化に注力するものの、次期は費用が先行する段階にあることから、前期比減収減益を見込んでおります。
以上のことから、当社グループの次期の見通しといたしましては、売上高は2018年に開業したホテルや新規事業の通期稼働などにより、前期比27億円増収の720億円を見込んでおります。一方で、利益面は新規開業ホテルおよび新たなブランド展開に伴う費用の発生などがあることから、営業利益および経常利益はともに9億円と、前期比2億円の減益となる見込みです。親会社株主に帰属する当期純利益におきましても、前期比2億円減益の3億円を見込んでおります。
連結およびセグメント別の業績予想は以下のとおりです。
(単位:百万円)
※ 調整額・・・セグメント間取引消去および各報告セグメントに配分しない全社費用であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。