第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度のわが国経済は、輸出や設備投資の動きに鈍さがみられましたが、堅調な雇用と所得環境に支えられ、力強さを欠きながらも、緩やかな景気の回復を続けております。
 また、ホテル業界におきましても、熊本地震による一部地域への影響や、残暑・台風などの天候不順による旅行動向への影響もありましたが、航空路線の拡大増便・大型船舶の寄港増加等により、訪日外国人客数は初めて2,000万人を突破し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、インバウンド需要は高水準を維持すると期待されています。
 こうした外部環境の中、当社におきましては、昨年4ヵ月間にわたり行った本館第二期工事を、無事に終えることができました。開業90周年という節目を迎える今年、平成26年の第一期工事と併せて二度にわたる本館大規模改修工事により、耐震性向上とともに、開業当時の姿を残す横浜市歴史的建造物の本館を次世代に受け継ぐという100年先を見据えたプロジェクトが、ひとまず完了いたしました。この工事にともない、本館1階イタリアンレストラン「イル・ジャルディーノ」とコーヒーハウス「ザ・カフェ」、本館2階「パームルーム」、そして本館M3階「ブライダルサロン」をリニューアルし、さらに、本館1階に新規テナントとして「SOGOショップ」をオープンいたしました。
 当事業年度の業績を部門別にみますと、宿泊部門については、改修工事にともなう客室の販売休止が影響し減収となりましたが、客室単価と外国人比率は向上いたしました。宴会部門におきましても、工事の影響等により主力となる婚礼売上が減収となりました。レストラン部門も同様に前事業年度を下回り、厳しい年度となりましたが、その他、ホテル主催のイベントに関しましては、前年を下回ることなく着実に推移いたしました。
 一方、米国に本部を置く世界的な組織Historic Hotels Worldwideより、長い歴史と高品質なサービスを誇るホテルとして、アジア・パシフィック地域のベストホテルのアワードを受賞するとともに、環境配慮に優れた宿泊施設が評価されるエコマークホテルの認定を取得するなど、企業価値向上の取り組みにも注力してまいりました。
 当事業年度の売上高は4,484,558千円(前事業年度比17.9%減)、営業損失は597,295千円(前事業年度は48,053千円の営業利益)、経常損失は601,532千円(前事業年度は45,429千円の経常利益)、当期純損失は940,397千円(前事業年度は74,248千円の当期純利益)となりました。

なお、セグメント別の業績は以下のとおりであります。
(ホテル事業)
 ホテル事業の当事業年度の業績は、売上高4,427,192千円(前事業年度比18.1%減)、営業損失629,623千円(前事業年度は17,503千円の営業利益)となりました。
 なお、主な部門別の売上高は、宿泊部門1,170,497千円(前事業年度比13.2%減)、レストラン部門1,132,368千円(前事業年度比23.1%減)、宴会部門1,724,953千円(前事業年度比20.2%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
 不動産賃貸事業の当事業年度の業績は、売上高57,366千円(前事業年度比0.5%減)、営業利益32,327千円(前事業年度比5.8%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,719,681千円減少し、619,599千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動による資金の減少は786,924千円(前事業年度は791,479千円の増加)となりました。主な減少要因は、税引前当期純損失1,097,749千円、未収還付消費税の増加額241,776千円、未払消費税の減少額182,881千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動による資金の減少は2,203,609千円(前事業年度は216,723千円の増加)となりました。主な増加要因は、有形固定資産の売却による収入75,574千円によるものであり、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出2,274,174千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動による資金の増加は1,270,852千円(前事業年度は329,899千円の減少)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入1,600,000千円によるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前事業年度

(自 平成26年12月1日

    至 平成27年11月30日)

当事業年度

(自 平成27年12月1日

    至 平成28年11月30日)

金額(千円)

金額(千円)

ホテル事業

5,406,744

4,427,192

不動産賃貸事業

57,672

57,366

合計

5,464,417

4,484,558

 

 (注) 上記の金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。

 

(2) 飲食材料需給状況

摘要

期首在庫高
(千円)

当期入手高
(千円)

当期使用高
(千円)

期末在庫高
(千円)

第138期
(平成26年12月1日
~平成27年11月30日)

食料品

13,180

440,341

434,267

19,254

酒飲料品

23,587

77,184

76,867

23,905

第139期
(平成27年12月1日
~平成28年11月30日)

食料品

19,254

373,193

373,197

19,250

酒飲料品

23,905

62,232

60,560

25,577

 

 (注) 上記の金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

国内におきましては、景気は緩やかながらも回復基調が続くものと期待されますが、不安定な国際情勢などにより、先行きは未だ不透明な状況にあります。
 当社を取り巻く環境は、「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」による山下埠頭再開発計画の進展や、2019年には横浜開港160周年といったエポックを迎え、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、ホテル業界は右肩上がりが続くと期待されております。一方で、同時期までには、横浜周辺にも外資系を中心とする相次ぐホテルの開業が予定されており、宿泊・宴会・レストラン全てにおいて競争はより激しくなるものと思われます。
 このような環境の下、当社は本年12月に開業90周年という節目の年を迎えます。事業継承に向けた体制づくりを目指して、ハード面では昨年秋に本館大規模改修工事が完了し、ソフト面においては、労働人材不足の環境下ではありますが、新卒採用を再開して継続し、若い優秀な人材の確保育成に努めるとともに、コーポレートガバナンスとコンプライアンス体制の強化・充実を行ってまいります。開業90周年を迎える今年は、新たな着想による催事の開催や企画の積極的展開により、競合他社との差別化を図り、株主の皆様への利益還元に努めてまいります。
 今後創業100年、200年を見据え、経営のスローガンとして、「受け継ぐ先人の思い。歴史の美学。」を引き続き掲げつつ、明治の文明開化以来、西洋のホテル文化を日本において導入してきた先人たちの足跡を伝える横浜のクラシックホテルとして、歴史と伝統を継承しながら、地域の発展に貢献することを当社の使命としていきます。そして、日本におけるクラシックホテル文化の歴史と伝統を継承していくこと、開港都市横浜の迎賓館として、地域の発展に貢献すること、そして、クラシックホテル各社と連携して、日本のクラシックホテル文化を内外に広めていくことにより、「オンリーワン」の存在であり続けていくべく全力を注いでまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)自然災害や感染症の発生

大規模地震や台風などの自然災害の発生は、当社の所有する建物、設備等に損害を及ぼし、一時的な営業停止による売上減や修復のための費用負担が発生する可能性があります。また、新型インフルエンザなどの感染症の発生や蔓延は、遠距離移動や団体行動の制限が予想され、当社の業績に影響する可能性があります。

(2)食の安全に関わる問題

当社は、平素より食に対する安全確保を使命とした「食品安全衛生対策会議」を毎月開催するなど、食品衛生管理には磐石な体制を構築しておりますが、ノロウイルスによる食中毒やBSEの発生等、食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、当社の業績に影響する可能性があります。

(3)個人情報の漏洩

顧客の個人情報の管理は、社内の情報管理担当が中心となり、外部への流出防止を行っておりますが、情報の漏洩が発生した場合、当社全体への信用の失墜や損害賠償等の費用負担により、当社の業績に影響する可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

当事業年度末における資産の部の残高は12,499,263千円(前事業年度末12,272,531千円)となり、226,732千円増加しました。うち流動資産は1,423,254千円(同2,742,844千円)と1,319,590千円減少し、固定資産は11,076,009千円(同9,529,686千円)と1,546,322千円増加しました。
 流動資産減少の主な要因は、現金及び預金の減少によるものであり、固定資産増加の主な要因は、本館大規模改修第二期工事による有形固定資産の取得によるものであります。
 当事業年度末における負債の部の残高は5,451,609千円(前事業年度末4,259,806千円)となり、1,191,802千円増加しました。うち流動負債は1,672,550千円(同1,485,346千円)と187,204千円増加し、固定負債は3,779,058千円(同2,774,460千円)と1,004,597千円増加しました。
 流動負債増加の主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加によるものであり、固定負債増加の主な要因は、長期借入金の増加によるものであります。
 当事業年度末における純資産の部の残高は7,047,654千円(同8,012,724千円)となり、965,069千円減少しました。
 純資産減少の主な要因は、当期純損失の計上によるものであります。

(2)経営成績の分析

当事業年度の売上高は4,484,558千円(前事業年度比17.9%減)、営業損失は597,295千円(前事業年度は48,053千円の営業利益)、経常損失は601,532千円(前事業年度は45,429千円の経常利益)、当期純損失は940,397千円(前事業年度は74,248千円の当期純利益)となりました。

売上高につきましては、宿泊部門については、改修工事にともなう客室の販売休止が影響し減収となりましたが、客室単価と外国人比率は向上いたしました。宴会部門におきましても、工事の影響等により主力となる婚礼売上が減収となりました。レストラン部門も同様に前事業年度を下回り、厳しい年度となりましたが、その他、ホテル主催のイベントに関しましては、前年を下回ることなく着実に推移いたしました。
 経費面におきましては、継続した経費削減及び効率的な経営に努め、利益の確保に邁進いたしましたが、工事期間中の売上減少による影響は大きく、赤字を計上することとなりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

前掲の「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。