文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は、前事業年度より2018年度~2020年度までの新中期経営計画を策定し、2018年度においては、売上高、営業利益は前年実績を上回り、営業利益は目標値を達成いたしましたが、売上高は目標値を下回る結果となりました。
また、来館人数は目標値58万人に対し57万人となり目標値を下回りましたが、インバウンド比率は目標値20%に対し22%となり目標値を上回る結果となりました。
当社は、現在の経営環境及び業績動向を踏まえ、掲げております基本方針・基本戦略は変更することなく、現行計画値を見直した、2019年度~2021年度を対象とする「新中期経営計画2019」を策定し、数値目標を修正することといたしました。
「新中期経営計画2019」実現のための基本方針と基本戦略は、以下のとおりであります。
(1) 基本方針
①スローガン
・「受け継ぐ先人の思い。歴史の美学。」
②ミッション
・明治の文明開化以来、西洋のホテル文化を日本において導入してきた先人たちの足跡を伝える横浜のクラシックホテルとして、歴史と伝統を継承しながら、地域の発展に貢献する。
③ビジョン(経営の基本方針)
・日本におけるクラシックホテル文化の歴史と伝統の継承(歴史的建造物、クラシック料理など)。
・開港都市横浜の迎賓館として、地域の発展に貢献。
・クラシックホテル各社と連携して、日本のクラシックホテル文化を内外に広める。
(2) 基本戦略
①日本におけるクラシックホテル文化の歴史と伝統の継承
・50年後、100年後を見据えた施設造りを引き継ぎ推進(本館大規模改修+耐震改修済証取得、新館改修工 事)
・ホテルニューグランドファンの新規開拓強化(神奈川県以外からの来訪促進やインバウンド施策を始動)
・ニューグランド伝統の味のスペシャルメニュー化や外販商品強化
②開港都市横浜の迎賓館として、地域の発展に貢献
・山下公園通り会、横浜セントラルタウンフェスティバルの運営など、地域活性化施策への積極的参加
③クラッシクホテル各社(9ホテル)と連携して、日本のクラシックホテル文化を内外に広める
・クラシックホテル各社で「日本クラシックホテルの会」を結成し、勉強会、社員の相互交流、共同宣伝などを企画
「新中期経営計画2019」の数値目標は、以下のとおりであります。
※ 2018年1月17日付で公表いたしました「中期経営計画実績報告と新中期経営計画の策定に関するお知らせ」において、第142期(2019年11月期)に予定していたタワー館全客室改装工事については、2020年の東京オリンピック・パラリンピックへ向けて、国内における建築需要の高まりから建築資材高騰や工期遅延などのリスクが懸念されることから、延期することといたしました。今後の日程につきましては、わかり次第、速やかに開示いたします。
なお、当社の本館建物は建造より91年が経過した今でも、創業当時の容姿を変えることなく現在に至っております。本館建物は横浜市より「歴史的建造物」に、経済産業省より「近代化産業遺産」に認定されております。また、世界中の独立系の歴史的なホテルが加盟する組織「ヒストリック・ホテルズ・ワールドワイド」が毎年選ぶベスト・ヒストリック・ホテル賞(アジア/パシフィック地域)を2016年度に受賞いたしました。
本館建物をこの先さらに50年、100年ホテルの営業施設として維持していくことが最重要な経営目標と考え、中長期的企業価値の向上を目指して、必要とされる施設改修を今後も継続していくこととしております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)自然災害や感染症の発生
大規模地震や台風などの自然災害の発生は、当社の所有する建物、設備等に損害を及ぼし、一時的な営業停止による売上減や修復のための費用負担が発生する可能性があります。また、新型インフルエンザなどの感染症の発生や蔓延は、遠距離移動や団体行動の制限が予想され、当社の業績に影響する可能性があります。
(2)食の安全に関わる問題
当社は、平素より食に対する安全確保を使命とした「食品安全衛生対策会議」を毎月開催するなど、食品衛生管理には磐石な体制を構築しておりますが、ノロウイルスによる食中毒やBSEの発生等、食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、当社の業績に影響する可能性があります。
(3)個人情報の漏洩
顧客の個人情報の管理は、社内の情報管理担当が中心となり、外部への流出防止を行っておりますが、情報の漏洩が発生した場合、当社全体への信用の失墜や損害賠償等の費用負担により、当社の業績に影響する可能性があります。
(4)固定資産の減損
当社は客室改装などによりホテルを営業施設として維持していくための設備投資が必要になります。設備投資資金は主として金融機関からの借入により調達します。
固定資産の貸借対照表計上額につきましては、事業収益性が低下し当該資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、減損の認識が必要となり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、前事業年度において2期連続で営業損失、経常損失及び当期純損失を計上し、当事業年度においては、30,737千円の営業利益を計上したものの、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスであり、本格的な業績の回復までには至っておりません。
これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していますが、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(4)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、当該重要事象等を解消、改善するための対応策を講じることにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析の検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善により、緩やかな回復基調で推移いたしましたが、米中貿易摩擦、金融市場の変動等による国内経済への影響など、依然として先行きは不透明な状況であります。
ホテル業界におきましては、各地で頻発する自然災害の影響で、一時的に減速の動きもみられましたが、アジア諸国を中心とする旅行需要に牽引され、訪日外国人客はこの5年間でおよそ3倍にまで膨らみ、2020年に年間4千万人を掲げる政府目標に向けて、当面順調に推移する見通しです。一方で、相次ぐ新規ホテルの開業、既存ホテルの改装、民泊の広がりなどにより、宿泊事業を取り巻く経営環境は、一段と厳しさを増しております。
このような経営環境の下、当社におきましては、新中期経営計画の実現に向け、諸施策に取り組んでまいりました。
設備面では、競争力の維持・向上のため、タワー館客室改装工事に着手し、全12フロアの内4フロアのリニューアルを完了いたしました。日本のクラシックホテル文化の継承という独自性を強く訴求する意匠にこだわり、世界的な和紙デザイナー堀木エリ子氏の監修の下、和紙による温かな照明を用いて、東洋と西洋が融合する上質でかつ、お客様に長く愛され続ける普遍的な空間を実現いたしました。また、2019年4月より稼働となります、ベーカリー工房の着工準備もすすめてまいりました。
営業面におきましては、課題となっておりました婚礼部門の売上改善策として、プロジェクト組織の設置、新規接客業務委託、プランナー研修の実施等により立直しを図りました。また、開業90周年記念事業としては、「豪華客船ノルマンディー号復刻メニュー」「9つの贈り物」など、オリジナリティある商品展開により、ブランド力の強化に努めてまいりました。さらに、2017年11月に設立した日本クラシックホテルの会につきましては、共同企画「カレーの旅スタンプラリー」などを展開し、クラシックホテルの魅力と存在感を高めました。また、同会への潜在的旅行需要を示す、クラシックホテルパスポートの販売も好調で、今後の集客増が期待されます。
この他、管理面におきましては、人手不足に対応すべく継続的な新卒採用により、人材確保・育成に取り組んでまいりました。また、近年頻発する自然災害に備え、災害発生時における事業継続計画(BCP)の策定と事業継続マネジメント(BCM)を構築し、その積極的な取り組みが評価され、政府が創設した「レジリエンス認証」を、宿泊業・飲食サービス業種として初めて取得いたしました。
以上のような事業を展開してまいりました結果、売上高は計画(2018年7月12日適時開示 業績予想値)に比べ、宿泊部門の客室単価上昇や販売室数増加、宴会部門の一般宴会件数増加などにより予想値を上回る結果となり、販売費及び一般管理費においても、人員配置等の見直しによる人件費の削減や、業務委託の見直しによるコスト削減に努めた結果、前事業年度の営業損失から営業利益へ、経常損失から経常利益へと黒字回復いたしました。当期純利益は、特別損失においてタワー館客室改装工事による固定資産除却損を計上したことにより、黒字回復には至りませんでした。
当事業年度の売上高は5,117,658千円(前事業年度比1.4%増)、営業利益は30,737千円(前事業年度は363,456千円の営業損失)、経常利益は22,519千円(前事業年度は367,914千円の経常損失)、当期純損失につきましては、35,206千円(前事業年度は4,092,892千円の当期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(ホテル事業)
ホテル事業の当事業年度の業績は、売上高5,060,512千円(前事業年度比1.4%増)、営業損失8,217千円(前事業年度は402,425千円の営業損失)となりました。
なお、主な部門別の売上高は、宿泊部門1,281,106千円(前事業年度比3.0%減)、食事部門1,445,366千円(前事業年度比1.2%減)、宴会部門1,953,020千円(前事業年度比7.0%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業の当事業年度の業績は、売上高57,146千円(前事業年度比0.1%減)、営業利益38,954千円(前事業年度比0.0%減)となりました。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。
当社の財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当事業年度末における資産合計は8,389,744千円(前事業年度末比280,365千円増)となりました。主な要因は現金及び預金172,581千円の減少や、有形固定資産441,747千円の増加であります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は5,418,418千円(前事業年度末比145,006千円増)となりました。主な要因は短期借入金385,000千円の増加や、未払金81,243千円の減少、未払消費税等162,036千円の減少、長期借入金380,000千円の増加、退職給付引当金154,576千円の減少、役員退職慰労引当金135,525千円の減少であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,971,325千円(前事業年度末比135,358千円増)となりました。主な要因は資本金1,451,778千円の減少、資本剰余金2,624,592千円の減少や、利益剰余金4,057,685千円の増加、自己株式162,407千円の減少であります。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ172,581千円減少し、424,268千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の減少は292,828千円(前事業年度は534,416千円の増加)となりました。主な減少要因は、未払消費税等の減少額162,036千円、退職給付引当金の減少額154,576千円、役員退職慰労引当金の減少額135,525千円であり、主な増加要因は減価償却費310,325千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は817,533千円(前事業年度は108,524千円の減少)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出823,936千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の増加は937,780千円(前事業年度は448,641千円の減少)となりました。主な増加要因は、短期借入金の純増減額による増加385,000千円、長期借入れによる収入1,000,000千円、自己株式処分による収入173,039千円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出620,000千円であります。
当社の資金需要のうち主なものは、設備投資資金のほか、食材等の仕入や人件費等の販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社は、運転資金につきましては自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入金を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金残高は2,945,000千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は424,268千円となっております。
「2.事業等のリスク」に記載のとおり、当社は前事業年度までに2期連続で営業損失、経常損失及び当期純損失を計上し、当事業年度においては30,737千円の営業利益を計上したものの、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスであり、本格的な業績の回復までには至っていないことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。しかしながら、婚礼事業強化のため外部企業によるブライダルビジネス支援及び教育研修を実施し、接客業務の顧客満足度向上や業務効率化により収益力の向上を図るとともに、人員配置等の見直しによる人件費の削減や業務委託の見直しによるコスト削減に努めることにより、営業黒字を継続し、当該重要事象等が早期に解消されるよう取り組んでおります。さらに、当事業年度末において現金及び預金424,268千円を保有し、また、運転資金の効率的な調達のために主要取引銀行と当座貸越契約を締結するなど、必要な資金枠を確保し、資金面においても支障はないものと判断しております。
以上より、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。