第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

  今後の見通しにつきましてわが国を取り巻く環境は、世界規模で拡大する新型コロナウイルスの変異株には引き続き警戒が必要で、感染動向により再び行動制限を余儀なくされる可能性もあり、景気の下振れリスクは大きく先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

ホテル業界においては、訪日外国人旅行の本格的な需要回復は見込みづらく、国内においても、団体旅行・法人宴会の需要回復に遅れが見られ、厳しい経営環境が継続するものと推測されます。

このような情勢下で当社は、GoToトラベル事業の再開時期など、市場動向を鑑みながら各種プロモーションを展開し集客に努めるとともに、タワー館高層階のスイートルーム等の高カテゴリー客室については一部修繕を行い、需要回復期における高単価商品の販売により収益向上を目指してまいります。

また、当社は本年4月の東京証券取引所の市場区分見直しにより、スタンダード市場に移行いたします。同市場ではより高度なガバナンス水準並びに持続的な成長と中長期的な企業価値の向上が求められるため、昨年新設のサステナビリティ推進室を中心にSDGsの目標達成に向けた取組みにより、持続的成長とさらなる企業価値向上を目指して、懸命に邁進してまいる所存でございます。株主の皆様におかれましては、今後ともなお一層のご支援ご協力を賜りますようお願い申しあげます。

 

 

 

 

第144期(結果)

2021年11月期

第145期(目標)

2022年11月期

前事業年度比

売上高

3,195,670千円

3,637,000千円

113.8%

営業損失(△)

△742,139千円

△883,000千円

 

            (注) 第145期(目標)2022年11月期より、収益認識に関する会計基準を適用しております。

                なお、営業損失(△)に与える影響はありません。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

(1)自然災害や感染症の発生

大規模地震や台風などの自然災害の発生は、当社の所有する建物、設備等に損害を及ぼし、一時的な営業停止による売上減や修復のための費用負担が発生する可能性があります。また、新型インフルエンザなどの感染症の発生や蔓延は、遠距離移動や団体行動の制限が予想され、当社の業績に影響する可能性があります。

(2)食の安全に関わる問題

当社は、平素より食に対する安全確保を使命とした「食品安全衛生対策会議」を毎月開催するなど、食品衛生管理には磐石な体制を構築しておりますが、ノロウイルスによる食中毒やBSEの発生等、食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、当社の業績に影響する可能性があります。

(3)個人情報の漏洩

顧客の個人情報の管理は、社内の情報管理担当が中心となり、外部への流出防止を行っておりますが、情報の漏洩が発生した場合、当社全体への信用の失墜や損害賠償等の費用負担により、当社の業績に影響する可能性があります。

 (4)固定資産の減損

当社は客室改装などによりホテルを営業施設として維持していくための設備投資が必要になります。設備投資資金は主として金融機関からの借入により調達します。

固定資産の貸借対照表計上額につきましては、事業収益性が低下し当該資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、減損の認識が必要となり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (5)継続企業の前提に関する重要事象等

 当社は、前事業年度において営業損失、経常損失及び当期純損失を計上いたしました。また、当事業年度においても、タワー館底地の不動産譲渡に伴う固定資産売却益1,390,000千円を計上したことにより、当期純利益1,319,982千円を計上したものの、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に伴う営業時間短縮の影響などにより、営業損失742,139千円、経常損失468,692千円を計上し、本格的な業績回復までには至っていないことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

しかしながら、事業面においては、各部門における収益力向上のための施策を実施することにより収益を確保していくとともに、人員配置等の見直しや業務効率化等による人件費や業務委託費のコスト削減に努めることにより、営業黒字を回復し、当該重要事象等が早期に解消されるよう取組んでまいります。

具体的な各部門の施策としては、宿泊部門では研修等の実施によるサービス力の向上や客室内備品の見直し等による客室の品質向上、宴会部門では営業体制の強化による顧客確保、そしてレストラン部門では市場動向を踏まえた的確な商品展開やメディア利用による集客力向上を実施してまいります。

さらに、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況において、レストランでのテイクアウト料理の販売や、オンラインショップの拡充など、サービス向上に努めております。

また、資金面においても、当事業年度末において現金及び預金2,719,631千円を保有し、運転資金の効率的な調達のために主要取引銀行と当座貸越契約を締結し、必要な資金枠を確保しており、支障はないと判断しております。

以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析の検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 (1) 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響で世界経済が低迷する中で、ワクチン接種の促進等により景気持ち直しの動きも見られましたが、概して大変厳しい状況が継続しました。

ホテル業界においては、GoToトラベル事業の停止や渡航制限に伴うインバウンド需要の消失、酒類提供並びに大人数会食の自粛、イベント行事の中止・無観客開催などを背景に、様々な制約が事業領域に直接影響し、極めて深刻な経営環境が続きました。9月末の緊急事態宣言解除後は、明るい兆しも見え始めましたが、新たな変異株の出現と各国での急激な拡大により、先行き不透明な状況にあります。

このような環境の中で当社は、お客様と従業員の安全確保を最優先に考え、従業員とその家族、関係取引企業の希望者全員にワクチン職域接種を実施するとともに、ホテル館内施設についても各種感染防止対策を徹底し、衛生かつ安心安全な環境整備に取り組んでまいりました。

営業面では、新しい生活様式の浸透により社会的価値観が変容する中で、テレワーク・ワ―ケーションなど、働き方改革の需要に応じた「おこもりステイプラン」や、従来型結婚式に代わるニーズを捉えた「フォトウェディング」が好評を博すなど、新たなホテル活用を提案する様々な商品を展開してまいりました。また、まん延防止等重点措置発令下での開催となった、2021世界トライアスロンシリーズ横浜大会では、大会オフィシャルホテルとして選手、関係者の受け入れにあたり感染防止対策に万全を期し、結果ひとりの陽性者も出さずに大会を終える成功裏にその使命を完遂しました。このほか、テイクアウト商品・自社オンラインショッピング等の外販事業の強化、拡充を図るとともに、多様化するモバイル端末を踏まえ、公式ホームページのレスポンシブデザインへの変更や、当社顧客管理システム「横浜ニューグランドクラブWEB入会システム」の導入など、お客様の利便性向上にも努めてまいりました。

 管理面においては、勤怠管理システムの導入により、時間外勤務及び適正人員配置のコントロール等、労務管理の効率化を進めるとともに、雇用調整助成金等の各種助成金を受けながら、従業員の雇用と事業基盤の維持に努めてまいりました。また、SDGsへの取り組みとしては、新たに社長直轄組織となる「サステナビリティ推進室」を設置し、持続可能な社会の実現に向けた全社レベルでの推進体制を構築し、事業を通じた社会課題の解決と持続的な企業価値の向上を目指してまいりました。

以上のような施策を展開してまいりました結果、当事業年度の売上高は3,195,670千円(前事業年度比4.4%増)、営業損失は742,139千円(前事業年度は885,087千円の営業損失)、経常損失は468,692千円(前事業年度は785,581千円の経常損失)となりましたが、ホテルタワー館底地の不動産譲渡に伴う固定資産売却益1,390,000千円を計上したことなどにより、当期純利益は1,319,982千円(前事業年度は1,095,337千円の当期純損失)となり、黒字転換いたしました。

 

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(ホテル事業)

ホテル事業の当事業年度の業績は、売上高3,144,698千円(前事業年度比4.6%増)、営業損失778,990千円(前事業年度は923,066千円の営業損失)となりました。
 なお、主な部門別の売上高は、宿泊部門741,258千円(前事業年度比12.5%減)、レストラン部門1,008,231千円(前事業年度比2.2%増)、宴会部門1,122,823千円(前事業年度比21.5%増)となりました。
(不動産賃貸事業)

不動産賃貸事業の当事業年度の業績は、売上高50,972千円(前事業年度比6.1%減)、営業利益36,851千円(前事業年度比3.0%減)となりました。

 

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前事業年度

(自 2019年12月1日

    至 2020年11月30日)

当事業年度

(自 2020年12月1日

    至 2021年11月30日)

金額(千円)

金額(千円)

ホテル事業

3,006,464

3,144,698

不動産賃貸事業

54,256

50,972

合計

3,060,721

3,195,670

 

(注) 上記の金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。

 

当社の財政状態は、次のとおりであります。

(資産)

資産合計は8,073,996千円(前事業年度末比197,044千円増)となりました。主な要因は現金及び預金2,177,199千円の増加や、売掛金31,265千円の減少、未収消費税等37,372千円の減少、有形固定資産2,041,100千円の減少、投資その他の資産115,739千円の増加であります。

(負債)

負債合計は4,878,298千円(前事業年度末比1,128,287千円減)となりました。主な要因は短期借入金1,200,000千円の減少や、1年内返済予定の長期借入金224,000千円の減少、未払消費税等36,973千円の増加、長期借入金683,000千円の増加であります。

(純資産)

純資産合計は3,195,698千円(前事業年度末比1,325,331千円増)となりました。主な要因は当期純利益1,319,982千円などであります。

 

 (2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ2,177,199千円増加し、2,719,631千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動による資金の減少は35,217千円(前事業年度は758,870千円の減少)となりました。主な減少要因は、固定資産売却益1,390,000千円であり、主な増加要因は、税引前当期純利益867,948千円、減価償却費296,016千円などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動による資金の増加は2,966,684千円(前事業年度は81,619千円の減少)となりました。主な増加要因は、有形固定資産の売却による収入3,163,430千円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動による資金の減少は754,267千円(前事業年度は1,001,546千円の増加)となりました。主な減少要因は、短期借入金の純減額1,200,000千円、長期借入金の返済による支出541,000千円であり、主な増加要因は、長期借入れによる収入990,000千円などによるものであります。

 

 (3)資本の財源及び資金の流動性

当社の資金需要のうち主なものは、設備投資資金のほか、食材等の仕入や人件費等の販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

当社は、運転資金につきましては自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入金を基本としております。

なお、当事業年度末における借入金残高は2,804,000千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,719,631千円となっております。

 

 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 固定資産の譲渡及び賃借について

 当社は、2021年7月12日開催の取締役会において、下記の通り保有する不動産を譲渡及び賃借することを決議し、2021年8月6日に土地売買に係る契約を締結し、2021年9月30日に物件の引き渡しを行っております。

 

(1)譲渡及び賃借の理由

 経営資源の有効活用と財務体質の向上を図るため実施するものであります。

 

(2)相手会社の概要

 名称:SMFLみらいパートナーズ株式会社

 所在地:東京都千代田区大手町一丁目5番1号

 代表者の役職・氏名:代表取締役社長 寺田達朗

 ※当社との間に、資本関係、人的関係、取引関係、関連当事者として特記すべき事項はありません。

 

(3)譲渡及び賃借資産の概要

 譲渡及び賃借資産の種類、使途:ホテルタワー館底地

 所在地:横浜市中区山下町9番地

 土地面積:1,432.92㎡

 

(4)譲渡及び賃借の日程

 2021年9月30日

 ※賃借期間は賃借開始日より30年間です。

 

(5)譲渡価額等

 譲渡価額:3,100,000千円

 帳簿価額:1,710,000千円

 

(6)損益に与える影響

 当該固定資産の譲渡に伴い、当事業年度におきまして、固定資産売却益1,390,000千円を特別利益として計上いたしました。

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。