第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

  今後の見通しにつきまして、当社を取巻く経営環境は、国内旅行需要が回復傾向にあるものの、変異株による感染再拡大の懸念や、長期化するウクライナ情勢等の地政学リスクのほか、資源価格の高騰や為替リスクなど、国内景気を後退させる要因も潜んでおり、不透明な状態が続くものと予測されます。また、今後の見通しとしては、水際対策の大幅緩和と円安効果に加え、中国のゼロコロナ政策撤廃により、訪日外国人旅行の本格的な需要回復に期待感が高まりますが、宿泊・飲食業種への就業敬遠が進む中、人材確保に腐心する状況が続くものと思われます。

このような状況のもと当社は、脱コロナによる旅行需要を、しっかりと受け止める体制づくりが最重要課題と考え、「人材が集まり、離れていかない、魅力的な職場づくり」を確立すべく、事業基盤を固めてまいります。新卒を対象とする定期採用については、これまで以上に拡大すると共に、即戦力として期待できる中途採用も積極的に行い、優秀な人材の確保に努めてまいります。

また、人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上に繋げる「人的資本」の情報開示が義務化される中で、女性活躍の推進や中核人材の育成等についても積極的に取組んでまいります。併せまして、従業員の労務環境の改善と、問題の早期発見・解決のために、コンプライアンス体制の強化が重要課題であると認識し、社内研修等を通じたコンプライアンス意識の定着も図ってまいります。

営業面では、昨年度末に、ホテルの歴史、施設、名物料理、周辺観光等について豊富な知識と接遇力を有するスタッフを、「ニューグランドマイスター」として認定する制度を新設いたしましたので、今後はそのスキルを活かした様々な商品を展開してまいります。このほか、クラシックホテルの強みを活かした競合他社との差別化を柱に、高付加価値な商品とサービスの提供により、ブランド価値向上と収益性を高めてまいります。

持続的成長とさらなる企業価値向上を目指し、脱炭素やデジタル化など急速な社会変化にも対応すべく、サステナビリティ経営の推進により、黒字転換に向けて懸命に邁進してまいる所存でございますので、株主の皆様におかれましては、今後ともなお一層のご支援ご協力を賜りますようお願い申しあげます。

 

 

 

 

第145期(結果)

2022年11月期

第146期(目標)

2023年11月期

前事業年度比

売上高

4,281,960千円

5,060,000千円

118.2%

営業利益又は営業損失(△)

△385,375千円

105,000千円

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

(1)自然災害や感染症の発生

大規模地震や台風などの自然災害の発生は、当社の所有する建物、設備等に損害を及ぼし、一時的な営業停止による売上減や修復のための費用負担が発生する可能性があります。また、新型インフルエンザなどの感染症の発生や蔓延は、遠距離移動や団体行動の制限が予想され、当社の業績に影響する可能性があります。

(2)食の安全に関わる問題

当社は、平素より食に対する安全確保を使命とした「食品安全衛生対策会議」を毎月開催するなど、食品衛生管理には磐石な体制を構築しておりますが、ノロウイルスによる食中毒やBSEの発生等、食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、当社の業績に影響する可能性があります。

(3)個人情報の漏洩

顧客の個人情報の管理は、社内の情報管理担当が中心となり、外部への流出防止を行っておりますが、情報の漏洩が発生した場合、当社全体への信用の失墜や損害賠償等の費用負担により、当社の業績に影響する可能性があります。

 

 (4)固定資産の減損

当社は客室改装などによりホテルを営業施設として維持していくための設備投資が必要になります。設備投資資金は主として金融機関からの借入により調達します。

固定資産の貸借対照表計上額につきましては、事業収益性が低下し当該資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、減損の認識が必要となり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 (5)継続企業の前提に関する重要事象等

当社は、前事業年度においてタワー館底地の不動産譲渡に伴う固定資産売却益1,390,000千円を計上したことにより、当期純利益1,319,982千円を計上したものの、営業損失及び経常損失を計上いたしました。また、当事業年度においても、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に伴う影響などにより、営業損失385,375千円、経常損失323,478千円及び当期純損失349,201千円を計上し、本格的な業績回復までには至っていないことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
 しかしながら、事業面においては、各部門における収益力向上のための施策を実施することにより収益を確保していくとともに、人員配置等の見直しや業務効率化等による人件費や業務委託費のコスト削減に努めることにより、営業黒字を回復し、当該重要事象等が早期に解消されるよう取り組んでまいります。
 具体的な各部門の施策としては、宿泊部門では研修等の実施によるサービス力の向上や客室内備品の見直し等による客室の品質向上、宴会部門では営業体制の強化による顧客確保、そしてレストラン部門では市場動向を踏まえた的確な商品展開やメディア利用による集客力向上を実施してまいります。
 さらに、新型コロナウイルス感染症が拡大した状況においては、レストランでのテイクアウト料理の販売や、オンラインショップの拡充など、サービス向上に努めております。
  また、資金面においても、当事業年度末において現金及び預金2,203,609千円を保有し、運転資金の効率的な調達のために主要取引銀行と当座貸越契約を締結し、必要な資金枠を確保しており、支障はないと判断しております。

以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析の検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 (1) 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の第7波といわれる感染再拡大の影響もありましたが、社会経済活動を維持する対策により、景気に持ち直しの動きが見られました。一方、ウクライナ情勢に伴う資源価格の高騰や、世界的なインフレ並びに急激な円安進行等による景気の下振れリスクを残し、依然として先行きは不透明な状況で推移しました。

ホテル業界においては、行動制限緩和が拡大する中で、自粛生活の反動や、政府の観光促進策「全国旅行支援」と水際対策の大幅緩和等の追い風を受け、コロナ前の水準まで回復基調に転じました。しかしながら各種コスト上昇や、宿泊・飲食サービス業種での深刻な人手不足を背景に、引き続き厳しい事業環境下に置かれています。

このような環境において当社は、3回目のワクチン職域接種の実施と、従業員の健康・衛生管理の徹底のほか、様々な感染防止対策により、引き続き感染リスクの低減を図ってまいりました。

営業面では、ポストコロナを見据えた取組みとして、安心・安全にホテルをご利用いただくための設備改善と、原価高騰など社会情勢の変化に伴う品質の維持・向上のため、2022年7月1日よりサービス料を10%から15%に改定し、収益基盤を強化いたしました。また、全国旅行支援等により急回復する旅行需要と高額消費旅行者が増加する中で、高層階客室の一部とクラブラウンジの改修工事完了により、高単価・高付加価値商品を拡充させ、収益力を高めました。このほか、コロナ禍で変容するライフスタイルと市場動向を踏まえ、ピーターラビットのコラボレーション企画や、季節や行事に応じたアフタヌーンティーなど“映える”商品とSNSを駆使したプロモーション戦略の展開により、顧客層拡大と収益向上を図りました。

 管理面では、サステナビリティの実現に向けた社会課題への対応として、地域共生活動の推進、ペーパーレス化によるCO2及びコスト削減、ロスフラワープロジェクトへの取組み等が評価され、横浜市認証制度「Y-SDGs」の上位認証となる「スーペリア」を取得すると共に、環境配慮に優れた宿泊施設を評価する「エコマークホテル」の認証を取得いたしました。また、人手不足解消への糸口として、女性管理職登用を促進し、優秀な中核人材の確保・育成を図りました。

 以上のような施策を展開してまいりました結果、当事業年度の売上高は、4,281,960千円(前事業年度比34.0%増)、営業損失は385,375千円(前事業年度は742,139千円の営業損失)、経常損失は323,478千円(前事業年度は468,692千円の経常損失)、当期純損失は、349,201千円(前事業年度はホテルタワー館底地の不動産譲渡に伴う固定資産売却益等により、1,319,982千円の当期純利益)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(ホテル事業)

ホテル事業の当事業年度の業績は、売上高4,234,272千円(前事業年度比34.6%増)、営業損失421,515千円(前事業年度は778,990千円の営業損失)となりました。
 なお、主な部門別の売上高は、宿泊部門1,149,651千円(前事業年度比55.1%増)、レストラン部門1,201,377千円(前事業年度比19.2%増)、宴会部門1,557,702千円(前事業年度比38.7%増)となりました。
(不動産賃貸事業)

不動産賃貸事業の当事業年度の業績は、売上高47,687千円(前事業年度比6.4%減)、営業利益36,139千円(前事業年度比1.9%減)となりました。

 

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前事業年度

(自 2020年12月1日

    至 2021年11月30日)

当事業年度

(自 2021年12月1日

    至 2022年11月30日)

金額(千円)

金額(千円)

ホテル事業

3,144,698

4,234,272

不動産賃貸事業

50,972

47,687

合計

3,195,670

4,281,960

 

 

当社の財政状態は、次のとおりであります。

(資産)

資産合計は7,737,887千円(前事業年度末比336,109千円減)となりました。主な要因は現金及び預金516,021千円の減少や、売掛金102,719千円の増加、有形固定資産62,725千円の増加、投資その他の資産10,465千円の増加であります。

(負債)

負債合計は4,885,227千円(前事業年度末比6,929千円増)となりました。主な要因は買掛金27,346千円の増加や、未払金165,812千円の増加、未払費用51,966千円の増加、長期借入金245,000千円の減少であります。

(純資産)

純資産合計は2,852,659千円(前事業年度末比343,038千円減)となりました。主な要因は当期純損失349,201千円などであります。

 

 (2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ516,021千円減少し、2,203,609千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動による資金の増加は2,769千円(前事業年度は35,217千円の減少)となりました。主な増加要因は、減価償却費283,528千円であり、主な減少要因は、税引前当期純損失346,754千円などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動による資金の減少は294,336千円(前事業年度は2,966,684千円の増加)となりました。減少要因は、有形固定資産の取得による支出294,336千円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動による資金の減少は224,454千円(前事業年度は754,267千円の減少)となりました。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出221,000千円などによるものであります。

 

 (3) 資本の財源及び資金の流動性

 当社の資金需要のうち主なものは、設備投資資金のほか、食材等の仕入や人件費等の販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

 当社は、運転資金につきましては自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入金を基本としております。

 なお、当事業年度末における借入金残高は2,583,000千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,203,609千円となっております。

 

 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。